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防水担当の日誌

雨染みを見つけたら要注意 雨漏りの代表的な原因とは

By 防水担当の日誌, 雨漏り

今回は雨漏り診断士である菊池が、雨漏りが起こりやすい箇所とはどんなところなのか、お話したいと思います。

塗装工事する前には必ず現場調査をするのですが、外壁などに“雨染み”が現れていることも。雨染みにはたまたま台風などの時に雨が入り込んでできたものと、雨漏りによるものがあります。

 

もしも雨染みの原因が雨漏りの場合は、早めに対処することが望ましいです。

先日も雨染みがあったものの長く放置していたために、雨漏り原因である笠木の中がひどい状態になっているお客様宅がありました。

このブログが雨漏りにお困りの方や、「もしかして雨漏りかも?」とご不安になっている方の参考になれば幸いです。

 

雨漏り原因になりやすい箇所

 

雨漏り原因になりやすい箇所というのはいろいろあります。

まずはタイル壁です。タイルの割れた部分やシーリングのヒビの間から水が入り込み、タイルを敷き詰めているが故に出口がなく、壁の中で腐食してしまうことがあります。

 

タイルのひび割れは雨漏りに直結しますので、発見したらできるだけ早く補修工事をすると良いでしょう。

 

また、家の1階部分にあるサッシの内側なども雨仕舞いが甘いと雨漏り原因になることがあります。昔は地面に這いつくばってのぞいて確認していましたが、今は携帯を入れて動画撮影することで状態を確認できます。サッシ周りなどに雨染みがあったり、家の打ち壁に雨染みがあったりする場合は疑ってみて下さい。

 

さらに出窓や天窓なども、雨漏りの原因になりやすい箇所です。

そもそも窓(サッシ)の四隅は、シーリングの劣化によってひび割れが出やすく雨漏り原因になることがあるのですが、出窓や天窓なども構造上雨漏りが起こりやすくなります。

出窓は、壁から窓が飛び出しますので、それだけ雨の影響を受けやすく、窓の角の壁にひび割れなどがあると、壁を伝うよりも多くの雨水が入り込みます。

天窓は、雨が直角に当たる箇所なので、壁に取り付けられた窓よりも雨から受ける影響が大きく、こちらもシーリングの劣化などによって窓の隙間から雨水が入り込み、雨漏りがよく起こることが。

 

バルコニーの床なども、防水層の効果が切れた時などひび割れが出て、雨漏り原因になりやすい箇所です。しかし、ベランダの床面なので発見がしやすいと言えるでしょう。

この場合は、防水工事のやり直しをすれば大丈夫です。

もしも外壁や内壁などに雨染みが浮かび、「雨漏りかな?」と思う箇所がありましたら、上記の場所も疑ってみて下さい。

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雨漏り原因の状況を見てお客様に追加工事のご相談をする場合も

 

雨漏りの原因は、お見積時に見つかればいいですが、その多くは足場を建てた後に見つかります。

そのため工事途中で見つかった時は、見積もりと金額が変わってしまうことも。

 

笠木のひどい腐食が見つかったときなどは、30万〜50万の費用が追加になることもありました。

もちろん、それだけ工程が増えるからなのですが、お客様によっては複雑な思いをされる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、放っておいても雨漏りが良くなることはありません。

ですので、弊社ではお客様宅の現状、そして今後どのようなトラブルが考えられるか、そして補修工事する場合何をしてそれにどれくらい費用がかかるのかを提示して、お客様に検討して頂きます。

もちろん、お客様によっては予算の都合でどうしても費用が捻出できない方も。その場合には、どんなに補修をしたほうがいい箇所でもそのまま閉じることもあるのです。

 

弊社はあくまでも、お客様に工事の方法を提案いたします。悪徳業者であれば、勝手に工事をして請求するところもあるかもしれませんが、弊社の場合はあくまでもお客様の考えが優先です。

お客様に最善策は全てお話して、決断をお待ちすることしかできませんが、いつでもお客様の意向に沿いたいと思っております。

 

関連動画 これで本当に雨漏り止るの⁉

 

工事するまで分からない壁の中

 

家の補修工事箇所によく上がる、破風や軒天、笠木などは「開けてみたら中がひどい状態だった…」ということはよくあります。

費用のことだけをみれば、金額が増えてなんだかちょっと不運なように思いますが、その一方で足場を建てて間近で見たからこそ腐食箇所を見つけられたということは、幸運だったという見方もできます。

もしも、笠木内の腐食に気がつかず放置をしていたらどうでしょう。

台風の時に何か飛来物が当たって、もろくなった笠木がバッキリ折れていたかもしれないのです。

そのようなことになったら、腐食箇所を補修工事するよりも、折れてしまった笠木を補修するほうがもっと費用がかかることになります。

 

弊社は、いわゆる町の塗装屋さんです。

地域密着型だからこそ、追加の補修工事があったとしても悪徳業者のように法外な値段をふっかけるなんていうことはしませんし、できません。

あくまでも、お客様の家が少しでも長く住めるようにご提案とサポートさせて頂いているに過ぎないのです。

 

雨漏りの原因1位は笠木

 

以前、笠木の下にあたる上げ裏部分に雨染みがあるお宅がありました。

下から見てみると、上げ裏の一部がくずれています。

現場調査では、下から眺めて確認するしか出来なかったのですが、多少雨水が回っていることが予想されました。

 

そこで、念のため足場を組んでから笠木の上部分も開けてみることを提案したのです。

もともと笠木部分に関しては、多少の傷みを予想していました。

 

しかし、実際足場を建てて笠木を開けてみると、信じられない状態だったのです。

 笠木の中はボロボロになり、黒ずんで完全に腐食していました。

箇所によっては築年数なりの痛み具合なのですが、雨水が溜まりやすかった部分に関してはカッターを差し込むとずぶずぶと奥まで入っていってしまうほど木が腐っていたのです。

 

もしも、現場調査の際に「ちょっと梯子でもかけて上から見てみましょう」などと言っていたら……笠木に梯子を当てた途端に、腐っている部分の構造物が崩れて大けがをしていたかもしれません。

雨漏りは、放っておくと二次被害を引き起こします。

だからこそ、早い発見と補修工事が必要となるのです。

ちなみに、こちらの笠木が腐ってしまったわけは、本来笠木カバーの下に敷いてあるはずの防水シートがなかったことが原因でした。

外壁や屋根など、その他の部分はしっかりと施工がしてあるにも関わらず、なぜか一番雨仕舞いをしなければならない笠木に防水シートがなかったのです。

 

実は、こうした施工セオリーを無視して建てられたことで、雨漏りになることはよくあります。

先日も、ベランダの外壁部分の笠木に真上からビス留めがしてあったことで、ビス穴から水が入り込み壁の中を腐らせていることがありました。最近では、笠木を真上からビス留めすることはありえません。

 

「うちは大手メーカーに頼んだから大丈夫」と思っていても、思いも寄らぬ施工のミスで雨漏りに繋がることはあります。

笠木部分というのは、雨の影響を受けやすいがゆえに、こうしたアクシデントが起きやすいのです。

 

この他にも、笠木にはいくつか雨漏り要因があります。

まずは、笠木カバーがスチール製の場合、アルミ製のものと比べると雨漏りが起こりやすくなります。しっかりと防水処理を施せば、そこまで恐れることはありませんが、スチール、つまりは鉄製なので水との相性は悪いです。

予算を抑えた施工の場合は、このスチール製の笠木が使われることが多くありますので、もしもその場合は雨染みや雨漏りが無いか普段から点検することをお勧め致します。

 

次に笠木のつなぎ目です。

笠木カバーには長尺のものは無く、屋上やベランダなどの笠木は、何枚かをつなぎ合わせて施工するのですが、その笠木と笠木のつなぎ目から雨水が入り込むことがよくあります。しっかりとシーリングを行い、時にはブリッジといって笠木のつなぎ目にカマボコのようなシーリングカバーをつけて水の浸入を防ぐ施工をすることもあるほどです。

 

しも笠木のつなぎ目に雨染みがある場合は、中の腐食が疑われますのでご相談下さい。

 

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最後に笠木の幅が原因になることも。通常笠木は外壁に対して少し出っ張るように…外壁の傘になるように取り付けます。外壁より笠木の幅が大きめなことで、雨水が壁の中に入るのを防ぎ外へ垂れ落ちるようにするためです。

 

しかしまれではありますが、構造物の幅とぴったり同じ幅の笠木があるのです。幅が同じ場合、笠木カバーに当たった雨がそのまま外壁内に巻き込まれて入ってしまっていますので、雨漏りの原因となります。

 

このようにざっと上げただけでも、笠木にはこれだけの雨漏り原因があるのです。

何か少しでも異常が見られましたら、なじみの工務店や塗装業者にご相談すると良いでしょう。そうすれば、外壁内の腐食の進行を少しでも早く食い止めることができます。

関連動画 雨漏り修理の防水工事、新築時の欠陥が原因!?

今回は雨漏り原因の一部をご紹介させて頂きました。もしもこのブログの例と同じような症状がありましたら、弊社までご相談下さい。

創業31年の経験と知恵を持って、塗装工事を担当させて頂きます。

私たち塗装職人に、お任せ下さい。

 

築30年のマンション改修工事 ドア、面格子、ポスト

By 防水担当の日誌

今回はマンション改修塗装工事のお話です。

タイル張りで、タイルの補修、屋上とベランダの防水工事、付帯部の塗装、廊下の塗装などを行いました。

それ以外にも細かな改修工事がありましたので、今回は付帯部の改修工事をメインにお話し致します。

面格子の改修

まずは面格子の改修工事前に、浮いているタイルの撤去、1階部分の窓にはめられた面格子の取り外しを行います。

タイルの補修に面格子を取り外すのは一番必要な作業です。

面格子には、目隠しとしてプラスチック製の板が張り付けられていました。

こちらも丁寧に剥がします。面格子は再利用するので、プラスチック板のみ廃棄を。

年数が経っていたため、プラスチックの板がとてももろくなっており、触っただけでパリパリと割れる状態でしたので、撤去にはさほど時間はかかりませんでした。

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その後、タイルの補修工事、塗装工事とシーリング工事を行い、いよいよ大工である僕が担当の補修、改修工事です。

面格子を元に戻し、そこへ市販のポリカーボネートを細長く短冊状に切り、面格子に貼り付けます。

あわせて読みたい   外壁タイル

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今回は、予算の兼ね合いから面格子は取り外したものを再利用しました。もちろんお客様によっては、面格子を取り外したついでに新調される方もいらっしゃいます。

面格子を新調するか再利用するかは、お客様とお打ち合わせ後に面格子の状態を見た上で決めますので、どのような工事をしたいかお気軽にご相談頂ければ幸いです。

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集合ポストの取り替え

 

次に集合ポストの取替えです。

こちらのマンションは築30年ほどでポストも古く、扉に入居者様がご自身で南京錠を取り付けるタイプのものでした。

 

今回はポストをすべて取り外し、新しいダイヤル錠タイプのものに変更します。

ダイヤル錠の暗証番号は、オーナー様の方で一括管理となりますので、設置の後に全て暗証番号のお渡しをしました。以前のものより管理は大変になりますが、オーナー様の方で暗証番号の把握が可能になります。

 

またこの工事は、元のポストに中身が入っている場合もあることから、後から中身の移し替えを行いました。

さらに、取り付けの時間によっては郵便物の配達などもありますので、取り外したポストは近くに置いておき、もし配達時に工事が済んでいない時はそのポストに配送してもらい、その後新しいポストに郵便物の移動を。

新ポストのとりつけは、壁がコンクリートなので、そのままネジを打つことが出来ません。

そこで、ネジを打ち込むための穴を開け、プラスチック製のプラグをねじこみます。

そこにネジを打つことで、ポストを壁に固定させるのです。

 

このポストは1個ずつの製品なので、ひとつひとつ取り付けをします。

ものによっては、3コ単位や、4コ単位のものがありますが、マンションの規模によって選ぶポストは変わります。

 

マンションが大規模の場合には、取り付けるポストの数が多くなるため、今回のようにポストを置いておいてそこへ配達をしてもらうということはできません。その際には、別途郵便物を入れる箱を用意して、工事を進めます。

ポストを外してみると、壁にはスペーサーの役目をしている木がうちつけてありました。

剥がすとゆがみがでそうでしたので、そのままにして工事の進行をし、さらに水平器を使ってポストが横並びで歪みがないか確認し、取り付けて完成です。

あわせて読みたい マンション集合ポストのフレームの塗装

このあとは、ドアの交換についてお話します。

古い鉄製のドアも、新しいデザインと機能を備えたドアに変えることができますので、ご覧下さい。

古いドアを新しいドアに交換するためにどのような方法があるのか、ご説明致します。

 

ドア枠を使っておこなうドアの交換工事

 

最後の改修工事は、ドアの交換です。

こちらは前回のブログにも書きましたが、築30年を超えるマンションですので、重い鉄のドアに鍵穴がひとつのタイプでした。

あわせて読みたい 前回のブログ お家に合った爆裂補修工事やクラック補修工事とは

今回ドアはフレームを残して、ドア自体は取り替えます。

というのも、フレームを壊してドアを取り付ける場合、周辺の壁も取り壊すことになりサッシの職人だけでなく、大工や左官などさまざまな職人が必要になるからです。

それを避けるために、少しドア自体は狭くなりますが、フレームを利用して今回は取り付けることとなりました。

もともとのドアは、壁とおなじくフラットなタイプでしたが、枠を取り付けた分、少しドアが出っ張った造りとなります。

今回は、ドアの取り替え工事だけですので、担当はサッシの職人です。

工期的には1日でできるものではあるのですが、この工事だけは居住者の立ち会いが必要となります。

なぜなら、ドア自体を取り外しますので工事中は常にドアがオープンの状態に…。もちろん工事の人間はいますが、トラブルを避けるためにも、居住者の方に居て頂くのが安全です。

 

ですので、この工事だけは居住者の方のスケジュールも会わせる必要がありましたので、大変でした。(これ以外にも、内装工事なども立ち会いを必要としますし、ベランダの防水工事も内部通行が必要な場合があります)

またこのドアの注意点としては、既存フレームを使って、その中に枠を組み立てドアの取り付けを行うため、入居時に玄関ドアの幅ギリギリで冷蔵庫や洗濯機などを運び入れていますと、最初よりは玄関幅が狭くなっていることから、冷蔵庫や洗濯機を運び出せなくなるのです。

 

居住者がいらっしゃるお宅については、1軒1軒丁寧にご説明させて頂きました。

万が一にも、引っ越そうとした際に家電が玄関を通らなくなっては大変だからです。

 

そして完成したのがこちらの扉となります。

今風のデザインとなり、錠も2箇所あるので防犯上安心度が上がりました。

それ以外にも、こうしたドアの工事の場合電子ロックタイプの新しいドアも選べるようになりますので、ドア交換を考えていらっしゃる方はご相談ください。

併せて観たいYouTube   この工事のショート動画

築30年のマンションの付帯部 改修工事でできること

 

今回は、さまざまな付帯部の改修工事についてご紹介致しました。

これら全ての工事は、塗装工事後に行います。

なぜなら、これらの作業には足場が絡まないからです。

足場というのは、一戸建ても同じようではありますが、こうした居住者が何世帯もいらっしゃるマンションの場合、それだけご不便を多くの方におかけすることになります。

だからこそ、足場を解体した後に行うことのできる工事は後ろの工程にまとめ、足場を1日でも早く撤去できるように、足場を必要とする工事を優先して進めるのです。

 

何世帯も居住者がいるマンションの改修工事は、それだけ細やかな気配りが必要となります。工事の内容、工事する順番などで少しでもお客様に負担なく進めるのが弊社の工事です。

併せて観たいYouTube  マンション改修工事

改修工事の順番や、部材の再利用することで費用を多少抑えて工事することもできますので、ご相談ください。

古い付帯部を新しくし、居住者の方が使いやすくするために、さまざまなご提案をさせて頂きます。

ロープアクセスは塗装工事には不向き?工事内容から見る費用の考え方とは

By 防水担当の日誌

先日、ロープアクセスという工法を使った工事をしました。

この工法は高いビルなどの壁面にロープをたらし、職人がロープを使って移動しながら工事する方法なのですが、この工事ができることを知ると「もしかして足場を建てないで塗装工事ができるのではないか?」と誤解をされるお客様がいらっしゃいます。

 

ロープアクセスでできること、できないこと。またそれにまつわる工事費用のお話をいたします。

間違った工事費用の値段交渉とは

 

最近さまざまな物価の高騰などがあり、塗装工事においても材料費やさまざまなもののコストが上がってきています。

そうなると、みなさんは少しでも工事費用を安くしたいと考えるでしょう。

これはあたりまえのことです。

しかし、安くしたいと思うあまりに、間違った値段交渉をされることがあります。

 

その間違った交渉の一つが、このロープアクセスの工事です。ロープアクセス工事は、屋上にロープを固定し、職人が一人で作業をします。足場を組むことなくできることから、技術料は高いものの通常の工事よりはリーズナブルと言えるでしょう。

 

しかし、あくまでもこれは簡易工事です。大切な建物の10年ぶりの工事にもかかわらず簡易工事でいいのでしょうか?足場代は安くなりますが、それでも100万超えの工事です。

写真をみておわかり頂けますように、ロープアクセス工事の場合、職人が持てる道具や材料には制限があります。

そのため、塗装する場合にはバケツひとつしか持てませんしハケとローラーを腰にさすのが精一杯です。

両手を使う場合は体制が不安定になりますし、何よりも壁を蹴りながら上下に動くため足場を組んだ塗装と同等の仕上がりにはなりません。

 

また、足を壁からはなすと遠心力でロープに吊された職人は回転するので、塗料などが下に飛び散ります。

お客様の中には、ロープアクセス以外にも足場工事を割け費用を下げるために、「梯子でできないか?」「脚立でできないか?」と聞いてくる方がいらっしゃいます。

 

みなさん、少しでも費用を抑えて塗装工事ができないか…と考えて、このようなご提案をされるのですが、労働安全衛生法に違反にかかわってくるためできません。

ちょっとした補修工事などであれば話はまた別ですが、梯子や脚立を使用した外壁の塗装工事は、職人の安全が確保できないのです。

またこれもよくある誤解なのですが、材料にいいものを使ったら良い塗装工事になると思われますが、これは違います。

良い材料でも、正しい手法で適切な箇所に使用できなければ良い効果は期待できません。

関連記事 工事の安い高いがあるのは?足場工事から見る工事内容

工事の安い高いがあるのは?足場工事から見る工事内容

 

それを、ネットで薦めていた塗料だからと「使って欲しい」と言われることがあるのですが、お客様の家に合わない塗料は使用ができないのです。

例えば、お客様の家は壁自体に湿気が多く、上手く湿気を外に排出させる塗料を選ばない外壁があるとします。

そこを、30年保証などをうたった密閉力の良い塗料を塗ったらどうなるでしょう。

壁から湿気を逃すことが出来ず、壁が内側には湿気がたまり最悪の場合は雨漏りの原因となることに。

このように、ネット上ですすめられているものが、必ずしもお客様宅の家にぴったりと当てはまることはないのです。

 

それでもなお、どうしても…というリクエストがあればお客様がお望みの塗料を使うことはできますが、その場合は保証ができません。

そうお伝えすると、「なんで保証がつかないのですか?」と言われることがありますが、メーカーとしても塗装する土台の状態が想定したものとちがう場合、保証がだせないのです。

 

他社ではやれる工事なのになぜ塗装職人ではできないのか

 

 使用するのに向いていない塗料や、梯子や脚立、ロープアクセスでは工事が難しいことなどを説明すると、「他社さんはやってくれるっていっていましたよ」と言われることがあります。

 

この言葉の発端は、よく量販店などで「他店より安ければお値引きいたします!」といったあおり文句がありますが、たぶん量販店で少しでも電化製品を安く買うためにする交渉と同じ感覚なのかもしれません。

量販店の場合は、全く同じ品質のものを売っているため原価がわかりやすいので、他社と比較しながら値引きができます。

しかし、家の塗装は違うのです。

 

まず、それぞれの業者によって工事の見立てが違います。

A社では足場を建てて、屋根はカバー工法、壁面はシール、塗装など全面工事。

B社は簡易的な単管足場で、屋根は塗装、壁面は塗装の2回塗り。

 

この時点で、材料費、人工代、設備費などの原価が全く違います。

原価が変わってしまうので、費用が変わるのは当たり前です。

ではなぜこれだけの工事の原価に差がでるかというと、何もB社が安くしているわけではありません。工事の品質を落として安くしているだけで、最悪の場合技術力の無い下請けなどに丸投げをして、A社よりも利益を上げている場合も。

関連動画 外壁塗装の相場と家によって変わる30万円の差額理由

 

ですので、「他社さんはやってくれるといっていましたよ」と言われても、塗装職人は安いやっつけ工事をして利益を得る会社ではないため、そもそも工程の組み立て方から違います。そのため、同じ工事はできません。

また、ここでさらに誤解がうまれるのが「本当はB社くらいの工事内容で良いはずなのに、工事費用を高くするためにわざと過剰な工事をしているのではないか」ということです。

 

もちろん、そういう業者もあり被害に遭われている方もいるので「全ての業者が違います」とは言えないのですが、すくなくとも弊社は違います。

塗装職人では、お客様のお宅の状態にそった工事をご提案させて頂いており、もちろんお客様の予算によっては、優先順位の低い工程を削ったり、数年後に回せる工事箇所は回すご提案したりさせていただくことも。

余計な提案はありません。

関連記事 5階建てビルのロープ高所作業

5階建てビルのロープ高所作業

ロープアクセス工事についても同じです。出来る工事内容の場合はご提案いたしますが、向いていない工事の場合はご提案できないのです。

どうしてもロープアクセスで外壁塗装をやりたい場合は、残念ではありますが…他社のロープアクセスで塗装工事を行っているところで工事をするのが良いでしょう。

しかし、それは本当にお客様の家に合う工事かと言われれば、僕としては何も言えなくなってしまうのです。

 

弊社では、ロープアクセスの工事は建物の全面塗装においてお勧めはできません。

とはいえ、他の工事ではロープアクセス工事をすることもあります。

現場に合わせた工事のセレクト、これが弊社の基本です。

ロープアクセスですが、向いている工事もあります。

それは、今回おこなったビルの壁面にあるベントキャップの取り替え工事です。

(取り外したベントキャップ)

こちらのお客様が所有していらっしゃるビルは11階建てのため、ベントキャップの取り替えのために足場を建てると、ものすごい費用がかかります。

もちろん、ビル全体の塗装などがあれば話は別ですが、ベントキャップの取り替えのためにだけですと足場を建てた工事は非常にコスパが悪い工事となってしまうのです。

また、ベントキャップの取り付けであれば工事中の飛び散り被害も最小限となります。

 

ロープアクセスに適した工事とは

 

 今回はロープアクセスを使って、11階から順にベントキャップを交換していくことにしました。

お客様のビルは繁華街にあり、ビルの下にはある程度交通量もあります。

ですので、材料などの落下などにはあたりまえではありますが細心の注意を払うことが必要です。

まずは命綱とも言える、ロープの固定。屋上の笠木部分に保護具を当てロープが切れないように固定をします。

角部分にはテンションがかかりやすく、削れてしまう場合も。

また、笠木部分に施してある防水層が切れないようにするための養生にもなっています。

関連記事 ロープアクセスによる外壁打検

ブランコによる外壁打検と施工

 

ロープアクセスは『てこの原理』などをつかってロープを使いながら昇降するのですが、ゴンドラはワイヤーで支持します。ロープアクセスはその名の通りロープです。特別教育が必須です。

職人は腰部分にカラビナをたくさんつけ、安全対策として写真の赤い袋部分に金属の固定具がついており、これが落下防止装具です。

 

ロープアクセスは、作業床もなく複数の道具や材料を持つことはできませんので、ものを取るだけでも屋上と壁面を何往復かすることになります。さらに、体制の固定も難しい工事です。

普通に座っている状態であれば、吊られた状態でも壁に向かってまっすぐ体を保つことができるのですが、写真のようにものを取ろうと後ろにのけぞると、壁から足が離れくるくると体がまわる状態に。

このくるくると回ってしまう時に、塗料のついたハケなど持っていたら大変です。

壁だけで無く、下を歩いている人や車などにも付着してしまう恐れもあります。

 

今回はベントキャップなので、飛び散る恐れがあるものはシール材くらいです。

そのため、慎重かつ丁寧に工事を行いました。

古いベントキャップを外し、腰につけたバッグの中にいれ、新型のベントキャップを取り付け、テープを打ち、プライマーを塗りゴミを取ったところで一旦降ります。

その後シーリングをして、完成です。

簡易でやる工事ではありますが、特殊作業なため…これはこれで費用がかかります。

工事費用と労働安全衛生法の関係から見える工事の品質

 

先日、工事をした際に電線防護管を取り付けて工事をする現場がありました。

この電線防護管は、塗装工事する建物と電線の距離が近い場合には、感電などの恐れがあるために必ず行わなければならない工事です。

しかも、取り付け自体は塗装業者ではできないため電力会社に依頼して行うこととなります。

そのため工事費用を弊社が決めているわけでは無いため、値引きもできません。

しかし、その際に「電線防護管をつけずに工事することはできませんか?」とご相談が…。

 

これには「できません」としかお答えできず、「どうして?」と聞かれたので「つけずに感電災害をおこした場合には労働安全衛生法違反によって、懲罰罰金が科せられてしまいます」とお伝えしました。

労働安全衛生法によって、難しい工事はいくつもあります。

 

職人の安全を守るためしいてはお客様の家を守るためには必要な法律なのですが、お客様から値引きをもとめられるのがなぜかこの『職人の安全を守る』ための工程が多いのです。

前回のブログでもお話しましたが、間違った値段交渉がまさにこの部分と言えます。

関連記事 前回のブログ

業者の工事品質が分かる 塗装防水工事の仕上げ検査

 

安全対策として必要な工程をなくすことで、費用をさげることはできません。

安全対策をしていないということは、職人は安心して作業ができないため、工事の品質を下げることにも直結します。

ロープアクセスや、脚立、梯子での塗装。感電防護管なしの塗装。多少安くなったとしても、どれも事故や被害が出てしまったら莫大な費用がかかるのです。

関連動画 5階建てビルのロープアクセス作業

もしも、費用を下げたいのであればネットで安い工法や材料を探すのでは無く、まずはご相談下さい。

お客様の家に必要な工事と、その中で何を最優先にすべきか判断するためのサポートを致します。

最終的に工事内容を決めるのはお客様です。

 

そのための、知識の共有や家の状態の判別などはプロである我々がお伝え致します。

大切な家を守るために、ご判断頂ければ幸いです。

業者の工事品質が分かる 塗装防水工事の仕上げ検査

By ウレタン, 屋上防水, 防水担当の日誌

今回は工事完成後の検査と仕上げです。最後の検査は、僕が責任を持って行います。

実は、塗装業者で営業の人が最後の検査まで立ち会うことはそう多くはありません。

ほとんどの場合、営業ではなく現場の職人がおこないます。

 

そうなってしまうと、お客様のご要望を聞いたはずの人間は最後のチェックをしませんので、伝達不足などで工事の仕上がりに差異が出る場合も。

このブログでは、塗装の検査についてのポイントなどについてお話し致します。

なぜ最後の検査を営業の人間が行うのか

 

検査についてのお話をする前に、なぜ検査を営業である僕がすることに意味があるのか。それについてお話し致します。

僕が検査をするのは、全ての工程において何をすべきなのか、どう工事が仕上がるべきなのかを把握しているからです。

 

工事は、一人の職人が最初から最後まで作業するということはありません。

ほとんどの場合、複数の専門の職人が携わり、リレーのように工事をつないで完成します。

よくお客様から頂く質問で「来て頂く職人さんは、自社の社員ですか?」と聞かれることが……。「職人は自社社員ではありません」とお答えしますと、「丸投げをしている」と誤解されることがあります。

丸投げというのは、元請けが自分の会社では工事はせずにすべての工事を職人になげ、工事には関わらず利益を抜くようなことを言います。

しかし、弊社の場合は工事の計画を立てること、そしてその工事を実行するために適材適所となるように、弊社で厳選した職人を手配しますので、丸投げとは違うのです。

弊社の見積もりを見て頂くと、それぞれに項目があって何にどれだけ費用がかかるかというのが明確に分かります。これがある意味では丸投げではない証明なのです。

 

お客様からご覧になれば、塗装の職人も屋根職人も足場職人もシール職人も、皆似た作業着を着ているため、同じように見えるでしょう。

しかし、実際はそれぞれ専門分野が違う職人です。

家の工事というのは、様々な技術が複合されて成り立ち、塗装工事だけでは壁に空いた穴は塞がりませんし、腐った下地がよみがえることもありません。

壁に空いた穴は大工工事ですし、もっと言えばなぜ壁に穴が空いたのか原因究明する必要もあります。

 

その場合に配管などが関われば、設備の職人が必要となりますし、雨が吹き込みやすいことが原因であれば、吹き込み口が腐らないように防水処理も必要になるかもしれません。そうなると、防水職人が必要となります。

何もトラブルがない壁でも、10年を過ぎたサイディング壁であれば塗装の他にシール工事も必要となり、このシール工事もシール職人の専門的な技術が必要です。

もちろん技術を持った職人達なので、中には塗装工事の専門でありながらシール工事ができる職人もいます。

 

しかし、医者に置き換えて考えてみて下さい。

もしお客様が患者だとしたら外科専門のエキスパートに手術してもらうのと、専門は内科だけれど外科手術もできるドクターに手術をしてもらうのだったらどちらを選びますか?

どんな人でも、外科専門のドクターにしてもらうことを選ぶと思います。

塗装工事も同じです。

 

塗装工事は塗装の専門職人、シールはシールの専門職人に工事してもらうことがベストとなります。

とはいえ、それぞれの分野の職人達は連携を取ることはしません。

そこで、弊社を中心として各分野の職人達と連携して、工事をする必要が出てきます。

それが、工事の頭から終わりまでまとめる現場管理です。僕の場合は、営業の他にも現場管理を行っていますので、お客様の現地調査をし、お客様のご要望をヒアリングした後に工事計画と見積もりを立てた上で、最後もお客様のご要望がすべて叶えることができたか検査もします。

関連記事 足場解体前の検査

足場解体前の検査 足場解体後の点検 プロの目線とは

僕はもともと職人ですので、工事についても専門的な目を持ってチェックすることが可能です。

ちゃんとお客様と打ち合わせした通りに工事が成されているのか、工事後の不具合は無いのか、工事した箇所が汚れなく美しく仕上がっているのか。それらをチェックすることで、工事の品質も保ちます。

 

工事を全て自社で行っているという業者は要注意

 

もしも、塗装工事を依頼して全ての工事を自社で行っています…という業者がある場合は、少し疑ってかかった方がいいかもしれません。

足場工事も、シール工事も、屋根板金も防水工事も、自社で…というのは、ほぼ不可能だからです。

もし自社で行っているとしたら、兼任できるオールマイティーな職人がいるなどでしょう。

 

しかし、専門ではないので工事の仕上がりは最高のものにはなりません。

最悪の場合は、自社社員と嘘をついていることも…。

自社の社員が作業をしているから安心か…と言われると、塗装工事の場合はそうとは言えないのです。

 

僕がお客様宅へ行って、現場調査し考え抜いた作業計画は、どれもそれぞれのエキスパートがいなければ成り立たない工事といえます。

この工事のやり方は、ゼネコンの工事方法と近いやり方です。

僕は職人時代に、ゼネコンの仕事にも過去に多く関わっていました。

それらの経験があるからこそ、より綿密にお客様の家に必要な工事をすることができます。

関連動画 ゼネコンに近い弊社の現場

工事を依頼する際に、ついネットの情報で判断してしまいがちですが、ネットの情報というのは目を引くためにわざと断定的なことを書くことが多い傾向が…。

だからこそ、ネットだけでなくさまざまな塗装工事についての知識を得てから、多角的に判断して依頼する業者を決めることが大切だと思います。

 

ここまでは、なぜ営業である僕が最後の検査を行っているのかということについてお話し致しました。

ここからは、実際の検査についてお話ししたいと思います。

 

 

お客様のご希望の工事が仕上がっているかの検査とは

 

ではここで、もう一度工事の流れを確認しましょう。

お客様宅の現状を調べ、打ち合わせにてご希望を伺い、その後家に合った補修工事プラン、塗装プランをたて、そこから様々なエキスパートに作業を分担し、最後は全ての工程を把握している僕が工事の仕上がりを確認する。

これが、僕が担当している工事の流れです。

ここで難しいのは、工事について専門職の職人達がそれぞれ完璧な工事をすればいいかというと、そうではないということです。

「なぜ完璧な工事をしては駄目なの?」と多くの方が思うでしょう。

しかし、ここで家の補修工事や塗装工事をする上で、理解しなければならないことがあります。

 

それは、家には鉄、木、樹脂などあらゆる材料が使われており、一つの素材にとっては正解な工事方法でも、他の素材によっては合わさることで副作用がでてしまうものがあるのです。

それゆえに、各担当の専門職人が余白を残して工事することで、水と油をうまくくっつけることが可能になります。

 

例えば、この写真をご覧下さい。

タイルとコンクリートをつけているのですが、異質なもの同士を接着させるために、シーリングを分けて打っています。シーリングとタイル、コンクリートがうまく接着しているか端部の確認が必要です。

 

またこのガラス屋根をご覧下さい。

このガラス屋根の雨漏りがきっかけで、今回は塗装防水工事のご依頼を頂きました。

本来はこの隙間が埋まっていなかったのですが、水がたまり雨漏りの原因となるために塞ぐ目的でシールを打っています。

しかし完璧に塞いでしまうと、ガラス屋根のフレームはアルミフレームのため、熱膨張で大きく動くことで切れることに。そこで再度切れたことも考え、完璧には塞がず隙間を作り、水抜き穴も人工的に作っているのです。

 

本来であれば、ガラス屋根のフレーム部分の隙間を埋めるだけで完成となります。しかし、それだけではシーリングが切れたときにまた雨漏りになってしまうので、あえて全部は塞がずに水抜き穴を作るのです。

この二つの工事からも分かるように、どんなに完璧に塗装をしても異質なものを掛け合わせているところは不具合が生じます。その不具合が起こるのを最小限に抑える工事が余白を残した工事なのです。

 

仕上げ検査では、この微妙な仕上がりを確認するのが、とても大切となります。

きちんと工事を理解していないと確認できませんので、工事経験のない担当者では、チェックすることが不可能なのです。

 

その他点検箇所

 

防水層の立ち上がり部分も確認が大切です。

写真の赤い印をご覧下さい。

これは、前回防水材が剥がれてしまっていて、ここの端から床材がめくれていました。

そうした部分もきちんと防水材が壁にそって立ち上げられているか確認をします。

 

またエッジ部分も、塗料が剥がれていないかチェックを。

塗装の際に、ガムテープを貼ってその上から塗っているので、剥がしたときに塗料が剥がれてしまう場合が。ですので、細工の確認だけでなく、仕上がり具合は徹底的にチェックします。

 

雨降り後は防水工事の検査に最適

 

今回検査をする日は、雨が降った次の日でした。

こういう日は、チェックにはもってこいの日といえます。

なぜなら、きちんと雨が入り込んでいないか、しっかりと防水出来ているかの確認ができるからです。

関連動画 この屋上の防水工事

僕がこれまで担当したお客様宅で、雨漏りに困っていた方の家には、大雨などの後には伺うようにしています。

実際の大雨を何度かやりすごすことで、防水工事がきちんとできたと言えるからです。

今回も、きちんと雨水が漏れている箇所などがないか確認しました。

 さらに全景もチェックします。

室外機の足など、鳩小屋と言われる中央にある小屋の上に防水材を撒く時にはあげることが…。職人達は、下を見ながらずっと作業するため上にあげたものなどを見落としがちになるからです。

僕の場合は、検査の時最初に上からチェックします。

どうしても工事の仕上がり箇所に目がいってしまうと、こうした工事と関係ない備品などを見落としがちになるからです。

 

また配管がまっすぐか、旧脱気筒を取ったところは目立たないか、新しく付けられた脱気筒はまっすぐかなどもチェックを。

トップコートの塗り残しなどがないかも、こうした全景からチェックします。

昨年12月12日のブログでも言及しましたが、通気層の破断箇所もしっかりと補修できているか確認を。

今回溝の手前5センチくらいのところで、通気層を切り、溝の中に補強クロスを貼るという工事でした。

 

前回は納め方が悪く、層の端部が切れてしまいまくれ上がったことで、水が入っていたため、きちんと納まっているかチェックするのです。

関連記事 昨年12月12日のブログ

防水工事 建物の現状、部材の特徴に合わせた下準備とは

チェック後お客様へのご報告

 

こうして、今回のチェックを終えました。僕は報告の際には各箇所を撮影した写真を1冊のファイルにまとめてお渡しします。

屋上など、お客様が登ってみるのには難しい場所でも、こうして細部を撮影した写真でチェックして頂くことが可能です。

また、今回サラセーヌを使用したのですが、こうしたフッ素をのせると防水は寿命が通気で10年と言われています。

こちらは非歩行の場所に使用ができる塗膜防水材なのですが、こちらの屋上が屋上中央にあるはしごでないと上り下りできないこと、お客様がご高齢であることなどを考慮して、サラセーヌフッ素に決めました。

実は、お客様が前回塗っていたトップコートは防水が10年持つものではあったものの、5年で一度お化粧直しをしないと行けないトップコートだったのですが、業者からは何も説明が無かったのだそうです。

 

そのため、当然5年目のお化粧直しが行われて折らず、所々が剥がれひどい状態になっていたのでした。

弊社では、そのようなことが無いように必ず保証やお手入れについてもご報告します。

これを全て説明することで、検査の完了報告となるのです。

 

仕上げの確認検査時に、きちんと出来ていない箇所があれば職人に修正してもらいます。

また工事後の始末についても確認を。

お客様にご満足頂けるように、工事後のチェックまで気を抜かないのが弊社の工事です。

今後も、全ての職人と連携を取りながら、お客様の思いを最後まで完成させるために、きっちりとチェックしたいと思います。

 

以上、塗装職人の仕上げ検査についてご説明致しました。

お客様に少しでも安心して工事をお任せ頂くために、今後も精進したいと思います。

二棟からなるマンションの大規模改修工事

By 防水担当の日誌

今回は以前、弊社が担当した築20年になる4階建てマンションの大規模改修工事をご紹介します。
マンションの立地は私鉄の駅から徒歩5分の場所にあり、商店が点在する通りの途中にあります。

比較的賑やかな環境にあるマンションです。

今回の工事の依頼はオーナー様からでした。ご相談は外壁の補修と塗装と防水工事でした。外壁はRCです。
このマンションはA棟とB棟ふたつの建物からなり、二つの棟は各階の廊下で繋がっています。

住居数は24部屋。B棟の1階は店舗になっています。

あちらこちらに経年劣化による傷みがある建物で、現地調査は念入りに行いました。

外壁にクラックや欠損の発生がありました。

契約となり工事が開始されました。

1000㎡を超える敷地に足場を設置するには4日間掛けました。
前述したとおり、比較的賑やかな環境にある建物なので安全には十分配慮をしました。
そして、鳶職人によって二棟からなる横長の建物に安全な足場を設置しました。

関連記事 足場工事から見る工事内容

工事の安い高いがあるのは?足場工事から見る工事内容

足場の設置後は高圧洗浄を行いました。一級塗装技能士の竹山職人たちによって、建物の上から下まで、隅から隅まで徹底的に高圧洗浄機で洗浄を施しました。

洗浄箇所が広く細かくあるので、作業は3日間掛けて行なわれました。
高圧水流で普通の洗浄では落ちないような汚れも取れて、大変きれいになりました。

高圧洗浄のあとは塗装工事に入りますが、並行して外壁補修工事とシール工事を行いました。
こちらは松尾防水職人の下、作業に当たりました。

外壁補修は工事前に行った劣化診断に基づき行われました。
クラック補修は36㎡、欠損部は61ヶ所ありました。爆裂が起きている箇所もありました。

爆裂は、外壁の中にしみ込んだ雨水によって鉄筋が錆びて膨張して、内側から外側へ外壁を膨張させてしまっている状態です。
施行は膨張した壁を斫して、錆びた鉄筋のさび落としをして、防錆プライマーを塗布したのちに、モルタルで形成します。

鉄筋コンクリート壁のひび割れと爆裂補修

シールの施工箇所は多岐にわたり、トップライト、サッシ、サッシ水切り、玄関ドア、建具、メーターボックス、基礎巾木、換気フード、メールボックスのそれぞれに行いました。

関連記事 マンションのシーリング工事

マンションのシーリング 大規模修繕の現場にて

このあとは防水工事と塗装工事に続きます。

 

マンション大規模修繕をお考えのオーナー様。

塗装職人はお客様の物件にあった最良の施工を考えます。

お気軽にご相談ください。

世田谷の防水工事・仕上げと2023年の総括

By ウレタン, 屋上防水, 防水担当の日誌

今年最初のブログは、昨年から工事しております世田谷のお客様宅のお話と、昨年の総括をお話しできればと思います。

昨年は、お客様や職人に恵まれた1年だったと思います。

なぜなら、このブログもそうですが、僕が担当している工事のいくつかは複雑なものも多いからです。

できるだけわかりやすいように説明をさせて頂いておりますが、そうした僕の話を一生懸命聞いて下さるお客様がいらっしゃることで工事をすることができます。

また、いろいろと僕が考えることが出来ても、現場の職人がそれを実現化してくれなければ成り立ちません。

皆さんの協力があって、さまざまな工事を完成させることが出来ました。

本当に感謝しても感謝しきれません。

今回は、そんな協力があって仕上げることのできた屋上防水工事についてと、昨年一年の振り返りをお話し致します。

関連動画 今回の工事の様子

 

防水工事の仕上げ

 

まずはこちらをご覧下さい。

世田谷にあるマンション屋上の防水工事完成時の写真です。

まるで絹ごし豆腐の表面のように、なめらかで美しい仕上がりとなりました。

この鏡面のようにしあげるために、防水材は缶の中身を一文字に床に撒き、それをまたぐようにして職人が立ちます。その撒いた防水材を、上から下へ向かって移動しながら小手をワイパーのように流し、均等に塗り広げを。左に寄ったり、右に寄ったりしないように均一の幅で塗ることが大事なため、職人の技術が必要です。

その後、トップコートは長柄のローラーで仕上げていきますが、材料をローラーにつけ左右に引っぱります。

ローラーなので、塗料を吸い込みやすく塗るのが大変ですが、これも熟練の技でしっかりと塗り上げを。

この床面ですが、このように美しくあげるためには職人の気質と気遣いが必要です。

というのも、風でほこり・ゴミ・落ち葉などが舞う屋外の環境の中で、このようななめらかな表面を作り上げるのは至難の業と言えます。

 

職人の気遣いとは

 

ではいったいこの職人の気質と気遣いとは、どのようなことなのか…説明しましょう。

まずは気遣いです。

これは、職人によってではありますが、風が吹く日などはあえて防水材を撒かない人もいます。そしてできるかぎりゴミを巻き込まないようにしっかりと掃除をしてから防水材を撒くのです。撒く際も、可使時間を考え、防水材がダマにならないように、手際よく手のストロークを使いながら塗っていきます。この時、少しでももたつくと、防水材が固まってしまうと液状のところと隔たりができてしまい、均一に混ざらなくなってしまうのです。

卵焼きを作る際に、火を入れると卵が固まるところと液状のところができますよね?そのようなイメージです。固まった卵は液状の卵とは混ざりません。

防水材でも同じ事が起こるのです。

もちろん、ただ気を遣ってタイミングを待っていたのでは時間だけがかかってしまうので、工事の全体も把握します。

こうしたこと全てに気を遣うことが職人には求められるのです。

関連動画 雨漏り完全防止

今回の防水工事は、膜厚は4.5ミリと床面としては厚い仕様となっています。

防水材を薄めすぎることなく、しっかりと必要缶数も使用して、端から端までびっちりと仕上げました。

防水材は、目と手の感覚で塗ります。膜厚計などを使ってはかる場合もありますが、あまり個人宅では使いません。

そのため、職人の技に差が出ます。

関連記事 前回のブログ記事

防水工事 建物の現状、部材の特徴に合わせた下準備とは

また、防水材を撒いている途中でも、ゴミが落ちていれば取り除かなければなりません。

ローラーの毛が抜けたり、ゴミが落ちたり…ハエ、トンボ、木の葉、さらには鳩の足跡や糞など。

しゃがんで小手で塗り込んでいる際も、立って長柄のローラーでトップコートを塗っている時も、このゴミを拾うのは大変です。というのも先ほど説明したように、塗料はすぐ固まり始めます。リズムが崩れれば、それだけ美しく塗ることが難しくなるのです。

また、ゴミの取り除き方にも職人によっていろいろあり、一つも落ちていないよう心がけ作業を行う職人もいれば、「これくらいは許容範囲だろう」とゴミを巻き込んだまま仕上げる職人がいます。

 

これもある意味、職人の気遣い、さらには気質に関わってくるところなのです。

ここまで、屋上防水について、仕上げの経過をご報告致しました。

そして、ピカピカの床面を仕上げるために、職人の技術はもちろんですが、職人の気遣いや気質も関わってくるとのお話しも……。

ここからは、そんな工事に関わる職人の気質や、昨年の総括について引き続きお話ししたいと思います。

 

完璧な仕上がりに必要な職人の気質とは

 

職人の気質について、一番現れやすいところがあります。

それは道具の始末や、移動用の車内などの様子です。

道具の始末が悪かったり、移動車の車内が整頓されていない職人は、仕事にもそうした影響がでるように僕は感じています。

今回の世田谷の塗装チーム、防水チームには道具や車内が乱れているような職人はいません。

マナーもよく、美しく仕上げるための基準ラインが高い人々です。

工事だけを見れば、何の気なしに塗っているように見えますが、人が変わるだけで仕上がりは変わってきます。これが気質の差ではないかと……。

こちらの排水口もご覧下さい。実に綺麗な仕上がりです。

 

このような傾斜している床面を塗る場合、下に塗料が溜まってしまう場合がありますが、写真をみて分かるようになんのたまりもなく、綺麗な塗膜が均一に覆っています。

ガラス屋根も非常にきれいに磨き上げ、塗材が付いていた際に剥がすヘラも準備していましたが、そうした余分な塗材もついていないほど、美しく仕上がっていました。

職人の技術だけではない、そんな細かな気遣いや気質までがこの仕上がりにつながる要素だと僕は思うのです。

 

工事を仕上がりから逆算して考えることの大切さ

 

ウレタン防水の床面を仕上げるためには、足場も重要となります。

世田谷のお客様宅の工事ブログをはじめた際に、「屋上へ上るためのタラップがあるけれども、足場を組むことにしました」と書いたことを覚えていらっしゃいますでしょうか?

タラップは、屋上の真ん中に出入り口があるため、それですと防水塗装をした際に端から端へ逃げられず、塗装のつなぎ目ができてしまいます。

ですので、今回はあえてタラップは使わず、端から逃れられるように足場を組んだのです。

まさに、今回のこの防水材の仕上げ方に、この足場の話はつながります。

もしも足場がなかったら、床一面つなぎ目などの凹凸はなく仕上げることは出来なかったのでしょう。

こうした作業を逆算した足場も、職人の技術と考え、そしてチームとしての意思疎通があってこそ成り立ちます。

今回の工事は、塗装班、防水班、シール班ともに職人達がしっかりと工事をしてくれたことで、ここまで美しく仕上げることができました。これが塗装職人の工事なのです。

2023年を振り返って

 

昨年も、さまざまな工事をした1年でした。

僕は幸運にも、お客様が僕のとことん突き詰める工事のやり方を気に入って下さって、「松尾さんは現場に来てくれるの?」とご指名してくださるお客様も…

実は、僕が見積もる工事費用は、どちらかと言えば高い方だと思います。

どうしても10年先のことを考え、今打てる手を全て打とうとしますし、防水塗装ひとつとっても、できるだけ丁寧な工事をしたいと考えてしまうからです。

そのため、費用がかかってしまうことに。しかし、その費用に見合った工事を心がけています。

かかった費用分の対価をお客様は受け取るべきだと思うからです。

関連記事  防水工事スタート 下地にかける何重もの予防と配慮

防水工事スタート 下地にかける何重もの予防と配慮

職人達の工事はもちろんですが、検査でも徹底的にチェックをし、不十分なところはやり直しした上でお客様に引き渡しをします。

昨年は10軒ほど雨漏り相談があり、無事雨漏りを止めました。

工事の途中で雨漏りが見つかった家もあり、雨漏り未遂の家も含めるともう少し件数は行くでしょう。

僕は、雨漏りで担当したお客様のところでは、工事後しばらくしてから訪ねるようにしています。

なぜなら、工事後の経過をしっかりと把握したいからです。

雨漏りの原因箇所は合っていたのか、対処は合っていたのかなど…そうしたことは、時間が経過し、何度か大雨を体験した後でないと本当に雨漏りが止まったのかわかりません。

それゆえに、時間をおいてから訪ねるのです。

関連動画 雨漏りの悩みから解放された3度目の屋上防水

 

昨年はGoogleの口コミも高評価をたくさん頂き、中には業種は違いますが現場というものを熟知したお客様から、良い評価を頂けたこともありました。

今年も、お客様に口コミを頂けるように頑張りながら進化もしたいと思います。

なぜなら、現場は刻一刻と環境や材料などが変わってくるからです。

この一年で防水材なども、主流が変わってきました。

前までは2液混合という防水材で、2液を混ぜることで化学反応によって内側から固まるものが主流でしたが、現在では手軽な使い心地から1液の防水材が増えてきているのです。

1液は表面から乾いていくので、僕としては少し怖い材料になるのですが、そんな時代の変化もメーカーや材料屋の担当と話すことで把握することができます。

昔からのやり方を踏襲することは大切ですが、ゲリラ豪雨や40度超えの気温など、環境は刻々と変化をしているので、現場も成長していくことが必要なのです。

2024年も、環境の変化を受け入れながら工事を進化させ、だらだらしないプロとしての仕事を致します。

もちろん僕が打ち合わせをしたお客様へは、営業として見積もりをするだけでなく、現場の管理まで含め責任をもってさせていただく所存です。

関連動画 今回の工事・ビフォアアフター

僕はいつも思っている言葉「かゆいところだけかく工事」を実現するために。

余計なことはせず、適切な材料を適切な場所へ提案できる工事を致します。

「この材料を使うという発想は御社しかなかった」「ここにこうした工事をして雨漏りを防ぐという発想は御社しかなかった」と今年もお客様に言っていただけるように、テンプレートとされる材料を提案するのではなく、その家に合った材料を提案する。

僕が職人をしていたからこそ、提案出来ることを提案致します。 

何か工事についてご相談がありましたら、ご連絡ください。

調剤薬局がお医者さんの診断でその患者に合ったお薬を処方するように、お客様の家にあった塗装材や工事方法などを提案し、実現いたします。

 

新年ご挨拶 防水施工技能士・見積もり担当 松尾

By 防水担当の日誌

新年あけましておめでとうございます。

 

昨年は多くの口コミをありがとうございました。

今年もお客様の期待値を裏切ることなく、工事を進められればと思います。

僕が現場に営業&管理として立っていて一番辛いのは、お客様をがっかりさせてしまうことです。

そうしたことが無いように、今年もこれまで培った経験と、現場での学びを糧として新しい事柄にも対応できたらと……。

 

最近では台風、ゲリラ豪雨、40度超えの気温などがあり、10年前とは環境が大きく変わってきています。

そうした環境の変化に対応できる塗装をするために、現場で学び続けなければならないのです。

 

さらに、僕は営業という仕事柄、お客様の言葉と職人の言葉をつなぐ役目だと思っています。

お客様の思いを指示として具体化し職人に伝え、職人の言葉を分かりやすくお客様に伝える。

これがスムーズに行くことで、お客様も職人も会社もWINWINな工事となるのです。

 

今年もこのブログで、さまざまな事例や現場の今をお伝えしたいと思います。

お客様がブログを通して、必要な工事がなんなのかご判断頂けるように。わかりやすく解説するつもりです。

本年もどうぞよろしくお願い致します。

 

防水施工技能士・見積もり担当 松尾行彦

ベランダの補修工事いろいろ 美観工事や雨漏り工事

By 防水担当の日誌

いよいよ年の瀬が迫ってきました。
現場も最終日に向けて、工事が詰まっています。
今回はそんな工事の中から、ベランダ工事について2軒ご紹介です。
ベランダ工事は美観工事と雨漏り工事などがありますので、それぞれの工事をご紹介したいと思います。どうぞご覧下さい。

ベランダの美観工事

お客様宅で、ベランダに敷いたウッドデッキの塗装と復旧をいたしました。
塗装工事と同時に、ベランダのウレタン防水工事をすることとなり、ベランダに敷いてある
ウッドデッキを取り外すことに。

関連記事 バルコニー防水の仕上げはトップコート材にチップを入れて滑り止め

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こちらのお宅のように、ベランダに構造物がある場合、どかすなどしないと防水工事はでき
ません。そうした場合には、復旧までを考えた取り外しを行います。
ウッドデッキは外にあるため雨風に晒されることが多く、部材として頑丈な木材が使われる
箇所です。
主にインドネシアや南米のイペ・ウリンなどが使われることが多く、これら木材は高価です
が耐久性に富んでいます。
日本の木材ですと檜などもありますが、このイペやウリンは檜よりもさらに頑丈です。
木材には比重が重いものほど目が詰まっていて頑丈とされており、比重で言うと(水を1と
した時に木材の重さがいくつかを比べる)、水にも強く頑丈とされている檜などは、0.4。
イペやウリンですと1.0を超えるものもあるほどです。

密度が高いということは、重さもその分アップします。
今回のウッドデッキの材料は、まさにこのイペなどの種類で非常に重く、通常木材の2倍ほ
どの重さがありました。
取り外す際も、持ち運びに手こずり設置する際も木が堅いため、ネジがねじれ切れてしまっ
たことも。

こちらのウッドデッキは、ビスも普通のビスよりも太めのものが使われていました。

ウッドデッキを取り外してからの作業としては、塗装をするためスペースが必要となり、お
客様宅では作業スペースを確保することができませんでしたので、弊社事務所まで移動しま
す。その後、場所を確保したらケレンをし、表面の汚れなどを落とし塗装のための下準備を
しました。

さらに2度塗り塗装を行います。
今回はお客様宅にある境界フェンスにも同じ木材が使われていましたので、色合わせをして
濃い茶色で塗りました。

その後、ウレタン防水と外壁塗装が終わったところで、ウッドデッキを戻します。
これは、非常に神経を使う作業です。

少しでも壁面をこすってしまうと、塗り立ての壁にあとがつきます。
ですので、慎重に復旧を行いました。

ベランダにあった天窓と窓枠は、取り外すことができません。復旧がないのであれば、囲ん
でいる木材を割ることで取り外せますが、今回は復旧が必要だったので、そのまま現場で塗
装を。

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こうして、ウレタン防水とウッドデッキの塗装を終えて、ベランダの美観がより美しいもの
に仕上がりました。

 

ここまでは、よくあるベランダ工事の紹介として、美観工事のお話を致しました。
ここからは、ベランダでよく起こる雨漏りの補修工事をお話し致します。

美観工事と違い、雨漏り補修の場合は雨漏りによって傷んだ箇所の補修、そして雨漏りが今
後起こらないように予防するための工事が必要です。
雨漏りを補修し、予防するためにどのような工事を行ったのかご説明致します。

 

ベランダに起こりやすい笠木からの雨漏り

次の現場は、ベランダに笠木がついているお宅です。この家では、下地の大工工事のみに関
わりました。
この笠木ですが、非常に雨漏りが起こりやすい箇所です。

通常笠木はベランダの途中にジョイント部分があり、そこから雨水が浸入することが多くあ
ります。
さらに、古い家ですと笠木を留めるために上からネジを打ち込むタイプのものがあるのです
が、これはかなりの確率で雨漏りの原因になることが。
今回のお宅も、まさにこれらが原因で雨漏りが起こっていました。

ベランダの笠木下のサイディング壁をはがし開けてみると、コンパネが雨水によって腐って
います。
幸いなことに、ベランダの壁面だけで、雨漏りの伝わりが止まっており、他のところに雨水
が伝わって雨漏りが広がっているということはないようでした。

たまに、ベランダの笠木からはいった雨水がベランダを伝い、軒天に入り込み、最悪の場合
家まで浸潤してしまう場合が。
そうなってしまうと、大々的な工事となります。

今回はベランダのみでしたので、工事としては非常に小規模で済みました。

 

こちらの写真は、腐っているコンパネを全て除去したところです。
上部分から、4本のビスが突き刺さっているのが見えますでしょうか。

このネジ穴の雨仕舞いが悪く、雨水が浸入すると雨漏りとなります。
ベランダ雨漏りの一番水が入るところに症状がでており、わかりやすい原因でした。
ベランダは屋根もなく雨風にさらされているため、家の中でも補修が多い箇所と言えます

それゆえに注意が必要なのです。

今回は、傷んだ下地を取り除き、そこに骨組みをいれて下地も入れました。

 

さらにコンパネを貼り、防水紙を貼ります。

後は、別班のサイディングチームがサイディングを張り込みました。

 

関連動画 腰壁サイディングの貼り替え

実は、今回雨漏りがでた笠木ではありましたが、予算などの関係から取り替えることはせず
そのまま再利用をすることに。
最近の笠木は、こちらの笠木のように上からビス留めするものはほとんどありません。
理由は、この雨漏りです。

そのため、このように上からビスをもむのでは無く、外側からビスを使わなくてもはめられ
る金具があり、それで固定できるようになっています。
それくらい、上から止めるビスというのは、雨漏りの原因になるのです。

そこで、この弱点をカバーするために、別の手を打つことにしました。
ビス部分には、シールをして雨の侵入を防ぎます。
さらに笠木のジョイント部分はオーバーブリッジを行い、カマボコのようなカバーをとりつ
けることにしました。
はじめに、固めのスポンジで型枠を作り…そこにシーリングをたっぷりと注入します。
それをならし、乾いてから型枠を外し完成です。


くっつきの悪い素材や状態によっては、さらにカマボコ状のシーリングの角を埋めるように
シーリングを打つことも。
この工事は乾くのに時間がかかり、1日では終わりません。
時間の確保も必要となりますので、スケジューリングも重要です。
こうして今回の雨漏り補修は終わりました。

関連動画 サイディング外壁のひび割れ補修専門 シール屋のこの技

このベランダのように、サイディングを開けて中を見る工事の時は、十分に注意を払って隅
々までチェックをします。
通常の工事では、何か気になることやトラブルが無い限り、壁を開けて工事するということ
はまずありません。

 

壁を開けるためには、作業費もかかりますし、場所によっては足場がないとみることもでき
ない箇所も。
少しでも気になることがある時は、雨漏りの浸潤具合などしっかりと調べて対応することが
大切です。

 

補修箇所のチェック

今回は美観のための工事と、補修工事についてベランダ工事を例に挙げてご紹介いたしまし
た。
外壁塗装をする際には、是非他の気になるところもチェックし、工事することをおすすめ致
します。

工事をする職人としては、せっかく費用をかけて足場を建てて工事をするからこそ、少しで
も異変がある箇所について、お客様へご報告を。養生を家全体に巻く際など、雨漏りの痕跡や侵入口を見つけることがあり、通常の点検では
見つけられないトラブルを発見することもあります。

少しでも、お客様の家が美しく丈夫に持ちますように。
これからも注意力を持って、美観工事や雨漏り補修工事に臨みたいと思います。

防水工事 建物の現状、部材の特徴に合わせた下準備とは

By 防水担当の日誌

今回のブログもガラス屋根のあるアパート屋上工事の続きです。防水を打つまでの下地準備について本日は書きたいと思います。

なぜこの工事をここにするのか、弊社では工事する理由が明確です。

関連記事 前回のブログ記事

防水工事スタート 下地にかける何重もの予防と配慮

このブログでは、実際の工事の写真を踏まえて細かな工程をご紹介したいと思います。

シールの打ち分け

足場も組み、高圧洗浄や補修、プライマー塗装も終わりましたので、いよいよ防水工事です。

先日のブログでもお話したとおり、笠木にステンレスが使用されていることで、シーリング部分に断裂が起こっていました。

また、前回の塗装工事で別の業者が防水工事の際に取り付けたであろう脱気筒もすでに役目を果たし終え、尚且つ脱気筒の通気シートの下に水が入ってしまっていましたので、旧脱気筒を外し、穴を塞ぐことに。

関連動画 ピカピカ肉厚のウレタン屋上防水

 

今回は再度通気緩衝シートを使用しますので、工事としてペアとなっている新しい脱気筒の設置も行います。

これらの作業を進めるために、まずは下準備です。

最初はシールの打ち分けを行います。

ステンレスの笠木と壁の立ち上がりの間に打つ白いシールが、ウレタン防水の下になる『捨てシール』。このシールは太陽に当たると劣化しやすいため、防水層の下に打ちます。

次に笠木の上に打つグレーの変成シリコン。

変成シリコンは紫外線に当たっても劣化しないため、露出したままにすることが可能です。床や立ち上がり部分に塗る防水材と、色合わせをしています。

またガラス屋根部分のシーリングは、元々打ってあるシーリングをカバーする形で打つことにしました。

変成シリコンは紫外線に当たっても劣化しないため、露出したままにすることが可能です。床や立ち上がり部分に塗る防水材と、色合わせをしています。

またガラス屋根部分のシーリングは、元々打ってあるシーリングをカバーする形で打つことにしました。

 

こちらの写真をご覧下さい。

元々のシーリングが、ガラス屋根の隙間の凹み部分に打ってありました。

そのため、雨水が溜まりやすくなっておりここもまた雨漏り原因の一つとなっていたのです。

そこで、蓋をするような形でシーリングとしてシリコンを打ち、さらに水抜き穴を作成するために、ドレーンのようなものを入れ隙間をあけて打ちます。

 

なぜ水抜き穴を作るかというと、ガラスは気温によって膨張や収縮をします。

それに引っ張られる形で今回表面に打ったシリコンが切れてしまう可能性があるため、万が一切れた際に水が入り込んだとしても、水抜き穴から水を排出できるようにしたかったのです。

 

ガラス屋根は、この工事をするきっかけにもなった雨漏り原因をはらんだ屋根です。

さまざまな可能性を考えてシーリングを打つことで、この先10年の家の持ち方が変わります。

 

関連記事 こちらのマンションの工事の見るべきところとは

デザインに優れた工事?費用の安さに特化した工事?工事の見るべきところとは

 

通気マットを重ねた理由

 

次にご紹介するのが、通気マット、通気緩衝シートの張り込みです。

今回の現場ではすでに前回別の業者が行った防水工事で、防水層の上に通気緩衝シートが施してある床面でした。

 

通常通気シートが入って敷いてある防水層の場合、その上に防水材を重ねて工事をします。

今回の床面も、業者によっては防水材をそのまま塗る重ねるところがあるでしょう。

しかし、今回の床面をよくよく見ると、通気緩衝シートの破れが見つかりました。

脱気筒の下や、笠木部分からつながった部分など…。シートが断裂してしまったことで、中に水が入り溜まった状態となっています。

いくら通気緩衝シートが入っているといっても、破れて水が入っているのでは意味がありません。

 

そこで、いろいろとメーカーなどに問い合わせ最良の方法を探し、新しく上に通気緩衝シートを重ねることで破れた部分をカバーし、前回の脱気筒は埋め新しく脱気筒をつけることとなったのです。

もちろん通常の防水工事よりも費用はかかりますが、今回しっかりとシートの破れをカバーできれば、次回からは防水層を重ねるだけで済みます。

お客様にも説明をして、ご納得いただけました。

 

たまにではありますが、見積もり依頼を頂くお客様の中には、相見積もりという名の「値段比べ」をする方もいらっしゃいます。

その場合には、こうした通気緩衝シートの工事を追加するということは、値段比べでは負けを意味するのです。

 

もちろん仕事を取るために、通気緩衝シートを重ねるという工事をせずに、ごまかすような防水工事を提案することもできます。

しかし、それでは数年後には通気緩衝シートの下にたまった水が雨漏りを引き起こす可能性が…。

 

たしかに、現在は他の業者の工事よりも費用がかかるでしょう。しかし、10年先を見れば手の施しようも無くなった屋上は今以上に費用がかかってしまうことが予想できます。最悪の場合は…手の施しようが無くなってしまうことも…。

そうならないためにも、今回の工事で打てるだけの手を打つことが、僕は大切だと思うのです。

 

ここまで、防水工事の下準備としてシールの打ち分けを行ったことや、通気マットを重ねて工事する理由などをお話しいたしました。

ここからは、いよいよ工事内容についてお話し致します。

通気緩衝シートの貼り方にも、シートの機能を少しでも活用するために工夫を凝らしておりますので、ご覧下さい。

 

通気緩衝シートの貼り方

 

今回は旧通気緩衝シートの破れをカバーするために、さらに通気緩衝シートの張り込み工事を行うことに致しました。

緩衝シートは貼り重ねる際に、工事用語で『ツキツキ』といって端と端がぴったりくっつけるように貼り付ける方法もあるのですが、それですとシートとシートの隙間から上に重ねるポリウレタンが入り込んでしまい、通気シートの通気部分を塞いでしまいます。

 

そこで、端を5センチほど重ねて通気シートに隙間ができないようにするのです。

さらに重ねた部分は、上記の写真に写っているジョイントテープで貼り付けます。

このジョイントテープは、真ん中が救急絆創膏のガーゼ部分のようになっていて、真ん中だけ接着しません。

通気緩衝シートを重ねた部分に、接着しない部分をかぶせることで、通気緩衝シートの効果を最大限引き出すことができます。

さらに端末処理として、壁際にはエンドテープで接着を。

工事用語『ドンドン』といって、端までシートを張り込む方法もあるのですが、通気緩衝シートは端をくっつけません。

エンドテープで留めて、処理します。

 

前回の工事では、このエンドテープを使っていませんでした。そのため、通気層の端からも水が浸入していたようです。

シート同士をつないで、シートと旧床面の隙間は点張りをすることで床面との隙間をあけながらも、外部から入る水はシャットアウトする。

 

それがこの通気緩衝シートを貼る上でもっとも大事なことです。

長辺と、短辺の端もピラピラとしないようにします。

 

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下地の補強を行う

 

防水材を流す前に、さらにシーリングが切れていた部分なども、補強します。

先ほどエンドテープや、ジョイントテープは接着材がついたものでしたが、笠木部分には接着材のついていないメッシュシートをかぶせることに。

このメッシュは、ストッキングのような素材で、ステンレスの膨張にもついていくことができます。

 

そこで、床面の立ち上がりと、このステンレスの笠木を一体化させるために、メッシュで巻きながら、防水材を塗り込んでいきます。

下地に張り込んだシリコンや、このメッシュを用いた防水材の塗り込みによって、亀裂がはいるのを防ぐのです。

 

防水材の塗装

 

さて、いよいよ防水材の塗装工事、ウレタン防水を使った工事です。

このウレタンには床面用と立ち上がり用の2種類があり、それぞれ塗る箇所が変わります。

流し込める場所には、湯煎したチョコレートくらいの硬さである床用のウレタンを。

 

壁の立ち上がりや笠木の上など、垂れる心配のある箇所については生クリームくらいの硬さのある立ち上がり用のウレタンをそれぞれに塗ります。

この塗料も、ただ塗ればいいかというとそうではありません。

 

前半のブログでご説明しましたジョイントテープなどが、ここでは意味を持ってきます。

ジョイントテープは、メッシュ素材になっており、ウレタンを流し込んだ際にはメッシュの穴に塗料が入り込みますので、接着部分もカバーする形で密着して覆うことができます。

しかし、ジョイントテープの真ん中部分は下に塗料が染みこまないようになっていますので、塗料が通気緩衝シートの通気を妨げることはありません。

このように、塗料を流し込むことも考えて、シートの端末処理を行うことが必要なのです。

脱気筒の周りには、立ち上がり用のウレタンを使います。

しっかりとメッシュに染みこませて、脱気筒の周りの塗り込みを。

 

この写真のように、室外機にもそれぞれ「ウマ」と呼ばれる足をつけて、床面に塗り残しがないようにします。

屋上という場所ではありますが、部材の特徴や欠点などを補うためには、変成シリコン、シリコン、ポリウレタンなどさまざまな種類のシーリングの打ち込みが必要です。さらに通気緩衝シート、ジョイントテープ、エンドテープなどを使い分け、未来のトラブルにも対応します。

 

これが弊社の防水工事なのです。

 

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工事の安い高いがあるのは?足場工事から見る工事内容

 

大事な防水工事 業者を選ぶ基準とは

 

防水工事をネットで検索した際に、お客様は工事のおおまかな内容と値段で業者を選ぶと思います。

それだけ、防水工事というのはわかりにくい工事だからです。

今回の通気緩衝シートの工事が良い例ですが、業者によっては今の状態さえ維持できればいいと考え、追加の通気緩衝シート工事を提案しないところもあるでしょう。

しかし、放置するだけでは状況は変わりません。それどころか悪化の一途をたどっていきます。

 

このブログを読んで頂ければおわかり頂けるように、一口に防水工事といってもそのやり方はさまざまで、家によって工事の方法はさまざまです。

そしてトラブルに対するアプローチも、さまざまな方法とその副作用があります。

だからこそ、僕は検討に検討を重ねた工事方法をお客様にご提案をするのです。

 

 

前回のブログでも書きましたが、相見積もりという名の「値段比べ」で業者選びの基準にする方がいらっしゃいます。

しかし、これは危険な選び方です。

家に合った工事をしてもらうためには、業者の工事の考え方や力量も必要となります。

是非見積もりを比べる際には、値段を比べるのでは無く工事の内容で比べてください。

 

そして工事内容について、なぜその工事が必要なのかということを質問しましょう。

内容を理解した上で、比べることが大切だからです。

 

工事の内容の取捨選択は、お客様に権利があります。

防水工事は家を守るための要です。だからこそ、業者を選ぶ基準をきちんと考え、最良の判断をして頂ければと思います。

 

休憩所とサンタ

By 防水担当の日誌

もう12月ですね。

久我山商店街もイルミで彩られて夜になるときれいです。

防水工事部ショールーム前でも去年に引き続きサンタを飾りました。

店舗前にはベンチを常設して休憩所としているのですが、ご年配の方を中心に結構利用されている方がいるので、サンタはベンチに座れるようにすこし店舗前に寄せて設置しました。

少しモニターが隠れてしまいますが仕方ありません。

早速子供と奥様の親子誰がサンタに寄ってきて触れていましたね。

2メートルぐらいある大きなサンタが膨らんでいるので触りたくなるのでしょう。

 

イルミも飾りました。

今日この頃の寒さは本格的に冬になってきたなと実感しますが、風邪をひかないで年末まで走りぬきます。