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防水担当の日誌

マンション大規模改修 次々とおこるトラブルを乗り越えて

By 防水担当の日誌

本日から、新シリーズとなります。
今回は規模の大きなマンションの改修工事です。
こちらのマンションの場合は住居だけでなく店舗もあるため、前回までのシリーズで紹介していた建物よりも規模が大きく形も複雑な敷地にある建物でした。

今回の工事で一番困ったのは、次々と起こる工事中のトラブルです。
古い建物であるということや、オーナー様と店子の方の意見が合わないことなどで、工事がストップすることも。

そうしたトラブルを乗り越えながら完工しましたので、まずはどのようなトラブルがあったのかについてお話ししたいと思います。

R状になった壁面と足場を建てにくい敷地

こちらの建物は、前面がR状になっていてタイルが一面に敷き詰められていました。
Rになっている壁面というのは、通常の外壁よりも足場を建てることが難しくなります。面に対して垂直に立てることができないため、足場を細かく立てる必要がありますし、不安定な足場だからこそ、壁面にアンカーを打って安全を確保する必要もあるのです。

しかし、こちらの建物、アンカーが打てませんでした。


さらに敷地に問題があり、駐車場に足場を建てる必要があったのですが、こちらも縦列駐車でないと停められないような狭い駐車場だったため、足場を建てると車が足場に追突してしまう可能性が・・・。

そのために、パイロンなどで注意喚起をしたかったのですが、マンションに店子として入っている方から、「パイロンをおかれるのは困る」とクレームが入ってしまったのです。

足場を建てることの難しさ、敷地の問題、注意喚起ができないことなどなど。
足場を建てる段階から、本当に問題が山積みでした。

あわせて読みたい〔前回の大規模修繕ブログ〕

塗装、防水、カバー工法、長尺シートの大規模改修

増築された仕様の違う階段

この建物には階段が3箇所ついており、そのうち2箇所の階段はテナントさんの正面口とスタッフ用入り口として使っているもので、もともと建物に建て付けてあったものとは1つは別でした。
なので当然仕様も違い、もともとあった階段と同じ工程で工事することができません。


また難しかったのは、色決めです。

施工内容や色味についてもオーナー様を通してテナントさんの方にご意見も頂いていたのですが、途中からオーナー様とテナントさんの意見が合わなくなり、色の変更がでるなどして現場が大混乱に。

こうしたトラブルも、工事の流れを止めてしまうので工期に大きく関わってきます。

合わせて観たいYouTube〔駅前の営業中テナントビルの大規模改修工事 足場・補修・防水・塗装 全行程〕

工事の期間

工事の期間についても、いろいろとありました。
通常、工事が始まる前に契約書などで工期を提示します。しかし、この『工期』というのは非常に予測しにくいものです。
というのも、トラブルが一つでも起きれば工期は後ろに倒れていきますし、ましてや狭小住宅などで、足場をお隣に建てなければならないにも関わらずお隣との仲が悪い場合、足場を建てることすら時間がかかってしまうことも。

また工事中に、思いも寄らぬ雨漏りや建物の破損を発見することもあります。
業者によっては、あまりにも状態がひどく手の施しようが無い場合は、時間や手間、そして費用をかけることができないため、そのまま補修箇所を放置するほどです。

これは、次で説明する足場を組む期間にも関係する話ではあるのですが、補修期間が足場の建設期限に間に合わず、しかもお客様の方で「これ以上お金はかけられない」と言われてしまいますと、修繕をせずに工事を終えるしかありません。


今回の工事でもトラブルが続いたため、あわや補修ができないかも・・・という場面はありましたが、最善を尽くしました。
塗装職人では、途中で工事を終えると言うことが無いように、どんなにひどい雨漏りだったとしても、なんとか状態を改善できるようにします。

しかし、その分やはり工事の時間がかかってしまうのです。
そうなりますと、予定していた工期をオーバーしてしまうことが・・・。

今回も、さまざまな理由で工事が止まってしまったため、工期が変わりました。
これから工事を検討されている方は、工期をできるだけ予想通りにしたいとお考えでしたら、どうかこうしたトラブルと工期の因果関係を胸にとどめて下さい。

私たち業者は、できる限りお客様のご希望にそって工期を守りたいと考えています。
そのためには、お客様や入居者様にご協力頂くことが工期を予定内に収めるために、何よりも大事なのです。

合わせて観たいYouTube〔横浜・マンション大規模修繕工事〕

足場を建てるのは2ヶ月以内に

上記の文章でも少し触れましたが、足場を建てる期間について・・・ここで少し補足したいと思います。
塗装工事をする際、足場を組んでから解体するまでの期間は、どの業者も2ヶ月が目安です。

というのも、足場を2ヶ月以上建てておくと、工事の申請手続きが複雑化します。
職人の詰め所などが必要になったり、労働安全関係の確認事項も増えたりするのです。


そのため、こうした中規模なマンションなどの場合は、足場を2ヶ月以内におさめるため突貫工事をします。
この突貫工事と言う言葉ですが、誤解されている方をよく見かけることが・・・。

突貫工事と言う言葉は、工期を2ヶ月以内に収めるために手際よく作業を進めるための言葉で、『やっつけで適当にやるという』意味ではありません。
あくまでも短い期間で一気に完成させる工事というのが本来の意味です。

もちろん、そのためには施主様や居住者様のご協力がないとできません。
施主様に工事をご理解頂き、必要な足場を建てるためにご協力を頂くことで、足場の期限を守ることができる突貫工事をすることができるのです。

問題の多い建物でも塗装職人ではしっかりと工事致します

今回の現場は、工事が始まったことで様々なトラブルが表面化し、工期が伸びてしまう可能性や、足場の建て方によっては安全が確保されないため、補修工事ができなくなる可能性などがありました。

そんな工事が先日無事完工したので、今は少しホッとしています。

次回からのブログは、こうしたトラブルに塗装職人ではどのように対応したのかということと、足場工事、ルーフトップのアクリル板取り外し、折板屋根の塗装、雨漏り工事、外壁塗装、階段への長尺シートの貼り込みなどの工程を詳しくご紹介できればと思います。

合わせて観たいYouTube〔このビルの工程動画〕

 

雨漏りを止める 仕上がりから逆算した防水工事

By 防水担当の日誌

通常防水工事のブログというと、「どのようにして工事をするか…」 という工事内容についてお話をするのですが、今回は少し視点を変えて工事後の結果から考えた工事についてご説明いたします。

防水工事について

通常、業者が防水工事をご依頼頂いた際には、現場調査をして、その建物に合った防水工事を行い、手順に従って塗布防水の場合、材料を積層し、最後に仕上げ作業をします。
しかし防水工事は、工事を終えた後のことをしっかりとイメージしてから行わないと、ひどい状況をまねく場合があるのです。

 

防水工事をすると、加工した床は雨水をはじくことができます、しかし勾配のつけ方次第で水の逃げ場が無くなり、防水してあるからこそ床に水たまりができてしまうことがあります。
溜まった水は、そのうち防水塗装の効果を弱め、劣化した箇所から壁の内側や床の内部に入り混み、土台を腐蝕させていくことも。
そうならないために、あらゆる結果を想定して、防水工事を行う必要があります。

 

〔関連記事:こちらの現場の工事内容〕

塗装、防水、カバー工法、長尺シートの大規模改修

予測を立てて行う防水工事とは

防水工事は、逆算して考えることが大切です。
水の流れを把握し、床の勾配や、ちょっとした数ミリの段差なども計算に入れます。
しかしこの計算は、ベースになる教本的なものがあるわけではないため、職人の現場経験だけが頼りです。

弊社の防水チームには、僕と同じ名字の松尾という職人がいます。彼は防水チームのエキスパートですので、こちらのお宅の防水工事についていろいろな意見を出し合ってどのように工事を進めるか相談をしました。
僕と彼の経験値をすりあわせることで、今回の防水工事の仕上がり予想を立てたのです。

この建物では、階段部分は、防水塗装とタキステップ(階段用長尺シート)を採用し、そして2階部分(陸屋根)の防水工事としては、いわゆるQV工法と呼ばれる防水工事と長尺シートを併用することになりました。
それでは、どのような対策を採ったか工事内容について詳しく見て行きましょう。

 

階段の防水工事

階段は鉄骨階段の上にモルタルを施してあるタイプで、劣化したモルタルの隙間から雨水が入り混み階段下への雨漏りを引き起こしていました。


そのため、雨漏りを止める為に防水塗装をして、その上にタキステップを貼り込むことに。


本来であれば、階段全体にタキステップを貼り込めば防水効果も期待できるため、防水塗装まではやりません。
しかし今回は、階段の全面にタキステップを貼り込むことはせず、あえて脇をあけて貼り込むことにしました。

 

なぜなら、この階段は雨ざらしなので必ず雨水が階段に溜まります。その雨水を逃がすためにも、シートとモルタル面のわずかな段差を作り、水が階段脇へと流れるようにしたかったのです。
そうすることで、階段に水が溜まることを防ぎます。
またさらにこの簡易側溝は、他にも期待できる効果がありました。

それについては、床面の防水工事の説明にて後述致します。

〔関連記事:こちらの現場の外壁の防水工事〕

外壁の防水工事 防水剤を塗るプラス面とマイナス面とは

 

床面の防水工事

次は、2階部分の床面防水塗装についてです。
通常のQV工法で床面を防水塗装し、さらにお客様のご希望で階段から家の玄関前までレッドカーペットのように長尺シートを敷くことになりましたので、こちらも結果を予想していろいろと工夫しました。
まずQV工法は、QVシートと呼ばれる緑色のシートを防水塗装の前に床面へ貼ります。

 

なぜこの緑のシートを敷くかと言うと、防水層と建物の間に入れることで、建物が動いた際に防水面が引っ張られ切れてしまうことを防ぐためです。(通常効果は別途)

コンクリートの建物などは、地震や寒暖差による収縮や膨脹によって動きがでるため、屋上などの防水の場合、何も対策をせずに工事を行うと、建物が動いた際に塗装面が引っ張られ、表面が切れてしまうことが。

 

そうならないために、建物と防水面を絶縁します。

上から防水材を流し込み、完成です。


さらにこのQVシートは面貼りではなく点貼りとなっているため、防水層の中に入り込んだ水や湿気などを隙間から逃がすことが可能です。防水面の内部に水分が溜まることを防ぎます。
ここまでは、普通の屋上の床面防水工事についてです。
防水工事の看板を掲げているところなら、どの業者もやっているでしょう。

しかし、この防水面の上に長尺シートを貼る場合は、少し工事方法が変わります。
というのは、長尺シートは先ほどの階段部分でタキステップと同様で、防水面のわずかな段差がでるからです。通常防水工事をした際には、床面にゆるやかな勾配をつけて水の流れを作ります。


しかし長尺シートを貼り込むと、水の流れをせき止めてしまうことになるのです。ほんの数ミリのわずかな段差ですが、ここに水が溜まりやすくなります。
また、今回のお宅では最初の下地調整の際に下地職人から床面のわずかな勾配についても報告を受けました。
そこで、それらを加味して防水職人の松尾と相談をしながら、この長尺シートの間に隙間を作り簡易側溝とすることにしたのです。

とはいえ、お客様としてはレッドカーペットのような状態で家までに敷き詰めたいという希望もありましたので、そこはご相談を。
あまりにも側溝の本数が多いのも嫌だけど、水が溜まってしまうのも嫌なので、ぎりぎりの本数で水を逃がすのであればOKと…話し合いの末に合意を頂きました。
結果、先日の大雨の際に2階部分の長尺シートの段差から水を排出し、見事上記の階段を防水工事する際に作っておいた簡易側溝を通して水を逃がすことができたのです。
本当に工夫したことがすべて上手くいって、非常によい仕上がりとなりました。

お客様へのリスク管理

今回のお客様宅の防水工事は、選んだ対策がたまたま上手くはまりましたが、あくまでもこれは運が良かっただけだったと思います。他の現場の場合、実際工事をしてみても見つけられなかった勾配などがあって、うまく水が逃げないこともありました。

僕は、必ずこうした難しい工事をする際に、予測される工事後の良い面も悪い面もすべて話します。
あまりにも「できないかもしれないこと」などをはっきりといいますので、まれにではありますが、「なぜそんなにネガティブなことばかりいうのですか?」とお客様から言われることも…。
しかし、ネガティブなことを言いたいわけでは無く、あくまでもリスク管理の一貫なのです。
どんな塗装工事にもリスクはあります。
それを隠して工事をすることは、お客様に対して不誠実であると僕は思うのです。

家というのは、さまざまな材料がかけ合わさって建てられているため、工事方法に正解というものはありません。
何かをおさめるためには、引き受けなければならないリスクを伴うのです。
雨漏りに関しても、僕はほとんどの場合「止まらないかもしれません」とお伝えします。
なぜなら雨漏りというのは、原因が多数あり本当に難しい補修工事だからです。
しかし、お客様に「止まらないかも」とお伝えしながらも、僕の心の中では「絶対止めてやる」と決意を固めています。
しかし、それを口には出せません。
自分の仕事に責任を持っているからこそ、100%確実なことしか言えないのです。

たかが水たまり、されど水たまり

今回の工事は、長尺シートと防水塗装のハイブリッド工事でしたが、無事水を散らすことができ雨漏りから家を守ることができました。
長尺シートに溝を作り、壁際に逃げた水をさらに階段へと流したことで、予測通りに水の排出ができたのです。下記が実際に簡易側溝を水が流れる様子となります。

本当に上手くいってくれたので、ホッとしました。

長尺シートの上に溜まった水は、そのうちシートの中に浸透します。
それでは、せっかく貼ったシートが無駄になるどころか、シートで覆ってあることでさらに水の逃げ場がなくなり、より内部を腐らせるなどして雨漏りを加速させるでしょう。
だから複雑な工事こそ、工事後を見据えたいわゆる工事の逆算が必要となるのです。

〔関連動画:こちらの現場の工事後の様子〕

実は、今回の防水工事後…僕は何度か現場に足を運びました。
自分の仕事にきちんと向き合うために、しっかりと結果を受け止めたかったのです。


奇跡的にうまくいきましたが、ほとんどの場合は上手くいかず何度もトライアンドエラーの繰り返しになることも。
防水工事は材料だけ揃えて、ただ貼り込んだり塗ったりすれば雨漏りを止めることになるわけではありません。
家の状態や、形状、環境あらゆることを踏まえて、工事後の状況を予測することで初めて、お客様が望む『雨漏りを止める』という防水工事ができるのです。

防水工事を依頼する際には、さまざまな状況を予測した上で工事をする業者を選びましょう。
逆算から導き出す工事こそ、理想的な防水工事といえるのです。

〔関連動画:雨漏りの悩みから解放された3度目の屋上防水〕

 

外壁の防水工事 防水剤を塗るプラス面とマイナス面とは

By 防水担当の日誌

このシリーズ最初のブログでご紹介しました外壁の防水材、セブンSSのご説明を致します。
外壁に塗る防水材は、実のところパラペットの屋根などに敷く防水材と同じではありません。

今回は、防水材との違いや、外壁タイル部に防水材を塗るプラス面やマイナス面もお話し致します。

〔最初にご紹介した記事〕

塗装、防水、カバー工法、長尺シートの大規模改修

セブンSSの施工

外壁タイル部の修理と高圧洗浄が終わり、ここからはセブンSSの塗装となります。
高圧洗浄は、散水試験や目地材のほこりなどを飛ばすことも兼ねています。
薬品洗浄をしながら不備がないか確認。洗浄後は、いよいよ防水材の塗装に進みます。

このセブンSS、便宜上タイル壁面用の防水材と呼んでいますが、正確には陸屋根(パラペット)の上に施工する防水材とは別物です。
陸屋根など平面に敷く防水材の一部は、2液混合や1液混合などで、床の上に流し込み時間が経つと固まる仕組みになっています。

立面と呼ばれる、床から壁へと続いた立ち上がり部分に使う防水材は、床面用のものに、ダレ止め入った防水材で、立ち上がった立面でも付着して固まるものになっているのです。
これがいわゆる『防水材』ですが、壁面に塗るのはこれら防水材とは別物で、防水効果のある『塗料』となります。

壁面に防水を施す場合は、膜厚をつければつけるほど防水の効果が高くなりますので、いかにして塗膜の厚みを出すかということが重要です。
そんな膜厚を作るための塗料として、良く使用されるのがセブンSS。
この塗料は、タイル壁などに適しています。

セブンSSの施工方法は、5回塗りです。
シーラーで下塗りをした後、セブンSSを2回塗り、さらにトップコートを2回重ねます。

さらにセブンSSで塗る際にはマスチックローラーというローラーを使って、わざとボコボコした面に仕上げるのです。これを柚肌塗りといいます。

セブンSSの仕上がりは、少し特殊な仕上がりです。
元の壁面の上に、ちょうどカエルの卵をおおうゼリー状のものを想像して頂くと分かりやすいのですが、少し濁った透明なゼリーっぽい膜ができます。
テカテカした仕上がりになりますし、デコボコとしていますので人によっては綺麗な仕上がりと思わない方もいらっしゃいます。

それでも、こうして膜厚をつけることで防水効果をアップさせるのです。
この仕上がりがどうしてもダメな方もいらっしゃり、誰でもできる工事ではありませんが、タイル壁面の防水工事として、僕はこれをおすすめ致します。

(通常の壁にセブンウォール等がある)
他にも、少しでも壁面を綺麗に仕上げる方法として、柚肌にはせず、セブンSSを三回塗りする方法もありますが、回数が通常の工事よりも増えますので、それだけ料金も高額になります。
このセブンSSを含め、防水効果のある塗料は一つ気をつけなければならないことがあるのです。

防水効果のある塗料は塗った後のことまで考えることが必要

セブンSSなど、防水効果のある塗料を塗った壁にはある約束事が課せられます。
それは、次の再塗装もセブンSSと同等のものを使用しなければならないということです。

一度こうした塗料を使用したらランクを下げたり種類を変えたりすることは、物理的にできなくなります。
なぜなら、メーカーが他の塗料を塗り重ねることを推奨していないからです。

また間違った塗料を塗ってしまうと、せっかく高いお金を出して前回塗ったセブンSSの効果が台無しになる場合も。
それだけ家の建て方と塗料の選び方は、数年後、さらには10年後と未来を見る必要があるのです。

効果だけを考えれば、どんな外壁にも使用したくなりますが、このセブンSSはどの壁にも使えるわけではありません。
セブンSSが使えない外壁にはどのような方法があるのか、そして外壁に防水効果の塗料を塗るには、どんなプラス面とマイナス面があるのか説明を致します。

 

〔セブンSSを解説した記事〕

ALCの特性・構造を理解する 雨漏りしないための補修塗装工事とは? 

 

どんな壁にもセブンSSは有効?

モルタルやコンクリートの打ちっぱなし壁であれば、セブンSSではなく弾性塗料を使用する場合があります。
この弾性塗料は名前の通り、塗った後に高い伸縮性を持つ塗料なので、クラックなどができたモルタル壁には適しているのです。

しかし、気密性が高く(防水に優れている為)膨れの原因となってしまい、一度塗膜が風船のように膨らんでしまうと元には戻りません。(蒸気発泡)などで濃い色は選びずらくなります。

つまり、これらの塗料は剥落防止のような効果もあり、利点も多いですが、壁によっては膨れの原因となり、さらには一度この塗料を使ったら最後まで

塗装工事とはプラス面のためにマイナス面を引き受けること

再塗装のご依頼を頂く際に、その多くは外壁の状態に問題があり、それをなんとかおさめるための塗装工事をします。
そのため、家の状態によって使用する塗料はさまざまですし、工法も一つではありません。
塗装工事は、必ずどこかでプラス面とマイナス面の折り合いをつけなければならないのです。

プラス面としてクラックを補修し、防水効果をアップしたことで、マイナス面として補修工事のあとが目立つ状態で残ることもあるでしょう。
防水効果がアップはしたものの、元の壁よりもゴツい仕上がりになってしまい見た目が劣ってしまう場合も・・・。
再塗装の場合、少しでも壁の問題を抑え家の寿命を持たせるためには、必ずマイナイス面を引き受けなければならないのです。

しかし、マイナス面を引き受けてプラス面が出る工事は、まだ良い方なのかも知れません。

なぜなら、あまりにも元の状態が悪く・・・手の施し用の無い家というのがあるからです。

 

たった一度の間違いが、外壁の未来を決めてしまう

 

ご依頼をして来られる方の中には、大きな誤解をしていらっしゃる方もいます。
それは、家がどんな状態であってもプロの業者に頼めばなんとかなると思っていることです。
しかし、DIYや安い工事を選んだことで、適当なシリコン系のシーリング材を外壁に塗ってしまい、それによって他の塗料を重ねることが出来なくなってしまうと、もはや何も手をだすことはできません。

「なんでプロなのにできないの?」
と言われることもありますが、一度間違った材料を塗ってしまった外壁は、他の材料を重ねても剥がれてしまい、物理的に何もできないのです。

それだけ、外壁と材料には相性がありますし、塗料と塗料にも相性が存在します。
安いことだけを前面に推して建てた家や、DIYで安く済ませた塗装工事。さらには相見積もりを取って、料金の安い業者で行った工事は、下地や塗料との相性を無視することが多いため、その金額に見合った結果がついて回ります。

家の塗装は、いくら後からリカバーしようとしても、元が悪ければおしまいです。
だからこそ、僕は塗料を選ぶ時に慎重になり、材料担当にしつこいほど確認をして、お客様にご提案をします。(担当にはいつも助けていただいています)
間違った塗料を重ねないために。現状をなんとか維持するために。
たとえ結果として、外壁が汚く見えたり補修箇所が目立ってしまったりしたとしても、雨漏りを止め、今後10年お客様が快適に過ごせる家を目指します。

 

〔セブンSSの施工例〕

新築風に蘇る、5階建てマンション外壁タイルの塗装

外壁の防水工事はそれぞれの専門職人、お客様との連携がなによりも大切

工事をしていると天候や状況で順番通りに工事が進まないことがありますが、その際に職人同士がお互いの仕事をリスペクトしていれば、現場は上手く事が運びます。
特に防水工事の場合は、手順次第で防水をダメにしてしまうことがあるのでなおさらです。
逆にお互いの工事にリスペクトがなく、意思の疎通が取れていないと、せっかく防水工事を施した壁に、設備他の方が穴を開けてしまい、防水を台無しにしてしまうなどトラブルが起こります。(使ってほしくないシリコンなどを適当に施工する人たちもいる)

そうならないために、各担当の初日には現場に立ち会い、現場で打合せします。
施主様とも膝を突き合わせて工事内容を確認して内容を詰めるのが大切なのです。

今回こちらの建物に施したセブンSSは、壁面の防水効果を求める上でベストの選択だったと思っています。
見た目はたしかに少し悪くなったと思う方もいると思いますが、施主様はその結果は引き受けてくださいました。
多少の見た目よりも、今後も雨漏りしない仕上がりをめざして下さったことで、塗装職人とお客様の思いが足並みを揃えられたのだと思います。

〔こちらの建物の腰壁サイディング貼り替え動画〕

このブログを見ていらっしゃる方が、塗装工事をする際にもきっと同じ問題がついて回ります。
そんな時、どこまで工事のマイナス面を引き受けることができるか、一度考えてみて下さい。

そうすれば、おのずとベストな工法が見えてくるはずです。
実りある工事をするためには、それが一番近道となります。

 

夏季休暇

By 防水担当の日誌

塗装職人・杉並店では8月11日(木曜)~8月16日(火曜)までお休みをいただきます。
なお現在事務所内改装中のため、8月中は来客対応が不可となっております。
お電話でのご相談、お見積りのご依頼は通常通り9時~20時までお受けしております。

以上よろしくお願い致します。

株式会社 塗装職人
杉並店・防水工事部

ALCの特性・構造を理解する 雨漏りしないための補修塗装工事とは? 

By ALC, シーリング(コーキング), タイル, 外壁, 防水担当の日誌

今回のブログも、前回書きましたお客様宅のお話です。

1階がお店で、陸屋根の上にオーナー様のご自宅があるこちらの建物。

今回は、ALC壁の塗装について書きたいと思います。

〔前回のブログです〕

塗装、防水、カバー工法、長尺シートの大規模改修

ALCは地震に強いと言われていますが、それにはさまざまな理由や、ALCだからこそ気をつけなければならないことがあるのです。
今回、施主様はALCの特性を理解した塗装材や防水材をご選択なさいましたので、そちらについてご紹介します。

ALCとはどんな建材なのか

ALCとは、「Autoclaved Lightweight Concrete」の略称です。日本語訳をすると「高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリート」。
外壁材として使用できる素材でありながらも、軽いため地震などの揺れに強く、建物の外壁材として重宝されています。

ところが、このALCには大事な決まり事が一つあるのです。
それは、仕上げの際に皮膜=表面のコーティングをしなければならないということ。

外壁の中に水が入り混まないように、塗装やシーリングなどをして皮膜を施すことが必要なのです。

なぜならば、ALCの中身は軽石のようになっており、中身がむき出しになると水を吸って柔らかくなります。

シリアルに牛乳をかけると柔らかくなりますよね。それと同じです。
そのため、ALCは亀裂が入ってもダメ、シールが剥げてもダメ、塗膜が剥がれてもダメ。
さらには、エアコン用に外壁に穴を開けるのはもってのほかなのです。

〔関連記事:ALC塗装について〕

ALC塗装

 

ALCは地震に強いけど割れやすい?

さらには、このALCは割れやすい素材でもあります。
先ほど「地震に強い」と書いたのに、割れやすいというとおかしな感じですよね。
実はALCが地震に強いと言われているのは、軽さが理由です。
地震が起きても、建物自体が軽いため揺れが少ない…というのが「地震に強い」という表現となります。

ALCは、パネルとパネルの間に、60ピッチくらいにシーリングを打って、壁を壁の隙間を繋ぎ、建物のムーブメントについて行けるようにすることで、割れにも対応することが可能となるのです。しかし、ALCで施工されるお客様が全て細かにシーリングを打っているかといいますと、そうではありません。
ALCの特徴を知らずに、シーリングをあまり打たず、ALCを採用しているお宅をみかけます。

先日も、自宅そばにスーパーがあるのですが、まだ建って3年くらいにもかかわらず、すでに補修の跡が見られました。
外からみると、ALCの建物であることが分かりますので、きっとどこかで雨漏りでも発生したのでしょう。
あまりシーリングも打っていないからこそ、建物のムーブメントについていけず割れなどがでたのかもしれません。

僕がALC構造のお宅を担当する際に、雨漏りがあるときは、必ず上階から見て行きます。
ALCは非常に水が染みやすく、2階に出ている雨漏りの原因が4階部分にあることなどもザラだからです。
ALCはこれらの理由によって、地震に強いにもかかわらず、RCよりも値段が安い建材です。
しかし安いからこそ、RCよりもマメなケアが必要な建材でもあります。

〔関連記事:ALCの劣化症状〕

劣化症状(ALC)

 

意外と多い間違ったALCの外壁工事

上記でALC構造というものがどんな特性があって、どのような弱点があるのかを書きましたので、次はどのような補修工事だと雨漏りになってしまうかと言うことを、ご説明いたします。

ALCは、実際壁材として使用する際は、パネルをパズルのようにくみ上げますが、外壁は家によってさまざまな形状をしているため、パネルをはめるには狭い箇所が出てくることがあるのです。
そうなると、そこに端材をくっつけるのですが、この端材の処理の仕方で、雨漏りに繋がる場合があります。
先ほどもお話ししましたように、ALCはシーリングでジョイント部分を作りながら貼り付けるのが通常です。
ですので、端材にもシーリング材を打てばいいのですが、塗装のフィラーでくっ付けてしまう業者もいるのです。フィラーはデコボコやひび割れを埋めるための下地材で、防水効果はありません。
すると、塗装後にフィラーが切れ、そこから雨水が浸入し雨漏りになってしまうことが……。
さらに、工務店の工事でよく見かけるのが、目地が足りないALC構造の壁です。

ALCは、縦横と目地打ちをするのですが、工務店の多くは横目地だけ打ちます。
本来は、ツキツキといって、突き当たりから突き当たりに目地がクロスするように目地打ちをし、以下の写真のように窓枠まわりもしっかり目地を打つのです。

しかし工務店の場合、窓枠もただ壁にはめただけでシーリングしていない場合も。
こうなってしまうと、ALCの建物はムーブメントに耐えられず割れたり、シーリングを打っていない隙間から雨が入り込んだりして雨漏りにつながります。
せっかく地震に強いALCを選んでも、工事の仕方が不十分では効果が発揮されません。

ALCには柔軟性が不ある分、その上から貼ってあるタイルにも影響が出る場合もあります。
こちらは別の現場の動画ですが、タイルの張り替えとシール、今後のクラック対応として誘発目地を作っています。

 

ALCに適正な工事、補修工事とは

ALCは地震に強いという面がある一方で、水に弱い建材であることをお話いたしました。

それでは、どのような工事が適当なのでしょうか。

それは、できるだけ細かく縦横に目地を打ちながらおこなう工事です。
また補修の際には、打診後外壁の破損部分をチェックし、板間はマシ打ちをし、サッシ周りはシーリングを撤去して新しいシール材を入れ、ALCの上に貼られたタイルの目地は撤去後に打ち替えをし、タイルの滑落部分は補修をし、その上に皮膜となる防水材を被せると良いでしょう。

今回のお客様宅では、この最後にかぶせる防水材にセブンSSが選ばれました。

セブンSSは、防水材として非常に良い材料です。
ALCの防水仕上げ材なのですが、表面に貼り付けられたタイル割れや目地割れ…つまりはALCのパネルを守ってくれます。
材料の用途として滑落防止は謳っていませんが、塗装するとフィルム状になるため、何もしないよりははるかに滑落を防ぐことも可能に。

セブンSSを使って、下地造りをじっくりすることで、ALCの利点を活かしつつ長持ちさせることができるのです。
ちなみに、通常であれば塗装の前に高圧洗浄をかけるのですが、ALCの場合は防水対策をした上で、高圧洗浄となります。
なぜなら、壁の中に水を入れたらせっかく工事する意味がないからです。
このセブンSSは、あくまでも塗装する前の下準備となります。

〔関連記事:ALC4階建ての防水工事と外壁補修の改修工事〕

ALC4階建ての防水工事と外壁補修の改修工事

ALCに適切な補修工事をするために

今回のお客様は、ALCという壁自体の問題点を理解してくださったことで、このセブンSSをご選択くださいました。
お客様からご希望として、「ご自宅と1階の店舗(大通りに面しているので目立つ)を持たせるために、しっかりとした補修工事がしたい」とお話をうかがっていましたので、僕も「それならば」とセブンSSを候補に入れました。

セブンSSは5回塗りのため、正直費用もかかります。そして薬の部類としては劇薬ですので、慎重に様子を見ながら工事することが必要です。
しかし、その分持ちもよく、ALCの建物を守ることに関してはピカイチでしょう。
お客様が求める効果がはっきりしていたからこそ、ALCという土台に適した建材選びが出来たのだと思います。

〔最近手掛けたALCの工事動画〕

 

塗装工事の選び方 大事なのはどう家を守りたいかということ

塗装職人にご依頼をくださるお客様の中には、どうしても予算の関係から思い切った工事に踏み切れない方もいらっしゃいますし、まだ安さを重視してしまい本来であれば気にしなければならない外壁の性質などに目を向けない方も……。

営業としては、少しでも自分の持っている知識を使ってお客様の家を長持ちさせられれば…といつも考えています。
それでも、そうした想いはなかなか伝わらないのです。

今回のお客様は、冷静にご自宅の把握をして下さり、ベストな工事のご選択をして頂きました。
ALCの状態を正しく理解して頂ければ、今現在費用がかかったとしても将来的には大規模な修繕の費用がかからず安くなるのです。
塗装は、それぞれの家で使う素材や工法などが変わります。

予算、立地、もともとの土地の状態や環境、家のポテンシャルなどによっても、工事の内容と費用は変わるのです。

よく、「お隣はこの金額だった」とおっしゃるお客様がいらっしゃいますが、お隣とお客様の家では立地も代わりますし、なによりも職人が違うだけでも家の状態は変わります。
だからこそ、使用している建材が正しく扱われているかなどを確かめた上での工事が大切です。
しっかりと、外壁材の理解をした上で工事を依頼すれば、その瞬間は費用がかかったとしても、将来的には安く済むことになるでしょう。

次回もこちらのお宅の他の施工内容について、お話ししたいと思います。
どうぞお楽しみに。

 

 

塗装、防水、カバー工法、長尺シートの大規模改修

By ウレタン, 屋上防水, 長尺シート, 防水担当の日誌

これまでのブログでは、塗装や防水工事などそれぞれに特化してご紹介をして参りました。
普通の一軒家では、予算的にも工期的にも同時に複数の工事をすることが難しいものです。

しかし今回のお宅は、通常の一軒家とは違い、店舗の上が陸屋根となっており、さらにその陸屋根の家にオーナー様の家が建っているお宅でした。

そのため、様々な工法が必要となり、チーム塗装職人の技術と知恵をフルで注ぎ込む工事となったのです。
こちらの工事に関しては、何回かに分けてブログに書きたいと思います。

本日は、導入編です。
まずは、お客様宅の工事内容についてご紹介致します。

店舗と住宅 大改修工事その内容

お客様のご自宅は、先ほども少し書きましたように、1階部分に店舗があり、その店舗の上は陸屋根。そしてその陸屋根の上に中二階のある平屋が建っている建物となります。
今回はお客様から大規模改修のご依頼がありまして、工事をすることになりました。

まずは1階部分です。
足場については、店舗の営業の妨げにならぬよう組みました。
『営業中』と書いたシートも大きくかかげ、さらには駐車場部分にはコーンを置きます。
これは、万が一車止めぎりぎりまで駐車してしまうと、車と足場が接触してしまう恐れがあるからです。

 

 

店舗はALC構造となっており、店舗の周りを覆うタイルにところどころ滑落やヒビが見受けられるため、補修してセブンSSというタイルに対する外壁防水化粧材を使います。

また店舗の裏は、今回の改修の際にウッド調で統一をするため、茶色に塗装することとなりました。

〔参考ページ:外壁タイル補修〕

外壁タイル補修

さらに陸屋根部分は、ウレタン塗膜防水をおこないます。
陸屋根は、排水口を屋根に穴を開けて下まで通してあるため、工事の際には注意が必要です。

というのも、昨今ではゲリラ豪雨などが多くなり、陸屋根が設計された当時に予想されていた雨量を遙かに超える日があるので、工事する際にそうしたことも計算する必要があります。

そもそも陸屋根というのは、トラブルの多い屋根です。
通常は勾配をつけた三角屋根などが主流ですが、三角屋根は陸屋根と同じように傷んで穴があいたとしても勾配があるため多少被害の広がりが遅くなります。
(とはいっても三角屋根の場合でも、水の巻き上げなどもあるので必ず三角屋根がベストか…と言われると言い切れない部分もあるのですが…。)

陸屋根は『水が溜まりやすい』という特徴から、再塗装する際には十分に注意して工事する必要があります。

〔関連ページ:ウレタン防水〕

ウレタン

次に2階部分と階段についてです。
2階部分は、まず腰壁の内壁を全てウッド調にすることになりました。

さらに、屋根がいわゆるコロニアル屋根等のノンアスベストタイプで、屋根自体がもろくなってしまったため、ジンカリウム鋼板にてカバー工法をすることに。

さらに、陸屋根部分のウレタン防水をした上に2階入り口から家の入り口までレッドカーペットのように長尺シートを貼ることになりました。

それと同じく、鉄階段部分も塗装をし、タキステップ(長尺シートの階段版)を貼り込みます。

〔関連ブログ:外階段廊下にウレタン防水材や長尺シートの工事種類とおさめ方〕

外階段廊下にウレタン防水材や長尺シートの工事種類とおさめ方

家の外壁はタイル柄ですので、タイル調に塗り分けるために多彩色カラーを使用し、これによって壁にタイルらしい風格を出すのです。

 

家に合った材料選びをするために

工事内容というのは、建物を見てパソコンに情報と数値入力をすればすぐに出てくるものではありません。
これらの工事内容を決めるためには、綿密な打ち合わせが必要なのです。

まずは、材料選びについてお話し致します。
現在、建築材料というのは環境対応型の材料などがどんどん発売され、家に合った材料を選ぶことは非常に難しいものです。

そして、新製品が発売されると多くの方がそれに飛びつき利用しようとしますが、僕としては「ちょっと待った」と思ってしまいます。
というのも、どんな新商品もそうですが、最初は商品の良い面だけを前面に出して販売され、悪い面は使ってから数年後に分かるものだからです。

先日も、とある塗料で発がん性物質が入っていた塗料が、発がん性物質を抜きリニューアルして発売されました。しかし以前の塗料は、塗装後建物の美観を保つことができたのですが、発がん性物質を取り除かれた塗料では、塗装しても建物の美観が保てなくなっていました。
たしかに健康面としては良いのですが、家としては持ちが悪くなってしまったのです。

その他にも、今多くの家で問題になっているノンアスベストの屋根材は、アスベストが使用禁止になったことで発売されましたが、強度が弱く補修さえ出来ない状態の屋根となっています。
ノンアスベストの屋根材を使用した家々は、数年で屋根が補修工事もできないほどひどい状態になってしまうことは予想もしなかったでしょう。

そのため、僕は材料選びをする際に材料の業者や商社などに徹底的に確認を入れ、現場で材料を扱っている職人の意見なども吸い上げながら材料を決めるのです。
今回も多くの塗料や防水剤は数々の確認をし、お客様と何度もお打ち合わせした上で決定しました。

 

家に合った工事の進め方を決める

次に、工程の相談です。

今回も一つの現場に多くの専門職人が入ります。

足場、塗装、防水、シーリング、大工、板金など、数多くの職人が入るからこそ、順番が大事です。
工事する内容によって、順番は変わりますので職長会議も必須となります。

何が先で、何を後にするかによって、仕上がりが大きく変わる場合も。
調べ抜いた材料を理想の仕上がりにするために、営業である僕と職人達で意見しながら、より良い工程を模索します。
ここをいい加減にしてしまうと、欠陥工事となってしまうのです。

〔関連動画:駅前の営業中テナントビルの大規模改修工事 足場・補修・防水・塗装 全行程〕

正直、外壁塗装の世界は矛盾だらけで、マニュアル通りにいくものは一つもありません。
そのため、現場の責任者にも多くの知識が必要となるのです。

僕には、材料や塗装、防水のそれぞれの部署に信頼できる担当者がいますので、今回のような工事を組むことができます。
毎日、それぞれに材料のことや技術のことを質問し、答え合わせをし、お客様に最適な材料と工事方法をご提案できるようにしているのです。

たまに、「見積もりを1週間くらいで下さい」と言われることがあります。
僕からしますと、これは不可能です。
補修や塗装する箇所について徹底的に調べ、あまたの材料の中から最適な材料を割り出し、さらにそれらの材料や工法がそれぞれの箇所に緩衝しないかを確認し、期間や必要な職人のスケジュールを確認する。

これだけのことを盛り込んだのが、弊社の見積書なのです。

お客様の理想の塗装工事をするために僕は、工事がはじまると毎回ドキドキします。
四六時中現場のことを考え、お客様にとってベストな方法はないかと模索しているからです。

幸運なことに、僕は会社や職人を始めとして、材料の商社など周りの人々に恵まれているため、このベストな方法を実現させることができます。
塗装工事で大事なことは、リスク管理です。

材料や工事の内容の悪い点が、後出しにならないように細心の注意を払いながら工事内容を煮詰めます。
今回の大改修工事では、新商品は屋根以外使っていません。
屋根材にだけ比較的新しめなジンカリウム鋼板を使いましたが、こちらの材料は大手商社が社運をかけて作っている肝煎りの建材です。そうした裏取りをしっかりとした上で、材料のラインナップをしています。

〔関連動画:ジンカリウム鋼板で屋根の葺き替え〕

次回からは、それぞれの工事内容について詳細をご紹介できればと思いますので、ご期待下さい。

東京湾近く工場の塗装工事・完工引き渡し

By ALC, 外壁, 防水担当の日誌

3月末日に、約2ヶ月間行っていました工場の塗装工事が完了しました。
塗装工事が終わった時点で、足場を外す前に完工検査を致します。

工事に不備がないか、塗装する際の足場などが原因で破損している箇所などがないかなど、弊社では専任の担当者が責任を持って検査をし、お客様へと引き渡すのです。
今回は、足場解体前の完工検査にプラスして完工引き渡しを行いましたので、その内容についてご説明いたします。

 

完工引き渡しはお客様との答え合わせ

この工事では検査後に、足場を外しさらに完工引き渡しをいたしました。
完工引き渡しの際には、お客様と一緒に建物の周りをぐるりと見ながらチェックをします。

その時に大事なのは、お客様と弊社との考えに相違が無いかどうかということです。
塗ると思った場所が塗られていなかった…など、どんなに事前に打ち合わせをしていても、思い違いや受け止め方の間違いなどがあり、そういった相違箇所が見つかった場合は、もちろん塗装職人では適宜対応します。

今回は、特に大きな建物で確認箇所も多かったため、完工引き渡しを実施することに。
幸いなことに、この工事ではそういったお客様との相違はなく、完工引き渡しが無事終了いたしました。

通常の一軒家と違い工場でしたので、経理処理などの関係から三月期末に工事を終えたいとお客様からリクエストがありました。そのため、万が一長雨などが降った場合には、工期が押してしまいますので、菊池としても非常に心配な工事の一つだったのです。
そういった意味でも足場を建てるところから完工引き渡しをするまでスムーズに終わり、本当にホッと致しました。

【関連記事:東京湾近く外壁1000㎡超えの工場塗装工事】

東京湾近く外壁1000㎡越の工場塗装工事

 

完工引き渡しの際にチェックする箇所とは

完工引き渡しの際にチェックする箇所は、建物の周りはもちろんですが、屋根上なども確認します。
引き渡しの立ち会いは、建築主任の内藤と記録担当スタッフと菊池の三人で行わせて頂きました。

この工場は横浜の金沢区にあり、いわゆる塩害地となります。
そのため、サビに弱い工場特有の鉄骨階段など鉄骨などは、注意深くチェックを。
さらには、足場解体後のタッチアップ箇所もチェックポイントのひとつです。
タッチアップとは、足場を外した際にでる塗り残しなどを、塗装することを言います。
通常こうした大きな建物の場合、足場もただ組み立てるのでは無く、屋根を挟んだり、壁に穴をあけて足場を固定したりするため、挟んでいた部分や、足場に隠れてしまい塗れない部分などが出て来るのです。

そうした塗り残しなどをしっかりと塗り、先に塗装した箇所と綺麗になじませるのがタッチアップです。
ほとんどの場合は、足場屋の職人が解体工事と同時にタッチアップをしますが、やはり足場屋の職人の塗装技術は、専門職の塗装には劣るため、仕上がりもそれなりになります。
ですので、塗装職人では必ず足場解体後に、弊社の塗装のプロ職人がタッチアップを致します。

今回は足場を完全に撤去してからのタッチアップでしたが、足場の職人と一緒に塗装の職人が工事をする『相番』でタッチアップする場合もあります。
壊していく足場を利用しながら、しっかりと塗装をし、工夫を凝らしながら、外壁塗装を美しく仕上げるのです。

タッチアップ箇所を数人の目を通して念入りにチェックすることで、大きな建物でもしっかりとした品質を保ってお客様にお渡しすることができます。

【参考動画:工場の塗装】

 

工事など企業の塗装工事の場合

先ほど、少しだけ触れましたが今回は会社の所有する工場のため、工事の費用を経費として請求できるかどうか…ということが肝でした。
経費の中には『修繕費』という項目があり、その項目を使用すれば今回の補修工事を経費として計上することができますが、補修する必要がないところに『修繕費』は使えません。
この修繕費は、建物が破損し修繕が必要な箇所に使用が可能となります。
そのため、工事前に破損箇所や、傷んでいて危険な箇所などは写真におさめておく必要があるのです。

弊社では、こうした修繕箇所の写真もメーカー担当者立ち会いのもと現場調査を行い、しっかりと撮影し、写真を整理して提出させて頂きます。
今回はぼろぼろの消化器ボックスなどもありましたので、そちらもしっかりと写真に収めた上で新たなものと交換させて頂きました。
創業30年という弊社の塗装工事経験があるからこそ、しっかりとお客様のニーズに合わせた工事や資料作成が可能となるのです。

【関連記事:東京湾沿岸で鉄骨造の4階建て工場塗装】

東京湾沿岸で鉄骨造の4階建て工場塗装

 

大規模塗装からみる冬場の仕上がり具合とは

工場の塗装工事は2月、3月と…まだ寒い季節に行われました。
通常は塗装に適した時期といいますと、春先や秋口など暖かい時期などとされます。それなのにこんな寒い季節の塗装で塗料が乾くのか…と疑問に思われるかたもいらっしゃるでしょう。

実は、この2月〜3月こそ塗装に適した時期なのです。
というのも、2月〜3月というのは比較的雨が少なく、スケジュール通りに工事が進みやすく、仕上がりも綺麗になります。
最近の塗料は速乾性のものがほとんどで、この2月3月の気温であれば、一晩で塗料は十分に乾燥することも冬場に工事を可能にしている要因です。(通常塗料の乾燥時間は23度無風で2時間程度とされています)
そのため、意外にも2月〜3月というのは塗装に適した時期なのです。今回の工場は大きな建物ではありましたが、全体的に塗料がよく乾き、雨もほとんどなかったためスケジュール通りに進みました。

今の日本は春夏秋冬というよりは、レイニーシーズンとドライシーズンの2期に別れるような気候になっています。
今後塗装工事を考えていらっしゃる方は、是非このドライシーズンに工事を選んでみて下さい。

大きな建物全体の塗装から家のドア1枚まで塗装職人ではプロの技で工事します
今回は大きな工場全体の屋根と外壁、鉄骨部分などの塗装でしたが、弊社では一流の職人やスタッフがそろっているからこそ、大手業者では手が回らないような箇所にも目を行き届かせながら工事することが可能でした。

完工引き渡しなども、技術を持ったスタッフがお客様と一緒に確認するからこそ効果を発揮します。
もちろんその逆もまたしかりで、小さな箇所の工事だとしても手を抜くことはありません。

お客様の中には、このような大規模工事のブログを読むと「塗装業者に工事を頼むのであれば最低でも外壁塗装など大きい箇所じゃないとダメなのでは…」と思う方もいらっしゃいますが、それは違います。どんな工事にも、プロの技で対応させて頂くのが塗装職人なのです。
そして大きな工事も、戸建てに対応するときのような繊細さで工事させて頂きます。

最後に今回の工事を動画でご覧ください。

【参考動画:神奈川京浜工業地帯 外周1350㎡の工場・塗装改修工事】

大きな工事から、戸建てまで、どうぞ塗装職人にお任せ下さい。
弊社が培った技術で、最高の工事を致します。

 

外階段廊下にウレタン防水材や長尺シートの工事種類とおさめ方

By 他共用部, 長尺シート, 防水担当の日誌

今回は、階段や廊下の防水工事についての解説です。防水剤というのは、さまざまなメーカーから用途別に数多くの種類が出ています。

しかし、お客様が『防水工事』と検索をすると、おすすめとして出てくるのは長尺シートなどで、そこまで種類があるようには見えません。
今回は階段という箇所を使って、防水剤の種類や効果、そしてなぜ金額が違うかについて解説致します。

 

外階段の防水工事とは

アパートやマンションなど、外階段の工事をよくご相談いただきます。

外階段の中には、鉄階段やコンクリート製の階段がありますが、この階段も建物の状況によって施す防水工事はさまざま。

まずは代表的なものを4つご紹介します。どちらも防水工事の補償期間は2年です。

 

ウレタン塗膜防水密着工法

一般的なのは、ウレタン塗膜防水密着工事です。この工事は新築時にやることが多い工法となります。

なぜ新築時かというと、非常に工程が多く塗り重ねが必要なため、乾燥させるために階段の上を誰も歩かない日数が必要となるからです。

そのため、居住者のいるアパートなどの場合は、階段の左半分、右半分に塗る箇所を分けて工事する必要があり、作業だけで6〜8日ほど(1日に2回塗り出来る等、条件によって違う)の時間を要します。

 

超速硬化ウレタン吹きつけ リムスプレー工法

ウレタン塗膜防水と比べて、この超速硬化のリムスプレーは、朝6時から作業すれば夜には階段を使用することができます。

居住者にかかる負担がすくないところから、アパートのオーナー様に喜ばれる工法です。しかしこのスプレーのデメリットとして、防水膜が切れやすいというのがあります。

段鼻部分や蹴り込み部分、階段の立ち上がり部分は靴の先で蹴りやすく、革靴などでこの蹴り込みを蹴ると、そこからリプスプレーのコートが切れてしまうのです。

使用頻度の高い階段には不向きです。

 

タキステップ3W35等

最近階段の防水工法としてトレンドになっているのが、この長尺シートです。

長尺シートは塩ビの防水シートで、耐久性は10年といわれています。

しかし、先日長尺シートを貼って10年経過したお客様のお宅で現場調査に伺ったところ、まだ長尺シートは綺麗なままでしたので、幅木のみ施工をしてあと10年みましょう…となりました。

それくらい耐久性のある防水シートなのです。

〔参考ページ:長尺シート〕

長尺シート

主に平場と呼ばれるフロア部分などに使用しますが、階段に貼ることもあります。防滑性、防音性、もちろん防水性があり、摩擦に強く、耐久性に優れている。防水剤として、非常に優秀な建材です。

しかし、この長尺シートはどの階段にでも使えるわけではありません。

この間も、とあるマンションで鉄階段に長尺シートが貼り込んで有り、表面は長尺シートで覆われているため階段の背部に水が流れ、階段の裏側がサビだらけになっていました。

正しい用法で、正しく施工すればとても良い効果がでる長尺シートですが、用法を間違えると剥がすこととなり、長尺シートの工事費用は塗装よりも高額なため、大変な出費となってしまいます。

 

タキステップ5W6W等

塩化ビニル樹脂を主原料とした、段鼻部と踏み面が一体になっているシートです。

長尺シートはフロアにも晴れるのに比べて、このタキステップは名前の通り階段に特化しているシートといえます。

防滑エンボスと適度なクッション性があり、階段での転倒などをおこしにくいため、学校や屋内施設などにも使用されている防水剤です。

タキステップは貼る階段によって、使用するタキステップの種類が変わります。通常の鉄骨階段はタキステップ3W、縞鋼板の場合はタキステップ3Sです。

コンクリートモルタル系は5W、6Wなど。一口にタキステップといっても、使用用途によって種類がさまざまあるため、これもまたプロによる見極めが必要となります。

ちなみに、タキステップ3Wと3S。この二つの違いは、シートにスポンジが入っているか入っていないかです。

3Wはフラットな面に貼るためスポンジが入っていません。タキボンドでしっかりと階段に密着します。

タキボンド

3Sは縞鋼板のデコボコに対応するためにスポンジが入っており、使用できるものの、接着面が甘く、サビなどが入りやすい傾向も。

最悪、高額な費用をかけて貼り付けたタキステップを剥がすことになりますので、ご自身の家に合ったタキステップを選ぶ必要があります。

以上4つです。

 

〔参考記事:階段の長尺シート施工前・施工後〕

保土ヶ谷区のマンションの廊下・階段の長尺シート工事

これ以外にも、防水材はいろいろあります。どれも良い面がありますが、使い方を間違えると貼り替え時に大変な出費となってしまうものも。

僕はよく塗料やこうした防水材を薬に例えるのですが、どんなに効くとされている薬も、病名と薬が合っていなければ薬の効果を発揮できません。薬の処方が間違ってしまったら、治るものも治らないのです。

ここからは、建物の条件によってどのように防水材を使い分けるのかを、ご説明致します。

 

マンションなどに多いウレタン塗膜防水とタキステップや長尺シートの複合工法

マンションの外階段などの場合、コンクリートのササラ部分や蹴り込み部分にウレタン防水の工事をし、平場や階段部分にはタキステップや長尺シートを貼る複合工法などがあります。

踏面部分は防滑効果を高めるためタキステップ等、その他の部分はウレタン塗膜防水にすることによって、階段の角に水が溜まらないように仕上げるのです。

こうした防水剤の良い面の相乗効果だけではなく、悪い面をカバーするために複合工事がうまれ、職人の知恵が必要となります。

〔参考動画:マンション廊下と階段の長尺シート〕

 

鉄骨階段に長尺シートを施工する

鉄骨階段は、どんなに表面のサビを落としても、サビが内在することを把握するのが大切です。

内在するサビをできるだけ押さえ込むことが、塗装する上で何よりも大切と言えるでしょう。

しっかりとケレン作業をし、メーカーの推奨する金属プライマーを塗れば、長尺シートを乗せることができます。

しかし、この写真のようにササラ部分にサビが出てしまうと、水の溜まる角から塗料がまくれ、最悪長尺シートの下に入り混んでしまいます。

そうならないためにも、定期的な塗り直しが必要なのです。もちろん、長尺シートが向かない階段もありますので、よく塗装業者に相談をしましょう。

 

タキステップの防水効果だけでなく見た目の美しさを重視する

 タキステップの実質的な効果とはズレますが、タキステップの美しさを追求する工事もあります。

階段のほとんどをタキステップで仕上げたのですが、最後の立ち上がり部分だけは階段の幅も形も違ったため、あえてタキステップではなくウレタン塗膜防水で金物のステップをつけました。

このように仕上げれば、1段目のアンバランスさを強調することなく美しい状態でおさめられます。防水材の効果とは少し違いますが、こうした見た目への気遣いは、その材料に精通した職人だからできることなのです。

〔参考動画:タキステップとタキシート〕

 

その他階段の防水塗装

 これまで紹介した防水剤以外にも、コンクリート階段に立柱式駐車場などで塗る塗料を塗っているお宅もありました。

駐車場などに使用する塗料のため、非常に防水効果の高い塗料です。しかし、それと比例するように値段も高くなります。

それ以外にも「スポーツ床仕様」といった塗料もあり、塗料の効果だけでみると、本当にいろいろな防水工事方法があるのです。

 

防水工事はどうおさめるかが大事

防水工事というと、なんとなく階段の上に雨をはじく材料を敷いたり塗ったりすれば防水になる気がしますが、実はさまざまな防水材の掛け合わせや、使い方を駆使しないと防水効果を得ることが出来ません。

防水工事は、雨の侵入を防ぐことだけでなく、侵入した雨や内側に溜まる湿気をどう逃がすかということまで考える必要があります。

この掛け合わせは一つ間違えると、長尺シートやタキステップであってもサビや腐蝕を増殖させ、階段そのものが使えなくなることがあるのです。

だからこそ、塗装工事において作業計画がなによりも大事だといえます。

〔参考ページ:マンション共用廊下の長尺シートとウレタン防水〕

マンション共用廊下の長尺シートとウレタン防水工事

 

家の状態に合わない防水工事をする怖さ

業者によっては、自分が得意な方法でだけ工事する会社もあるため、建物の状態と合っていない塗装が施される場合もあります。

また長尺シートは10年耐久性があるとされ、タキステップも非常に持ちがいいとネットに書いてあることから「うちの階段もコレを貼ってください」と指定頂く場合がありますが、お客様の家に長尺シートが合うとは限らないのです。

ネットに出ている防水剤は、どれも施工した家に合っているからこそ、効果を発揮しています。間違った防水工事は、雨漏りの原因になるのです。

防水剤を選ぶ際には、『家の症状に合った』防水剤を選びましょう。

 

防水工事は費用がかかるということを知る

防水工事で一番ポピュラーなものは、ウレタン塗膜防水工事などの塗りものの工事です。

ただし、通常の塗装とは違い膜厚なども必要なため塗り回数が多く、塗装工事よりも〇倍の費用がかかります。

さらにここも間違いが多いのですが、普通の外壁用塗料と防水材は同じではありません。まったく別物のため、値段も違うのです。

普通の油性塗料を廊下に塗って、その上を人が何度も往来していたら、すぐに塗料が剥がれてしまうでしょう。

剥がれない効果があるのが、床用の防水材なのです。

さらに、長尺シート、タキステップなどは塗膜防水工事よりも費用がかかり、より確実な防水工事をするためにはさまざまなオプションが必要となります。

費用が安い工事は、いずれかの工程や材料の質を落としているため、防水効果が低くなることも。

先日とあるお宅に現場調査で伺った際にお客様が「うちは防水を塗ってある」とおっしゃっていましたので、どんな種類の防水材なのかよくよく見てみると、防塵塗料が塗ってあったこともありました。防塵塗料では、防水効果はありません。そのため前回の工事は安く工事することができたのでしょう。

〔参考動画:劣化を防止し屋上を保護するトップコート防水〕

私達塗装業者は、ある意味家の塗装工事における『総合診療科』のドクターです。家全体の症状を見て的確に患部を判断し、さまざまなアプローチで患部を治療するための方法を提案します。

想像して下さい。みなさんは、がんを治療するためにお医者さんかかった際に「もっと治療費を安くしてくれませんか?」と聞きますか?

それよりも、がんを治すためにどんな手術や薬があるのか詳しく聞こうとするでしょう。そして提案された治療法の中で、自分が出せる金額に見合った治療を受けます。

家も同じです。雨漏りが起きていたり、なにかしらトラブルが出ていたりする家というのは、がんに侵されている状態と言えます。

トラブルを補修し家を持たせるためにも、『相見積もり』を使ってそれぞれの業者がどのような工事をするのか具体的に聞きましょう。その上で、家に合った工事内容(治療法)を探してみて下さい。

防水工事は、家をこの先10年守るための大事な工事です。値段だけにとらわれて、工事内容を見誤らぬようお気をつけ下さい。

東京湾近く外壁1000㎡越の工場塗装工事

By ALC, 外壁, 防水担当の日誌

気温の寒暖差が大きい日が続きますが、みなさまお元気にしていらっしゃいますでしょうか。

菊池は、相変わらず現場を飛び回る日々です。

リピーターのお客様が経営していらっしゃる工場の塗装のご依頼頂きましたので、今回は規模の大きな建物塗装について少しお話ししたいと思います。

 

工場の塗装とは

昨年、お客様の自宅塗装の工事に伺った際に経営されている会社の工場の話しになり、「ゆくゆくは工場の塗装工事をやろうと思っている」と伺っていました。

その後、お見積もり依頼を頂き契約となりましたので、2月頭から工事を始めさせて頂いています。

お客様の工場は、鉄骨造のALCの作りで屋根1000㎡、外壁1000㎡と規模の建物です。

塗装職人ではマンションの施工も多く手掛けていますが、それと合わせても今回うちで施工させて頂く規模としては大きい部類の工事です。

職人はともに国家資格の一級塗装技能士がリーダーでシールは市川職人が、塗装は曽根職人が行っています。

 

【参考動画・鉄骨造ALC外壁のシール作業】

 

工場は屋根や壁以外にも鉄部が多くあります。

鉄部の塗装は、通常の塗装と違い『ケレン作業』が入ります。

サビにマジックロンというナイロンたわしのような道具やワイヤーブラシなどで研磨をして、旧塗装膜を除去していきます。

 

この作業を疎かにすると、塗装が剥がれやすくなってしまいます。

そのため、広い塗装箇所でも丁寧にケレン作業をする必要があるため、ある程度人数も必要です。

今回の塗装チームは7人という施工効率と無駄に多くない人数で作業し納期を守ります。

工場は、東京湾から近い場所にある、いわゆる塩害地となります。

下地への雨や潮風の影響避けるためにもケレンと下塗りの施工間隔は短ければ短い方がいいです。

鉄部の下塗り剤(錆止め)としてハイポン20デクロ、上塗り剤はハイポン50を使用しました。

ハイポン20デクロの塗布

 

この塗料はベイブリッジなど公共工事でも使用されるものなのですが、非常に強力な錆止めのため強烈な臭いがします。

塗料には大きく分けて「弱溶剤」と「強溶剤」があります。

弱溶剤はホームセンターでも売っている通常のシンナーでどちらかと言えば石油に似た臭いがするシンナーです。

一方を強溶剤は今回のハイポン20デクロの希釈剤であるハイポンエポキシシンナーのように専用のシンナーが必要で、ツーンとした臭いがするため戸建てでは使用ができません。

強力なさび止め性能から立駐機にもよく使われている塗料です。

このように工場には工場で使える材料というものがあるのです。

 

【参考動画・鉄骨外階段の塗装】

 

私達塗装職人は、数々の現場をこなしているからこそ、戸建てには戸建て用の、工場には工場用の塗料を使い分け、効果を最大限に引き出します。

また、今回屋根が板金1枚を折り曲げて作られた折板(折半)屋根、さらに外壁がALCのためサーモ(遮熱塗料)も併せて使うことになりました。

塗料は、それぞれの場所や環境に適したものがあるため、是非工事の際には「このような効果が欲しい」など、お客様のご希望をお聞かせ下さい。

様々な現場で培った塗装職人の経験から、最適なものをご提案させて頂きます。

 

【参考動画・アパート折半屋根の塗装】

 

塗装工事に欠かせない挨拶回り

今回は京浜工業団地の工場でしたが、戸建ての塗装工事の時と同様に、近隣の工場へ挨拶回りに伺います。

ただ工業団地ということで、挨拶といっしょに近隣の方から工事の許可を取る必要があります。

そのため、今回菊池はいつもの作業着では無く、スーツを着て各工場をまわりました。直接近隣会社の社長さんや役員の方とお会いして、ご説明のした上で正式にサインをいただくためです。『賛成・保留・反対』を書類で提示させて頂き、無事みなさまから賛成のサインをいただけました。

こうした工事をするための近隣への確認作業も、大切な塗装工事の一環といえます。

 

工場規模の塗装を塗装職人に頼む利点とは

塗装工事などの建築業には、『一般建築』と『特定建築』というものがあります。

塗装職人は『一般建築』の業者となるのですが、その場合4000万以上の金額で請けた工事を下請けに出すことができません。

弊社の場合、施工は一級塗装技能士をはじめ菊池も二級建築施工管理技士の免許を所持しているため対応できる知識と技術を兼ね備えております。

今回の工場の塗装工事は4000万円以下ではありましたが、規模としては大きかったため、弊社に見積もり依頼をする以前に、『特定建築』などを手がける大手業者からもお客様は見積もりを取っていました。

その際に、大手業者の場合は工事中に作業員達が休んだりする詰め所を作り一人を常駐させるということ、さらには仮設トイレなども設置をするため塗装代以外のところに費用がかかり、高額な見積もりになります。

弊社は、基本必要以上に詰め所など作らないためリーズナブルな施工も可能です。

保証もきちっとつけさせて頂きますので準大手ゼネコンや中堅ゼネコンなどの大手業者さんとなんら遜色はありません。

それよりも同じ価格帯なら大手業者さんより間違いなく丁寧な仕事が提供できます。

逆を言えば大手業者さんと同じ工事品質なら低価格で工事ができます。

 

【参考ページ・鉄骨造4階建ての工場塗装】

東京湾沿岸で鉄骨造の4階建て工場塗装

 

大手業者さんの場合、大量の社内業務をこなすための豊富な人員や大きく立派な建物の社屋などの固定費に費やされる金額が、私達塗装職人とは桁外れです。

その経費分が工事費用にのしかかってきてしまうのでどうしても高額になってしまうのは致し方ありません。

一歩間違えれば、現場に費やされる費用が削られてしまう可能性もこの改修工事やリフォーム関連の業界だからこそグレーです。

 

とはいえ、私たちの場合工事規模が大きくなればなるほど大手業者さんよりかは、工事に関わる事務処理がスムーズというわけにはいかなくなります。

現地調査、面積図面算出、見積り作成、施工管理、工程表作成、進捗管理などなど・・

それぞれの専門の要員がいるほど私達塗装職人は人員がいません。

お見積り依頼を絶え間なく頂いていることは業者としてありがたい一方で、フレキシブルな対応ができないこともありご迷惑をおかけしてしまうこともあります。

 

そういった状況の中でもお客様は弊社がご自宅を塗装する仕事ぶりを見てご依頼下さいました。

まだ工事は続いていますが、お客様のご自宅同様しっかりと工場も塗装させて頂きたいと思います。

 

工場には工場に適した塗装を

現在塗装職人では、こちらの工場での塗装工事以外にもビルの外壁塗装なども行っています。

戸建てだけではなく、さまざまな大きさや環境にある建物でも、弊社でこれまで培った知識と技術で対応することが可能です。

 

【参考動画・横浜Kビル大規模改修工事】

塗料の種類を選ぶにしても、効果だけに重点を置いてしまいますと、戸建てに向かない塗料、工場に向かない塗料などがあります。

塗装工事について、分からないことがあればどうぞご質問下さい。

工場全体の塗装という大規模な工事から、アパートの鉄階段だけの塗装といった小規模な工事まで、弊社ではお客様のご希望に即した内容で、最大限の効果が発揮できる塗装工事をご提案致します。

東京湾沿岸で鉄骨造の4階建て工場塗装

By 防水担当の日誌

一級塗装技能士が作業する鉄骨造の4階建て工場塗装

足場を組んだ工場

東京湾に面した鉄骨造4階建ての塗装です。
こちらは工場で外壁はALCパネルで屋根は折板屋根です。工場としては一般的によく見られる仕様の建物だと思います。

一級塗装技能士をリーダーにして複数職人が入っての作業です。

【参考動画・工場の外壁と屋根塗装】

天気が良い日も続き作業もよく進んでいます。
今回は工事期間中の途中からの作業報告ですが、足場は2月中旬に組みました。
この日も天気に恵まれ日差しが降り注ぎ作業をするとちょっと汗ばむという具合です。

工場裏の大型室外機と足場

 

折板屋根

工場の建物の屋根で一番よくみられると思うのが折板屋根です。
Wの形をしている鋼鈑なので、もし平面に伸ばしたりすることができれば見た目の面積はより大きくなります。
東京湾近くの塗装前の折板屋根はうっすら前回塗装のさび止め塗料らしき色が露出しています。

東京湾近くの工場の大きな折板屋根

こちらの工場の折板屋根はWの形がより大きい鋼板なので、アパートなどの集合住宅によくみられる折板屋根とは違い足の平も斜めにしなければいけないなどはないため塗るときの体勢は比較的作業しやすい状況になります。
工場以外に一般的によくみられる折板屋根はボルトが突出していますが、今回の工場はボルトはありません。
劣化した折板屋根

よくあるのがボルトのサビだけでなくボルトを上から被せている「ボルトキャップ」が紫外線によって脆くなって劣化していたりします。
折板屋根は結構そのボルトのさび落とし作業が結構骨の折れる作業だったりするので、ない分だけまだスイスイと塗装できます。
ただWの形が大きい分だけ面積が大きくなり塗っても塗っても先が遠いですね。

【参考動画・集合住宅の折板屋根塗装】

今回は遮熱塗料を使った塗装です。
塗料は遮熱塗装の最高級ともいえる日本ペイントの「サーモアイ4F」での仕上げです。
いわゆるフッ素塗装です。
遮熱塗料の使用は温暖化対策として東京都では補助金の対象になりますが神奈川県では対象でなかったりとエリアによってバラバラです。
工場の場合は一般家庭よりエアコン等の電力消費が比ではないのでかなりの経費削減になるのではないかと推測できます。
 

こちらの現場は遮熱性能を上げるためより白い色で塗装をしています。
塗る前は塗膜が劣化して手で触るとチョーキングと雨汚染がひどくこびりついていました。

折板屋根のチョーキングと汚れ

もちろん、当然高圧洗浄をしてあるのですが、それでも色褪せた折板屋根からほぼ白色の色で仕上げるためには相当な濃厚な塗料で重ね塗りをしなければ下地の色がうっすらと露出してしまいます。

折板屋根、中塗り状態の動画などはこちらでも見れます。

白色に行くほどとても仕上がりにくいので作業も少々苦戦してます。

 

【参考動画・遮熱塗料「サーモアイ」の色と反射率】

 

ALCパネルと目地シール

今回外壁のALCパネルは水性塗料で塗ります。
パネルは60㎝幅間隔で建て込まれているため、パネル同士の継ぎ目にはシーリングがあります。
ちなみにウィキペディアにも掲載されていますが一級塗装技能士でもある代表は昔ALCの建て込み職人をしていたこともあるため構造的な問題も社内で共有されていますが、パネル同士は接触しているため目地シールのひび割れが即雨水の侵入にはなりません。

こちらは施工前の状態です。

ALCパネル

【参考動画・ALCパネルのシール工事】

このALC外壁を屋根の色の状況と同じく白系の色に塗装するので作業前からそうたやすい仕事ではないと推測できます。
ただ鉄骨造のALCパネルの塗装の場合は、構造的に鉄筋コンクリート造と違いデザイン的にも出っ張ったり引っ込んだり意匠性はほぼないため他の外壁に比べて塗りやすいという利点はあります。

ALC外壁の工場

外装からはALCパネル同士が接触しているかシールを打っているためわわかりませんが、工場内から見るとパネル同士くっついて建て込んでいる様子がわかります。
新築の建て込み時、長辺パネルの境には「トロ」と呼ばれる液状化に近いモルタルが詰め込まれています。
窓開口部は鉄骨に取り付けられたLアングル材が溶接されているのですが、ALCパネルもボルトを通してLアングル材に溶接されているので、工場内部からはそのボルトも見えているのがわかります。

 

シールは目地だけでなく基礎上や横目地にもあります。
それと基礎はコンクリートですが、鉄筋が露出して爆裂もあるのでこちらも念入りに補修をします。

 

【参考ページ・ALCのシールと補修】

ALC4階建ての防水工事と外壁補修の改修工事

 

ALC外壁の下塗り、一部中塗り

外壁の塗料は水性クールテクトというエスケー化研のアクリルシリコンのこれも遮熱でとても性能の良い塗料です。
先日下塗りを終えて、この時は中塗り作業の状態です。
これもまた元々の色が黄色ではあるのですが中塗りの時点ではその黄色が見えません。
それは下塗りを濃い重めの塗料で塗らないと色が被らないため、画像のようにはなりません。
ほぼ白色に見えるのは濃厚に塗っている証拠で、より雨だれ汚染や色褪せなどの退化に強い塗装となります。

また後日「施工事例」で説明しますが、シールはもちろん終えています。
ALCパネルのシールはよほど撤去する際、無理に行うとパネルを削ってしまう場合があるので打ち替えのほか増し打ちの場合ものほうが多いですがケースバイケースです。
ただパネル同士は接触しているのでシールがひび割れているとしてもすぐに雨漏りなどに直結することは考えにくい外壁です。
今回の現場のシールのメーター数は2.000メートル超です。
クラックと爆裂補修もしました。

【参考ページ・ALCパネルの塗装】

ALC塗装

 

工場設備パイプ等鉄部の下塗り

沿岸地域だけに潮風は大敵です。
特に工場などは外壁周りにパイプなどもあります。
塩ビ管やステンレス製のパイプは当然さびなどは発生しませんが、鉄製のものは支持金具まで錆びているため外壁にも影響を与えかねません。
潮風で腐食している鉄部もあるため下地調整のケレンや交換工事もあります。

下地調整をして念入りにたっぷりと防錆性能の高いグレー色のさび止めプライマーを塗布しています。
町中の工場であれば塩害は無いのですが海が近い工場ではある意味鉄部の処理が肝です。

今回の工場は職種的にまだパイプ等は少ないですが、外部階段があります。
そのほかH鋼や排気口も塗膜の剥離やさびが発生しています。
まだ手を付けていない状態ですが、ここは相当念入りに研磨等の下地調整をしないとまた塗膜が浮いてきてしまうのでしっかりと作業をしていきます。

 
塗装作業はまだ前半ですが、後半のほうが鉄部のケレンもあるため手が掛かる作業と言えるかもしれません。
また後半、詳しい作業の様子は施工事例にてお伝えします。