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防水担当の日誌

雨漏りしにくいウレタン屋上防水の仕組み

By 屋上防水, 防水担当の日誌

塗装職人の施工の場合、よく行う種類の施工としてウレタン防水が半数以上を占めます。
ウレタン防水の特徴としては施工時が液状です。

マンションやビルの屋上は必ずしも平坦ではありません。アンテナ架台やフェンスの架台、トップライトなど様々な凹凸のある設備基礎的なものがあります。防水工事の種類はウレタン防水のほかに「シート防水」「アスファルト防水」「FRP防水」など様々な種類がありますが、この凹凸がある屋上には基本ウレタン防水が適しています。
液状化のため凹凸があっても継ぎ目のない施工が出来るからです。

 

もちろん現状の下地の状況によって、施工が出来るか出来ないかの判断はありますし、他の防水工事である塩ビシート防水やトーチ工法でも施工事例はあります。
ただ防水工事をしても一番雨漏り発生の確率が高いのは屋上の一番端に当たる端末部分やこの継ぎ目から漏水してしまう事です。

他の防水工事では、継ぎ目の処理は熱源や溶剤で材料を溶解する方法をとるため雨漏りすることはまずないと良いのですが、仮に万一1ミリにでも融着などの施工ミスがあれば雨水は侵入してきます。施工時が液状のウレタンの場合はジョイント部に隙間を生じさせてしまう施工ミスは非常に考えにくいです。

それでも他の防水工事を選択する理由は、屋上の上をよく歩くか歩かないかです。
歩行にも点検程度の歩行や居住者が多くが歩く場合などで大きな違いはありますが、より多く歩行する場合は塩ビシートやアスファルトやシート防水の方が適していたりする場合もあります。
バルコニーやベランダで洗濯する場合の歩行程度であれば全く問題ありません。

また通気緩衝工法のウレタン防水の場合、クラックなど現状の下地が荒れているなどしてもウレタンの防水層とモルタル下地との間に「通気緩衝シート」を敷き込むことによってゴム化したウレタンも下地からの影響を受けずに耐久性のある防水工事をすることが出来ます。

その他のメリットとしては、もしも部分的に雨漏りなどで補修の必要性が出できた場合、ウレタン防水は液状施工ならではのメリットを発揮します。
屋上防水のトラブルとしてはふくれというものもあります。下地内部の湿気が水蒸気となって防水層を押し上げてしまう現象です。

我が塗装職人でも多用しているサラセーヌの通気緩衝工法にはQV工法やAV工法などがありますが、いずれも水蒸気は緩衝シートにある通気層や経路を通って脱気筒から排出されるためふくれが起きることを防止します。

施工的にはウレタンの厚みも耐久性には重要な要素の一つです。
アスファルト防水やシート防水などは、いわば製品を現場で取り付ける作業なのでどの屋上で施工をしても”防水材料の品質”には差はありませんが、液状のウレタンの場合は層の厚みで質が変わってきます。

要は職人の作業によってウレタンの厚みが変わってきます。
施工時ウレタンを流す際はコテやヘラなどで塗布していきますが職人の腕によって質が変わるため施工によっては耐久性にも差が出たりすることがあります。

紫外線から保護するため一番上に塗装するトップーコートで施工上の品質に差が出てくることは少ないと言えますが、ウレタンの1層目と2層目の厚み確保は重要です。
ちなみに塗装職人ではその厚みがわかるよう実物施工の見本も店舗に展示しています。

マンション補修塗装工事とクオリティを求める工事とは

By コンクリート, タイル, 外壁, 防水担当の日誌

前回の工事の続きとなります。今回はいよいよ本番の塗装工事です。

塗装工事をする際に、いつもお客様の問題点を補修できる工事内容ができれば…と考えていますが、そこにはさまざまな方法と材料の種類があります。

今回は、そんな工事の方法と費用の関係性についてのお話です。

〔関連記事:前回のブログ〕

雨漏り補修を視野にいれた塗装工事前の作業とは

鉄板屋根の塗装 

 

鉄板屋根の塗装は、ただ屋根を塗装するだけではなく屋根用のフックボルトの防水パッキン、俗に言う止水パッキンの防水処理もします。

なぜなら、止水パッキンは日差しで劣化するからです。

また、屋根を止めているフックは鉄素材なので、サビ予防のためにフックボルトキャップなどが必要になりますが、屋根が広ければ広いほどものすごい数のフックボルトキャップ交換となりますので、そこには費用がかかってきます。

このフックボルトキャップ、職人の手でひとつひとつ被せて止めていくため、非常に手間も時間もかかり、よほど潤沢な工事費用が出ない限り難しい方法です。

そこで、でてくるのがソフトクリーム状にフックにシリコンを被せて覆う工事となります。

フックボルトキャップよりも費用を抑えることが可能です。

とはいえ、フックボルトキャップとまったく同じ効果かというと、そこは違います。

例えるのであれば、うなぎにも松竹梅があるように、フックボルトの工事にも松竹梅があるといえばお分かり頂けますでしょうか。

すべておいしく食べられるうなぎではありますが、等級が違う。

つまり、同じフックボルトの保護だとしても、その効果はやや違うのです。

 

それでも、まったくやらないよりは遙かに効果を発揮します。

予算ももちろんではありますが、目的に見合った工事が何よりも大切です。

〔関連動画:折板屋根を塗装技能士の塗装職人が施工しました〕

 

外壁の塗装

 

外壁は、タイル面をセブンSS、ALC面にはラジカル制御型塗料で塗装を行いました。セブンSSは、タイルの上にゼリー状の膜ができるような仕上がりになるため、タイルの割れを防ぐことが可能に。これは通常のタイル塗装よりもタイルを守る効果がアップしますが、もちろん通常よりも費用がかかり、見た目がすこしでこぼこした仕上がりになるためお客様によっては選ばれない方も。

それでも、この先10年タイル割れを回避したいのであれば、この工法はベストだと言えます。

また、タイルの壁面は目地が少なく割れやすい状態だったので、目地を作り力の逃げ場を設けることで割れを軽減できるようにしました。

こうすることで、さらにセブンSSの効果を向上させることができます。

〔関連動画:セブンSSの施工動画〕

そして、ALC壁部分の塗装は通常の弾性塗料ではなく、ラジカル制御型の塗料、つまりは壁の表面でおこるチョーキング現象を抑える効果に秀でた塗料を選びました。

そもそも、このチョーキング現象とはなんでしょう。

 

たまに壁の表面を触ると、まるでチョークのような白い粉が手や服についたことはありませんか?あれがチョーキング現象です。

壁に塗料の中にある酸化チタンに紫外線が当たることでラジカルが発生し、これが元で壁の劣化状態であるチョーキング現象を引き起こすのです。

〔関連記事:劣化と補修 チョーキング〕

劣化症状

外壁塗料の劣化は、雨などをはじく力が弱まり水の浸入を許し、雨漏りの可能性がでてきます。

こうした紫外線による壁の劣化を抑えるための塗料が、ラジカル制御型塗料なのです。

いろいろな塗料がありますが、外壁の紫外線の当たり具合や状態を考えると、これもお客様が選択できる範囲の中でベストだったと言えます。

ちなみに廊下天井の塗装もしていますが、こちらは同じ白で塗っているものの、別種類の塗料となります。

なぜなら、天井は水蒸気やタバコのヤニなどが付きやすいため、透湿性に特化した塗料が必要なのです。

これで外壁の塗装は終了となります。

次は、高架水槽といったイレギュラーかつ、マンションなどでは多い塗装内容についての紹介です。

より塗装効果を高めるための工事をしましたので、ご覧ください。

 

高架水槽の塗装

 

高架水槽の塗装は、専用仕様の塗料となります。

日本ペイントから発売されている、紫外線を通さないタイプのもので、下塗り剤、上塗り剤ともに専用の塗装方法があるのです。

また、ここでは金属部分の補修にサビスタを使いました。

サビスタとは、金属が組み合わさっていてサビを落とすためのケレンが出来ない場所でも、錆止めの効果が期待できる材料です。

 

高架水槽はそもそも中に水をためるもので屋外設置のため、サビは大敵。

鉄骨階段などにもこのサビスタは使われるのですが、錆止めとは持ちが違います。

ちなみにいわゆる錆止めは、サビを遅らせるだけで、完全に阻止するわけではありません。

仕様書をよく読むと、補修塗りが必要で2回錆止めを塗る必要があると書いてあります。

さらに、この錆止めは2年に1回塗装が必要です。

 

鉄部は建物の至る所に使われているため、その度に足場を組む必要がでます。

これでは、いくらお金がかかるかわかりません。

このサビスタは、錆止めに比べれば値段の高い材料です。

しかし、2年に1回足場を建てて錆止めを塗り直す工事をすることを考えれば、ケレン補助材サビスタのほうが安いと言えます。

しかも錆止めの場合は、きっちりケレンをかけていないところは、錆止め材が上手く塗装面に乗りません。

ここでも、サビスタの方に軍配があがります。

金額=クオリティというわけではありませんが、高い薬剤には高いなりの効果があるのです。

 

塗装工事でつかう塗料と費用の関係性とは

 

前回のブログも含めて、屋根、ALC、タイル、廊下天井、高架水槽などそれぞれ、箇所にあった塗装というものがあると紹介して参りました。

実は、外壁や屋根などさまざまな箇所のトラブルに対応する補修材や塗料というのは、数多く良いものがあります。

僕は、いつもさまざまな塗料について勉強をしています。

 

お客様に最適な塗料や補修剤をご提案できるように、材料についてメーカーに話を聞きに行き、実際使っている職人にも意見を求め、工事後の家の状態や経過などにも注目します。

ある意味、塗装工事における薬剤師のようなことができればと考えているからです。

〔関連動画:この工事の全行程〕

 

お客様の直したい箇所を聞き、そこに適切な塗料をご提案する。

こうした提案の最大の妨げは、ディスカウントを求められることです。

なぜか、塗装工事というのは安いところでお得に工事をするのが重要視されています。

もちろんボッタクリと言われるような悪質な業者もありますので、お客様が業者を選ぶ際に肩の力が入ってしまうことは分かるのですが、弊社の場合はこうしたブログや、これまで積み重ねてきた会社としての歴史や経験、工事や材料についての知識といった、「塗装職人ブランド」があります。

ですので、提案した工事を「安くしてよ」と言われてしまうと、その安さ合わせになり、安価な材料と工事方法をとるしかないのです。

 

なぜなら、400円だして安い牛丼を食べられたとしても、400円で高級料亭のすき焼きは食べられませんよね?

高級料亭に行って、「400円ですき焼き食べさせてよ」と言ったとして、だれが喜んで出してくれるでしょうか?

少なくとも、食材の質を落とさずに400円ですき焼きを出したら数日で店が傾いてしまうでしょう。

塗装も同じです。高い材料を使う以上は工事費用も高くなるのです。

 

もしも、サビスタなどそれなりの金額の材料を使っているのに、安い工事費を業者から提案されたら、それこそ疑わなければなりません。

それは、希釈して薄く塗っている可能性があるからです。

どんな業者も、自分の会社がマイナスになってまで仕事をしたいという人はいません。

 

きちんと対価が支払われるからこそ、職人は良い仕事をしますし、会社も成り立ちます。

サビスタは先ほども書きましたように、非常に優れた材料なのでそれなりの費用がかかります。それなのに、他と比べて工事費用が安い場合は、薄めたり薄く引き延ばしたりして使っている可能性が……。

クオリティを求めるのであれば、それなりのお金を掛けることは必要です。

 

僕は、お客様に提案する際に高い材料から提案するということはしません。

必ず、結果を出すために最良の方法を提案します。無駄にお金や手間をかけるようなことをしても、それは家のためにはならないからです。

今回の塗装工事も、各所に合った塗料をいろいろと提案させて頂きました。

お客様が、それぞれの工事に見合う金額を了承され選ばれたことで、今回さまざまな工夫を凝らした塗装が可能になったのです。

〔関連記事:今回の工事・足場設置前〕

足場を建てる前の準備 植木の剪定と現場の確認

塗装職人の工事は、高い塗料を売りつけ、わーーーっと勢いで工事を決断させるようなことはしません。

必ず、しっかりと説明し、考える時間をたっぷりと取り、お客様に判断をお任せします。

それが、良い工事をするために大切なことだからです。

 

僕はいつも、雨漏り工事の依頼をされると「止められるか分かりません」とお答えします。

一見、無責任な言葉に聞こえるかもしれませんが、実はこの言葉の裏では「なんとしても止めたい!原因を突き止めたい!でもプロであるがゆえにこれだけ難しい雨漏りについて適当なことは言えない」と考え、絞り出したのが「止められるか分かりません」なのです。

〔関連動画:担当した防水工事〕

いつでもプロとして、最良の方法を提案します。

それが職人としてのプライドだからです。

これからも塗装職人の品質を実感して頂けるよう、がんばりたいと思います。

 

雨漏り補修を視野にいれた塗装工事前の作業とは

By コンクリート, タイル, 外壁, 防水担当の日誌

前回ご紹介しましたマンションの補修塗装工事の続きです。
今回は下地調整、そして雨漏り補修についてのお話をいたします。

こちらの建物は前回もお話したとおり、建物の前面がRを描いている壁のため足場を建てるのに非常に苦労をしました。

また、壁がALC造になっているのですが、通常のALCよりも造りが複雑で、足場を建てるためのアンカーが打てないため、気をつけなければならないことが…。
そんな難しい現場なので、塗装前の補修工事をするにあたって慎重かつさまざまな工夫をしました。

 

〔関連記事:前回のブログ 足場を立てる前の準備〕

足場を建てる前の準備 植木の剪定と現場の確認

 

足場つなぎの打てない外壁で難しいこととは

通常足場を建てる際には、『足場つなぎ』…つまりは壁に足場を固定させるためのアンカーが必要となります。
しかも今回は、壁面がR状でしたので尚更です。しかし壁自体が脆い状態で、ALC用のアンカーさえも打てず、補助をいれずに足場を建てることになりました。


そのため、足場が風にあおられないよう、張り巡らすメッシュシートを小まめに巻き上げるなどが必要です。
メッシュシートは、工事が続く場合は張ったままでもいいのですが、工事と工事の合間で間隔が空く場合や、ゲリラ豪雨がありそうな時や、台風予想がでた時はメッシュシートを巻き上げます。

アンカーが打てないからこそ、そうした細かな作業が安全な工事をするために重要なのです。

〔関連動画:足場のアンカーを説明〕

補修工事前の必須調査とは

さて、高層の建物は足場を建てたあとすぐに行うことがあります。それはパルハンマーを使って行う調査です。この調査では、塗装面が下地から剥離しているのかを調べます。
調べることで、補修が必要な箇所が明確になるのです。

見積もりの際に、家のまわりをぐるりとまわり外壁のクラックなどを見ておおよその補修箇所の予想をたてるのですが、これはあくまでも見込みで、建物を覆うタイルの割合などから爆裂の数を計算で出しています。

〔関連動画:パルハンマーを使った調査〕

補修工事はあくまでも実数精算のため、予想とは費用が違う場合も…。
しかし、こうした工事すべき場所をしっかりと家の傷んでいるところを把握することが大切です。
把握した上で、工事予算がオーバーしてしまう場合は、行うはずだった廊下などの工事を翌年に回し、今回は破損箇所の補修を行うなど…工事の内容をお客様と詰め、最終的な補修箇所を決定します。

今回の建物の場合は、最後にタイルの上にセブンSSを塗るため、細かなクラックは補修せずにセブンSSでカバーすることになりました。
(セブンSSは仕上げるとタイルの上に厚めの膜ができます)
工程のすべてを考えて、必要な工事と後回しに出来る工事をお客様に判断して頂くことが、良質な工事をするために何よりも大切です。

 

補修工事その1

パルハンマーで検査する際に、補修が必要なクラックなどには印やテープを貼り付けます。こうすることで、補修工事をする職人がどこを修復すればいいのか分かるのです。
こちらの写真をご覧ください。

Pという文字は、ポイントをあらわしています。またテープの色によって指示が違うので、職人はその指示にしたがって、一つずつクラックなどを補修します。

その後、下地調整をして補修材によってできた壁の段差を取り、塗装しやすいように平らにしました。
下地調整をした中で、特徴的な補修工事としては、こちらの基礎部分です。

今回補修を担当した職人が、いわゆる昔ながらの手技で基礎の割れを補修しました。
基礎はコンクリートなどで出来ているため、モルタルなどで補修を行う必要があります。

モルタルは、砂とセメントを使ってよく混ぜあわせ最後に水で堅さを調整するのですが、最近ではこうしたモルタルを作れる職人が減っていることをみなさんご存じでしょうか?
このモルタル作りは、気温や湿度も関わってくるため、職人が目で見て、手の感覚を頼りに作ります。

水を扱うため、軍手もせず素手で触りながら調整するのです。
こうすることで、補修するのに的確なモルタルが出来上がります。

今回は小手だけで、このように美しくしあげました。1回だけではなく、何回も塗り込めることで、しっかりと補修をするのです。

最近は職人も大分変わってきましたので、これだけモルタルを操り、コンクリートも打てる人はなかなかいません。(この職人は土間打ちもある程度やります)

塗装職人は安さに走らず技術を大切にする会社だからこそ、こうした手技を持った職人が工事に携わるのです。

 

補修工事その2

次にタイルの補修工事を行いました。
こちらは、割れた部分のタイルをはがし、その後下地をつくりタイルを貼っていきます。

20数年前のタイルなので、普通は色合わせが難しいのですが、弊社の職人はドンピシャにタイルの色をあてはめ、オーナー様も非常に喜んでいました。
今回はタイル補修とともに、雨漏りの補修も。

まずはクラックや、タイルなどの割れ部分など取り除き掃除をします。

雨漏り原因として考えられるところを接着材プラス下地材でしっかりと塞いで、下地のシールも打ち、最後にタイルを貼り込み、タイルの貼り込みように覆った紙を濡れたスポンジでなでて、シールを剥がし完成です。

〔関連動画:タイルの張り替え〕

タイルの貼り込みが終わったら、目地材も打ち込み、こちらも余分な目地材はスポンジで拭うことによって目地部分にしっかりと目地材が入ります。ただ、タイルの上には目地材がうっすら残ることもあるので、洗浄が必要です。そこで、高圧洗浄を行います。

雨漏りを防ぎ、下地や目地材もしっかりと打ちましたので、高圧洗浄することで散水試験も兼ねることが可能となるのです。

雨漏りのある建物の場合、補修工事を行ってから高圧洗浄をすることで、散水試験を兼ねることができます。
といっても、この散水試験だけで雨漏りが止まったと言えるわけではないのです。
なぜ散水試験だけではだめなのか、雨漏りを根治させることの難しさについてもお話しいたします。

 

高圧洗浄を行う理由について

高圧洗浄を行う際に、散水試験を兼ねることについてはお話しいたしました。
それ以外に、高圧洗浄をおこなう最大の理由は、塗料が密着しやすいように壁面や屋根についた汚れを取り除くことです。

また、補修する際にでた余分な補修材などもしっかりと落とします。

(塗装箇所ではありませんが…洗浄のついでに、カーポートや階段部分にかかっている屋根のアクリル板も洗うことも。しかし、こちらの汚れは日光で焼け残ってしまっているため洗っても落ちないことが多いです。)


また屋根上など高圧洗浄で落としにくい汚れは、薬品を使って洗浄する場合も。

高架水槽、外壁、窓周りのシール部分、シャッターなど、すべてをしっかりと洗うことで塗装しやすくするのです。

 

さらに高圧洗浄する際には、建物の下から順に水をかけるよう気をつけなければなりません。
これは散水試験を兼ねている場合に大きな意味を持つのですが、上から一気に水をかけてしまうとどこから雨漏りしているかが分からなくなってしまいます。
雨漏り箇所が屋根か外壁かを見分けるためにも、下から順番に洗っていくことが重要なのです。

〔関連記事:マンション大規模改修の高圧洗浄〕

マンション大規模改修で高圧洗浄

雨漏り補修工事の難しさ

ここまで高圧洗浄時に散水試験を行うことをご説明いたしましたが、高圧洗浄時に漏れている箇所が無いからと言って『雨漏りが止まった』とは言えません。
というのも、雨漏りの原因箇所は、破損している箇所から単純に雨が入り込む場合と、台風などの風の吹き方で雨が入り込み雨漏りとなる場合もあるからです。
そのため、工事が終わってからも雨漏りの経過観察は続きます。

たまに、ネットの広告などで「雨漏りを100%止めます」と銘打っているのを目にします。
僕からしますと、これは非常に怖い広告です。
なぜなら、雨漏りを止めるためにたった1回の工事結果では、根治したとは言い切れません。

弊社で雨漏り補修を請け負った場合は、工事が終わり、ゲリラ豪雨や台風なども3〜4回ほどやり過ごし雨漏り症状がでないことで、なんとか雨漏り原因を塞ぐことができたと判断します。
どんな家でもそうですが、家が古くなっていくのを新しくすることはできませんし、雨漏りをして腐った箇所を乾燥することはできても、元の状態には戻りません。
だからこそ、長期で経過観察することが必要なのです。

また、雨漏りは補修工事をしていくと、ほつれが出てくることがあります。
水の出口を塞いでしまったが故に、水の行き場がなくなるなどして他の場所に不具合がでるのです。だからこそ僕は雨漏りの補修工事は切りきざんでつなぐ大手術ではなく、温存できる補修をできればと思います。

〔関連動画:雨漏りの悩みから解放された3度目の屋上防水〕

非破壊的措置をとることで、雨漏りを止めたいのです。
また雨漏り原因は様々ですので、僕は職人だけでなく建材のメーカーや商社にも話を聞きます。
そうして原因などを追求して考え抜くことで、なんとか雨漏りを根治へと導くことができるのです。

雨漏りを止めることがいかに大変かを知っているからこそ、「100%止めます」という言葉を怖く思います。
今回の雨漏り箇所も、工事中に散水試験も行っていますが経過を見ないことには止められたのか止められていないのかと言うことは分かりません。
それでも、そうした中で最良の工事をおこなうことで、お客様の希望に応えていきたいのです。

 

お客様のご希望に応えるために塗装職人ができること

今回、補修工事を行う際に、壁にツバメの巣がありました。


オーナー様から「ツバメの巣は縁起物だから、巣立ってから壊して欲しい」とリクエストがあり、ぎりぎりまで様子を見ることに。
結果としては、なんとか高圧洗浄前に巣立ちが間に合い事なきを得たのです。

もちろん、ぎりぎりまで他の作業を進めるタイミングを見ていましたが、最終的に工事が止まることになっていたら、お客様に最終的な判断をお願いしたかと思います。
工事が伸びれば、その分だけ人工代などがかかり、しいてはお客様の負担となるからです。
工事は、その時折でお客様に判断していただくことが多くあります。

私たちは決して工事の方法を押しつけることや、勝手な工事をして法外な値段をふっかけるということはしません。

今回も、パルハンマーで検査の結果、見積もりよりは多い破損箇所があり、お客様に修復するところ、今回は後回しにするところなどを選んで頂きました。
そうした判断をする際にも、寄り添い丁寧な提案をするのが我々塗装職人の役目です。

本番工事前の塗装準備ではありますが、ただの下地調整や高圧洗浄であっても、お客様の家に合った工事を完成させるために、さまざまなご提案ができるよう、これからも工事に取り組んで行ければと思います。

〔関連動画:こちらの現場の工事全工程〕

 

1/3(火)~1/5(木)無人店舗で塗装セット計50袋のお年玉プレゼント!

By 防水担当の日誌

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

気持ちよく晴れてばっちり初日の出が拝める元旦になりました。ただ、お正月は寒い日が続きそうですね。

もし家で過ごされる方は今回の塗装セットで作品を作ってみてはいかがでしょうか?

ということで、クリスマスに続いてお正月も子供たちを対象にしたプレゼントをしたいと思います。

2022年の世田谷区のお祭りイベントでは1時間待ちの行列になった大人気の塗装セットなどの無料お年玉プレゼントです。

限定数50袋。無くなり次第終了となります。

セット内容

  1. おもちゃの家の貯金箱「木製貯金箱・水性ペンキ5色・筆2本・パレット・ボンド」
  2. 木製コースター4枚セット「木製コースター・水性ペンキ5色・筆2本・パレット」

※それぞれ数量限定です。

1月3日(火)~1月5日(木)の3日間の開催です。

無人店舗のため開店時間になりましたら鍵を開けます。当日分以外のプレゼントはお持ちにならないようお願いいたします。

お受け取り方法などこちらの動画でまとめていますのでご覧ください。

 

1,1月3日(火)12時~16時

  • おもちゃの家貯金箱の塗装セット:5袋
  • コースター塗装セット:12袋

 

2,1月4日(水)12時~16時

  • おもちゃの家貯金箱の塗装セット:5袋
  • コースター塗装セット:12袋

 

3,1月5日(木)12時~16時

  • おもちゃの家貯金箱の塗装セット:5袋
  • コースター塗装セット:12袋

 

【お願いとご注意】

※お子様だけでの入室はご遠慮いただいています。
※お連れのお子様お一人につき一袋お持ちください。
※当日分以外のプレゼントはお持ちにならないようお願いします。
※なくなり次第終了となります。

おもちゃの家貯金箱

木製コースターセット

 

当日はスマートカメラでライブ&録画しています。

その様子をWEBや動画にて公開させていただくためご了承の上お越しください。

年が明けての2023年のお正月は寒い日の予想なので、ぜひおうちの中でこの塗装セットを作って楽しんでください。

2022年、今年もお世話になりました。防水施工技能士・見積もり担当 松尾

By 防水担当の日誌

2022年今年もお世話になりました。

今年はスマートショールームに舵を切り来年への本格的稼働に向けて良い準備期間となりました。
今以上に防水工事に力を入れ行きますので、
雨漏りでお困りの方などいらっしゃいましたら、どうぞ塗装職人までお問い合わせ下さい。

僕は常々、雨漏りの診断をして工事する際に、よき薬剤師のようになれたらと思っています。
雨漏りは適切な工事をして、処方した薬(塗装や防水材)でうまく止まれば、副作用による家のダメージも少なく済みます。
そんな材料・工法を提案できるようになりたいのです。

しかし、実際は費用などがかけられず…非常に中途半端な雨漏り修繕になることも…。
これでは、せっかく弊社に技術があっても雨漏りを根治することが出来なくなってしまいます。

今一度、家を守るためにどこに費用をかけるべきなのか、しっかりと見定めてみて下さい。
かけるべき所に費用をかけることこそ、家を守ることに直結します。
これからも僕は、頂いた予算の中で良い仕事をして、きちっと収め雨漏りが根治ないしはそれに近い状況を作れるようにしたいです。

来年も、自分の仕事に嘘つくことなく、しっかりと言ったことを実行する……まさに『有言実行』の一年にしたいと思います。
さらに精進を重ね、営業としての仕事に邁進していく所存です。

今年もあと数時間で年が明けます。
お正月からオープンしているスマートショールームも元旦に備えて準備万端です。
色々お正月お年玉プレゼン企画も開催します。

皆様もどうぞ良いお年をお迎えください。

来年も引き続き宜しくお願い致します。
防水施工技能士・東京店店長
松尾

大掃除とお正月飾り

By 防水担当の日誌

大掃除とお正月の準備はほぼ終了しました。

26日にクリスマスの装飾を片付け、ガラスや床磨きなど大掃除をして展示物の整理をしました。

スマートショールームに関しては門松を装飾して元日に備えます。

休憩ベンチの壁には塗装職人で以前年末に開催していたイベントの作品を飾りました。

ちょうど2023年はウサギ年ということで、12年前のイベントで描いた子供の作品があったので飾りました。

ちなみにスマートショールームはお正月からオープンしてます。

無人営業なゆえにスマート化のメリットです。

今年は餃子の無人店舗販売で万引きなどのニュースも見かけたりしましたが、この店舗には盗まれるようなものは置いていないのと、いつも年中開けっぱなしではありません。

照明や玄関ロックのみならず、エアコンや室内モニターのスイッチ、モニターに移す動画もリモートで行っています。

更には遮熱塗装をしたスレートも置いてありますがその暖かさの差異を感じてもらうための、熱源照明も遠隔操作で行っています。

防犯カメラは対角線上に設置したクラウド録画付きの高性能防犯カメラです。

ですので、お正月の元旦からスマホ一つで遠隔操作できるため元旦からオープンできるということです。

 

人手が少ないということもありますが、逆に毎日掃除できる環境でもないため、特に目立ちやすい玄関ガラスと室内のフロアはきっちりと掃除を完了させました。

今年もあと3日。

皆さんも楽しい年末を過ごされてください。

足場を建てる前の準備 植木の剪定と現場の確認

By コンクリート, タイル, 外壁, 防水担当の日誌

塗装工事をするために、何よりも大事なことはしっかりと安定した足場を建てることです。
今回は足場を建てる際に必要な、環境を整えることを中心にお話したいと思います。

足場を建てるために必要な剪定

 

大きな建物の周りは、比較的植物が植えられていることが多く、足場を建てる障害になることが……。
そこで、塗装職人ではご依頼があれば剪定を行います。

 

剪定を担当するのは弊社の内藤です。彼は大工と植木職人という経歴を持ちますので、植木の剪定についてもまさにプロフェッショナル。
ただ木を伐採するのではなく、切断面が傷まないための処理もします。

また、今回はオーナー様からご依頼を頂きましたので、足場を建てる前と、足場を解体した後の2回に分けて剪定いたしました。

最初に足場の邪魔になる木を伐採し、足場解体後に木の形を整えスッキリとした仕上がりに。

もちろん、伐採した木の処分も致します。

この処分は個人で行おうとすると大変な作業ですので、剪定した後すぐに建物周りがすっきりとするのです。
さらに、伐採後はブロアとホウキを使って綺麗に掃除します。

塗装職人では、工事だけではなくこうした家周りのことも合わせてご依頼頂くことが可能です。

 

〔関連記事:前回のこの建物のブログ〕

マンション大規模改修 次々とおこるトラブルを乗り越えて

足場を建てるためにアクリル屋根板の撤去

 

カーポートや、マンションの階段部分などにアクリル屋根が付いている建物も、足場を建てる際には注意が必要です。
そのほとんどが、足場を建てる障害となるため、アクリル板を外し、骨組みも邪魔になる場合は撤去をします。


ここで大切なのは、後ほど元に戻せるようにするということです。

〔関連動画:安全な足場を組むためのひと手間〕

そのため、アクリル屋根の構造を熟知している必要があります。
はずす手順を間違えて、壊してしまってはいけません。

先ほども書きましたが、弊社の内藤は大工でもありますので、こうしたアクリル屋根などは取り付け工事もお手のものです。

今回もアクリル屋根が二箇所ありましたので、取り外しを行い、工事後はしっかりと元通りにしました。
足場は建物に密着して建てることが何よりも大切です。そうすることで、職人たちが安定して足場に立つことができ、作業もスムーズになります。

スムーズな動きは、塗装の効率もあげるので本当に大事な基礎なのです。

足場を建てる前に現場の環境も熟知することが必要

 

今回、一番の難関はR状になった建物の壁面、さらに次いでの難関はその真下にある狭い駐車場へ続く私道でした。
こうした現場の把握も、足場を組むためには大切です。
R状になっている壁面の場合、通常壁にアンカーを打つのですが、こちらの建物はALC構造といい、壁面が少々脆いタイプの建物でした。


カラメルなどパリパリの飴を想像して頂くと分かりやすいのですが、それくらい薄い壁になっています。
ですので、アンカーを打っても効くかの問題があります。

また、上記の写真の下部を見て頂くと分かるのですが、入り口に続いている車椅子用のスロープなどがあります。そもそもこのスロープは、サイド部分が立ち上がった普通のスロープだったのですが、駐車場から車が入庫する際に多くの車がこのスロープの側面にこすってしまったのだそうです。そこで、車が乗り上げられるように、急遽スロープの側面をなだらかに作り替えたのだとか。

このスロープ位置でさえ多くの車がこすってしまったということは、R状になった壁に沿って足場を建てた際に、車が足場に衝突する可能性がある…ということです。
そのため、パイロンを立てるなど足場を建てるための対策をいろいろと考えたのですが、テナントの方からの意見などもあり、かなり足場の建て方について難航しました。


こうした足場を建てるための段取りは、足場班が現場に入ってからでは作業を止めることになってしまうため、手遅れになってしまいます。
そのためにも、こうした下準備をして調整することが何よりも大切なのです。

〔関連動画:足場の設置から解体までを5分で紹介 〕

足場は良い塗装工事をするための大事な基礎

足場は高さのある建物であれば、どの現場でも必要です。
そして足場班にも組む技術に優れた業者とそうでない業者があります。
これも工事のクオリティには大きく響きますので、弊社では選りすぐりの足場班が足場を建てているのです。

一見すると足場なんて塗装の土台みたいなものなのだから、簡単に組んで安く上がれば…と考えるお客様もいらっしゃるでしょう。
しかし、塗装工事をしっかりとやろうとするのであれば、足場や、こうした植木の剪定などに規定の料金をかけることが、良い塗装工事をする近道になります。

今年は、本当に怒濤の一年でした。コロナだけなくウクライナ情勢もあり、材料代の値上がりが激しく、現場としても営業としても非常に苦労を……。
いくら僕たちがしっかりと直したいと思っても、結局お客様が出して下さる予算のなかでしか塗装工事はできません。
足場ひとつ、木の剪定一つではありますが、こうした小さなことが積み重なって工事は成り立ちます。

〔関連動画:こちらの建物の全施工〕

今後もお客様にしっかりと現状をお伝えしながら、ご依頼頂いた内容には全力でお答えしていきたいと思います。

本年は誠にありがとうございました。
また来年も、塗装職人を宜しくお願い致します。

マンション大規模改修 次々とおこるトラブルを乗り越えて

By コンクリート, タイル, 外壁, 防水担当の日誌

本日から、新シリーズとなります。
今回は規模の大きなマンションの改修工事です。
こちらのマンションの場合は住居だけでなく店舗もあるため、前回までのシリーズで紹介していた建物よりも規模が大きく形も複雑な敷地にある建物でした。

今回の工事で一番困ったのは、次々と起こる工事中のトラブルです。
古い建物であるということや、オーナー様と店子の方の意見が合わないことなどで、工事がストップすることも。

そうしたトラブルを乗り越えながら完工しましたので、まずはどのようなトラブルがあったのかについてお話ししたいと思います。

R状になった壁面と足場を建てにくい敷地

こちらの建物は、前面がR状になっていてタイルが一面に敷き詰められていました。
Rになっている壁面というのは、通常の外壁よりも足場を建てることが難しくなります。面に対して垂直に立てることができないため、足場を細かく立てる必要がありますし、不安定な足場だからこそ、壁面にアンカーを打って安全を確保する必要もあるのです。

しかし、こちらの建物、アンカーが打てませんでした。


さらに敷地に問題があり、駐車場に足場を建てる必要があったのですが、こちらも縦列駐車でないと停められないような狭い駐車場だったため、足場を建てると車が足場に追突してしまう可能性が・・・。

そのために、パイロンなどで注意喚起をしたかったのですが、マンションに店子として入っている方から、「パイロンをおかれるのは困る」とクレームが入ってしまったのです。

足場を建てることの難しさ、敷地の問題、注意喚起ができないことなどなど。
足場を建てる段階から、本当に問題が山積みでした。

あわせて読みたい〔前回の大規模修繕ブログ〕

塗装、防水、カバー工法、長尺シートの大規模改修

増築された仕様の違う階段

この建物には階段が3箇所ついており、そのうち2箇所の階段はテナントさんの正面口とスタッフ用入り口として使っているもので、もともと建物に建て付けてあったものとは1つは別でした。
なので当然仕様も違い、もともとあった階段と同じ工程で工事することができません。


また難しかったのは、色決めです。

施工内容や色味についてもオーナー様を通してテナントさんの方にご意見も頂いていたのですが、途中からオーナー様とテナントさんの意見が合わなくなり、色の変更がでるなどして現場が大混乱に。

こうしたトラブルも、工事の流れを止めてしまうので工期に大きく関わってきます。

合わせて観たいYouTube〔駅前の営業中テナントビルの大規模改修工事 足場・補修・防水・塗装 全行程〕

工事の期間

工事の期間についても、いろいろとありました。
通常、工事が始まる前に契約書などで工期を提示します。しかし、この『工期』というのは非常に予測しにくいものです。
というのも、トラブルが一つでも起きれば工期は後ろに倒れていきますし、ましてや狭小住宅などで、足場をお隣に建てなければならないにも関わらずお隣との仲が悪い場合、足場を建てることすら時間がかかってしまうことも。

また工事中に、思いも寄らぬ雨漏りや建物の破損を発見することもあります。
業者によっては、あまりにも状態がひどく手の施しようが無い場合は、時間や手間、そして費用をかけることができないため、そのまま補修箇所を放置するほどです。

これは、次で説明する足場を組む期間にも関係する話ではあるのですが、補修期間が足場の建設期限に間に合わず、しかもお客様の方で「これ以上お金はかけられない」と言われてしまいますと、修繕をせずに工事を終えるしかありません。


今回の工事でもトラブルが続いたため、あわや補修ができないかも・・・という場面はありましたが、最善を尽くしました。
塗装職人では、途中で工事を終えると言うことが無いように、どんなにひどい雨漏りだったとしても、なんとか状態を改善できるようにします。

しかし、その分やはり工事の時間がかかってしまうのです。
そうなりますと、予定していた工期をオーバーしてしまうことが・・・。

今回も、さまざまな理由で工事が止まってしまったため、工期が変わりました。
これから工事を検討されている方は、工期をできるだけ予想通りにしたいとお考えでしたら、どうかこうしたトラブルと工期の因果関係を胸にとどめて下さい。

私たち業者は、できる限りお客様のご希望にそって工期を守りたいと考えています。
そのためには、お客様や入居者様にご協力頂くことが工期を予定内に収めるために、何よりも大事なのです。

足場を建てるのは2ヶ月以内に

上記の文章でも少し触れましたが、足場を建てる期間について・・・ここで少し補足したいと思います。
塗装工事をする際、足場を組んでから解体するまでの期間は、どの業者も2ヶ月が目安です。

というのも、足場を2ヶ月以上建てておくと、工事の申請手続きが複雑化します。
職人の詰め所などが必要になったり、労働安全関係の確認事項も増えたりするのです。


そのため、こうした中規模なマンションなどの場合は、足場を2ヶ月以内におさめるため突貫工事をします。
この突貫工事と言う言葉ですが、誤解されている方をよく見かけることが・・・。

突貫工事と言う言葉は、工期を2ヶ月以内に収めるために手際よく作業を進めるための言葉で、『やっつけで適当にやるという』意味ではありません。
あくまでも短い期間で一気に完成させる工事というのが本来の意味です。

もちろん、そのためには施主様や居住者様のご協力がないとできません。
施主様に工事をご理解頂き、必要な足場を建てるためにご協力を頂くことで、足場の期限を守ることができる突貫工事をすることができるのです。

問題の多い建物でも塗装職人ではしっかりと工事致します

今回の現場は、工事が始まったことで様々なトラブルが表面化し、工期が伸びてしまう可能性や、足場の建て方によっては安全が確保されないため、補修工事ができなくなる可能性などがありました。

そんな工事が先日無事完工したので、今は少しホッとしています。

次回からのブログは、こうしたトラブルに塗装職人ではどのように対応したのかということと、足場工事、ルーフトップのアクリル板取り外し、折板屋根の塗装、雨漏り工事、外壁塗装、階段への長尺シートの貼り込みなどの工程を詳しくご紹介できればと思います。

合わせて観たいYouTube〔このビルの工程動画〕

 

雨漏りを止める 仕上がりから逆算した防水工事

By ウレタン, 屋上防水, 長尺シート, 防水担当の日誌

通常防水工事のブログというと、「どのようにして工事をするか…」 という工事内容についてお話をするのですが、今回は少し視点を変えて工事後の結果から考えた工事についてご説明いたします。

防水工事について

通常、業者が防水工事をご依頼頂いた際には、現場調査をして、その建物に合った防水工事を行い、手順に従って塗布防水の場合、材料を積層し、最後に仕上げ作業をします。
しかし防水工事は、工事を終えた後のことをしっかりとイメージしてから行わないと、ひどい状況をまねく場合があるのです。

 

防水工事をすると、加工した床は雨水をはじくことができます、しかし勾配のつけ方次第で水の逃げ場が無くなり、防水してあるからこそ床に水たまりができてしまうことがあります。
溜まった水は、そのうち防水塗装の効果を弱め、劣化した箇所から壁の内側や床の内部に入り混み、土台を腐蝕させていくことも。
そうならないために、あらゆる結果を想定して、防水工事を行う必要があります。

 

〔関連記事:こちらの現場の工事内容〕

塗装、防水、カバー工法、長尺シートの大規模改修

予測を立てて行う防水工事とは

防水工事は、逆算して考えることが大切です。
水の流れを把握し、床の勾配や、ちょっとした数ミリの段差なども計算に入れます。
しかしこの計算は、ベースになる教本的なものがあるわけではないため、職人の現場経験だけが頼りです。

弊社の防水チームには、僕と同じ名字の松尾という職人がいます。彼は防水チームのエキスパートですので、こちらのお宅の防水工事についていろいろな意見を出し合ってどのように工事を進めるか相談をしました。
僕と彼の経験値をすりあわせることで、今回の防水工事の仕上がり予想を立てたのです。

この建物では、階段部分は、防水塗装とタキステップ(階段用長尺シート)を採用し、そして2階部分(陸屋根)の防水工事としては、いわゆるQV工法と呼ばれる防水工事と長尺シートを併用することになりました。
それでは、どのような対策を採ったか工事内容について詳しく見て行きましょう。

 

階段の防水工事

階段は鉄骨階段の上にモルタルを施してあるタイプで、劣化したモルタルの隙間から雨水が入り混み階段下への雨漏りを引き起こしていました。


そのため、雨漏りを止める為に防水塗装をして、その上にタキステップを貼り込むことに。


本来であれば、階段全体にタキステップを貼り込めば防水効果も期待できるため、防水塗装まではやりません。
しかし今回は、階段の全面にタキステップを貼り込むことはせず、あえて脇をあけて貼り込むことにしました。

 

なぜなら、この階段は雨ざらしなので必ず雨水が階段に溜まります。その雨水を逃がすためにも、シートとモルタル面のわずかな段差を作り、水が階段脇へと流れるようにしたかったのです。
そうすることで、階段に水が溜まることを防ぎます。
またさらにこの簡易側溝は、他にも期待できる効果がありました。

それについては、床面の防水工事の説明にて後述致します。

〔関連記事:こちらの現場の外壁の防水工事〕

外壁タイルの防水クリヤー仕上げ材を塗るプラス面とマイナス面

 

床面の防水工事

次は、2階部分の床面防水塗装についてです。
通常のQV工法で床面を防水塗装し、さらにお客様のご希望で階段から家の玄関前までレッドカーペットのように長尺シートを敷くことになりましたので、こちらも結果を予想していろいろと工夫しました。
まずQV工法は、QVシートと呼ばれる緑色のシートを防水塗装の前に床面へ貼ります。

 

なぜこの緑のシートを敷くかと言うと、防水層と建物の間に入れることで、建物が動いた際に防水面が引っ張られ切れてしまうことを防ぐためです。(通常効果は別途)

コンクリートの建物などは、地震や寒暖差による収縮や膨脹によって動きがでるため、屋上などの防水の場合、何も対策をせずに工事を行うと、建物が動いた際に塗装面が引っ張られ、表面が切れてしまうことが。

 

そうならないために、建物と防水面を絶縁します。

上から防水材を流し込み、完成です。


さらにこのQVシートは面貼りではなく点貼りとなっているため、防水層の中に入り込んだ水や湿気などを隙間から逃がすことが可能です。防水面の内部に水分が溜まることを防ぎます。
ここまでは、普通の屋上の床面防水工事についてです。
防水工事の看板を掲げているところなら、どの業者もやっているでしょう。

しかし、この防水面の上に長尺シートを貼る場合は、少し工事方法が変わります。
というのは、長尺シートは先ほどの階段部分でタキステップと同様で、防水面のわずかな段差がでるからです。通常防水工事をした際には、床面にゆるやかな勾配をつけて水の流れを作ります。


しかし長尺シートを貼り込むと、水の流れをせき止めてしまうことになるのです。ほんの数ミリのわずかな段差ですが、ここに水が溜まりやすくなります。
また、今回のお宅では最初の下地調整の際に下地職人から床面のわずかな勾配についても報告を受けました。
そこで、それらを加味して防水職人の松尾と相談をしながら、この長尺シートの間に隙間を作り簡易側溝とすることにしたのです。

とはいえ、お客様としてはレッドカーペットのような状態で家までに敷き詰めたいという希望もありましたので、そこはご相談を。
あまりにも側溝の本数が多いのも嫌だけど、水が溜まってしまうのも嫌なので、ぎりぎりの本数で水を逃がすのであればOKと…話し合いの末に合意を頂きました。
結果、先日の大雨の際に2階部分の長尺シートの段差から水を排出し、見事上記の階段を防水工事する際に作っておいた簡易側溝を通して水を逃がすことができたのです。
本当に工夫したことがすべて上手くいって、非常によい仕上がりとなりました。

お客様へのリスク管理

今回のお客様宅の防水工事は、選んだ対策がたまたま上手くはまりましたが、あくまでもこれは運が良かっただけだったと思います。他の現場の場合、実際工事をしてみても見つけられなかった勾配などがあって、うまく水が逃げないこともありました。

僕は、必ずこうした難しい工事をする際に、予測される工事後の良い面も悪い面もすべて話します。
あまりにも「できないかもしれないこと」などをはっきりといいますので、まれにではありますが、「なぜそんなにネガティブなことばかりいうのですか?」とお客様から言われることも…。
しかし、ネガティブなことを言いたいわけでは無く、あくまでもリスク管理の一貫なのです。
どんな塗装工事にもリスクはあります。
それを隠して工事をすることは、お客様に対して不誠実であると僕は思うのです。

家というのは、さまざまな材料がかけ合わさって建てられているため、工事方法に正解というものはありません。
何かをおさめるためには、引き受けなければならないリスクを伴うのです。
雨漏りに関しても、僕はほとんどの場合「止まらないかもしれません」とお伝えします。
なぜなら雨漏りというのは、原因が多数あり本当に難しい補修工事だからです。
しかし、お客様に「止まらないかも」とお伝えしながらも、僕の心の中では「絶対止めてやる」と決意を固めています。
しかし、それを口には出せません。
自分の仕事に責任を持っているからこそ、100%確実なことしか言えないのです。

たかが水たまり、されど水たまり

今回の工事は、長尺シートと防水塗装のハイブリッド工事でしたが、無事水を散らすことができ雨漏りから家を守ることができました。
長尺シートに溝を作り、壁際に逃げた水をさらに階段へと流したことで、予測通りに水の排出ができたのです。下記が実際に簡易側溝を水が流れる様子となります。

本当に上手くいってくれたので、ホッとしました。

長尺シートの上に溜まった水は、そのうちシートの中に浸透します。
それでは、せっかく貼ったシートが無駄になるどころか、シートで覆ってあることでさらに水の逃げ場がなくなり、より内部を腐らせるなどして雨漏りを加速させるでしょう。
だから複雑な工事こそ、工事後を見据えたいわゆる工事の逆算が必要となるのです。

〔関連動画:こちらの現場の工事後の様子〕

実は、今回の防水工事後…僕は何度か現場に足を運びました。
自分の仕事にきちんと向き合うために、しっかりと結果を受け止めたかったのです。


奇跡的にうまくいきましたが、ほとんどの場合は上手くいかず何度もトライアンドエラーの繰り返しになることも。
防水工事は材料だけ揃えて、ただ貼り込んだり塗ったりすれば雨漏りを止めることになるわけではありません。
家の状態や、形状、環境あらゆることを踏まえて、工事後の状況を予測することで初めて、お客様が望む『雨漏りを止める』という防水工事ができるのです。

防水工事を依頼する際には、さまざまな状況を予測した上で工事をする業者を選びましょう。
逆算から導き出す工事こそ、理想的な防水工事といえるのです。

〔関連動画:雨漏りの悩みから解放された3度目の屋上防水〕

 

外壁タイルの防水クリヤー仕上げ材を塗るプラス面とマイナス面

By タイル, 外壁, 防水担当の日誌

このシリーズ最初のブログでご紹介しました外壁の防水材、セブンSSのご説明を致します。
外壁に塗る防水材は、実のところパラペットの屋根などに敷く防水材と同じではありません。

今回は、防水材との違いや、外壁タイル部に防水材を塗るプラス面やマイナス面もお話し致します。

〔最初にご紹介した記事〕

塗装、防水、カバー工法、長尺シートの大規模改修

セブンSSの施工

外壁タイル部の修理と高圧洗浄が終わり、ここからはセブンSSの塗装となります。
高圧洗浄は、散水試験や目地材のほこりなどを飛ばすことも兼ねています。
薬品洗浄をしながら不備がないか確認。

洗浄後は、いよいよ防水材の塗装に進みます。

このセブンSS、便宜上タイル壁面用の防水材と呼んでいますが、正確には陸屋根(パラペット)の上に施工する防水材とは別物です。
陸屋根など平面に敷く防水材の一部は、2液混合や1液混合などで、床の上に流し込み時間が経つと固まる仕組みになっています。

立面と呼ばれる、床から壁へと続いた立ち上がり部分に使う防水材は、床面用のものに、ダレ止め入った防水材で、立ち上がった立面でも付着して固まるものになっているのです。
これがいわゆる『防水材』ですが、壁面に塗るのはこれら防水材とは別物で、防水効果のある『塗料』となります。

新築風に蘇る、5階建てマンション外壁タイルの塗装

壁面に防水を施す場合は、膜厚をつければつけるほど防水の効果が高くなりますので、いかにして塗膜の厚みを出すかということが重要です。
そんな膜厚を作るための塗料として、良く使用されるのがセブンSS。
この塗料は、タイル壁などに適しています。

セブンSSの施工方法は、5回塗りです。
シーラーで下塗りをした後、セブンSSを2回塗り、さらにトップコートを2回重ねます。

さらにセブンSSで塗る際にはマスチックローラーというローラーを使って、わざとボコボコした面に仕上げるのです。これを柚肌塗りといいます。

セブンSSの仕上がりは、少し特殊な仕上がりです。
元の壁面の上に、ちょうどカエルの卵をおおうゼリー状のものを想像して頂くと分かりやすいのですが、少し濁った透明なゼリーっぽい膜ができます。
テカテカした仕上がりになりますし、デコボコとしていますので人によっては綺麗な仕上がりと思わない方もいらっしゃいます。

それでも、こうして膜厚をつけることで防水効果をアップさせるのです。
この仕上がりがどうしてもダメな方もいらっしゃり、誰でもできる工事ではありませんが、タイル壁面の防水工事として、僕はこれをおすすめ致します。

(通常の壁にセブンウォール等がある)
他にも、少しでも壁面を綺麗に仕上げる方法として、柚肌にはせず、セブンSSを三回塗りする方法もありますが、回数が通常の工事よりも増えますので、それだけ料金も高額になります。
このセブンSSを含め、防水効果のある塗料は一つ気をつけなければならないことがあるのです。

防水効果のある塗料は塗った後のことまで考えることが必要

セブンSSなど、防水効果のある塗料を塗った壁にはある約束事が課せられます。
それは、次の再塗装もセブンSSと同等のものを使用しなければならないということです。

一度こうした塗料を使用したらランクを下げたり種類を変えたりすることは、物理的にできなくなります。
なぜなら、メーカーが他の塗料を塗り重ねることを推奨していないからです。

また間違った塗料を塗ってしまうと、せっかく高いお金を出して前回塗ったセブンSSの効果が台無しになる場合も。
それだけ家の建て方と塗料の選び方は、数年後、さらには10年後と未来を見る必要があるのです。

効果だけを考えれば、どんな外壁にも使用したくなりますが、このセブンSSはどの壁にも使えるわけではありません。
セブンSSが使えない外壁にはどのような方法があるのか、そして外壁に防水効果の塗料を塗るには、どんなプラス面とマイナス面があるのか説明を致します。

 

〔セブンSSを解説した記事〕

ALCの特性・構造を理解する 雨漏りしないための補修塗装工事とは? 

 

どんな壁にもセブンSSは有効?

モルタルやコンクリートの打ちっぱなし壁であれば、セブンSSではなく弾性塗料を使用する場合があります。
この弾性塗料は名前の通り、塗った後に高い伸縮性を持つ塗料なので、クラックなどができたモルタル壁には適しているのです。

しかし、気密性が高く(防水に優れている為)膨れの原因となってしまい、一度塗膜が風船のように膨らんでしまうと元には戻りません。(蒸気発泡)などで濃い色は選びずらくなります。

つまり、これらの塗料は剥落防止のような効果もあり、利点も多いですが、壁によっては膨れの原因となり、さらには一度この塗料を使ったら最後まで

塗装工事とはプラス面のためにマイナス面を引き受けること

再塗装のご依頼を頂く際に、その多くは外壁の状態に問題があり、それをなんとかおさめるための塗装工事をします。
そのため、家の状態によって使用する塗料はさまざまですし、工法も一つではありません。
塗装工事は、必ずどこかでプラス面とマイナス面の折り合いをつけなければならないのです。

プラス面としてクラックを補修し、防水効果をアップしたことで、マイナス面として補修工事のあとが目立つ状態で残ることもあるでしょう。
防水効果がアップはしたものの、元の壁よりもゴツい仕上がりになってしまい見た目が劣ってしまう場合も・・・。
再塗装の場合、少しでも壁の問題を抑え家の寿命を持たせるためには、必ずマイナイス面を引き受けなければならないのです。

しかし、マイナス面を引き受けてプラス面が出る工事は、まだ良い方なのかも知れません。

なぜなら、あまりにも元の状態が悪く・・・手の施し用の無い家というのがあるからです。

 

たった一度の間違いが、外壁の未来を決めてしまう

 

ご依頼をして来られる方の中には、大きな誤解をしていらっしゃる方もいます。
それは、家がどんな状態であってもプロの業者に頼めばなんとかなると思っていることです。
しかし、DIYや安い工事を選んだことで、適当なシリコン系のシーリング材を外壁に塗ってしまい、それによって他の塗料を重ねることが出来なくなってしまうと、もはや何も手をだすことはできません。

「なんでプロなのにできないの?」
と言われることもありますが、一度間違った材料を塗ってしまった外壁は、他の材料を重ねても剥がれてしまい、物理的に何もできないのです。

それだけ、外壁と材料には相性がありますし、塗料と塗料にも相性が存在します。
安いことだけを前面に推して建てた家や、DIYで安く済ませた塗装工事。さらには相見積もりを取って、料金の安い業者で行った工事は、下地や塗料との相性を無視することが多いため、その金額に見合った結果がついて回ります。

家の塗装は、いくら後からリカバーしようとしても、元が悪ければおしまいです。
だからこそ、僕は塗料を選ぶ時に慎重になり、材料担当にしつこいほど確認をして、お客様にご提案をします。(担当にはいつも助けていただいています)
間違った塗料を重ねないために。現状をなんとか維持するために。
たとえ結果として、外壁が汚く見えたり補修箇所が目立ってしまったりしたとしても、雨漏りを止め、今後10年お客様が快適に過ごせる家を目指します。

 

〔セブンSSの施工例〕

新築風に蘇る、5階建てマンション外壁タイルの塗装

外壁の防水工事はそれぞれの専門職人、お客様との連携がなによりも大切

工事をしていると天候や状況で順番通りに工事が進まないことがありますが、その際に職人同士がお互いの仕事をリスペクトしていれば、現場は上手く事が運びます。
特に防水工事の場合は、手順次第で防水をダメにしてしまうことがあるのでなおさらです。
逆にお互いの工事にリスペクトがなく、意思の疎通が取れていないと、せっかく防水工事を施した壁に、設備他の方が穴を開けてしまい、防水を台無しにしてしまうなどトラブルが起こります。(使ってほしくないシリコンなどを適当に施工する人たちもいる)

そうならないために、各担当の初日には現場に立ち会い、現場で打合せします。
施主様とも膝を突き合わせて工事内容を確認して内容を詰めるのが大切なのです。

今回こちらの建物に施したセブンSSは、壁面の防水効果を求める上でベストの選択だったと思っています。
見た目はたしかに少し悪くなったと思う方もいると思いますが、施主様はその結果は引き受けてくださいました。
多少の見た目よりも、今後も雨漏りしない仕上がりをめざして下さったことで、塗装職人とお客様の思いが足並みを揃えられたのだと思います。

このブログを見ていらっしゃる方が、塗装工事をする際にもきっと同じ問題がついて回ります。
そんな時、どこまで工事のマイナス面を引き受けることができるか、一度考えてみて下さい。

そうすれば、おのずとベストな工法が見えてくるはずです。
実りある工事をするためには、それが一番近道となります。