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タイル

築20年のマンション・はじめての大規模改修:タイル洗浄・屋上防水

By コンクリート, タイル, 外壁, 屋上防水, 防水担当の日誌

築20年になる3階建てマンションの大規模改修工事の続きです。

前回は工事のきっかけ、外壁補修、タイルの貼り替え、高圧洗浄までを紹介しました。

今回は防水工事と塗装工事についてです。

 

タイル薬品洗浄

 

タイルの汚れの原因は土、砂、埃、藻、カビなどが原因と考えられます。

そのような汚れが何度も付着して、黒ずみとなってしまうと通常の高圧洗浄だけでは、きれいにはなりません。

その場合、薬品洗浄、酸洗いなどを行うことがあります。

今回のマンションは写真のような黒ずみ汚れが何か所もあることから、薬品洗浄を施しました。

薬品洗浄の手順はタイルの汚染箇所に刷毛で薬品を塗布します。それをナイロンたわしでタイルを擦ります

中和剤を含んだウエスで拭いてから水で洗い流します。これで洗浄は完了です。

稀に薬で処理せずに洗浄すると目地セメントの灰汁が流れ出し、タイルを汚してしまうことがあります。

 

関連動画 マンション大規模修繕 外壁タイルの酸洗い

 

屋上防水

屋上防水の既存はアスファルトシート防水でした。今回は改質アスファルトトーチ工法で防水工事を行いました。

作業は金物の撤去を行い、既存防水の撤去です。

そして、本工事前に仮防水を行います。

そのあと、改質アスファルトトーチ工法へと進みます。

トーチ工法とは防水層をバーナーを使って溶着する施工方法です。

防水層は改質アスファルトをコーティングしたシートです。

その様子は動画でご覧ください。

 

関連動画 屋上防水を改質アスファルトで施工する マンション大規模修繕

 

こちらが施工後の屋上の様子です。

トーチで溶かしたアスファルトと防水シートを密着させて、水漏れのリスクが少なく、耐久性の高い防水層ができあがります。

関連記事 アスファルト防水工事完了です

アスファルト防水工事完了です

塗装工事

タイル洗浄と補修、爆裂補修、防水工事が終了して 外壁塗装作業を行います

塗装工事はタイル面ではない外壁、内壁に行いました。

塗装工事を担当したのは一級塗装技能士と塗装科・職業訓練指導員の資格を持つ、曽根カズ職人のチームです。

建物の中をきびきびと動き周り、丁寧な仕事を行いました。

ローラーを使って共有廊下の手すり壁を塗装。共有廊下の天井の上塗り。

塗装することによって 廊下が明るくなりました。

塗装によって建物の輝きを取り戻して行きました。

 

他にも付帯塗装、バルコニー防水、階段屋根、シーリング工事、廊下、階段防水工事、看板交換などを行いました。

 

関連記事 シール工事

シール工事

工事の最後に入口に取り付けられているネームプレートを新しいものと交換しました。

ネームプレートは改修工事前は英語表記だったのですが、工事を機にカタカナ表記に変更しました。

こうして、約2か月に渡る大規模改修工事が終了しました。

 

外壁もきれいになり、屋上もきちんと防水されて、ネームプレートも変わり、オーナー様はその出来栄えを大変喜んでくださいました。

マンションやアパートを長持ちさせるためには定期的な改修工事は必要です。

このように大規模修繕をすることによりマンションは美しく甦ります

メンテナンスのことでお悩みのオーナー様。管理者様。

株式会社塗装職人は建物に一番最適な工事をご提案を致します。

どうぞお気軽にご相談ください。

築20年のマンション・はじめての大規模改修:外壁補修

By ALC, タイル, 下地補修, 防水担当の日誌

築20年になる3階建てマンションの大規模改修工事です。
工事は不動産業を営むオーナー様からのご依頼です。

外壁はRCのタイル貼りです。
住居は10室。1階は店舗。
最寄駅から徒歩15分の静かな住宅街にあります。

足場は7月4日から設置されました。鳶職人により横長の3階建ての建物に工事の為の足場が架けられました。

打音調査

足場が架設されると防水職人により外壁タイルの打音調査を行いました。
調査方法は打診棒を使用して、タイルを叩いたり滑らして、タイルの浮きやクラックを調べます。

タイルに問題がある箇所は他のタイルと異なる音がします。その音を聴き逃さぬように慎重に作業を進めていきます。

関連動画 このマンションの打検の様子

問題のある箇所があった場合はチョークでマーキングをします。さらにマスキングテープを使って状態と範囲を色分けして、ペンで状態を記入します。
打診検査は外壁補修前の大事な作業のひとつです

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タイルの浮き補修

タイルに浮きがあった場合、補修工事を行います。

作業は電動ドリルでタイルの目地に複数の穴を開けます。その穴にグリスガンを使用してエポキシ樹脂を注入します。これで浮きにより出来た隙間を埋めます。


複数個所からの注入によって 広範囲の施工が出来ます。 漏れ防止とタイルを汚さないために穴にウエスを挿入して、その上から注入します。穴にアンカーピンを打って固定します。

関連動画 このマンションのタイル補修工事

 

タイルの張り替え

タイルの張り替えは、まず、はつり機(ハンマードリル)で劣化したタイルを剥がします。


そして、モルタルを外壁と新しいタイルに塗ってタイルを貼り付けます貼りつける時にタイルを叩く事によって 隙間が無くなり密着します
複数枚まとめて張る時は 連結したタイルで施工します。その後 目地を作り終了です。

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外壁の躯体補修

クラック(ひび割れ)から雨水が入り込んで、鉄筋が錆びて膨張してしまい、コンクリートが内部から破裂する現象を、爆裂と言います。


先ず、浮いてしまったコンクリート部分をハツリ落とします。念入りに浮いている部分をそぎ落とします。
そして、爆裂の原因、錆びた鉄筋をケレンして、サビを落とします。鉄筋にサビ止めを塗ります。乾いたら補修材のプライマーを塗布。

関連動画 こちらの工事の動画

樹脂モルタルを充てんして、コテで修正箇所に押し付けます。元の形状と同じになるように成形します。


今回は「錆び」による爆裂でしたが、寒冷地では凍結による爆裂も起こります。

高圧洗浄

補修工事が終わると、建物全体に高圧洗浄を行います。

超高圧水流によって、経年の汚れを洗い流します

タイル外壁は通常の高圧洗浄だけでは、きれいにならない汚れがあります。
その場合、薬品洗浄、酸洗いなどを行います。

 

後編ではタイル洗浄、屋上防水工事、塗装工事と続きます。

 

マンションやアパートを長持ちさせるためには定期的に改修工事は必要です。

メンテナンスのことでお悩みのオーナー様。

株式会社 塗装職人は建物に一番最適な工事をご提案を致します。

どうぞお気軽にご相談ください。

 

 

 

駅前テナントビルの大規模改修工事①外壁とタイル補修

By コンクリート, タイル, 足場, 防水担当の日誌

以前、施工させて頂いた某駅前にある5階建てのテナントビルの大規模改修工事のをご紹介します。

このビルは商店街の入り口にあり、建物の裏手には何本もの線路に電車が走っています。

 

工事のきっかけですが、工事5年前に屋上防水の見積リ依頼を受けて見積もりさせてもらいましたが、結局、他社が工事をすることになりました。

ところが施工の状態があまりよろしくなく施主様も不満だったそうです。

そんなことから、今回は建物全体をやりたいので見積もってくださいと依頼が来たので見積りをさせてもらい、工事を担当することになりました。

施主様は工事が待ちきれないのか、見積書よりも先に工事のスケジュール表を出してほしいと言われてびっくりしました。

建物は築29年になります。

屋上は5年前に防水工事をやったにしてはあまりよろしくない感じでした。

目地とか、ちゃんとやっていないような現状でした。劣化箇所が多数ありました。

また、下地と防水層の間の湿気の逃げ場が見当たらないので、逃げ場を作ることを考え、通気緩衝工法で工事をすることを施主に提案しました。

外壁はRCでした。外壁劣化診断調査を行い、タイルの浮き、タイルクラック欠損補修、塗装面の爆裂、欠損補修など細かくチェックしました。

概算時でタイルの浮きは補修は260枚、タイルの張り替えは240枚、爆裂の補修は50か所となりました。

シーリング工事はタイル面、サッシ廻りなどに行いました。

塗装はタイルが貼られていない外壁面と内壁に行いました。

 

工事は一階のエレベーター前にあるテラス屋根のアクリル板を外すところから始まりました。

この作業は足場を立てる時に部材が屋根の間に通せないため、アクリル板を外す必要があったのです。

1メートル以上あるアクリル板がテラスに5枚取り付けられています。

それを一枚一枚外していきました。

アクリル板は破損させぬように丁寧に外して保管場所に運ばれて、工事終了まで大事に保管されます。

 

その翌日、足場の設置が行われました。

駅前にあるため、一日中、歩行者の往来が途絶えません。ビルの前が道路が抜け道に使われているようで車の通行も一日中途絶えません。

ビルは1階から3階までテナントが入り、工事中も営業します。

そのような条件から、足場設置時にはガードマンを立て、交通誘導を行い、歩行者やビル利用者の安全確保に勤めました。

 

足場は10人のとび職人によって行われました。一騎当千の職人たちにより、足場が着々と組み立てられました。

建物は正面1階が店舗、お隣との間は狭く、足場の越境は確実、建物裏手の境界も狭く、あまり条件がいい場所とはいえませんでした。

 

しかし、事前に施主と打ち合わせして、きちんと近隣挨拶をしていたことから、

足場が越境する両隣共、親切にご協力いただき、気さくに植木やプランターを移動してくださいました。感謝でした。

特にトラブルもなく、着々と足場を設置することが出来ました。

 

関連動画 このビルのアクリル板取り外しと足場

足場設置は2日間掛かりました。2日目はあいにくなことに朝から雨でした。

雨の中でもとび職人たちは淡々と安全に配慮をして足場の設置を行いました。

 

このビルの最上階は斜壁でした。斜壁は構造上、通常の外壁よりも多少、足場が組みにくいです。

雨の中の斜壁での足場設置となりましたが、順調に作業が進み、飛散防止のメッシャが足場全体にかけられ、昼過ぎには足場設置を完了しました。

(工事の時点ではハーネスが義務化される前でしたので、一部の職人しか装着していませんでしたが、現在はハーネスの装着は必携にしています。)

 

足場設置完了後、最初の作業は防水職人による、タイルの打音検査です。

打診棒を使い、タイルの表面をたたき、タイルの剥離の状態を調べます。

音の違いだけで剥離を判断する、大変技術のいる作業です。

 

関連動画 タイル打音検査

外壁補修はピンニング工法で行いました。

工法はまず、浮きが生じたコンクリート躯体にドリルで穿孔します。

そして、孔内を清掃して、エポキシ樹脂を充填します。

複数個所の充填で広域範囲の施工が出来ます。

ステンレスアンカーピンを挿入します。

これによって穿孔穴と剥離した空隙部が固着します。

タイルの張り替えは既存の不良タイルをディスクグラインダーとはつり機(ハンマードリル)を使ってタイルを剥がします。

そして、タイル用接着剤 タイルワンを外壁とタイルにタイルワンを塗布して貼り付けていきます。

貼付け後、タイルを叩くことによって隙間がなくなり、密着します。

連結したタイルで複数枚をまとめて貼ることもできます。

タイルは現状と同じものが無いので、タイルを焼いてくれる窯元に近似のものを作成してもらいました。

 

関連動画 タイルの張り替えとエポキシ樹脂の充填

爆裂補修は、脆弱部を除去します。

樹脂モルタルで成形して爆裂や欠損部を補修していきます。

乾燥したら塗装で仕上げます。

 

関連記事 外壁タイル補修

外壁改修

ここまで、大規模改修の外壁補修とタイル補修のことでした。

次回は塗装工事と屋上防水のことについてご紹介します。

塗装職人では多くの大規模改修を手掛けております。

大規模改修工事をお考えの方がございましたらお気軽にご相談下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鉄骨階段・塗装と長尺シート

By コンクリート, タイル, 外壁, 長尺シート, 防水担当の日誌

鉄骨階段は外部で使用されることが多いので、どうしても劣化しやすいです。

錆びやすいです。錆びは放置すると否が応でもどんどん広がってしまいます。

塗装ははげ落ちて塗膜はボロボロになってしまいます。

穴が開いてしまう事もあります。

その穴から水が侵入してしまうこともあります。

 

例えば、鉄骨の外階段があるタイプの建物だったのが、鉄骨階段が崩れ、2階には行くことができなくなってしまうこともあるのです。

錆は侮れないのです。

関連動画 マンション外階段を塗装する

鉄骨階段の塗装をするときは、最初に下地処理、ケレンを行います。

ナイロンたわしで丁寧に除去、電動工具を使用することもあります。

 

どうしても除去仕切れないサビにはハイポンサビスタという、さび面素地調整補助剤を使用します。

除去しきれない部位・さびやすい部位のさびを固着化させるのです。

また、必要な場合は溶接工事を行うこともあります。

そして、錆止めの塗布。中塗り、上塗りを行います。

鉄骨階段の塗装は状態によっては、床用の塗料があるのでそれを使用するのもよいです。立駐機用の塗料と同じで塩害地用とか立駐機用とかの床用の塗料を使うのもいいです。

関連動画 立駐機の塗装

塗装ではなく鉄骨階段に長尺シートを貼るという選択肢もあります。

長尺シートを貼るメリットは音がしなくなる。美観が保てることです。

しかし、ちょっとでも水が入ったら、すごく錆びるので、貼る時には細心の注意が必要です。

長尺シートを使って長持ちすればいいのですが、塞いでしまう分、諸刃になってしまいます。

一番いい例は、鉄骨階段で踏み面のところがコンクリートになっているタイプのものがあります。
昔のアパートの鉄骨階段などがそうですが、デッキプレートという製氷機のお皿みたいのがあります。そこにコンクリートを流し込む、モルタルとか階段も同じで、お皿があって踏み面を作るために氷を固めるため流して、受け皿に対して階段を作っています。

 

しばらくたってくると、ムーブメント違うので鉄は伸びるし、モルタルは伸びないので、割れたりした時に隙間が出来た時に虫歯菌が侵入するように、水が入って錆びてしまうのです。
ですので裏から穴があいて出てきたりとかするのです。

 

中にはモルタル入れるところに分厚いゴムを入れる施工する業者がいます。コンクリートは付きますが、ゴムは付かないので、ゴムをどけたら大変なことになってしまいます。その施工は大変にまずいです。

苔、垢、錆。そういう風になってしまう可能性がシートの裏には存在するのです。

鉄骨階段で雨漏りをしているところは長尺シートの方がいいと思います。

 

ただし、長尺シートのデメリットは老朽化や痛みが酷くなったら、剥がさなければならないことです。

長尺シートは室内の方が持ちます。紫外線の劣化がないので。

状態がいいとマンションはぶっ通しで20年使います。それができるポテンシャルが長尺シートにはあります。

 

関連動画 マンションの廊下と階段にシート貼り

但し、20年経ったら専用の機械を買って、専用の刃を買って、廃棄代を払って工事をします。

コスト的に高くつきます。20年というと持ちはいいかもしれないけど、剥がすということが必要になります。

 

長持ちさせるとランニングコストがいいという感覚の人が多いと思いますが実際は違います。

長持ちするものは高いけど、替えるのも高い。例えるのならベンツを買い替えるのと同じです。

貼るという事は剥がすという事が対角にあるから、そのデメリットは鉄骨階段でも存在します。
鉄骨階段はどんなに気密性を保ってシーリングで防水しても錆によって中に侵入経路が出きたら1ヶ月後は錆びだらけになってしまいます。

ですので、進める時にプロの目が必要です。塗りの方がいい場合がある。

関連記事 長尺シートとタキステップの貼り込み

残工事 長尺シートとタキステップの貼り込み

塗っているものは積層すればいい。剥がすという事は剥がし賃がかかります。
全部対角にあるのは、非対称なのです。

 

鉄骨階段の錆びや雨漏りでお悩みの方は是非ともご相談ください。

プロの目で最適な工事をご提供します。

 

関連動画 タキステップの施工、音でもお楽しみください。

ALCタイル張りの外壁の特徴とは

By ALC, タイル, 外壁, 防水担当の日誌

町なかで見かけるALCに均等に貼られたタイルの壁の建物は高級感を感じます。ALCタイル張りの建物について防水を含めて検証してみました。

 

ALCにタイルを貼るメリットはなんでしょうか?

これはやはり見た目です。タイルの壁は大変おしゃれに見えます。

そして、傷みに関して遅らせることが可能なことです。

どういうことかというとALCは要被膜なので、外壁の塗装の回数が絡んできます。傷みは当然、外壁に出ますから、タイルを貼った壁の方が確かに強いと言えば強いです

そして、タイル張りの場合、シーリングとか、そういう付いて回るものがあるので、どちらかというとメリットはビジュアルだと思います。

関連動画 ALCの塗膜防水

タイル張りの建物で心配なことがあります。1つめは地震です。関東は地震がとても多いです。東日本大震災が起きた時はALCのタイル張りの建物のタイルが一面で崩れたりもしました。なぜかというと、ムーブメントが違うからです。ALCでもタイルの3面張りはやめろと昔は言われていました。なぜかというかは動きが合わないからです。

また、地震の際に相当数のタイルが剥落というときは全部剥がしで貼り替えというケースがあります。全部剥がすリスクは凄くお金が大変かかります。

心配なこと2つめは立地条件です。前に巨大なビルが建ったとか、バス、トラックが頻繁に通るようなところ、列車が横に走っている等は振動で割れる。そこらへん凄くナイーブに反応する建物なのです。

関連記事 ALCの特性と構造を考える

ALCの特性・構造を理解する 雨漏りしないための補修塗装工事とは? 

改修工事をしても10年以内に不具合が起きることがあります。

なぜかというと、タイル張りは目地という物が存在して縦3m×幅600の時と横の場合もありますが、そこに対してタイルの目地がどう入っているかによって割れてくるのです。ようするにぬかるんだ沼の上にコンクリートを打っても、その上を歩いたらコンクリートが沼で動かせるので上が割れてしまいます。あれと同じ状況が起こるのです。

 

10年後に下地によって凄惨なものになるかも知れないし平気かも知れない。二通りに分かれます。地震の話しをしましたが、目地が全くない建物を建てたてしまうような適当な工事をする人がいます。ALC建てた後、なんでもタイル貼ってしまえ、きれいに見えるから貼ってしまえとやってしまうのです。

また、捨て打ちをしてない。ようするにALCの建物に捨て打ちをしてない、もの凄い工事をする人がいました。だから、そういうやり方をしたら駄目なのですね。必ず問題が出てきてしまうのです。それは何とも言えない。ただ動きに対してあってないものを貼り付けるから物凄く繊細に反応してしまうのです。10年経っても何ともないという建物ありますよ。全く何でもないという建物もあります。

やはり、施工する人の手で変わりますので。やっぱり職人って、いろいろいるし、まとめる会社によっても違うし、管理の違いなんです。一概には言えないし、例えば、屋根もそうですね。Pという屋根もそうですけど、Pが出た時30年と言っていたけど駄目でした。Pを批判していたCも駄目でした。両方とも駄目でした。じゃあそれを改良した新しい屋根はどうかというと、まだ分からないです。建築ってそういうのが多いです。

やっぱりそうやってワンサイクル見てみないと分からないのです。ワンサイクル見た後、出ることもあるので、それはどういう方がどういう理論でどういう設計をするのか、やっぱりみんな違います。

関連記事 ALC4階建ての防水工事

ALC4階建ての防水工事と外壁補修の改修工事

タイルはきれいに見えますし、お手入れが少なさそうに見えますけど、何かあった場合、タイルの上から防水するのは。もの凄くコストが掛かります。RCは注入工事が出来るけど、ALCは注入工事が出来ないのです

タイル貼りの外壁のメンテナンスや防水、改修をお考えの方は塗装職人にご相談ください。その外壁、その防水にあった最良の施工をご提案します。

 

 

剥落する外壁タイルを防止させる施工

By タイル, 外壁, 防水担当の日誌

施工させていただいたお宅です。

外壁の一部に石調の飾りタイルが使用されています。

モルタルの外壁と対比になって、とても素敵でモダンで高級感があります。ところがこちらのお家、家の横に電車が走っていて、家の向いはバス通りで車の往来が多く、かつ3階建てなので普通以上にお家の振動が激しいのです。

 

そのため、この飾りのタイルが剥落してしまいます。実際、何か所か落ちているので、外壁塗装工事を行う際にお客様から何とかならないでしょうか?というご相談がありました。

そこで何とかならないかということで、いろいろ考えたところ思い当たろましたのが、セブンケミカルというメーカーの透明塗膜防水材セブンSSを使用するという施工方法でした。

なぜセブンSSを使用するかというとタイルはひび割れ、浮き、剥落、など各種の劣化現象が起きます。セブンSSは耐久性、防水性、施工作業性、意匠性に優れ、タイル張り面及びコンクリート打放し面の外観を損なわずに長期間にわたり維持することが可能と謳われているので今回のお宅のようなケースには期待出来ます。

 

関連記事 セブンSSを使用した工事

 

マンション補修塗装工事とクオリティを求める工事とは

 

もうひとつ、一応剥落防止なので防水材とも違う。例えば、霞が関の会計検査院とか国会議事堂のそばの建物が老朽化していて、ネットをかけて、剥落等で被災しないようにしています。そのような工事に使用する同じ材料を考えたのです。

防水とは違う防水材ですが、剥落防止材までいかないけど落下防止するための措置というのでこの製品を使いました。

関連動画 セブンSS施工を含む動画

 

施工はまずセブンSシーラーを塗布します。

防水材の膜を作るために刷毛で塗りました。

タイルの表面はローラーを使用します。

このシーラーはナノカチオン樹脂により高い浸透性を持ちます。

 

そして、セブンSSで中塗り1回目塗布します。

セブンSSは防水仕上げ材でアクリルシリコン樹脂がベースの材料です。

乾燥したら、セブンSSで中塗り2回目塗布します。

最初は白色ですが乾燥すると透明に変わります。

上塗りはセブンSトップM♯30を使用します。

この上塗り材は防水性に優れたアクリルシリコン樹脂透明塗料です。

これも2度塗りを行います。

以上、5工程がセブンSSの施工でした。

 

別の現場ですがセブンSSの工程動画がこちらです

関連動画 セブンSS施工動画

 

この5工程により、外観を損なわず長期的に保護を維持することが期待できます。

もちろん、剥落防止もです。

塗装を担当した豊永班の苦労が出ています。

 

関連記事 外壁タイルとクリヤー仕上げ材

外壁タイルの防水クリヤー仕上げ材を塗るプラス面とマイナス面

 

RCや打ちっぱなしの外壁にお住まいになるみなさんにはそれぞれ特有のお悩みがあります。

今回の工事は浸透防止材を使って美観を損なわないようにやらせていただきました。

そして、屋上防水はサラセーヌKとAでウレタン防水をさせていただきました。

施工後、施主様ご夫妻が大変喜んでいただきました。

弊社にとっても忘れない工事のひとつになりました。

 

 

 

見積書からは見えない細部のこだわり 工事の仕上がりをより良いものに

By コンクリート, タイル, 外壁, 防水担当の日誌

これまで8回に渡りブログで書いてきました、世田谷の事務所にてお受けしましたお客様のビル改修工事ですが、ようやく先日完工いたしました。
見積もり時からいろいろと課題の多かった建物ですが、なんとかお客様にご納得頂ける形で仕上げることができたと思います。
今回は、足場を外した後に塗装職人が行う、ちょっとした細かな工事…しかし非常に気を遣う工事についてのご紹介です。

関連記事 前回のブログ

残工事 長尺シートとタキステップの貼り込み

アクリル屋根と取り外しと復旧

 

足場を解体したら、取り外していた屋根などを戻したり、建物全体のクリーニングをしたりします。
こうして文章で書くと非常に簡単なことのように思えますが、実はここには費用を抑えるために神経を使う作業があるのです。
まずは、アクリル屋根の取り付けに関してお話し致します。

階段の上や、カーポートなどにアクリルでできたひさしのような屋根がよくあるのですが、こちらは足場を組む際に邪魔になることが多いため、工事前に取り外しを。
このアクリル板、年数などによっては劣化をしていることで、非常に割れやすくなっている場合があります。
洗濯バサミなどを思い浮かべてみてください。

プラスチック製の洗濯バサミは、ある程度時間が経つとプラスチックが劣化して、ある日突然割れてしまったりしますよね。
それと原理は同じで、屋根のアクリル板は、劣化してしまうとどんなに慎重に取り扱ったとしても、割れてしまうことがあるのです。
もちろん屋根を外すついでだからと、お客様によってはアクリル板を新調される方もいらっしゃいます。

その場合には、取り外しにそれほど慎重になる必要はないのですが、今あるアクリル屋根を再利用する場合、注意を払う必要が出てくるのです。
いつもより慎重な作業が求められますし、また割れやすいアクリル板を保管するため厳重に毛布や緩衝材でくるむ必要も……。
さらに、再度アクリル板を取り付ける際にも、割れやすいことを念頭に置いて扱う必要があります。

今回取り付けの際には、梯子作業でアクリル屋根の取り付けを行いました。
この梯子を使っての取り付けは、安全基準の観点からしますと非常にグレーで、本来であれば安全対策を講じることが必要です。
しかし、そうなるとさらに工事費用がかかります。

そのため、ギリギリのラインで安全を守りながら作業をすることになるのです。
アクリル板の取り外し、復旧させるほうが新しい物に交換することよりも、手順や気遣いは増えますので、こうした作業に作業費を別途設ける業者もあるほどです。

関連動画 安全な足場を組むためのひと手間

見積もりには、ただ『アクリル屋根の取り外しと復旧』としか記載されていませんが、作業としては非常にデリケートで、通常の塗装よりも何倍も気力を遣う作業となります。

最初と最後 2回にわけて植木の剪定をする理由

次にご紹介するのは、植木の剪定です。
今回の現場では、2回に分けて剪定をしました。
しかし、見積もり上の料金は『植栽剪定』としてか請求していません。

最初に足場の邪魔になる植物を刈り込み、その後工事が終わり足場を解体した後に、美観の仕上げとして、美しく植物の刈り込みを…。
もちろん、足場を組む前の剪定だけでも工事としては何も問題はありません。
しかし、工事が終わった際にせっかく塗装工事をして綺麗になっても、建物の植物がちょろちょろと伸びてみっともない状態では、完璧な美しさにはならないでしょう。
ですので、最後にもお客様に喜んで頂けるようにと願う気持ちから、2回目の剪定をさせて頂くのです。

こうした工事の内容は、細かくお客様にお伝えすることはありません。しかし、こうした箇所まで気を配ることが、塗装職人の工事品質に深く関わってくるのです。

関連記事 足場を建てる前の準備 植木の剪定と現場の確認

足場を建てる前の準備 植木の剪定と現場の確認

工事後のクリーニング お客様へ綺麗な状態でお渡しするために

 

最後に、建物を全体的にチェックしてクリーニングを行います。
ゼネコンが行うような大きな規模の工事であれば、予算があるため最後にお掃除の専門班が仕上げのクリーニングをしますが、戸建ての場合クリーニングに予算を割くわけにはいきません。しかし、できるだけ綺麗な状態でお客様にお引き渡しをしたいと思い、弊社では塗装の職人が雑巾などを使って丁寧に汚れを落とします。

これもまた、弊社の工事品質を保つための作業なのです。

費用の先に見えるものとは

 

塗装職人に工事の見積もりを取り、他社と比較した際に高く感じるお客様は少なからずいらっしゃいます。
しかし…いつも思うことは、比べているのはあくまでも工事費用だけで、工事内容についてはあまり見ていらっしゃらないのです。

分かりやすく例えるならば、1000円カットで髪の毛を切るのと、技術のあるカリスマ美容院で髪の毛を切るのでは、仕上がりに差がでますよね。
しかも髪の毛のカットは、切った直後だけではなく伸びてきた際に、技術による差が出ます。
つまり同じように髪の毛をカットする店舗でも、値段の差の中には時間や技術などいろいろなものが含まれているのです。
この二つを比べて「1000円カットの方が値段が安かったよ?なぜここの美容院は高いの?」とわざわざ聞く人はいないでしょう。聞かなくても、料金に含まれる内容の差は一目瞭然だからです。
これらと同じで、塗装業者も同じ工事だとしても技術的な内容が違えば、金額に差がでます。

関連動画 家の塗装相場30万円の差額理由

もちろん、見積もりの中には余裕をもたせている項目も。
なぜなら、見積もりはあくまでも外観から判断しただけなので、実際工事をしてみたら破損箇所が思ったよりも大きかった…などということは多くあるからです。
しかしこの余剰分に対して誤解され、まるで「余分な請求までしているのでは?」と疑う方がいらっしゃいます。これは営業担当としては、非常に悲しい疑いです。
大きな追加工事は別ですが、微細な作業の追加が出た際にはこの余裕分がポイントになります。なにも闇雲に料金を上乗せしているわけでは無く、これまでの現場経験から、なんとかまかなえるようにし、だいたいの余裕をもった分の費用でささいな追加工事がトントンになります。

もしも、見積に書いた内容だけを作業するとしたら、工事でちょっとした追加分が出る度に現場が止まり、お客様の判断を頂くことに……。
これでは職人の拘束時間が長くなり、どんどん経費は膨らんでいくでしょう。
全ての見積もり内容を、最初の段階で明確にして欲しいというお客様もいらっしゃいますが、明確にしたということは、そこからはみ出た工事はすることができなくなってしまいます。
家の建て方は本当にセオリーがなく、建てものの状態もどれ一つとして同じではないため、現場でいかに臨機応変に対応するかが重要です。

だからこそ、工事中にイレギュラーなことが次から次へと起こります。
そのため、ある程度職人の裁量でできる形にしていないと、工事は上手くいかないのです。
そしてその裁量を最大限活かすためにも、余裕が必要となります。

工事費用 抑えるべきところとかけるべきところとは

正直言えば、今回と前回のブログでお話ししましたような、アクリル屋根ですが…触りたくないのが本音です。
なぜなら、お話ししたように劣化したアクリル屋根は割れやすく、割れてしまえば大変なことになります。
そして工事をより安全に手堅くすすめるのであれば、割れた場合に備えて新しいアクリル板への交換を提案して、古いアクリル板は戻せないとお客様にお伝えすることも自衛の一つでしょう。

しかし、それでは工事費用を抑えることはできなくなります。
だからこそ、技術と注意深さをもって慎重にトライするのです。
これによって、お客様の工事費用を抑えることができます。
梯子の作業もしかりです。

少しでも注意を怠れば、職人がケガをするような事故につながりますが、なんとか手を考えることで、費用を抑え良い仕事へと繋げていきます。
ある意味、職人の心意気といえるかもしれません。

関連動画 この現場の施工動画

抑えるところはしっかりと費用を抑え、費用をかけて補修すべきところへはしっかりと技術もお金を投入する。
それが、工事をする上で何よりも大切なことだと思うのです。
今回のお客様は、さまざまな工事について非常に工事すべき箇所など、ご協力頂けるオーナー様でした。
だからこそ、こうした最後の仕上げで職人としてもより完成度の高い仕上がりをめざせたのです。
さまざまなトラブルはありましたが、オーナー様に納得して頂ける工事になりました。

最後に、これから弊社で見積もりをしてみようかな?と考えていらっしゃるお客様にお伝えしたいことがあります。
どうか、最初からなにもかも疑うのではなく、工事を良くするために、まずは塗装職人の話を聞いてみて下さい。
塗装職人は創業31年の歴史ある業者です。
お客様から評価をされてきたからこそ、今の塗装職人があります。

今回の現場のオーナー様のように、耳を傾け工事すべき所をきちんと抑えていただければ、お客様に最善策をご提案し、トラブルがあったとしても良い方向に対処をしながら仕上げていくことができるでしょう。
より良い仕上がりになるように、お客様と二人三脚で工事をすすめられればと思うのです。

足場解体前の検査 足場解体後の点検 プロの目線とは

By コンクリート, タイル, 外壁, 防水担当の日誌

前回、メインの塗装工事までご紹介したマンションの塗装補修工事の現場ですが、いよいよメインの工事が終わり、検査、そして点検の段階となりました。

弊社では、さまざまな現場で工事をしています。塗装職人の工事で大事なことはクオリティです。

今回ご紹介する検査や点検は、弊社の工事に関するクオリティに大きく関わってきますので、どのような点をチェックしているのかなど詳しくお話したいと思います。

 

関連記事 前回のブログ

技術と経験則を集結させる防水工事とは

 

足場解体前検査

 

工事を終えたら、足場を解体する前に検査を行います。

足場を組む際に外したアクリル板などは、まだ足場を組んでいるため取り付けはしません。

足場があるからこそできるチェックを、徹底的にやります。

お客様からのリクエスト通りに塗れているか、工事内容と仕上がりが相違ないかなどなど。

写真の白い天井裏のサイドに塗られた紺色は、お客様からリクエストを頂いた色です。

目安になる色味などもありましたので、色合わせしチェックしました。

また、足場があるからこそ作業ができ、確認も出来る箇所が以下の写真の高架水槽です。

普段高架水槽は、なかなか上までチェックすることはできません。

 

さらに、痩せていたシールも充填しなおしましたので、しっかりとシールが入りラインも綺麗にでているかどうかを確認します。

シールを充填した目地に、ひげやバリが出ていないかどうかを調べるのも大事なチェックポイントです。

前回のブログでもお話しましたが、シール材を充填した時に半乾きの状態で養生を外すと、乾ききっていないシール材がひっぱられひげのように伸びてしまうことがあります。

このひげができたということは、シール材も一緒にひっぱられたことを示しますので、せっかく注入したシール材と目地の間に隙間を作ってしまっている可能性があるということです。

隙間ができてしまうと、防水効果が半減してしまいます。

関連動画 マンションのシーリング

 

そのため、仕上がり具合をチェックする際に、ひげが出ているか出ていないかということは、防水効果を確認するためにも重要な確認ポイントとなるのです。

 

さらに、足場全体の写真もご覧ください。

建物の形が不規則だったり、アーチになっていたりする部分があるため、これだけイビツとも言える足場の形状になっています。

足場の形を、壁面の形などに合わせて建てたことで、きっちりと建物のそばにより綿密なチェックができるのです。

足場があるうちに確認する箇所としてさらに大事なのが、屋根上と言っても過言ではありません。

最近では安全上の理由などから、足場なしに屋根上に上ることが出来ないからです。

こちらは今回白色で仕上げ、遮熱効果を上げました。

 

最後に全体を通して塗り残しなどがないか、しっかりと検査します。

 

写真の写っている箇所で、所々屋根にアクリル板が入ったままになっている箇所もありますが、こうした箇所のチェックも必須です。

足場を組む際に、外すこと無く作業が可能なアクリル板は、屋根をはずしません。

なぜなら、少しでも工事費のコストカットが出来るからです。

ただし、アクリル板は割れやすいので、こうした最終点検で傷など付けていないかを、工事前に撮った写真なども元にして、しっかりとチェックを行います。

関連動画 安全な足場を組むためのひと手間

 

足場解体後の検査

 

足場を解体すると、「これで工事が全部終わったのかな?」と思う方もいらっしゃいます。

実は、足場解体後も残工事というものが残っているのです。

 

今回の場合は、廊下に敷く長尺シートなどが残工事となります。

長尺シートは、足場を解体前に貼り込んでしまうと、足場解体時に汚れてしまうことがあるため、貼り込みを後回しにしました。

また、足場を建てる前に外したものなどもきちんと戻せているかも確認します。

 

今回の工事でマンション1階に住んでいらっしゃる方が、ベランダに洗濯機があり、今回の期間中、前回もそうしたことで、1ヶ月近くも家の中にしまって頂いたのですが、ずっとコインランドリーを使って下さり、最後まで快く協力してくださいました。足場解体後は、いの一番に洗濯機を元に戻させて頂き、御礼申し上げたのですが、どこの現場でもこのように率先して協力して頂けるわけではありませんので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

足場解体後は、足場によって傷が入った外壁やフェンスなどがないかチェックします。

このように足場解体前も、解体後もこのような徹底した検査、点検をすることがプロとして大切なのです。

 

塗装職人ができることとできないこと

 

足場解体前の検査や足場解体後の点検時に、お客様からご質問が出る場合があります。

例えば「あの出っ張っているところ、最後に直せない?」なです。

確かに最後のチェック時に気になって頂いたご質問ではあるのですが、工事内容に関係の無く、美観を補修する追加工事となってしまいます。

塗装工事というのは、あくまでも古くなった家を持たせるための工事です。

ですので、塗装工事をしたからといって、家が新築時に戻るわけではありません。

つまり補修工事は必ずしも美観がともなうわけではないのです。補修するために美観を損なうこともあります。

もしも美観の補修をするのであれば、またそれ用の工事が必要となるのです。

関連動画 防水工事の実物施工を展示する無人ショールーム

他にも…お見積もりに伺った際に「足場を無しにしてさ、梯子で補修工事できない?」と言われることもありました。

梯子は職人の両手の自由がきかないことと、安全性の面からよほど簡単な工事箇所でないかぎり行いません。

いくら工事費用を安くするためとはいえ、職人の安全性を無視するわけにはいかないのです。

 

また防水材について、防水材=雨漏りを止めると思い込まれている方も。

「あそこに小さい雨漏りがあるからさ、防水材塗って雨漏りが染み出ないようにしてもらえない?」

と言われたこともありました。

防水材は、あくまでも雨漏りの経路を絶って、補修工事をし、下地調整をした上で初めて効果が発揮されます。

補修もせずに雨漏りしているところを塞いだら、出口を塞がれた水が今度はどこから噴き出すか分かりません。

 

こうした、1箇所だけにスポットライトを当てた考えは、工事を迷走させることになります。

細かい点だけに注目をして、工事の全体を見ていないからです。

僕たち塗装職人は、プロだからこそ適当な工事はできませんし、しません。

きちんと最後まで完結出来る、全体をうまくおさめた工事をいつも心がけています。

 

なぜ他社の工事方法で塗装職人の工事ができないのか

 

最近では、ネットに沢山の塗装工事についての記事や動画などがあり、みなさんそうした情報を知った上でお見積もりにいらっしゃいます。

もちろん、塗装工事をする上でそうした知識は必要です。

しかし、多くの方は偏った情報や値段の事だけに着目して、それ以外の大事なことを無視してご依頼に来る方がいらっしゃいます。

最も多いのが、工事費用についてです。

「〇×塗装さんはこういう工事をやってこの値段だったよ。お宅もこの工事方法で安くしてよ」とおっしゃることが…。

これには、本当に困ってしまいます。

 

他社さんのやっている工事内容というのは、材料、職人の質、そして工事へのアプローチ方法すべてが違います。

もしも他社さんの工事方法を良いと思うのであれば、それらを提案している業者で工事をすべきなのです。

なぜなら、その工事方法を得意とする業者なのですから。

 

他社のやり方というのは、全ての業者の工事内容には当てはまるわけではありません。

パッと見同じ工事方法に見えますが、業者によって細かい工事内容の差があります。

この差が、金額にも繋がってくるのです。

例えば、上記であげた検査や点検などはその最たるものでしょう。

塗装職人の工事内容も、作業に照らし合わせてはじき出された工事費用ですので、安くするということは、何かしら工事の質を落としたり、検査や工事工程を無くしたりすることに繋がります。

僕としては、できれば金額だけを見るのではなく、工事内容も合わせて見て頂ければ…と思うのです。

 

今回のブログで紹介した、足場解体前の最終検査と、足場解体後の点検ですが、私たち塗装職人はプロだからこそ、しっかりとクオリティを保つ工事を追求しています。

関連動画 このマンションの施工動画

 

是非工事の内容について調べたり考えたりする際は、様々な方向から検討してみて下さい。

工事の値段だけではなく、家の状態、工事の内容、工事の方法。

これらに向き合うだけでも、より良い工事を行うことが出来ます。

 

その上で、私たち職人の声に耳を傾けてくだされば、きっとお客様が真に望む工事が出来るはずです。

 

マンション補修塗装工事とクオリティを求める工事とは

By コンクリート, タイル, 外壁, 防水担当の日誌

前回の工事の続きとなります。今回はいよいよ本番の塗装工事です。

塗装工事をする際に、いつもお客様の問題点を補修できる工事内容ができれば…と考えていますが、そこにはさまざまな方法と材料の種類があります。

今回は、そんな工事の方法と費用の関係性についてのお話です。

〔関連記事:前回のブログ〕

雨漏り補修を視野にいれた塗装工事前の作業とは

鉄板屋根の塗装 

 

鉄板屋根の塗装は、ただ屋根を塗装するだけではなく屋根用のフックボルトの防水パッキン、俗に言う止水パッキンの防水処理もします。

なぜなら、止水パッキンは日差しで劣化するからです。

また、屋根を止めているフックは鉄素材なので、サビ予防のためにフックボルトキャップなどが必要になりますが、屋根が広ければ広いほどものすごい数のフックボルトキャップ交換となりますので、そこには費用がかかってきます。

このフックボルトキャップ、職人の手でひとつひとつ被せて止めていくため、非常に手間も時間もかかり、よほど潤沢な工事費用が出ない限り難しい方法です。

そこで、でてくるのがソフトクリーム状にフックにシリコンを被せて覆う工事となります。

フックボルトキャップよりも費用を抑えることが可能です。

とはいえ、フックボルトキャップとまったく同じ効果かというと、そこは違います。

例えるのであれば、うなぎにも松竹梅があるように、フックボルトの工事にも松竹梅があるといえばお分かり頂けますでしょうか。

すべておいしく食べられるうなぎではありますが、等級が違う。

つまり、同じフックボルトの保護だとしても、その効果はやや違うのです。

 

それでも、まったくやらないよりは遙かに効果を発揮します。

予算ももちろんではありますが、目的に見合った工事が何よりも大切です。

〔関連動画:折板屋根を塗装技能士の塗装職人が施工しました〕

 

外壁の塗装

 

外壁は、タイル面をセブンSS、ALC面にはラジカル制御型塗料で塗装を行いました。セブンSSは、タイルの上にゼリー状の膜ができるような仕上がりになるため、タイルの割れを防ぐことが可能に。これは通常のタイル塗装よりもタイルを守る効果がアップしますが、もちろん通常よりも費用がかかり、見た目がすこしでこぼこした仕上がりになるためお客様によっては選ばれない方も。

それでも、この先10年タイル割れを回避したいのであれば、この工法はベストだと言えます。

また、タイルの壁面は目地が少なく割れやすい状態だったので、目地を作り力の逃げ場を設けることで割れを軽減できるようにしました。

こうすることで、さらにセブンSSの効果を向上させることができます。

〔関連動画:セブンSSの施工動画〕

そして、ALC壁部分の塗装は通常の弾性塗料ではなく、ラジカル制御型の塗料、つまりは壁の表面でおこるチョーキング現象を抑える効果に秀でた塗料を選びました。

そもそも、このチョーキング現象とはなんでしょう。

 

たまに壁の表面を触ると、まるでチョークのような白い粉が手や服についたことはありませんか?あれがチョーキング現象です。

壁に塗料の中にある酸化チタンに紫外線が当たることでラジカルが発生し、これが元で壁の劣化状態であるチョーキング現象を引き起こすのです。

〔関連記事:劣化と補修 チョーキング〕

劣化症状

外壁塗料の劣化は、雨などをはじく力が弱まり水の浸入を許し、雨漏りの可能性がでてきます。

こうした紫外線による壁の劣化を抑えるための塗料が、ラジカル制御型塗料なのです。

いろいろな塗料がありますが、外壁の紫外線の当たり具合や状態を考えると、これもお客様が選択できる範囲の中でベストだったと言えます。

ちなみに廊下天井の塗装もしていますが、こちらは同じ白で塗っているものの、別種類の塗料となります。

なぜなら、天井は水蒸気やタバコのヤニなどが付きやすいため、透湿性に特化した塗料が必要なのです。

これで外壁の塗装は終了となります。

次は、高架水槽といったイレギュラーかつ、マンションなどでは多い塗装内容についての紹介です。

より塗装効果を高めるための工事をしましたので、ご覧ください。

 

高架水槽の塗装

 

高架水槽の塗装は、専用仕様の塗料となります。

日本ペイントから発売されている、紫外線を通さないタイプのもので、下塗り剤、上塗り剤ともに専用の塗装方法があるのです。

また、ここでは金属部分の補修にサビスタを使いました。

サビスタとは、金属が組み合わさっていてサビを落とすためのケレンが出来ない場所でも、錆止めの効果が期待できる材料です。

 

高架水槽はそもそも中に水をためるもので屋外設置のため、サビは大敵。

鉄骨階段などにもこのサビスタは使われるのですが、錆止めとは持ちが違います。

ちなみにいわゆる錆止めは、サビを遅らせるだけで、完全に阻止するわけではありません。

仕様書をよく読むと、補修塗りが必要で2回錆止めを塗る必要があると書いてあります。

さらに、この錆止めは2年に1回塗装が必要です。

 

鉄部は建物の至る所に使われているため、その度に足場を組む必要がでます。

これでは、いくらお金がかかるかわかりません。

このサビスタは、錆止めに比べれば値段の高い材料です。

しかし、2年に1回足場を建てて錆止めを塗り直す工事をすることを考えれば、ケレン補助材サビスタのほうが安いと言えます。

しかも錆止めの場合は、きっちりケレンをかけていないところは、錆止め材が上手く塗装面に乗りません。

ここでも、サビスタの方に軍配があがります。

金額=クオリティというわけではありませんが、高い薬剤には高いなりの効果があるのです。

 

塗装工事でつかう塗料と費用の関係性とは

 

前回のブログも含めて、屋根、ALC、タイル、廊下天井、高架水槽などそれぞれ、箇所にあった塗装というものがあると紹介して参りました。

実は、外壁や屋根などさまざまな箇所のトラブルに対応する補修材や塗料というのは、数多く良いものがあります。

僕は、いつもさまざまな塗料について勉強をしています。

 

お客様に最適な塗料や補修剤をご提案できるように、材料についてメーカーに話を聞きに行き、実際使っている職人にも意見を求め、工事後の家の状態や経過などにも注目します。

ある意味、塗装工事における薬剤師のようなことができればと考えているからです。

〔関連動画:この工事の全行程〕

 

お客様の直したい箇所を聞き、そこに適切な塗料をご提案する。

こうした提案の最大の妨げは、ディスカウントを求められることです。

なぜか、塗装工事というのは安いところでお得に工事をするのが重要視されています。

もちろんボッタクリと言われるような悪質な業者もありますので、お客様が業者を選ぶ際に肩の力が入ってしまうことは分かるのですが、弊社の場合はこうしたブログや、これまで積み重ねてきた会社としての歴史や経験、工事や材料についての知識といった、「塗装職人ブランド」があります。

ですので、提案した工事を「安くしてよ」と言われてしまうと、その安さ合わせになり、安価な材料と工事方法をとるしかないのです。

 

なぜなら、400円だして安い牛丼を食べられたとしても、400円で高級料亭のすき焼きは食べられませんよね?

高級料亭に行って、「400円ですき焼き食べさせてよ」と言ったとして、だれが喜んで出してくれるでしょうか?

少なくとも、食材の質を落とさずに400円ですき焼きを出したら数日で店が傾いてしまうでしょう。

塗装も同じです。高い材料を使う以上は工事費用も高くなるのです。

 

もしも、サビスタなどそれなりの金額の材料を使っているのに、安い工事費を業者から提案されたら、それこそ疑わなければなりません。

それは、希釈して薄く塗っている可能性があるからです。

どんな業者も、自分の会社がマイナスになってまで仕事をしたいという人はいません。

 

きちんと対価が支払われるからこそ、職人は良い仕事をしますし、会社も成り立ちます。

サビスタは先ほども書きましたように、非常に優れた材料なのでそれなりの費用がかかります。それなのに、他と比べて工事費用が安い場合は、薄めたり薄く引き延ばしたりして使っている可能性が……。

クオリティを求めるのであれば、それなりのお金を掛けることは必要です。

 

僕は、お客様に提案する際に高い材料から提案するということはしません。

必ず、結果を出すために最良の方法を提案します。無駄にお金や手間をかけるようなことをしても、それは家のためにはならないからです。

今回の塗装工事も、各所に合った塗料をいろいろと提案させて頂きました。

お客様が、それぞれの工事に見合う金額を了承され選ばれたことで、今回さまざまな工夫を凝らした塗装が可能になったのです。

〔関連記事:今回の工事・足場設置前〕

足場を建てる前の準備 植木の剪定と現場の確認

塗装職人の工事は、高い塗料を売りつけ、わーーーっと勢いで工事を決断させるようなことはしません。

必ず、しっかりと説明し、考える時間をたっぷりと取り、お客様に判断をお任せします。

それが、良い工事をするために大切なことだからです。

 

僕はいつも、雨漏り工事の依頼をされると「止められるか分かりません」とお答えします。

一見、無責任な言葉に聞こえるかもしれませんが、実はこの言葉の裏では「なんとしても止めたい!原因を突き止めたい!でもプロであるがゆえにこれだけ難しい雨漏りについて適当なことは言えない」と考え、絞り出したのが「止められるか分かりません」なのです。

〔関連動画:担当した防水工事〕

いつでもプロとして、最良の方法を提案します。

それが職人としてのプライドだからです。

これからも塗装職人の品質を実感して頂けるよう、がんばりたいと思います。

 

雨漏り補修を視野にいれた塗装工事前の作業とは

By コンクリート, タイル, 外壁, 防水担当の日誌

前回ご紹介しましたマンションの補修塗装工事の続きです。
今回は下地調整、そして雨漏り補修についてのお話をいたします。

こちらの建物は前回もお話したとおり、建物の前面がRを描いている壁のため足場を建てるのに非常に苦労をしました。

また、壁がALC造になっているのですが、通常のALCよりも造りが複雑で、足場を建てるためのアンカーが打てないため、気をつけなければならないことが…。
そんな難しい現場なので、塗装前の補修工事をするにあたって慎重かつさまざまな工夫をしました。

 

〔関連記事:前回のブログ 足場を立てる前の準備〕

足場を建てる前の準備 植木の剪定と現場の確認

 

足場つなぎの打てない外壁で難しいこととは

通常足場を建てる際には、『足場つなぎ』…つまりは壁に足場を固定させるためのアンカーが必要となります。
しかも今回は、壁面がR状でしたので尚更です。しかし壁自体が脆い状態で、ALC用のアンカーさえも打てず、補助をいれずに足場を建てることになりました。


そのため、足場が風にあおられないよう、張り巡らすメッシュシートを小まめに巻き上げるなどが必要です。
メッシュシートは、工事が続く場合は張ったままでもいいのですが、工事と工事の合間で間隔が空く場合や、ゲリラ豪雨がありそうな時や、台風予想がでた時はメッシュシートを巻き上げます。

アンカーが打てないからこそ、そうした細かな作業が安全な工事をするために重要なのです。

〔関連動画:足場のアンカーを説明〕

補修工事前の必須調査とは

さて、高層の建物は足場を建てたあとすぐに行うことがあります。それはパルハンマーを使って行う調査です。この調査では、塗装面が下地から剥離しているのかを調べます。
調べることで、補修が必要な箇所が明確になるのです。

見積もりの際に、家のまわりをぐるりとまわり外壁のクラックなどを見ておおよその補修箇所の予想をたてるのですが、これはあくまでも見込みで、建物を覆うタイルの割合などから爆裂の数を計算で出しています。

〔関連動画:パルハンマーを使った調査〕

補修工事はあくまでも実数精算のため、予想とは費用が違う場合も…。
しかし、こうした工事すべき場所をしっかりと家の傷んでいるところを把握することが大切です。
把握した上で、工事予算がオーバーしてしまう場合は、行うはずだった廊下などの工事を翌年に回し、今回は破損箇所の補修を行うなど…工事の内容をお客様と詰め、最終的な補修箇所を決定します。

今回の建物の場合は、最後にタイルの上にセブンSSを塗るため、細かなクラックは補修せずにセブンSSでカバーすることになりました。
(セブンSSは仕上げるとタイルの上に厚めの膜ができます)
工程のすべてを考えて、必要な工事と後回しに出来る工事をお客様に判断して頂くことが、良質な工事をするために何よりも大切です。

 

補修工事その1

パルハンマーで検査する際に、補修が必要なクラックなどには印やテープを貼り付けます。こうすることで、補修工事をする職人がどこを修復すればいいのか分かるのです。
こちらの写真をご覧ください。

Pという文字は、ポイントをあらわしています。またテープの色によって指示が違うので、職人はその指示にしたがって、一つずつクラックなどを補修します。

その後、下地調整をして補修材によってできた壁の段差を取り、塗装しやすいように平らにしました。
下地調整をした中で、特徴的な補修工事としては、こちらの基礎部分です。

今回補修を担当した職人が、いわゆる昔ながらの手技で基礎の割れを補修しました。
基礎はコンクリートなどで出来ているため、モルタルなどで補修を行う必要があります。

モルタルは、砂とセメントを使ってよく混ぜあわせ最後に水で堅さを調整するのですが、最近ではこうしたモルタルを作れる職人が減っていることをみなさんご存じでしょうか?
このモルタル作りは、気温や湿度も関わってくるため、職人が目で見て、手の感覚を頼りに作ります。

水を扱うため、軍手もせず素手で触りながら調整するのです。
こうすることで、補修するのに的確なモルタルが出来上がります。

今回は小手だけで、このように美しくしあげました。1回だけではなく、何回も塗り込めることで、しっかりと補修をするのです。

最近は職人も大分変わってきましたので、これだけモルタルを操り、コンクリートも打てる人はなかなかいません。(この職人は土間打ちもある程度やります)

塗装職人は安さに走らず技術を大切にする会社だからこそ、こうした手技を持った職人が工事に携わるのです。

 

補修工事その2

次にタイルの補修工事を行いました。
こちらは、割れた部分のタイルをはがし、その後下地をつくりタイルを貼っていきます。

20数年前のタイルなので、普通は色合わせが難しいのですが、弊社の職人はドンピシャにタイルの色をあてはめ、オーナー様も非常に喜んでいました。
今回はタイル補修とともに、雨漏りの補修も。

まずはクラックや、タイルなどの割れ部分など取り除き掃除をします。

雨漏り原因として考えられるところを接着材プラス下地材でしっかりと塞いで、下地のシールも打ち、最後にタイルを貼り込み、タイルの貼り込みように覆った紙を濡れたスポンジでなでて、シールを剥がし完成です。

〔関連動画:タイルの張り替え〕

タイルの貼り込みが終わったら、目地材も打ち込み、こちらも余分な目地材はスポンジで拭うことによって目地部分にしっかりと目地材が入ります。ただ、タイルの上には目地材がうっすら残ることもあるので、洗浄が必要です。そこで、高圧洗浄を行います。

雨漏りを防ぎ、下地や目地材もしっかりと打ちましたので、高圧洗浄することで散水試験も兼ねることが可能となるのです。

雨漏りのある建物の場合、補修工事を行ってから高圧洗浄をすることで、散水試験を兼ねることができます。
といっても、この散水試験だけで雨漏りが止まったと言えるわけではないのです。
なぜ散水試験だけではだめなのか、雨漏りを根治させることの難しさについてもお話しいたします。

 

高圧洗浄を行う理由について

高圧洗浄を行う際に、散水試験を兼ねることについてはお話しいたしました。
それ以外に、高圧洗浄をおこなう最大の理由は、塗料が密着しやすいように壁面や屋根についた汚れを取り除くことです。

また、補修する際にでた余分な補修材などもしっかりと落とします。

(塗装箇所ではありませんが…洗浄のついでに、カーポートや階段部分にかかっている屋根のアクリル板も洗うことも。しかし、こちらの汚れは日光で焼け残ってしまっているため洗っても落ちないことが多いです。)


また屋根上など高圧洗浄で落としにくい汚れは、薬品を使って洗浄する場合も。

高架水槽、外壁、窓周りのシール部分、シャッターなど、すべてをしっかりと洗うことで塗装しやすくするのです。

 

さらに高圧洗浄する際には、建物の下から順に水をかけるよう気をつけなければなりません。
これは散水試験を兼ねている場合に大きな意味を持つのですが、上から一気に水をかけてしまうとどこから雨漏りしているかが分からなくなってしまいます。
雨漏り箇所が屋根か外壁かを見分けるためにも、下から順番に洗っていくことが重要なのです。

〔関連記事:マンション大規模改修の高圧洗浄〕

マンション大規模改修で高圧洗浄

雨漏り補修工事の難しさ

ここまで高圧洗浄時に散水試験を行うことをご説明いたしましたが、高圧洗浄時に漏れている箇所が無いからと言って『雨漏りが止まった』とは言えません。
というのも、雨漏りの原因箇所は、破損している箇所から単純に雨が入り込む場合と、台風などの風の吹き方で雨が入り込み雨漏りとなる場合もあるからです。
そのため、工事が終わってからも雨漏りの経過観察は続きます。

たまに、ネットの広告などで「雨漏りを100%止めます」と銘打っているのを目にします。
僕からしますと、これは非常に怖い広告です。
なぜなら、雨漏りを止めるためにたった1回の工事結果では、根治したとは言い切れません。

弊社で雨漏り補修を請け負った場合は、工事が終わり、ゲリラ豪雨や台風なども3〜4回ほどやり過ごし雨漏り症状がでないことで、なんとか雨漏り原因を塞ぐことができたと判断します。
どんな家でもそうですが、家が古くなっていくのを新しくすることはできませんし、雨漏りをして腐った箇所を乾燥することはできても、元の状態には戻りません。
だからこそ、長期で経過観察することが必要なのです。

また、雨漏りは補修工事をしていくと、ほつれが出てくることがあります。
水の出口を塞いでしまったが故に、水の行き場がなくなるなどして他の場所に不具合がでるのです。だからこそ僕は雨漏りの補修工事は切りきざんでつなぐ大手術ではなく、温存できる補修をできればと思います。

〔関連動画:雨漏りの悩みから解放された3度目の屋上防水〕

非破壊的措置をとることで、雨漏りを止めたいのです。
また雨漏り原因は様々ですので、僕は職人だけでなく建材のメーカーや商社にも話を聞きます。
そうして原因などを追求して考え抜くことで、なんとか雨漏りを根治へと導くことができるのです。

雨漏りを止めることがいかに大変かを知っているからこそ、「100%止めます」という言葉を怖く思います。
今回の雨漏り箇所も、工事中に散水試験も行っていますが経過を見ないことには止められたのか止められていないのかと言うことは分かりません。
それでも、そうした中で最良の工事をおこなうことで、お客様の希望に応えていきたいのです。

 

お客様のご希望に応えるために塗装職人ができること

今回、補修工事を行う際に、壁にツバメの巣がありました。


オーナー様から「ツバメの巣は縁起物だから、巣立ってから壊して欲しい」とリクエストがあり、ぎりぎりまで様子を見ることに。
結果としては、なんとか高圧洗浄前に巣立ちが間に合い事なきを得たのです。

もちろん、ぎりぎりまで他の作業を進めるタイミングを見ていましたが、最終的に工事が止まることになっていたら、お客様に最終的な判断をお願いしたかと思います。
工事が伸びれば、その分だけ人工代などがかかり、しいてはお客様の負担となるからです。
工事は、その時折でお客様に判断していただくことが多くあります。

私たちは決して工事の方法を押しつけることや、勝手な工事をして法外な値段をふっかけるということはしません。

今回も、パルハンマーで検査の結果、見積もりよりは多い破損箇所があり、お客様に修復するところ、今回は後回しにするところなどを選んで頂きました。
そうした判断をする際にも、寄り添い丁寧な提案をするのが我々塗装職人の役目です。

本番工事前の塗装準備ではありますが、ただの下地調整や高圧洗浄であっても、お客様の家に合った工事を完成させるために、さまざまなご提案ができるよう、これからも工事に取り組んで行ければと思います。

〔関連動画:こちらの現場の工事全工程〕