シーリング:玄関・窓サッシ、外壁まわり
隙間からの雨水浸入をシャットアウト!肉厚たっぷりシーリング:経験から判断する適材適所の材料選択で、しっかり防水します!
外壁のシール材の劣化

ゴムのように弾力性のあるシーリング。だからこそ隙間をピタッとふさいで雨漏りを防いでくれています。

業界内では「シール」と呼んだり、一般の方はコーキングと言えば分かりやすいでしょうか。素人目にも他の場所よりも傷みが分かりやすいだけあって、心配になる方も少なくありません。

地震、建物自身の挙動で躯体との剥離で隙間が生じたり、シールそのもの劣化から来るひび割れや断裂が症状として現れてきます。

サッシ周りのシール材の劣化

もしそこから雨水が浸入した場合、アルカリ性を保って鉄筋のさびを防止してくれているコンクリート内部への中性化が雨にさらされる分だけ早く進むことになり、タイルであれば裏側に水が回ってしまい剥離の危険性が高まります。

サッシ回りやALCの目地などのシーリングの場合は、そこから室内への内部へと漏水の可能性も出てきます。

そうして古くなってしまったシーリングは、すべてカッターなどで取り除いて撤去してから、新しくたっぷり注入しなおして雨水の浸入をシャットアウトします。

戸建の塗り替えの場合はシーリングをしてから塗装をする場合がほとんどを占めますが、マンションやビルなどの場合は上から塗装をしない場合も少なくないので、シーリングといっても、場所や材質、工法どれをとっても多岐にわたります。

増し打ち・打ち替え

カッターで古い旧シール材を取り除いて撤去してから新たに注入して打ち直すのが「打ち替え」、撤去せずに旧シーリングの上から注入するのが「増し打ち」です。

ほとんどの現場では打ち替えをしますが、劣化状況をみて増し打ちで大丈夫な場合もあります。

劣化した目地シールの除去
除去した劣化シール

シール職人

ならしバッカー

塗装と防水に比べあまり馴染みがないかもしれませんが、シーリング作業をするシール職人の腕は他の業種に比べて、仕上がりの差が外見上分かりやすいとも言えます。

主には注入してヘラ均しをした際の仕上がり具合です。また非塗装の場合は、シール材の色がそのまま出るため、壁面と合わせる必要がある調合色に対応できる職人である必要があります。

シーリングが必要な箇所

サッシ周り

サッシ周りの養生の様子

サッシや玄関周りなどはシールがむき出し状態で仕上げられている仕様も少なくありません。
むき出し仕上げ仕様の場合は、上から塗装をしない分だけ紫外線が直にシーリングに当たるため傷みやすくなります。
一般的には紫外線に強い変性シリコンというシール材を使用ます。

サッシ周りの劣化したシーリングの除去

古いシーリング剤を撤去する場合は、カッターなどでサッシを傷つけないようにします。

サッシ周りのシーリングのためのプライマー塗布

余分なシール材がはみ出してまわりを汚さないよう、きれいに仕上げるための養生テープを貼っていきます。その後はプライマーを塗布してシーリングを注入してへらで均します。

サッシ周りのシーリング注入
サッシ周りのシーリングならし
サッシ周りのシーリング打ち替え後

サッシ回りの場合、上から塗装をしている場合は傷みが少ないこともありますが、水切り皿板のシーリングは塗装をしていないので出来る限り打ち替えをします。

玄関周り

玄関ドアは紫外線が強烈に当たる面ではありませんが、できるだけ打ち替えをします。

玄関ドア周りのシーリング注入作業
玄関ドア周りのシーリングならし作業

打ち継ぎ目地

RC打ち継ぎ目地とは、階と階の間に横に入る水平の目地です。コンクリート打設のために、継ぎ目が出るためあらかじめ溝として設置するためと、クラックを外壁全体に張りめぐらせないように一か所に集めるための目地でもあります。

モルタル外壁はモルタルで隠れてしまい外見では分かりにくいこともあります。シーリングの打ち替え後、上から塗装をする場合は塗料との相性を考えてノンブリードタイプのものを使用します。

さらに塗料との密着性とブリード汚染の両方を考えるとポリウレタンのシール材が最適です。ちなみに変性シリコンの方が価格も高めなので品質もポリウレタンより上と勘違いされやすく、上から塗装をしない場合はそれで正解なのですが、そうでない場合はそれだけで変性シリコンを選ぶというよりかは現場ごとの劣化や塗装状況にあわせて最適なものを使用します。

ただ最近ではそのデメリットを補った変性シリコンも出てきています。

2液シール材
ペンギンシール「MS2500」

コンクリート打ちっぱなしは、上から塗装をしないので、ポリサルファイドや変性シリコンを使用します。

シーリングの劣化
正常なシーリングの状態

壁面より凹んでシーリングされているため、作業しにくいですが、念入りに旧シーリングを撤去してから注入します。

ディスクサンダーなどで切れ目を入れて、打ち継ぎ目地を新設するような場合になった場合も、基本的に上から塗装をするかしないかでシール材を分けて仕上げていきます。

打ち継ぎ目地の新設作業
打ち継ぎ目地シーリング作業中

タイル目地

タイル目地のシール目地が切れたりすると、そこから雨水がタイル裏面に回ってしまいはく離などを起こして滑落の危険性にもつながるとこがあります。通常タイルの上から塗装をしないので、紫外線を受けても影響が少ないシール材を使用します。

以前はよく使われていたポリサルファイド系のシール材も可能ですが、汚染しやすいデメリットがあるので、変性シリコンでの打ち替えをします。

ALC目地

ALCパネルの目地

ALCは横幅60cmの一枚一枚パネルになっている分、RCに比べて動きがあるためシーリングにも亀裂などか入りやすいです。

シーリングはパネルを囲むように縦と横にあります。横目地に関してはバックアップ材という発泡スチロールのようなものが入っていたりもします。

ALCパネルの目地シーリング打ち換え中
ALC目地
ALCパネルのシーリング打ち換え後

いずれも打ち替えの場合はしっかり旧シール材を撤去して肉厚に注入します。

ただひび割れがある場合でも、塗膜のみにだけクラックが入っていて、実際はシーリングまで達していないこともあります。状況次第ですが、シーリングの弾力がまだ生きている場合は、増し打ちで済んでしまう場合もあります。

打ち換え後のALCパネルの目地シーリング

縦目地とサッシ回りについては増し打ち、撤去打ち替えとどちらが良いのか状況で選択します。

ALCパネルのシーリング注入作業中
ALCパネルのシーリングの打ち換え後
劣化してクラックが入ったALCパネルの目地

ALCは平面パネルと意匠パネルの2通りがあります。

デザイン性に優れる意匠パネルの場合、その凸凹の壁面のためシーリング作業も通常パネルより技術的要素が必要になります。肉厚注入だけでなくヘラで均すときに、わずかにシーリングを持ち上げてしまい、仕上がりをきれいにすることができません。

「ヒゲ」と言って、部分的に反り上がりや尖がったまま硬化してしまう場合もあります。
シール専門職人が美観的にも満足して頂けるように施工します。

ALCパネルのシーリングならし作業
ALCパネルの目地シーリング打ち換え完了

笠木など

劣化した笠木の目地シーリング

ベランダなどの腰壁の天端付近や窓下などのシーリングも劣化している場合があるので交換します。

アルミ笠木などのジョイントの場合もシーリングで漏水の危険性を排除します。

アルミ笠木のシーリングの劣化
アルミ笠木のシーリング打ち換え作業中

金物・配管周り

マンション・ビルの壁面には、さまざまなものが取り付けられています。換気や排気口のエンドキャップや、塩ビの排水管などです。その回りのシーリングも打ち直しをします。

シーリング材の種類

変性シリコン

ハマタイト 変成シリコンのSUPERⅡ

紫外線につよく上からカーテンウォールや非塗装のサッシ回りなどの場所に良くつかわれます。価格もさることながらシール材としての質は高いのですが、塗装との密着性の問題やブリード汚染がでやすい特徴があります。ただそういったデメリットも解消されているよるものも発売されています。

ポリウレタン

ポリウレタンのシール材

シール材としての質的には、変性シリコンよりしたと言われています。ただ上から塗装をする場合は塗料との密着性、ブリード汚染しないノンブリードのものも種類が豊富で、ポリウレタンを使うのが一般的となっています。

ポリサルファイド

やはり上から塗装をしない場合に使用します。ブリード汚染も出やすいと言われていますが、昔からよく使われています。

ブリード or ノンブリード

ノンブリードのシール材

シール材を注入した時は練り状です。それが硬化してゴムになるのですが、技術的にその練り状にする際に成分として使われているのが「可塑剤」です。

そしてこの可塑剤は塗装との相性が悪く、時間の経過とともに塗装皮膜を犯してしまいベタベタ感とともに汚れて美観を悪くしてしまいます。ブリード汚染とも言いますが、その汚染がしないシール材のことを「ノンブリード」と呼びます。

硬化型タイプ、1液と2液

防水材でも塗料でも1液成分形と2液成分形がありますが、シール材もあります。分かりやすく言えば1液成分形というのは、よくホームセンターで売っています。

1液タイプのシール材
いろいろある1液タイプのシール材

そのまま注入すれば硬化して固まってゴム状になりますが、2液の場合は「主剤」と「硬化剤」の2つに分かれていて、それを混ぜ合わせて使うことで硬化させます。

2液タイプのシール材
2液タイプのシール材の攪拌

1液と2液は成分的なものだけでなく、ボリュームよく肉厚に施工する場合にも違ってきます。

まず1液はカートリッジ式で量的に大きさが決まっています。それを1本1本交換しながら時には何十本と使用しますが、大規模なシーリングには不向きでちょっとした補修用に使用します。

2液の場合は、4リットルや6リットル入りのシール材が入った缶に、1液のものより大きい専用ガンで吸い上げては注入、吸い上げては注入していくため、大規模なシール施工には向いています。

コーキングガン
コーキングガンへのシール材の充填

ただし2液の場合は、専用の機械で主剤と硬化剤をよく混ぜ合わせないと「硬化不良」を起こして、いつまでも固まらずにベタベタしてしまうので、「トナー」などを利用して混合具合を確かめながら、注意をして施工する必要があります。

コーキングガンと攪拌機
シール材の攪拌作業
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