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防水担当の日誌

見積書からは見えない細部のこだわり 工事の仕上がりをより良いものに

By 防水担当の日誌

これまで8回に渡りブログで書いてきました、世田谷の事務所にてお受けしましたお客様のビル改修工事ですが、ようやく先日完工いたしました。
見積もり時からいろいろと課題の多かった建物ですが、なんとかお客様にご納得頂ける形で仕上げることができたと思います。
今回は、足場を外した後に塗装職人が行う、ちょっとした細かな工事…しかし非常に気を遣う工事についてのご紹介です。

関連記事 前回のブログ

残工事 長尺シートとタキステップの貼り込み

アクリル屋根と取り外しと復旧

 

足場を解体したら、取り外していた屋根などを戻したり、建物全体のクリーニングをしたりします。
こうして文章で書くと非常に簡単なことのように思えますが、実はここには費用を抑えるために神経を使う作業があるのです。
まずは、アクリル屋根の取り付けに関してお話し致します。

階段の上や、カーポートなどにアクリルでできたひさしのような屋根がよくあるのですが、こちらは足場を組む際に邪魔になることが多いため、工事前に取り外しを。
このアクリル板、年数などによっては劣化をしていることで、非常に割れやすくなっている場合があります。
洗濯バサミなどを思い浮かべてみてください。

プラスチック製の洗濯バサミは、ある程度時間が経つとプラスチックが劣化して、ある日突然割れてしまったりしますよね。
それと原理は同じで、屋根のアクリル板は、劣化してしまうとどんなに慎重に取り扱ったとしても、割れてしまうことがあるのです。
もちろん屋根を外すついでだからと、お客様によってはアクリル板を新調される方もいらっしゃいます。

その場合には、取り外しにそれほど慎重になる必要はないのですが、今あるアクリル屋根を再利用する場合、注意を払う必要が出てくるのです。
いつもより慎重な作業が求められますし、また割れやすいアクリル板を保管するため厳重に毛布や緩衝材でくるむ必要も……。
さらに、再度アクリル板を取り付ける際にも、割れやすいことを念頭に置いて扱う必要があります。

今回取り付けの際には、梯子作業でアクリル屋根の取り付けを行いました。
この梯子を使っての取り付けは、安全基準の観点からしますと非常にグレーで、本来であれば安全対策を講じることが必要です。
しかし、そうなるとさらに工事費用がかかります。

そのため、ギリギリのラインで安全を守りながら作業をすることになるのです。
アクリル板の取り外し、復旧させるほうが新しい物に交換することよりも、手順や気遣いは増えますので、こうした作業に作業費を別途設ける業者もあるほどです。

関連動画 安全な足場を組むためのひと手間

見積もりには、ただ『アクリル屋根の取り外しと復旧』としか記載されていませんが、作業としては非常にデリケートで、通常の塗装よりも何倍も気力を遣う作業となります。

最初と最後 2回にわけて植木の剪定をする理由

次にご紹介するのは、植木の剪定です。
今回の現場では、2回に分けて剪定をしました。
しかし、見積もり上の料金は『植栽剪定』としてか請求していません。

最初に足場の邪魔になる植物を刈り込み、その後工事が終わり足場を解体した後に、美観の仕上げとして、美しく植物の刈り込みを…。
もちろん、足場を組む前の剪定だけでも工事としては何も問題はありません。
しかし、工事が終わった際にせっかく塗装工事をして綺麗になっても、建物の植物がちょろちょろと伸びてみっともない状態では、完璧な美しさにはならないでしょう。
ですので、最後にもお客様に喜んで頂けるようにと願う気持ちから、2回目の剪定をさせて頂くのです。

こうした工事の内容は、細かくお客様にお伝えすることはありません。しかし、こうした箇所まで気を配ることが、塗装職人の工事品質に深く関わってくるのです。

関連記事 足場を建てる前の準備 植木の剪定と現場の確認

足場を建てる前の準備 植木の剪定と現場の確認

工事後のクリーニング お客様へ綺麗な状態でお渡しするために

 

最後に、建物を全体的にチェックしてクリーニングを行います。
ゼネコンが行うような大きな規模の工事であれば、予算があるため最後にお掃除の専門班が仕上げのクリーニングをしますが、戸建ての場合クリーニングに予算を割くわけにはいきません。しかし、できるだけ綺麗な状態でお客様にお引き渡しをしたいと思い、弊社では塗装の職人が雑巾などを使って丁寧に汚れを落とします。

これもまた、弊社の工事品質を保つための作業なのです。

費用の先に見えるものとは

 

塗装職人に工事の見積もりを取り、他社と比較した際に高く感じるお客様は少なからずいらっしゃいます。
しかし…いつも思うことは、比べているのはあくまでも工事費用だけで、工事内容についてはあまり見ていらっしゃらないのです。

分かりやすく例えるならば、1000円カットで髪の毛を切るのと、技術のあるカリスマ美容院で髪の毛を切るのでは、仕上がりに差がでますよね。
しかも髪の毛のカットは、切った直後だけではなく伸びてきた際に、技術による差が出ます。
つまり同じように髪の毛をカットする店舗でも、値段の差の中には時間や技術などいろいろなものが含まれているのです。
この二つを比べて「1000円カットの方が値段が安かったよ?なぜここの美容院は高いの?」とわざわざ聞く人はいないでしょう。聞かなくても、料金に含まれる内容の差は一目瞭然だからです。
これらと同じで、塗装業者も同じ工事だとしても技術的な内容が違えば、金額に差がでます。

関連動画 家の塗装相場30万円の差額理由

もちろん、見積もりの中には余裕をもたせている項目も。
なぜなら、見積もりはあくまでも外観から判断しただけなので、実際工事をしてみたら破損箇所が思ったよりも大きかった…などということは多くあるからです。
しかしこの余剰分に対して誤解され、まるで「余分な請求までしているのでは?」と疑う方がいらっしゃいます。これは営業担当としては、非常に悲しい疑いです。
大きな追加工事は別ですが、微細な作業の追加が出た際にはこの余裕分がポイントになります。なにも闇雲に料金を上乗せしているわけでは無く、これまでの現場経験から、なんとかまかなえるようにし、だいたいの余裕をもった分の費用でささいな追加工事がトントンになります。

もしも、見積に書いた内容だけを作業するとしたら、工事でちょっとした追加分が出る度に現場が止まり、お客様の判断を頂くことに……。
これでは職人の拘束時間が長くなり、どんどん経費は膨らんでいくでしょう。
全ての見積もり内容を、最初の段階で明確にして欲しいというお客様もいらっしゃいますが、明確にしたということは、そこからはみ出た工事はすることができなくなってしまいます。
家の建て方は本当にセオリーがなく、建てものの状態もどれ一つとして同じではないため、現場でいかに臨機応変に対応するかが重要です。

だからこそ、工事中にイレギュラーなことが次から次へと起こります。
そのため、ある程度職人の裁量でできる形にしていないと、工事は上手くいかないのです。
そしてその裁量を最大限活かすためにも、余裕が必要となります。

工事費用 抑えるべきところとかけるべきところとは

正直言えば、今回と前回のブログでお話ししましたような、アクリル屋根ですが…触りたくないのが本音です。
なぜなら、お話ししたように劣化したアクリル屋根は割れやすく、割れてしまえば大変なことになります。
そして工事をより安全に手堅くすすめるのであれば、割れた場合に備えて新しいアクリル板への交換を提案して、古いアクリル板は戻せないとお客様にお伝えすることも自衛の一つでしょう。

しかし、それでは工事費用を抑えることはできなくなります。
だからこそ、技術と注意深さをもって慎重にトライするのです。
これによって、お客様の工事費用を抑えることができます。
梯子の作業もしかりです。

少しでも注意を怠れば、職人がケガをするような事故につながりますが、なんとか手を考えることで、費用を抑え良い仕事へと繋げていきます。
ある意味、職人の心意気といえるかもしれません。

関連動画 この現場の施工動画

抑えるところはしっかりと費用を抑え、費用をかけて補修すべきところへはしっかりと技術もお金を投入する。
それが、工事をする上で何よりも大切なことだと思うのです。
今回のお客様は、さまざまな工事について非常に工事すべき箇所など、ご協力頂けるオーナー様でした。
だからこそ、こうした最後の仕上げで職人としてもより完成度の高い仕上がりをめざせたのです。
さまざまなトラブルはありましたが、オーナー様に納得して頂ける工事になりました。

最後に、これから弊社で見積もりをしてみようかな?と考えていらっしゃるお客様にお伝えしたいことがあります。
どうか、最初からなにもかも疑うのではなく、工事を良くするために、まずは塗装職人の話を聞いてみて下さい。
塗装職人は創業31年の歴史ある業者です。
お客様から評価をされてきたからこそ、今の塗装職人があります。

今回の現場のオーナー様のように、耳を傾け工事すべき所をきちんと抑えていただければ、お客様に最善策をご提案し、トラブルがあったとしても良い方向に対処をしながら仕上げていくことができるでしょう。
より良い仕上がりになるように、お客様と二人三脚で工事をすすめられればと思うのです。

残工事 長尺シートとタキステップの貼り込み

By 防水担当の日誌

世田谷の事務所で工事を引き受けてから、7回にわたって紹介してきましたこちらの現場も、足場の解体作業が終わり…いよいよ残工事です。

今回は、ウレタン防水を施した外廊下や外階段に、長尺シートやタキステップの貼り込みをします。

たかだか長尺シートの貼り込みといっても、実は多くの技術や工具を必要とする作業です。

そこで、今回はどんな作業をしているのか、詳しくお話したいと思います。

関連記事 前回のブログ記事

足場解体前の検査 足場解体後の点検 プロの目線とは

 

ボンド缶の養生

まずは、ボンド缶の養生についてです。

タキステップや長尺シートを貼るためのボンドは、生ものなので封が甘いとどんどん乾燥して固まり、使えなくなります。

それでは、高価な材料が無駄になってしまいますので、しっかりと蓋がしまるように開け口部分を養生するのです。

小さな細工ではありますが、長尺シートを貼り込むためのボンド缶を最後まで綺麗に使い切ることも、工事の大切なポイントとなります。

 

ボンド塗布(くじびき)

次に、階段などにボンドを塗っていきます。

その際には、クシ小手という道具を使ってボンドの塗布をするのです。

クシ小手はその名の通り、クシ状になった小手で、ボンドを小手にのせると塗る際に刃先がつぶれ、ボンドが多くつくところと少なめにつくところがサンドイッチ状になります。

長尺シートを上から貼り込んだ際に、このボンドが多い部分が隙間なく潰れて広がり、ぴったりと接着することが可能に。

 

長尺シートやタキステップは一見すると、ただボンドをつけて貼り込めば良いように思いますが、実はこうしたボンドを塗ること一つとても技術が必要です。

塗装面に行き渡るようボンドに膜厚をつけて塗らないと、長尺シートなどを綺麗に貼り込むことは不可能となります。

 

長尺シートのカット

長尺シートやタキステップは非常に重量があるため、現場で広げる際にも専用のベルトコンベアのような器具が必要です。

器具を使って廊下などに広げたシートを、専用のカッターで長さや余分な部分のカットをします。

幅は、階段用のタキステップの場合は、段鼻から蹴込みまで1枚になっており900、1200と幅があるため、それらを基準に敷き込みを。長尺シートは廊下幅に合わせてオーダーをします。タキステップも階段幅がイレギュラーな場合は、オーダー可能です。

 

転圧をかける

ボンドを塗って長尺シートやタキステップを重ねたら、オープンタイムとよばれるガス抜きの時間です。

オープンタイムは職人によっては、時間を計る場合もありますし、指触してカウントする場合もあります。

ガスは後から上がってくるため、ガス抜きをしっかりとしないとデコボコした仕上がりになり、美しくありません。

ある程度乾いたら、今度は転圧ローラーを使って長尺シートと床材がピッタリと密着するように圧をかけていきます。

細かい部分は小さい転圧ローラーで、広い面は大きな転圧ローラーを。広い面積用の転圧ローラーは、雑巾がけをするように床に押しつけて使います。

非常に力を使うため、慣れていない方であれば一日で体が動かなくなるほどです。

 

ボンド塗布、観音貼り

ボンドで貼り込んだ際に、気をつけなければならないことがあります。

それは、一旦廊下にシートを貼ると、廊下を歩けなくなるということです。(配慮しないと)

 

新築の場合は、人がまだ住んでいませんので一気に貼り込むことが可能ですが、塗装職人で請ける工事のほとんどは、築10年以上のお宅で、居住者の方が住んでいる状態で工事をします。

そのため、歩けなくなっては困りますので、廊下の片方に通り道を残し、半々ずつ施工をするのです。(階段は又、少し違いますが歩行を前提に施工します)

この時に使う技法が、観音貼りとなります。

仏壇の観音開きを想像してみて下さい、あの仏壇の扉のように長尺シートを折りたたみながら、半分ずつ塗って乾かし転圧して歩けるようになってからもう片方にボンドをつけて貼り込むのです。

関連動画  マンション廊下と階段の長尺シート

溶接作業

長尺シートの貼り込みが終わったら、長尺シートの接続部分の溶接をします。階段同様薄堀はあり。

ただ貼り込んだだけでは、接続部分から剥がれてしまうため、ガスバーナーを使って溶接し、しっかりと接続部分が繋がるように接着を。(コードレスの事例。ライスターが基本→電動項)

こうした端末処理を疎かにすると、そこから長尺シートが剥がれ、せっかく大金を使っておこなった工事が無駄になってしまいます。

しかし、工事費用が安い業者などの場合は、時間を短縮するためボンドで貼り付けただけで端末処理を疎かにする場合も。(外周のシールも含む)

同じ長尺シートの貼り込みでも、こうしたところで値段の差がでます。

 

シール処理

長尺シートの端末部分は、溶接後さらにシール処理を施します。

シーリングは、防水の効果としてはウレタン防水や、長尺シートに比べると強度は落ちるものの、そうした防水材にプラスする事で効果を高めてくれるのです。

たかがシーリング、されどシーリング…。最後のおさめをしっかりすることがプロの工事といえます。

 

ボンドのガス抜きとステップの貼り込み

ボンドをつけ長尺シートなどを貼り込んだ際に、ガス抜きが大事だとお話ししました。

階段に貼り込むタキステップも同様となります。

 

さらにタキステップの場合、段鼻の部分にはステップの重ね張りが必要になるため、ガスの抜き方にも一工夫必要です。

ステップを貼り込む際は、タキステップの貼り付け状態を指触して、半熟状態のところで重ねます。そして端にこうして印を挟んで完全には接着しない状態を作り、ガス抜きができる部分を作っておきます。

タキステップの表面にガスが上がってきたところで、この部分からガスを抜くのです。

一段一段丁寧にガス抜きをし、こうした細やかな作業が、美しいタキステップの階段の仕上げへと繋がります。

 

つなぎ目のU字溝掘り

シート同士に角があるのでつなぎ目が四角柱みたいな形になるため、角があってまっすぐ溶接棒が入りません。

ですので、溝を掘る専用の刃物でU字にカットして、そこを溶接します。

密着性をあげるために、長尺シートの溶接と同様にブチルゴムを投入する場合も。

前回のブログでも言いましたが、こうした端の処理をしっかりすることで、工事に差が出ます。

素人のDIYや、安い費用で工事した場合、こうした細かい工事を落としがちです。

しかし端末をしっかりと溶接しないとせっかくタキステップや長尺シートを使って防水工事を兼ねた工事をしたとしても無駄になってしまいます。

 

コーナーの溶接

シートのめくれが出やすいのが、コーナーです。

このコーナー部分も、しっかり溶接をします。

ライスターに溶接棒を通して、ぐっと端を押さえ込むように温風を出しながら接着させます。

長尺シートはボンドでも十分に接着すると言われていますが、こうした端の処理は特殊な器具が必要となります。

関連記事 長尺シート

長尺シート

その他エアコン裏施工

エアコンの室外機の下なども、長尺シートを敷き込みます。

今回の現場では、2階建ての大きな室外機でしたので非常に大変でした。

ここでも観音貼りでシートを貼って、室外機を持ち上げて敷き込みを。

室外機をずらして室外機を戻せるところを先に貼って、その後、戻して空いたスペースに貼ります。

ボンド、シート貼り込み、転圧と作業を進め、シールまでしたところで室外機をもどし、後半部分も同様に作業を。

塗膜防水の時はジャッキのような工具で持ち上げたりもしますが四点の跡がつきます。ですので、ここでは人力で持ち上げることに。この室外機は異様に重かったので職人泣かせでした。

関連動画 床に置いてある室外機の下はどうやって施工する?

長尺シートやタキステップの貼り込みは単純に見えてプロの技が必要

塗装職人に見積もり依頼を頂いた際に、半分くらいのお客様は工事費用が他の業者と違うため、高いと感じるようです。

 

しかし、前回と今回で紹介したブログの通り、たかだか長尺シートの貼り込みでも、ここまで手間と技と器具を駆使した工事を行っています。

そのため職人も選んでいますし、他の業者のようにその場雇いの職人などはいません。

そんな専門家集団の塗装職人ですが、実はできないことがあります。

DIYやひどい工事で手がつけられない状態になった外壁などです。

DIYが好きなお客様で、ホームセンターなどで買った塗料などを塗って、そろそろ手に負えないからプロにお願いしますという方もいらっしゃいますが、この場合プロでも手の施しようがありません。

 

なぜなら、重ねられない塗料の場合、元の塗料を撤去しない限り剥がれてしまうため塗装工事自体ができないからです。水性の塗料は基本塗り重ねができるとされていますが、これも塗り重ねには細かい決まりや組み合わせがあります。

さらに、このブログで説明した長尺シートも状態によっては貼り込めません。貼り込むと10年ほどは持ちますが、傷んだ時にはすべて剥がして貼り替えが必要なため、剥がすのにも費用がかかります。

しかし、下地の処理が悪く剥がしても貼り込めない場合などが出てくるのです。

そのため、安易に素人の方が貼り込むのはおすすめできません。

 

関連動画 こちらのマンションの剪定・溶接・屋根塗装・タイル塗装・左官・長尺シート 全工程動画

 

外壁の塗装、長尺シートの貼り込みと、一見すると簡単そうに見える作業ですが、建材や材料、環境などとのバランスや、重ねたり端をおさめたりするような細かな技術がどれも必要です。

そのためにも、外壁や屋根などでお困りの事が起こったときは自己判断するのではなく、まずはプロに相談してみて下さい。

何千万円もかけて、購入した家や建物です。

最後まで手を抜くことなく、しっかりとした工事をして家を持たせて下さい。

私たちは、持てる技術全てを持って、そのお手伝いを致します。

 

足場解体前の検査 足場解体後の点検 プロの目線とは

By 防水担当の日誌

前回、メインの塗装工事までご紹介したマンションの塗装補修工事の現場ですが、いよいよメインの工事が終わり、検査、そして点検の段階となりました。

弊社では、横浜、世田谷、杉並と事務所があり、神奈川県、東京都に渡ってさまざまな現場で工事をしています。

東京、横浜を通して言えることですが、塗装職人の工事で大事なことはクオリティです。

今回ご紹介する検査や点検は、弊社の工事に関するクオリティに大きく関わってきますので、どのような点をチェックしているのかなど詳しくお話したいと思います。

 

関連記事 前回のブログ

技術と経験則を集結させる防水工事とは

 

足場解体前検査

 

工事を終えたら、足場を解体する前に検査を行います。

足場を組む際に外したアクリル板などは、まだ足場を組んでいるため取り付けはしません。

足場があるからこそできるチェックを、徹底的にやります。

お客様からのリクエスト通りに塗れているか、工事内容と仕上がりが相違ないかなどなど。

写真の白い天井裏のサイドに塗られた紺色は、お客様からリクエストを頂いた色です。

目安になる色味などもありましたので、色合わせしチェックしました。

また、足場があるからこそ作業ができ、確認も出来る箇所が以下の写真の高架水槽です。

普段高架水槽は、なかなか上までチェックすることはできません。

 

さらに、痩せていたシールも充填しなおしましたので、しっかりとシールが入りラインも綺麗にでているかどうかを確認します。

シールを充填した目地に、ひげやバリが出ていないかどうかを調べるのも大事なチェックポイントです。

前回のブログでもお話しましたが、シール材を充填した時に半乾きの状態で養生を外すと、乾ききっていないシール材がひっぱられひげのように伸びてしまうことがあります。

このひげができたということは、シール材も一緒にひっぱられたことを示しますので、せっかく注入したシール材と目地の間に隙間を作ってしまっている可能性があるということです。

隙間ができてしまうと、防水効果が半減してしまいます。

関連動画 マンションのシーリング

 

そのため、仕上がり具合をチェックする際に、ひげが出ているか出ていないかということは、防水効果を確認するためにも重要な確認ポイントとなるのです。

 

さらに、足場全体の写真もご覧ください。

建物の形が不規則だったり、アーチになっていたりする部分があるため、これだけイビツとも言える足場の形状になっています。

足場の形を、壁面の形などに合わせて建てたことで、きっちりと建物のそばにより綿密なチェックができるのです。

足場があるうちに確認する箇所としてさらに大事なのが、屋根上と言っても過言ではありません。

最近では安全上の理由などから、足場なしに屋根上に上ることが出来ないからです。

こちらは今回白色で仕上げ、遮熱効果を上げました。

 

最後に全体を通して塗り残しなどがないか、しっかりと検査します。

 

写真の写っている箇所で、所々屋根にアクリル板が入ったままになっている箇所もありますが、こうした箇所のチェックも必須です。

足場を組む際に、外すこと無く作業が可能なアクリル板は、屋根をはずしません。

なぜなら、少しでも工事費のコストカットが出来るからです。

ただし、アクリル板は割れやすいので、こうした最終点検で傷など付けていないかを、工事前に撮った写真なども元にして、しっかりとチェックを行います。

関連動画 安全な足場を組むためのひと手間

 

足場解体後の検査

 

足場を解体すると、「これで工事が全部終わったのかな?」と思う方もいらっしゃいます。

実は、足場解体後も残工事というものが残っているのです。

 

今回の場合は、廊下に敷く長尺シートなどが残工事となります。

長尺シートは、足場を解体前に貼り込んでしまうと、足場解体時に汚れてしまうことがあるため、貼り込みを後回しにしました。

また、足場を建てる前に外したものなどもきちんと戻せているかも確認します。

 

今回の工事でマンション1階に住んでいらっしゃる方が、ベランダに洗濯機があり、今回の期間中、前回もそうしたことで、1ヶ月近くも家の中にしまって頂いたのですが、ずっとコインランドリーを使って下さり、最後まで快く協力してくださいました。足場解体後は、いの一番に洗濯機を元に戻させて頂き、御礼申し上げたのですが、どこの現場でもこのように率先して協力して頂けるわけではありませんので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

足場解体後は、足場によって傷が入った外壁やフェンスなどがないかチェックします。

このように足場解体前も、解体後もこのような徹底した検査、点検をすることがプロとして大切なのです。

 

塗装職人ができることとできないこと

 

足場解体前の検査や足場解体後の点検時に、お客様からご質問が出る場合があります。

例えば「あの出っ張っているところ、最後に直せない?」なです。

確かに最後のチェック時に気になって頂いたご質問ではあるのですが、工事内容に関係の無く、美観を補修する追加工事となってしまいます。

塗装工事というのは、あくまでも古くなった家を持たせるための工事です。

ですので、塗装工事をしたからといって、家が新築時に戻るわけではありません。

つまり補修工事は必ずしも美観がともなうわけではないのです。補修するために美観を損なうこともあります。

もしも美観の補修をするのであれば、またそれ用の工事が必要となるのです。

関連動画 防水工事の実物施工を展示する無人ショールーム

他にも…お見積もりに伺った際に「足場を無しにしてさ、梯子で補修工事できない?」と言われることもありました。

梯子は職人の両手の自由がきかないことと、安全性の面からよほど簡単な工事箇所でないかぎり行いません。

いくら工事費用を安くするためとはいえ、職人の安全性を無視するわけにはいかないのです。

 

また防水材について、防水材=雨漏りを止めると思い込まれている方も。

「あそこに小さい雨漏りがあるからさ、防水材塗って雨漏りが染み出ないようにしてもらえない?」

と言われたこともありました。

防水材は、あくまでも雨漏りの経路を絶って、補修工事をし、下地調整をした上で初めて効果が発揮されます。

補修もせずに雨漏りしているところを塞いだら、出口を塞がれた水が今度はどこから噴き出すか分かりません。

 

こうした、1箇所だけにスポットライトを当てた考えは、工事を迷走させることになります。

細かい点だけに注目をして、工事の全体を見ていないからです。

僕たち塗装職人は、プロだからこそ適当な工事はできませんし、しません。

きちんと最後まで完結出来る、全体をうまくおさめた工事をいつも心がけています。

 

なぜ他社の工事方法で塗装職人の工事ができないのか

 

最近では、ネットに沢山の塗装工事についての記事や動画などがあり、みなさんそうした情報を知った上でお見積もりにいらっしゃいます。

もちろん、塗装工事をする上でそうした知識は必要です。

しかし、多くの方は偏った情報や値段の事だけに着目して、それ以外の大事なことを無視してご依頼に来る方がいらっしゃいます。

最も多いのが、工事費用についてです。

「〇×塗装さんはこういう工事をやってこの値段だったよ。お宅もこの工事方法で安くしてよ」とおっしゃることが…。

これには、本当に困ってしまいます。

 

他社さんのやっている工事内容というのは、材料、職人の質、そして工事へのアプローチ方法すべてが違います。

もしも他社さんの工事方法を良いと思うのであれば、それらを提案している業者で工事をすべきなのです。

なぜなら、その工事方法を得意とする業者なのですから。

 

他社のやり方というのは、全ての業者の工事内容には当てはまるわけではありません。

パッと見同じ工事方法に見えますが、業者によって細かい工事内容の差があります。

この差が、金額にも繋がってくるのです。

例えば、上記であげた検査や点検などはその最たるものでしょう。

塗装職人の工事内容も、作業に照らし合わせてはじき出された工事費用ですので、安くするということは、何かしら工事の質を落としたり、検査や工事工程を無くしたりすることに繋がります。

僕としては、できれば金額だけを見るのではなく、工事内容も合わせて見て頂ければ…と思うのです。

 

今回のブログで紹介した、足場解体前の最終検査と、足場解体後の点検ですが、私たち塗装職人はプロだからこそ、しっかりとクオリティを保つ工事を追求しています。

関連動画 このマンションの施工動画

 

是非工事の内容について調べたり考えたりする際は、様々な方向から検討してみて下さい。

工事の値段だけではなく、家の状態、工事の内容、工事の方法。

これらに向き合うだけでも、より良い工事を行うことが出来ます。

 

その上で、私たち職人の声に耳を傾けてくだされば、きっとお客様が真に望む工事が出来るはずです。

 

技術と経験則を集結させる防水工事とは

By 屋上防水, 防水担当の日誌

今回は防水工事のお話です。
僕のブログでは、今まで何回か防水工事についてお話しています。さらっと施工方法をご紹介してはいますが、実はものすごく技術のいる工事です。
DIYで防水工事をしようとされる方もいらっしゃいますが、どういった所がプロとの違いなのかについてご説明いたします。

高圧洗浄後にモルタルを塗る

高圧洗浄で汚れをしっかりと落としたら、モルタルを床や壁面などに塗っていきます。
DIYで工事をしようとするとき、まずはこの洗浄から大きく差がでるのです。

きちんと洗えていない箇所は、塗料が剥がれることがあります。

また、洗えない洗いずらい位、その場合の対処も分からないでしょう。

〔関連動画:一級塗装技能士が行う高圧洗浄〕

そしてその上での、モルタル塗りです。これも技術のいる作業となります。

弊社では左官職人が、ローラーでモルタルを塗っていき、下地調整をおこなうのです。
(小手を使ってモルタル塗りをする場合も)

モルタルは、下地のくっつきを良くします。
まずノリを水で溶き、そこに粉を混ぜてモルタルを作るのですが、この糊が下地との接着力を上げてくれるのです。

最近では元から粉に糊剤が入っていて、水で溶くだけのモルタルもありますが、2段階で溶くタイプの方が、接着力が高いように現場を見ていて思います。

〔関連動画:モルタル補修〕

プライマーを塗る

次はプライマー、つまり下地の塗装です。
防水工事の下地として使用するプライマーは、非常にニオイが強く、酔っ払ってしまう人もいます。

ショッピングモールなどの大型店舗などで塗装をする場合は、屋上だとしても換気口などからニオイが入ってしまうため、休館日や閉店後の工事となってしまうほどです。


しかし、このいわゆる溶剤タイプのプライマーを使わないと、防水用の接着性が弱くなってしまいます。
水性でニオイがそこまで強くないものもありますが、やはり接着の持ちが違うのです。
防水の塗装は、壁面よりもさらに密着性が必要とされます。なぜなら、水の侵入を防ぐことが目的だからです。

そのため、塗るのに苦労する溶剤ではありますが、しっかりと使用して接着力を高めます。
たまに、YouTubeなどで屋上防水の仕方などを見て、DIYで防水工事をしようとされる方もいらっしゃいますが、こうした溶剤の使用など、素人の方では難しいでしょう。
取り扱いがハードな材料ではありますが、防水の職人だから扱えるのです。

〔関連動画:屋上防水〕

ゴム剤の塗装

本塗りとしてゴム剤を塗ります。今回使うのはウレタン2液混合タイプのものです。1液タイプのゴム剤もあるのですが、硬化不良がないものの厚くついてしまうと表は乾く物の中身はぐちゅぐちゅした状態に。
防水塗装は、壁面塗装に比べると10倍ほどの膜厚をつけます。そのため、中身が乾かないと大変なことになるのです。

だいたい1階の広さに対して、ゴム剤を1キロほど使います。2回に分けて撒くのですが、均一に膜厚をつけることが大切です。
その後トップコートをします。これは通常の塗料と同じものです。

 

こちらの消火器が写っている場所のゴム剤の撒き方は、少し違います。


長尺シートが貼られるので、ウレタン防水との複合工法となり、ここの場合は厚く塗ればいいというわけではありません。
塗り方を間違えてしまうと、長尺シートが盛り上がってしまいます。

基本的には防水工事は膜厚を均一に厚く仕上げますが、場所によってはただ厚く仕上げればいいわけではないので、ローラーを変えるなど小さい技や細部への注意が必要となるのです。

〔関連動画:ウレタン防水工事〕

防水の要 シール剤

防水工事において、大切なのはベランダや屋上などの雨の進入口に対策をすることと、サイディングやタイルの隙間から入る水にたいしての対策をすることと言えるでしょう。
そして、その隙間を塞ぐのが、このシールなのです。


シールは、元にあるものをすべて撤去するところからはじめます。
前回このシールを施工した業者が2面接着だったため、写真のように引き出すと上手くシールが剥がれますが、職人によっては3面接着や、モルタルをきれいに処理していなくてシールがまったく剥がすことができず、ほじるように取り除くことも。

そして、綺麗に掃除した目地に新しいシール剤を充填します。
この時、目地周りは養生をしてはみ出しがなく綺麗なラインが出るように仕上げを。

ここで大切なのは、養生を剥がすのを翌日にすることです。
というのも、目地に打ち込んだシールのはみ出しが、養生にくっついていた場合、養生を取る際に打ち込んだシールを引っ張り、隙間を作ってしまう場合があります。

隙間を作ってしまっては、せっかくのシール工事が無駄になってしまうことに。


また水というのは、こうした小さな隙間から徐々に侵入していき、少しずつめくるように隙間を広げて行き、壁の中へと入り込むのです。
シール工事は、養生の剥がし方次第で打ったシールが成功にも失敗にもする…それくらい繊細な工事といえます。
またシールの打ち方にも、習字の留め跳ね払いのような打ち込み方があるのをご存知でしょうか?
シール材はただ隙間に打ち込むのではなく、重なるところ、打ち込みが終わるところなどを考えて打ち込まないと、そこに無駄な盛り上がりやだらしなさが出て美しくありません。

また壁表面に模様のあるサイディング壁の場合、目地のラインを出すように仕上げるのではなく、ぼかして仕上げます。
目地がはっきりとしてしまうことで、壁面で悪目立ちをするからです。
あえて養生をせずに適量で打つのですが、養生しない分、職人の力量が問われます。

〔関連記事:シール工事〕

シール工事

シール打ちは、一見するとガンで隙間に注入しているだけなので、簡単そうに見えますが、掃除と撤去技術習得のために数年、打つ技術で数年、抑えを数年と、かなり職歴を詰まないと美しいシールというのは打てません。

最近では、新人でも勘のいい職人だとシール打ちをする人がいますが、スタンダードな工事はできても応用がきかないことがほとんどです。
シールは、防水材とは少し違いますが、雨水の侵入をふせぐために大切な防水箇所なので、技術経験不足は命取りとなってしまいます。
1㎝×1㎝のわずかな隙間ではありますが、防水の肝なのです。

〔関連動画:マンション外壁タイルのシーリング〕

防水工事の矛盾

以前もこんなことがありました。
役所からの依頼で、保育園の屋根防水をして、2階部分の広いバルコニーでは防水工事を施すことになったのです。
役所からの依頼の場合、搬入した缶数をしっかり写真に撮り、注文通りの缶数を使用したかどうか、その後も空となった缶の写真を提出します。

しかし、ここに矛盾が生まれるのです。
例えば、壁や床の材質が塗料を吸いやすいものの場合、通常よりも塗料の量が必要となります。かといって、塗料を余分に用意したものの通常通りの使用しかせずに余ることも。
こうなってしまうと、空き缶の撮影ができません。だからといって、吸い込みはないものとして塗料を注文すれば、足りない時は工事が数日〜数週間ほどストップしてしまうことに…。

この保育園の屋根防水工事では、役所からの指示通りの計算をしたものの、建物のイレギュラーで計算した以上に膜厚が出てしまい、ベランダに取り付けられた扉が開かなくなってしまいました。
言われたとおりに正しくやったとしても、現場とはイレギュラーの連続なため予測どおりにはいかないのです。

〔関連動画:屋上防水の実物施工を展示するショールーム〕

防水工事は技術と経験を集結させたものだからこそ

 

たまにお見積もり依頼を頂いたお客様から、値下げをして欲しいと言われることがあります。
たしかに多少のサービスであれば気持ちとしてすることはできますが、値下げとなると材料費や人件費など削れる物がないため、そうなると材料費などを落とすか、もしくは工事する箇所を絞るかになっていきます。
他社が安かったとしても、それは値引きの理由にはなりません。

なぜなら他社が塗装職人とまったく同じ工事をやって値引きをしているとしたら、赤字になってしまうはずだからです。ということは、安くするために工事内容の中でなにかしらの帳尻合わせをしているのでしょう。
今でも塗装工事費を、一昔前に工事費の目安としてよく言われた100万円ほどだと思って、見積もりにいらっしゃるお客様もいます。
しかし材料費なども上がり、現在では100万円で一軒家の外壁、屋根を含めた塗装工事をすることは、不可能に近いです。
そして100万円におさめようとすると、不確かな工事しかできません。

ペーパードライバーと毎日運転する人。

その中でも、あまりお上手でない方と上手な方

免許を持っていますが、ヤブ〇〇といろいろ表し方があります。

故に誰?どんな人間が施工することがやはり一番大切です。

 

防水工事には技術や、家によって起こるイレギュラーに対する対応力がなによりも大切になります。
だからこそ、前回と今回のブログで紹介したような職人の経験が必要なため、費用も必要となるのです。
たかが防水工事ですが、されど防水工事…。家にとって雨漏りは、一番防がなければならないものと言えます。

〔関連記事:防水工事〕

防水工事

防水工事の内容について知りたいことがあれば、いつでもお問い合わせ下さい。
確かな技術を持って、お答え致します。

雨漏りしにくいウレタン屋上防水の仕組み

By 屋上防水, 防水担当の日誌

塗装職人の施工の場合、よく行う種類の施工としてウレタン防水が半数以上を占めます。
ウレタン防水の特徴としては施工時が液状です。

マンションやビルの屋上は必ずしも平坦ではありません。アンテナ架台やフェンスの架台、トップライトなど様々な凹凸のある設備基礎的なものがあります。防水工事の種類はウレタン防水のほかに「シート防水」「アスファルト防水」「FRP防水」など様々な種類がありますが、この凹凸がある屋上には基本ウレタン防水が適しています。
液状化のため凹凸があっても継ぎ目のない施工が出来るからです。

 

もちろん現状の下地の状況によって、施工が出来るか出来ないかの判断はありますし、他の防水工事である塩ビシート防水やトーチ工法でも施工事例はあります。
ただ防水工事をしても一番雨漏り発生の確率が高いのは屋上の一番端に当たる端末部分やこの継ぎ目から漏水してしまう事です。

他の防水工事では、継ぎ目の処理は熱源や溶剤で材料を溶解する方法をとるため雨漏りすることはまずないと良いのですが、仮に万一1ミリにでも融着などの施工ミスがあれば雨水は侵入してきます。施工時が液状のウレタンの場合はジョイント部に隙間を生じさせてしまう施工ミスは非常に考えにくいです。

それでも他の防水工事を選択する理由は、屋上の上をよく歩くか歩かないかです。
歩行にも点検程度の歩行や居住者が多くが歩く場合などで大きな違いはありますが、より多く歩行する場合は塩ビシートやアスファルトやシート防水の方が適していたりする場合もあります。
バルコニーやベランダで洗濯する場合の歩行程度であれば全く問題ありません。

また通気緩衝工法のウレタン防水の場合、クラックなど現状の下地が荒れているなどしてもウレタンの防水層とモルタル下地との間に「通気緩衝シート」を敷き込むことによってゴム化したウレタンも下地からの影響を受けずに耐久性のある防水工事をすることが出来ます。

その他のメリットとしては、もしも部分的に雨漏りなどで補修の必要性が出できた場合、ウレタン防水は液状施工ならではのメリットを発揮します。
屋上防水のトラブルとしてはふくれというものもあります。下地内部の湿気が水蒸気となって防水層を押し上げてしまう現象です。

我が塗装職人でも多用しているサラセーヌの通気緩衝工法にはQV工法やAV工法などがありますが、いずれも水蒸気は緩衝シートにある通気層や経路を通って脱気筒から排出されるためふくれが起きることを防止します。

施工的にはウレタンの厚みも耐久性には重要な要素の一つです。
アスファルト防水やシート防水などは、いわば製品を現場で取り付ける作業なのでどの屋上で施工をしても”防水材料の品質”には差はありませんが、液状のウレタンの場合は層の厚みで質が変わってきます。

要は職人の作業によってウレタンの厚みが変わってきます。
施工時ウレタンを流す際はコテやヘラなどで塗布していきますが職人の腕によって質が変わるため施工によっては耐久性にも差が出たりすることがあります。

紫外線から保護するため一番上に塗装するトップーコートで施工上の品質に差が出てくることは少ないと言えますが、ウレタンの1層目と2層目の厚み確保は重要です。
ちなみに塗装職人ではその厚みがわかるよう実物施工の見本も店舗に展示しています。

マンション補修塗装工事とクオリティを求める工事とは

By 防水担当の日誌

前回の工事の続きとなります。今回はいよいよ本番の塗装工事です。

塗装工事をする際に、いつもお客様の問題点を補修できる工事内容ができれば…と考えていますが、そこにはさまざまな方法と材料の種類があります。

今回は、そんな工事の方法と費用の関係性についてのお話です。

〔関連記事:前回のブログ〕

雨漏り補修を視野にいれた塗装工事前の作業とは

鉄板屋根の塗装 

 

鉄板屋根の塗装は、ただ屋根を塗装するだけではなく屋根用のフックボルトの防水パッキン、俗に言う止水パッキンの防水処理もします。

なぜなら、止水パッキンは日差しで劣化するからです。

また、屋根を止めているフックは鉄素材なので、サビ予防のためにフックボルトキャップなどが必要になりますが、屋根が広ければ広いほどものすごい数のフックボルトキャップ交換となりますので、そこには費用がかかってきます。

このフックボルトキャップ、職人の手でひとつひとつ被せて止めていくため、非常に手間も時間もかかり、よほど潤沢な工事費用が出ない限り難しい方法です。

そこで、でてくるのがソフトクリーム状にフックにシリコンを被せて覆う工事となります。

フックボルトキャップよりも費用を抑えることが可能です。

とはいえ、フックボルトキャップとまったく同じ効果かというと、そこは違います。

例えるのであれば、うなぎにも松竹梅があるように、フックボルトの工事にも松竹梅があるといえばお分かり頂けますでしょうか。

すべておいしく食べられるうなぎではありますが、等級が違う。

つまり、同じフックボルトの保護だとしても、その効果はやや違うのです。

 

それでも、まったくやらないよりは遙かに効果を発揮します。

予算ももちろんではありますが、目的に見合った工事が何よりも大切です。

〔関連動画:折板屋根を塗装技能士の塗装職人が施工しました〕

 

外壁の塗装

 

外壁は、タイル面をセブンSS、ALC面にはラジカル制御型塗料で塗装を行いました。セブンSSは、タイルの上にゼリー状の膜ができるような仕上がりになるため、タイルの割れを防ぐことが可能に。これは通常のタイル塗装よりもタイルを守る効果がアップしますが、もちろん通常よりも費用がかかり、見た目がすこしでこぼこした仕上がりになるためお客様によっては選ばれない方も。

それでも、この先10年タイル割れを回避したいのであれば、この工法はベストだと言えます。

また、タイルの壁面は目地が少なく割れやすい状態だったので、目地を作り力の逃げ場を設けることで割れを軽減できるようにしました。

こうすることで、さらにセブンSSの効果を向上させることができます。

〔関連動画:セブンSSの施工動画〕

そして、ALC壁部分の塗装は通常の弾性塗料ではなく、ラジカル制御型の塗料、つまりは壁の表面でおこるチョーキング現象を抑える効果に秀でた塗料を選びました。

そもそも、このチョーキング現象とはなんでしょう。

 

たまに壁の表面を触ると、まるでチョークのような白い粉が手や服についたことはありませんか?あれがチョーキング現象です。

壁に塗料の中にある酸化チタンに紫外線が当たることでラジカルが発生し、これが元で壁の劣化状態であるチョーキング現象を引き起こすのです。

〔関連記事:劣化と補修 チョーキング〕

劣化症状

外壁塗料の劣化は、雨などをはじく力が弱まり水の浸入を許し、雨漏りの可能性がでてきます。

こうした紫外線による壁の劣化を抑えるための塗料が、ラジカル制御型塗料なのです。

いろいろな塗料がありますが、外壁の紫外線の当たり具合や状態を考えると、これもお客様が選択できる範囲の中でベストだったと言えます。

ちなみに廊下天井の塗装もしていますが、こちらは同じ白で塗っているものの、別種類の塗料となります。

なぜなら、天井は水蒸気やタバコのヤニなどが付きやすいため、透湿性に特化した塗料が必要なのです。

これで外壁の塗装は終了となります。

次は、高架水槽といったイレギュラーかつ、マンションなどでは多い塗装内容についての紹介です。

より塗装効果を高めるための工事をしましたので、ご覧ください。

 

高架水槽の塗装

 

高架水槽の塗装は、専用仕様の塗料となります。

日本ペイントから発売されている、紫外線を通さないタイプのもので、下塗り剤、上塗り剤ともに専用の塗装方法があるのです。

また、ここでは金属部分の補修にサビスタを使いました。

サビスタとは、金属が組み合わさっていてサビを落とすためのケレンが出来ない場所でも、錆止めの効果が期待できる材料です。

 

高架水槽はそもそも中に水をためるもので屋外設置のため、サビは大敵。

鉄骨階段などにもこのサビスタは使われるのですが、錆止めとは持ちが違います。

ちなみにいわゆる錆止めは、サビを遅らせるだけで、完全に阻止するわけではありません。

仕様書をよく読むと、補修塗りが必要で2回錆止めを塗る必要があると書いてあります。

さらに、この錆止めは2年に1回塗装が必要です。

 

鉄部は建物の至る所に使われているため、その度に足場を組む必要がでます。

これでは、いくらお金がかかるかわかりません。

このサビスタは、錆止めに比べれば値段の高い材料です。

しかし、2年に1回足場を建てて錆止めを塗り直す工事をすることを考えれば、ケレン補助材サビスタのほうが安いと言えます。

しかも錆止めの場合は、きっちりケレンをかけていないところは、錆止め材が上手く塗装面に乗りません。

ここでも、サビスタの方に軍配があがります。

金額=クオリティというわけではありませんが、高い薬剤には高いなりの効果があるのです。

 

塗装工事でつかう塗料と費用の関係性とは

 

前回のブログも含めて、屋根、ALC、タイル、廊下天井、高架水槽などそれぞれ、箇所にあった塗装というものがあると紹介して参りました。

実は、外壁や屋根などさまざまな箇所のトラブルに対応する補修材や塗料というのは、数多く良いものがあります。

僕は、いつもさまざまな塗料について勉強をしています。

 

お客様に最適な塗料や補修剤をご提案できるように、材料についてメーカーに話を聞きに行き、実際使っている職人にも意見を求め、工事後の家の状態や経過などにも注目します。

ある意味、塗装工事における薬剤師のようなことができればと考えているからです。

〔関連動画:この工事の全行程〕

 

お客様の直したい箇所を聞き、そこに適切な塗料をご提案する。

こうした提案の最大の妨げは、ディスカウントを求められることです。

なぜか、塗装工事というのは安いところでお得に工事をするのが重要視されています。

もちろんボッタクリと言われるような悪質な業者もありますので、お客様が業者を選ぶ際に肩の力が入ってしまうことは分かるのですが、弊社の場合はこうしたブログや、これまで積み重ねてきた会社としての歴史や経験、工事や材料についての知識といった、「塗装職人ブランド」があります。

ですので、提案した工事を「安くしてよ」と言われてしまうと、その安さ合わせになり、安価な材料と工事方法をとるしかないのです。

 

なぜなら、400円だして安い牛丼を食べられたとしても、400円で高級料亭のすき焼きは食べられませんよね?

高級料亭に行って、「400円ですき焼き食べさせてよ」と言ったとして、だれが喜んで出してくれるでしょうか?

少なくとも、食材の質を落とさずに400円ですき焼きを出したら数日で店が傾いてしまうでしょう。

塗装も同じです。高い材料を使う以上は工事費用も高くなるのです。

 

もしも、サビスタなどそれなりの金額の材料を使っているのに、安い工事費を業者から提案されたら、それこそ疑わなければなりません。

それは、希釈して薄く塗っている可能性があるからです。

どんな業者も、自分の会社がマイナスになってまで仕事をしたいという人はいません。

 

きちんと対価が支払われるからこそ、職人は良い仕事をしますし、会社も成り立ちます。

サビスタは先ほども書きましたように、非常に優れた材料なのでそれなりの費用がかかります。それなのに、他と比べて工事費用が安い場合は、薄めたり薄く引き延ばしたりして使っている可能性が……。

クオリティを求めるのであれば、それなりのお金を掛けることは必要です。

 

僕は、お客様に提案する際に高い材料から提案するということはしません。

必ず、結果を出すために最良の方法を提案します。無駄にお金や手間をかけるようなことをしても、それは家のためにはならないからです。

今回の塗装工事も、各所に合った塗料をいろいろと提案させて頂きました。

お客様が、それぞれの工事に見合う金額を了承され選ばれたことで、今回さまざまな工夫を凝らした塗装が可能になったのです。

〔関連記事:今回の工事・足場設置前〕

足場を建てる前の準備 植木の剪定と現場の確認

塗装職人の工事は、高い塗料を売りつけ、わーーーっと勢いで工事を決断させるようなことはしません。

必ず、しっかりと説明し、考える時間をたっぷりと取り、お客様に判断をお任せします。

それが、良い工事をするために大切なことだからです。

 

僕はいつも、雨漏り工事の依頼をされると「止められるか分かりません」とお答えします。

一見、無責任な言葉に聞こえるかもしれませんが、実はこの言葉の裏では「なんとしても止めたい!原因を突き止めたい!でもプロであるがゆえにこれだけ難しい雨漏りについて適当なことは言えない」と考え、絞り出したのが「止められるか分かりません」なのです。

〔関連動画:担当した防水工事〕

いつでもプロとして、最良の方法を提案します。

それが職人としてのプライドだからです。

これからも塗装職人の品質を実感して頂けるよう、がんばりたいと思います。

 

雨漏り補修を視野にいれた塗装工事前の作業とは

By 防水担当の日誌

前回ご紹介しましたマンションの補修塗装工事の続きです。
今回は下地調整、そして雨漏り補修についてのお話をいたします。

こちらの建物は前回もお話したとおり、建物の前面がRを描いている壁のため足場を建てるのに非常に苦労をしました。

また、壁がALC造になっているのですが、通常のALCよりも造りが複雑で、足場を建てるためのアンカーが打てないため、気をつけなければならないことが…。
そんな難しい現場なので、塗装前の補修工事をするにあたって慎重かつさまざまな工夫をしました。

 

〔関連記事:前回のブログ 足場を立てる前の準備〕

足場を建てる前の準備 植木の剪定と現場の確認

 

足場つなぎの打てない外壁で難しいこととは

通常足場を建てる際には、『足場つなぎ』…つまりは壁に足場を固定させるためのアンカーが必要となります。
しかも今回は、壁面がR状でしたので尚更です。しかし壁自体が脆い状態で、ALC用のアンカーさえも打てず、補助をいれずに足場を建てることになりました。


そのため、足場が風にあおられないよう、張り巡らすメッシュシートを小まめに巻き上げるなどが必要です。
メッシュシートは、工事が続く場合は張ったままでもいいのですが、工事と工事の合間で間隔が空く場合や、ゲリラ豪雨がありそうな時や、台風予想がでた時はメッシュシートを巻き上げます。

アンカーが打てないからこそ、そうした細かな作業が安全な工事をするために重要なのです。

〔関連動画:足場のアンカーを説明〕

補修工事前の必須調査とは

さて、高層の建物は足場を建てたあとすぐに行うことがあります。それはパルハンマーを使って行う調査です。この調査では、塗装面が下地から剥離しているのかを調べます。
調べることで、補修が必要な箇所が明確になるのです。

見積もりの際に、家のまわりをぐるりとまわり外壁のクラックなどを見ておおよその補修箇所の予想をたてるのですが、これはあくまでも見込みで、建物を覆うタイルの割合などから爆裂の数を計算で出しています。

〔関連動画:パルハンマーを使った調査〕

補修工事はあくまでも実数精算のため、予想とは費用が違う場合も…。
しかし、こうした工事すべき場所をしっかりと家の傷んでいるところを把握することが大切です。
把握した上で、工事予算がオーバーしてしまう場合は、行うはずだった廊下などの工事を翌年に回し、今回は破損箇所の補修を行うなど…工事の内容をお客様と詰め、最終的な補修箇所を決定します。

今回の建物の場合は、最後にタイルの上にセブンSSを塗るため、細かなクラックは補修せずにセブンSSでカバーすることになりました。
(セブンSSは仕上げるとタイルの上に厚めの膜ができます)
工程のすべてを考えて、必要な工事と後回しに出来る工事をお客様に判断して頂くことが、良質な工事をするために何よりも大切です。

 

補修工事その1

パルハンマーで検査する際に、補修が必要なクラックなどには印やテープを貼り付けます。こうすることで、補修工事をする職人がどこを修復すればいいのか分かるのです。
こちらの写真をご覧ください。

Pという文字は、ポイントをあらわしています。またテープの色によって指示が違うので、職人はその指示にしたがって、一つずつクラックなどを補修します。

その後、下地調整をして補修材によってできた壁の段差を取り、塗装しやすいように平らにしました。
下地調整をした中で、特徴的な補修工事としては、こちらの基礎部分です。

今回補修を担当した職人が、いわゆる昔ながらの手技で基礎の割れを補修しました。
基礎はコンクリートなどで出来ているため、モルタルなどで補修を行う必要があります。

モルタルは、砂とセメントを使ってよく混ぜあわせ最後に水で堅さを調整するのですが、最近ではこうしたモルタルを作れる職人が減っていることをみなさんご存じでしょうか?
このモルタル作りは、気温や湿度も関わってくるため、職人が目で見て、手の感覚を頼りに作ります。

水を扱うため、軍手もせず素手で触りながら調整するのです。
こうすることで、補修するのに的確なモルタルが出来上がります。

今回は小手だけで、このように美しくしあげました。1回だけではなく、何回も塗り込めることで、しっかりと補修をするのです。

最近は職人も大分変わってきましたので、これだけモルタルを操り、コンクリートも打てる人はなかなかいません。(この職人は土間打ちもある程度やります)

塗装職人は安さに走らず技術を大切にする会社だからこそ、こうした手技を持った職人が工事に携わるのです。

 

補修工事その2

次にタイルの補修工事を行いました。
こちらは、割れた部分のタイルをはがし、その後下地をつくりタイルを貼っていきます。

20数年前のタイルなので、普通は色合わせが難しいのですが、弊社の職人はドンピシャにタイルの色をあてはめ、オーナー様も非常に喜んでいました。
今回はタイル補修とともに、雨漏りの補修も。

まずはクラックや、タイルなどの割れ部分など取り除き掃除をします。

雨漏り原因として考えられるところを接着材プラス下地材でしっかりと塞いで、下地のシールも打ち、最後にタイルを貼り込み、タイルの貼り込みように覆った紙を濡れたスポンジでなでて、シールを剥がし完成です。

〔関連動画:タイルの張り替え〕

タイルの貼り込みが終わったら、目地材も打ち込み、こちらも余分な目地材はスポンジで拭うことによって目地部分にしっかりと目地材が入ります。ただ、タイルの上には目地材がうっすら残ることもあるので、洗浄が必要です。そこで、高圧洗浄を行います。

雨漏りを防ぎ、下地や目地材もしっかりと打ちましたので、高圧洗浄することで散水試験も兼ねることが可能となるのです。

雨漏りのある建物の場合、補修工事を行ってから高圧洗浄をすることで、散水試験を兼ねることができます。
といっても、この散水試験だけで雨漏りが止まったと言えるわけではないのです。
なぜ散水試験だけではだめなのか、雨漏りを根治させることの難しさについてもお話しいたします。

 

高圧洗浄を行う理由について

高圧洗浄を行う際に、散水試験を兼ねることについてはお話しいたしました。
それ以外に、高圧洗浄をおこなう最大の理由は、塗料が密着しやすいように壁面や屋根についた汚れを取り除くことです。

また、補修する際にでた余分な補修材などもしっかりと落とします。

(塗装箇所ではありませんが…洗浄のついでに、カーポートや階段部分にかかっている屋根のアクリル板も洗うことも。しかし、こちらの汚れは日光で焼け残ってしまっているため洗っても落ちないことが多いです。)


また屋根上など高圧洗浄で落としにくい汚れは、薬品を使って洗浄する場合も。

高架水槽、外壁、窓周りのシール部分、シャッターなど、すべてをしっかりと洗うことで塗装しやすくするのです。

 

さらに高圧洗浄する際には、建物の下から順に水をかけるよう気をつけなければなりません。
これは散水試験を兼ねている場合に大きな意味を持つのですが、上から一気に水をかけてしまうとどこから雨漏りしているかが分からなくなってしまいます。
雨漏り箇所が屋根か外壁かを見分けるためにも、下から順番に洗っていくことが重要なのです。

〔関連記事:マンション大規模改修の高圧洗浄〕

マンション大規模改修で高圧洗浄

雨漏り補修工事の難しさ

ここまで高圧洗浄時に散水試験を行うことをご説明いたしましたが、高圧洗浄時に漏れている箇所が無いからと言って『雨漏りが止まった』とは言えません。
というのも、雨漏りの原因箇所は、破損している箇所から単純に雨が入り込む場合と、台風などの風の吹き方で雨が入り込み雨漏りとなる場合もあるからです。
そのため、工事が終わってからも雨漏りの経過観察は続きます。

たまに、ネットの広告などで「雨漏りを100%止めます」と銘打っているのを目にします。
僕からしますと、これは非常に怖い広告です。
なぜなら、雨漏りを止めるためにたった1回の工事結果では、根治したとは言い切れません。

弊社で雨漏り補修を請け負った場合は、工事が終わり、ゲリラ豪雨や台風なども3〜4回ほどやり過ごし雨漏り症状がでないことで、なんとか雨漏り原因を塞ぐことができたと判断します。
どんな家でもそうですが、家が古くなっていくのを新しくすることはできませんし、雨漏りをして腐った箇所を乾燥することはできても、元の状態には戻りません。
だからこそ、長期で経過観察することが必要なのです。

また、雨漏りは補修工事をしていくと、ほつれが出てくることがあります。
水の出口を塞いでしまったが故に、水の行き場がなくなるなどして他の場所に不具合がでるのです。だからこそ僕は雨漏りの補修工事は切りきざんでつなぐ大手術ではなく、温存できる補修をできればと思います。

〔関連動画:雨漏りの悩みから解放された3度目の屋上防水〕

非破壊的措置をとることで、雨漏りを止めたいのです。
また雨漏り原因は様々ですので、僕は職人だけでなく建材のメーカーや商社にも話を聞きます。
そうして原因などを追求して考え抜くことで、なんとか雨漏りを根治へと導くことができるのです。

雨漏りを止めることがいかに大変かを知っているからこそ、「100%止めます」という言葉を怖く思います。
今回の雨漏り箇所も、工事中に散水試験も行っていますが経過を見ないことには止められたのか止められていないのかと言うことは分かりません。
それでも、そうした中で最良の工事をおこなうことで、お客様の希望に応えていきたいのです。

 

お客様のご希望に応えるために塗装職人ができること

今回、補修工事を行う際に、壁にツバメの巣がありました。


オーナー様から「ツバメの巣は縁起物だから、巣立ってから壊して欲しい」とリクエストがあり、ぎりぎりまで様子を見ることに。
結果としては、なんとか高圧洗浄前に巣立ちが間に合い事なきを得たのです。

もちろん、ぎりぎりまで他の作業を進めるタイミングを見ていましたが、最終的に工事が止まることになっていたら、お客様に最終的な判断をお願いしたかと思います。
工事が伸びれば、その分だけ人工代などがかかり、しいてはお客様の負担となるからです。
工事は、その時折でお客様に判断していただくことが多くあります。

私たちは決して工事の方法を押しつけることや、勝手な工事をして法外な値段をふっかけるということはしません。

今回も、パルハンマーで検査の結果、見積もりよりは多い破損箇所があり、お客様に修復するところ、今回は後回しにするところなどを選んで頂きました。
そうした判断をする際にも、寄り添い丁寧な提案をするのが我々塗装職人の役目です。

本番工事前の塗装準備ではありますが、ただの下地調整や高圧洗浄であっても、お客様の家に合った工事を完成させるために、さまざまなご提案ができるよう、これからも工事に取り組んで行ければと思います。

〔関連動画:こちらの現場の工事全工程〕

 

1/3(火)~1/5(木)無人店舗で塗装セット計50袋のお年玉プレゼント!

By 防水担当の日誌

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

気持ちよく晴れてばっちり初日の出が拝める元旦になりました。ただ、お正月は寒い日が続きそうですね。

もし家で過ごされる方は今回の塗装セットで作品を作ってみてはいかがでしょうか?

ということで、クリスマスに続いてお正月も子供たちを対象にしたプレゼントをしたいと思います。

2022年の世田谷区のお祭りイベントでは1時間待ちの行列になった大人気の塗装セットなどの無料お年玉プレゼントです。

限定数50袋。無くなり次第終了となります。

セット内容

  1. おもちゃの家の貯金箱「木製貯金箱・水性ペンキ5色・筆2本・パレット・ボンド」
  2. 木製コースター4枚セット「木製コースター・水性ペンキ5色・筆2本・パレット」

※それぞれ数量限定です。

1月3日(火)~1月5日(木)の3日間の開催です。

無人店舗のため開店時間になりましたら鍵を開けます。当日分以外のプレゼントはお持ちにならないようお願いいたします。

お受け取り方法などこちらの動画でまとめていますのでご覧ください。

 

1,1月3日(火)12時~16時

  • おもちゃの家貯金箱の塗装セット:5袋
  • コースター塗装セット:12袋

 

2,1月4日(水)12時~16時

  • おもちゃの家貯金箱の塗装セット:5袋
  • コースター塗装セット:12袋

 

3,1月5日(木)12時~16時

  • おもちゃの家貯金箱の塗装セット:5袋
  • コースター塗装セット:12袋

 

【お願いとご注意】

※お子様だけでの入室はご遠慮いただいています。
※お連れのお子様お一人につき一袋お持ちください。
※当日分以外のプレゼントはお持ちにならないようお願いします。
※なくなり次第終了となります。

おもちゃの家貯金箱

木製コースターセット

 

当日はスマートカメラでライブ&録画しています。

その様子をWEBや動画にて公開させていただくためご了承の上お越しください。

年が明けての2023年のお正月は寒い日の予想なので、ぜひおうちの中でこの塗装セットを作って楽しんでください。

2022年、今年もお世話になりました。防水施工技能士・見積もり担当 松尾

By 防水担当の日誌

2022年今年もお世話になりました。

今年はスマートショールームに舵を切り来年への本格的稼働に向けて良い準備期間となりました。
今以上に防水工事に力を入れ行きますので、
雨漏りでお困りの方などいらっしゃいましたら、どうぞ塗装職人までお問い合わせ下さい。

僕は常々、雨漏りの診断をして工事する際に、よき薬剤師のようになれたらと思っています。
雨漏りは適切な工事をして、処方した薬(塗装や防水材)でうまく止まれば、副作用による家のダメージも少なく済みます。
そんな材料・工法を提案できるようになりたいのです。

しかし、実際は費用などがかけられず…非常に中途半端な雨漏り修繕になることも…。
これでは、せっかく弊社に技術があっても雨漏りを根治することが出来なくなってしまいます。

今一度、家を守るためにどこに費用をかけるべきなのか、しっかりと見定めてみて下さい。
かけるべき所に費用をかけることこそ、家を守ることに直結します。
これからも僕は、頂いた予算の中で良い仕事をして、きちっと収め雨漏りが根治ないしはそれに近い状況を作れるようにしたいです。

来年も、自分の仕事に嘘つくことなく、しっかりと言ったことを実行する……まさに『有言実行』の一年にしたいと思います。
さらに精進を重ね、営業としての仕事に邁進していく所存です。

今年もあと数時間で年が明けます。
お正月からオープンしているスマートショールームも元旦に備えて準備万端です。
色々お正月お年玉プレゼン企画も開催します。

皆様もどうぞ良いお年をお迎えください。

来年も引き続き宜しくお願い致します。
防水施工技能士・東京店店長
松尾

大掃除とお正月飾り

By 防水担当の日誌

横浜店、世田谷店と大掃除とお正月への準備はほぼ終了しました。

26日にクリスマスの装飾を片付け、ガラスや床磨きなど大掃除をして展示物の整理をしました。

スマートショールームに関しては門松を装飾して元日に備えます。

休憩ベンチの壁には塗装職人で以前年末に開催していたイベントの作品を飾りました。

ちょうど2023年はウサギ年ということで、12年前のイベントで描いた子供の作品があったので飾りました。

ちなみにスマートショールームはお正月からオープンしてます。

無人営業なゆえにスマート化のメリットです。

今年は餃子の無人店舗販売で万引きなどのニュースも見かけたりしましたが、この店舗には盗まれるようなものは置いていないのと、いつも年中開けっぱなしではありません。

照明や玄関ロックのみならず、エアコンや室内モニターのスイッチ、モニターに移す動画もリモートで行っています。

更には遮熱塗装をしたスレートも置いてありますがその暖かさの差異を感じてもらうための、熱源照明も遠隔操作で行っています。

防犯カメラは対角線上に設置したクラウド録画付きの高性能防犯カメラです。

ですので、お正月の元旦からスマホ一つで遠隔操作できるため元旦からオープンできるということです。

 

人手が少ないということもありますが、逆に毎日掃除できる環境でもないため、特に目立ちやすい玄関ガラスと室内のフロアはきっちりと掃除を完了させました。

今年もあと3日。

皆さんも楽しい年末を過ごされてください。