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駅前テナントビルの大規模改修工事①外壁とタイル補修

By 2023年9月12日4月 8th, 2024コンクリート, タイル, 足場, 防水担当の日誌

以前、施工させて頂いた某駅前にある5階建てのテナントビルの大規模改修工事のをご紹介します。

このビルは商店街の入り口にあり、建物の裏手には何本もの線路に電車が走っています。

 

工事のきっかけですが、工事5年前に屋上防水の見積リ依頼を受けて見積もりさせてもらいましたが、結局、他社が工事をすることになりました。

ところが施工の状態があまりよろしくなく施主様も不満だったそうです。

そんなことから、今回は建物全体をやりたいので見積もってくださいと依頼が来たので見積りをさせてもらい、工事を担当することになりました。

施主様は工事が待ちきれないのか、見積書よりも先に工事のスケジュール表を出してほしいと言われてびっくりしました。

建物は築29年になります。

屋上は5年前に防水工事をやったにしてはあまりよろしくない感じでした。

目地とか、ちゃんとやっていないような現状でした。劣化箇所が多数ありました。

また、下地と防水層の間の湿気の逃げ場が見当たらないので、逃げ場を作ることを考え、通気緩衝工法で工事をすることを施主に提案しました。

外壁はRCでした。外壁劣化診断調査を行い、タイルの浮き、タイルクラック欠損補修、塗装面の爆裂、欠損補修など細かくチェックしました。

概算時でタイルの浮きは補修は260枚、タイルの張り替えは240枚、爆裂の補修は50か所となりました。

シーリング工事はタイル面、サッシ廻りなどに行いました。

塗装はタイルが貼られていない外壁面と内壁に行いました。

 

工事は一階のエレベーター前にあるテラス屋根のアクリル板を外すところから始まりました。

この作業は足場を立てる時に部材が屋根の間に通せないため、アクリル板を外す必要があったのです。

1メートル以上あるアクリル板がテラスに5枚取り付けられています。

それを一枚一枚外していきました。

アクリル板は破損させぬように丁寧に外して保管場所に運ばれて、工事終了まで大事に保管されます。

 

その翌日、足場の設置が行われました。

駅前にあるため、一日中、歩行者の往来が途絶えません。ビルの前が道路が抜け道に使われているようで車の通行も一日中途絶えません。

ビルは1階から3階までテナントが入り、工事中も営業します。

そのような条件から、足場設置時にはガードマンを立て、交通誘導を行い、歩行者やビル利用者の安全確保に勤めました。

 

足場は10人のとび職人によって行われました。一騎当千の職人たちにより、足場が着々と組み立てられました。

建物は正面1階が店舗、お隣との間は狭く、足場の越境は確実、建物裏手の境界も狭く、あまり条件がいい場所とはいえませんでした。

 

しかし、事前に施主と打ち合わせして、きちんと近隣挨拶をしていたことから、

足場が越境する両隣共、親切にご協力いただき、気さくに植木やプランターを移動してくださいました。感謝でした。

特にトラブルもなく、着々と足場を設置することが出来ました。

 

関連動画 このビルのアクリル板取り外しと足場

足場設置は2日間掛かりました。2日目はあいにくなことに朝から雨でした。

雨の中でもとび職人たちは淡々と安全に配慮をして足場の設置を行いました。

 

このビルの最上階は斜壁でした。斜壁は構造上、通常の外壁よりも多少、足場が組みにくいです。

雨の中の斜壁での足場設置となりましたが、順調に作業が進み、飛散防止のメッシャが足場全体にかけられ、昼過ぎには足場設置を完了しました。

(工事の時点ではハーネスが義務化される前でしたので、一部の職人しか装着していませんでしたが、現在はハーネスの装着は必携にしています。)

 

足場設置完了後、最初の作業は防水職人による、タイルの打音検査です。

打診棒を使い、タイルの表面をたたき、タイルの剥離の状態を調べます。

音の違いだけで剥離を判断する、大変技術のいる作業です。

 

関連動画 タイル打音検査

外壁補修はピンニング工法で行いました。

工法はまず、浮きが生じたコンクリート躯体にドリルで穿孔します。

そして、孔内を清掃して、エポキシ樹脂を充填します。

複数個所の充填で広域範囲の施工が出来ます。

ステンレスアンカーピンを挿入します。

これによって穿孔穴と剥離した空隙部が固着します。

タイルの張り替えは既存の不良タイルをディスクグラインダーとはつり機(ハンマードリル)を使ってタイルを剥がします。

そして、タイル用接着剤 タイルワンを外壁とタイルにタイルワンを塗布して貼り付けていきます。

貼付け後、タイルを叩くことによって隙間がなくなり、密着します。

連結したタイルで複数枚をまとめて貼ることもできます。

タイルは現状と同じものが無いので、タイルを焼いてくれる窯元に近似のものを作成してもらいました。

 

関連動画 タイルの張り替えとエポキシ樹脂の充填

爆裂補修は、脆弱部を除去します。

樹脂モルタルで成形して爆裂や欠損部を補修していきます。

乾燥したら塗装で仕上げます。

 

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外壁改修

ここまで、大規模改修の外壁補修とタイル補修のことでした。

次回は塗装工事と屋上防水のことについてご紹介します。

塗装職人では多くの大規模改修を手掛けております。

大規模改修工事をお考えの方がございましたらお気軽にご相談下さい。