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ウレタン

モルタル下地面からのバルコニーウレタン防水

By ウレタン, ベランダ, 下地補修

一般的な改修工事では、塗装と防水、二つの業者が同時に作業を行うことはありません。防水工事が終わったら塗装、もしくは塗装が終わったら防水とどちらか1つ終わらせた後に作業をするのが一般的な改修工事の流れです。

世田谷の改修工事の続きです。外壁塗装が終わったので、バルコニーのウレタン防水工事と建物正面のパネル面のシールの打ち替え工事を始めていきます。

ウレタン防水工事をする前のバルコニー

 

まずはケレン作業からです。ケレンとはキレイな被装面を作る作業のこと。防水工事では皮すきという道具、もしくはスクレーパーを使うことが多いです。

「皮すき」。ケレンだけでなく様々な場面で使われる万能道具

 

 

被装面というと、難しい作業のように感じるかもしれませんが、あまり難しいものではありません。皮すきでバルコニーの土間など、ウレタンを塗布する箇所の突起物やザラつきを削ればいいだけです。実際にケレンしている動画になります。ケレンが終わったらバルコニー内全体を掃除し、ゴミや埃を取り除いていきます。

今回はブロアーでゴミを寄せた後、ホウキを使いました。ケレン・清掃が終わったらプライマーを塗っていきます。使うのはサラセーヌのPです。

ウレタン防水で使用するプライマー「サラセーヌP」

 

屋上の防水工事と同様、狭いところや仕上がった塗装付近などのダメ込みをしていきます。ローラーではどうしても壁の仕上げられた塗装に触れてしまうため、あえて刷毛を使っています。

刷毛を使用したサラセーヌPのダメ込み

 

全体のダメ込みが終わったら、今度はローラーを使い土間全体にサラセーヌPを塗り込んでいきます。ローラーを勢いよく転がすと材料が飛散してしまい、周りを汚してしまうので静かに転がして塗っていきます。

土間にはローラーを使いサラセーヌPを塗り込んでいく

 

次はウレタンの1層目を流していきます。今回も使うのはサラセーヌKです。

平場用ウレタン「サラセーヌK」

 

二つの材料を合わせて攪拌します。ウレタンを攪拌する前に、缶の内側についている硬化剤をシンナーで洗い流しておきます。あまり意味のないことのように感じるかもしれませんが、これをしておかないとウレタンの硬化不良が起きやすくなってしまうため洗浄は必要な作業です。

缶内側の材料をシンナーで洗浄し硬化不良を防ぐ

 

材料の攪拌が終わったらバルコニーにウレタンを流していきます。狭く作業しづらいため、今回はローラーと刷毛を使い仕上げていきます。

サラセーヌKを使ったバルコニーのウレタン1層目

 

流したウレタンを踏んでしまわないよう、ダメ込みをしながらウレタンを流していきます。

刷毛を使ったダメ込み

 

バルコニーにウレタンを流した後の様子です。硬化させた後、もう1度ウレタンを流します。

ウレタン1層目完了

 

バルコニーが1つあるため、これらの作業を繰り返して同じように仕上げていきます。まずは皮すきでケレンし…

ケレン作業

 

掃除し埃を取り除きます。

清掃

 

プライマーをダメ込んで…

プライマーダメ込み

 

ローラーで全体を塗り込む。

プライマー塗布

 

そしてプライマーを乾燥させた後、ウレタンを流す。これがウレタン防水工事の一連の流れとなります。屋上では通気緩衝のためにシートを貼ったり、メッシュクロスを貼る作業もありましたが、掃除した後にプライマーを入れてウレタン、これが基本的な流れです。

2階バルコニーのウレタン防水工事

 

この日はシールの打ち替えと平行し作業していました。バルコニーのプライマーを乾燥させている間にシール工事、乾燥したらウレタン防水、といった具合に作業を進めたため、ウレタンの1層目が終わった頃にはキリの良い時間となっていました。写真は劣化した既存シールの撤去のものです。

撹拌機をシンナーで洗浄しているところの写真です。洗い終わった後、ネタ場を片づけてこの日の作業は終了となりました。

 

ウレタン防水・施工後

ウレタン屋上防水の最終工程はトップコートで完成

By ウレタン

2層目のウレタンを流し、再び1日開けての作業となります。
今日はウレタン防水最後の工程であるトップコートを塗る作業となります。
トップコートを塗る前の屋上の様子です。
本日の世田谷も晴天です。
1層目のウレタン同様、1日置いたことで2層目のウレタンもしっかりと硬化していました。

トップコート塗布 施工前

トップコート塗布 施工前

 

1層目のウレタンを流した時と同じように、まずは速乾性に優れたオートンのクイックを使いウレタンの補修から行っていきます。

写真に写っているのは、トップライトの止め金具の上からシール材を充填した時のものです。少し分かりづらいですが、止め金物のネジの頭がうっすらと見えている状況です。

このような出っ張りがある箇所はウレタンの傷が付きやすく、ウレタンそのものが破れたり千切れたりすることがあるので、シール材でさらに厚みを付けて補強する必要があります。

ウレタン補修

ウレタン補修

 

一通り見て回り、補修を済ませたらトップコートを塗り込んでいきます。

写真に写っているのは実際に使用したトップコートです。サラセーヌのTと呼ばれる材料です。サラセーヌのトップコートには、他にサラセーヌTフッ素と呼ばれる材料もありますが、今回はこちらの材料を使用します。

これも立ち上がり材や、サラセーヌKと同様、2液性の材料のため合わせて攪拌する必要があります。

今回使用するサラセーヌのトップコート「サラセーヌT」

今回使用するサラセーヌのトップコート「サラセーヌT」

 

本来であれば、計りを使い決められた比率で必要な量のトップコートを作りますが、今回は材料すべて使い切っても足りないと分かっているため、缶を切って1缶丸ごと合わせています。

切った缶同士を重ねて材料を合わせる

切った缶同士を重ねて材料を合わせる

 

合わせた材料を攪拌します。

トップコートはとても揮発の早い材料です。ウレタンのようにガチガチに硬化してしまうということはありませんが、あまり時間を置くと表面に膜を張ってしまうこともあります。

今は冬の時期なのでそこまで極端に早く膜ができることはありませんが、なるべく早く使い切る方が良いです。

ウレタン材料の攪拌

ウレタン材料の攪拌

 

トップコートもこれまでと同様、まずは大きなローラーが入らないような細かいところから塗っていきます。この作業のことをダメ込みといいます。

まずはトップライトの枠から、刷毛とローラーを使い作業していきます。これが終わったら周囲の立ち上がりのダメ込みです。

トップライト枠 サラセーヌT塗布

トップライト枠 サラセーヌT塗布

 

パラペット付近アルミ笠木と土間の間隔が狭いため刷毛のみで仕上げています。ここの立ち上がりのトップコートはダメ込みがそのまま仕上げとなります。

立ち上がり サラセーヌT塗布

立ち上がり サラセーヌT塗布

 

立ち上がりにサラセーヌTを入れたら、土間にもローラー一本分ダメ込みを入れておきます。ローラーを勢いよく転がすとトップコートが飛散してしまうため、静かに転がします。

土間 トップコートダメ込み

土間 トップコートダメ込み

 

周囲の立ち上がりと土間のダメ込みが終わったら本格的に土間へサラセーヌTを塗っていきます。

トップコートを塗る際、あると便利な道具がこちらの2点です。棒のものは「長柄」という道具で、もう一つは台車です。

長柄は先端にローラーを取り付けられるように作られているため、これがあると腰を曲げてローラーを転がす必要がなくなります。
台車は材料の入った缶を乗せておけば、缶を手に持って作業しなくて良くなるためあると便利です。

土間のトップコート塗り込みであると便利な道具

土間のトップコート塗り込みであると便利な道具

 

長柄と台車を実際に使いながら作業している様子です。屈むことなく作業できるため、ウレタンを流すのに比べると労力が格段に減ります。

また、ローラーはプライマーを塗った時のものよりも大きなものを使っています。ローラーの玉が大きければ、それだけ塗れる面積も大きくなるのでこちらも労力を半減させることができます。

動画で見て分かる通り、土間にサラセーヌTを塗っているところですが一定の間隔で同じ方向にローラーを転がして塗っていきます。
こうすることでキレイに仕上げることができます。

 

最後はこれまでと同様、踏んでしまわないよう笠木に乗って仕上げます。

トップを全面に塗ればウレタン防水工事は完了です。

ウレタン防水・施工後

ウレタン防水・施工後

 

こちらはトップコートを塗布して後日、雨が降った後の世田谷ビジネススクエアを背にした屋上です。

 

逆側からみた屋上。

 

防水工事前はこのような状態でした。

 

砂埃も加わってモルタル面がザラザラと荒れている状態でした。

 

下地からの湿気を逃がす脱気筒です。

 

平場と立ち上がりの笠木の隙間もきっちりウレタンで防水されています。

 

雨漏り原因の一つだったトップライト廻りも修復して仕上がりも良いと思います。

 

他に外壁タイルや塗装などもありますが、それはまた別にご報告いたします。

 

【すべての工程の説明をした完工後までのページはこちらにあります。一気に見たい方はどうぞご覧ください。】

雨漏りしていた屋上がウレタン防水で雨水をはじく完全防水の屋上へ

 

 

屋上ウレタン塗布の「流し手」と「ネタ屋」の防水職人の連携

By ウレタン, 屋上防水

本日も世田谷にある鉄筋コンクリート造建物の屋上防水の続きで、メインはウレタンの2層目となります。

寒さが続き、ウレタンの硬化が悪いため1日開けてからの施工となります。

1日開けたことで無事にウレタンも硬化していました。今日は屋上全体にウレタン2層目を入れる作業となります。

まずは補修作業からとなります。これは硬化したウレタンにゴミが埋まっていたりするものを、予めそれを取り除き速乾性のシールで埋めるといった作業になります。

今回も時間短縮のため、オートンのクイックを使いました。

オートンのクイックを使ったウレタン補修

 

まずは枠と周囲の立ち上がりのウレタン2層目から塗布していきます。先日と同じように、ここは立ち上がり材とサラセーヌKをブレンドした材料を使用します。

立ち上がり、枠用に作ったブレンドしたウレタン

 

トップライトの枠にウレタンの2層目を入れます。この枠や、立ち上がりなど床に対して垂直になっている箇所では立ち上がり材、もしくは平場材をブレンドしたウレタンをゴムベラで仕上げるのが一般的です。

2層目を塗布したトップライトの枠

 

この現場の立ち上がりのように、幅の狭い箇所を仕上げる時には、ゴムベラを使うことができないため刷毛を使いウレタンを塗り込みます。

立ち上がり ウレタン2層目

 

防波堤となる養生は今日も使えないため、ウレタン1層目の時と同じように樋付近にブレンドしたウレタンを塗り付けていきます。

1層目も同じやり方ですが、樋の中にウレタンが流れ込んでいないことが写真からも分かります。

樋付近のウレタン塗布

 

今日は2人での作業です。1人が時計回りに、もう1人が半時計周りにと作業することで効率を上げています。

これは短時間で終わらせることができることが前提でのやり方となります。この現場以上に広い現場であれば、各自の作業より2人で作業した方が良い場合もあるので、その時の状況に合わせて作業することが大切です。

2人作業で効率アップ

 

両者がかち合い、樋付近のウレタン塗布が終わるところです。

大規模な現場だと、1人がウレタンを付け、もう一人が刷毛や小手を使い仕上げるというやり方の方が効率的ですが、現場によっては1人ずつ作業した方が早く終わります。

作業員が複数居る時は、その状況に合わせて作業

 

今日は2人作業なので、1人がウレタンを流しもう1人が材料の攪拌を担当することになりました。ウレタンを流す人を「流し手」といい、攪拌する人のことを「ネタ屋」と呼びます。

3人以上いる場合は「運び屋」と呼ばれる、攪拌した材料を流し手に運ぶ人もいますが、2人の場合だとネタ屋の人が運び屋をやることが多いです。

材料の攪拌

 

混ぜる前のサラセーヌKの写真です。既にアメと硬化剤が合わさった状態のものです。表面の水のようなものはシンナーです。シンナーでウレタンを希釈し、流しやすくしています。

攪拌前の平場材

 

平場材を攪拌しているところです。硬化不良が起きないようしっかりと攪拌します。

 

 

ネタ屋担当が新しい材料を運んできて、使い終わった缶を回収しているところです。缶の淵に付いたウレタンが垂れないよう、ゴムベラで削いでから運んでいきます。

ネタ屋が新しい材料を運ぶと同時に、使い終わった缶を回収

 

最後の缶を受け取ったネタ屋は、流し手が仕上げている間ネタ場の片づけをすることが多いです。これは撹拌機を洗浄しているところになります。

流し手が仕上げている間、ネタ屋は片づけに入る

 

作業が終わったら使っていた道具もシンナーで洗いキレイにします。これは小手を洗っているところになります。

作業終了後の片づけ

 

1人が洗っている間、もう1人の人は使わない缶を潰しています。大規模の現場だと、缶潰しは最終日付近で一気にやることが多いです。

使わなくなった缶を潰す

 

缶潰しが終わった後の様子です。ひとまとめにされたことで、散らかっている印象はあまり感じないのではないでしょうか?

ウレタンの2層目が終わったので、再度1日開けての作業となります。次回はウレタン防水の仕上げであるトップコートの塗布の作業です。

潰され、ひとまとめにされた缶

 

【すべての工程の説明をした完工後までのページはこちらにあります。一気に見たい方はどうぞご覧ください。】

雨漏りしていた屋上がウレタン防水で雨水をはじく完全防水の屋上へ

 

防水材サラセーヌの平場用と立ち上がり用でウレタンの一層目

By ウレタン, 屋上防水

先日の防水工事の後、出来上がったトップライトの枠が設置しました。

今日はこの枠周りの防水と、土間のウレタン1層目がメインの施工となります。

新たに設置されたトップライトの枠

 

新たに設置された枠の下の箇所に隙間があるため、ここにシールを打ち込む必要があるためネジと金物を一旦取り外しておきます。

ウレタン防水施工のため、ネジと金物を一旦外す

 

枠とアルミ笠木下の立ち上がりには立ち上がり用のウレタンを使用します。仕様する材料はサラセーヌのものです。いつもは写真に写っている、丸いフタを開けて必要な量を分けていますが、残りの量が少ないため缶を切っています。

実際に使用するサラセーヌの立ち上がり用ウレタン

 

サラセーヌの平場材です。こちらは土間などに使うウレタンとなります。立ち上がり材に平場材を混ぜて使うことで、小手や刷毛のムラを消すことができるため、今回はブレンドした材料を使用しました。

「平場材」と呼ばれているサラセーヌのウレタン

 

実際に材料を合わせているところです。
主剤と呼ばれる材料は、お菓子の水飴と同じで温めると柔らかく、冷やすと硬くなります。この日はまだ2月下旬ということもあり外は寒く、主剤がとても硬く合わせるのにも時間がかかりました。

因みに見た目も水飴に似ていることから、職人たちはこれを「アメ」と呼んでいます。

攪拌する前の立ち上がり用ウレタン

 

実際に立ち上がり材を合わせ、攪拌する前のものです。
立ち上がり材に平場材を加えたものです。

立ち上がり材に平場材を合わせたもの

 

ブレンドした材料を実際に攪拌しているところです。周りにまだアメが残っているので、これがなくなるまで攪拌します。

 

枠が1つしかなく、あまり大きくないのでスケールを使わず、枠の幅に合わせてメッシュを裁断していきます。枠の幅に対し、両端共に5㎝以上余らせるように切っています。

メッシュの寸法切り

 

4面すべてにメッシュを貼り付けた後の写真です。ゴムベラを使い仕上げています。これを硬化させた後、さらにウレタンを2回塗り込みます。

メッシュ貼りが終わった枠

 

 

笠木下の立ち上がり1層目です。幅がとても狭く、ゴムベラが入らないため刷毛を使いウレタンを塗っています。

立ち上がりウレタン1層

 

立ち上がり1層と同時に、シートの端末メッシュ処理もしておきます。メッシュを押えるのにゴムベラを使いました。

端末メッシュ処理

 

寒さのせいでアメが硬いので、枠や立ち上がりのウレタン作業をしている間に平場のアメ缶を太陽の日に当てておき、平場材を合わせやすくしています。

太陽の熱でアメを温めておく

 

本来であれば、写真の立ち下がったところにガムテープを貼り、ウレタンが樋に流れないように防波堤を作るやり方が一般的です。
しかしこの現場は立ち下がったところにもウレタンを入れておく必要があるため、予め樋付近の土間にブレンドした材料を塗って厚みをつけておくやり方にしました。
こうすることで樋付近に規定量の平場材の塗布をしなくても良いようにしておき、樋にウレタンが流れてしまうことを防いでいます。

雨どい側にもブレンドした材料を塗っておく

 

ウレタン1層目です。樋付近はローラーを使い、少し離れたところから小手を使うようにすることで樋にウレタンが流れるのを防ぎつつ、しっかりウレタンの厚みが付くように作業しています。立ち上がりとトップライトの枠には立ち上がり材と平場材のブレンドしたウレタンを使いましたが、土間の1層目は平場材であるサラセーヌKのみのものです。

サラセーヌK 1層目塗布

 

流したウレタンを踏まないように作業し、最後はアルミ笠木の上に乗り仕上げました。

 

ウレタンを流し終わった後は、使用した缶を潰して終了です。

これはネタ場のスペースが取れなかったための処置で、広さがある場合は後日に行うことが多いです。
今日の作業はここまでとなります。まだ寒く、ウレタンの硬化に時間がかかるため、次は1日開けて2層目の作業となります。

 

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雨漏りしていた屋上がウレタン防水で雨水をはじく完全防水の屋上へ

 

 

屋上トップライトのシールと通気緩衝のシート貼り

By ウレタン, 屋上防水

トップライトの枠が完成すれば窓に合わせて設置することになりますが、この枠の下にも防水処理をしておく必要があります。今日はその処理からの作業となります。

トップライトの枠をはめ込む前の処理

 

まずは前日に塗らなかった箇所へプライマーを塗っていきます。このプライマーはウレタンだけでなく、この後に貼る通気緩衝のシート、シール材の接着剤なので施工する箇所には一通り塗ることになります。この屋上だと周りのアルミ笠木、中央にあるトップライト以外のすべての箇所に塗ることになります。

前日通り道として塗らなかった箇所へのプライマー塗布

 

枠をはめ込む前に、トップライト周りの金物にシールを充填します。一見問題無いように見えますが、トップライトの周りには僅かな隙間があり、雨が降ると雨漏りするためシールで防水をしておく必要があります。

充填しているのはオートンのクイックシールという材料です。これは通常のシールと比べ、速乾性に優れたもの。シールの硬化の時間を短縮したい場合、この材料を使うことが多いです。

トップライト周りのシール充填

 

シール材は充填するだけでは効果はありません。金ベラなどを使い、シール材を均してやることで初めて防水効果を得ることができます。今回は金ベラにバックアップ材を貼り付けた道具を使い均しました。一般的に馴染みのない道具ですが、シール工事では定番の道具となっています。

充填したシール材をヘラなどで均す

 

実際にシール材を均しているところです。かなり手早く均していますが、このような早さで均すにはそれなりの経験が無いとできません。

 

次はQVシートを貼っていきます。これは通気緩衝工法では必須と言えるシートで、このシートの下を建物から出る湿気の通り道にするためのものです。

幅、凡そ1mのシートを土間全体に貼り付けます。この時、シートが斜めにズレてしまったりするためきちんと真っ直ぐに貼れるように注意する必要があります。

QVシートは最初の1枚目を貼ったら2枚目以降はシートに合わせて貼っていくため、最初の1枚目がズレてしまうと全体もズレた仕上がりとなるため特に最初の1枚目の貼り出しには注意が必要です。

QVシートの貼り出し

 

2枚目のQVシートを貼り付けているところです。最初のシートがしっかりと真っ直ぐ貼ることができたので、2枚目もそれに合わせて貼り付けています。

QVシートを貼る時、いきなり貼り付けるのではなく一回シートを広げて曲がったりしていないか確認してから貼り付けるのが一般的な貼り方。写真は貼り付ける前の確認の段階のものです。しっかりと直線が出ていることから1枚目のシートが真っ直ぐに貼られたことが分かるのではないでしょうか?2枚目以降のシートもこれに合わせて貼り付けていきます。

真っ直ぐに貼られていくQVシート

 

通気緩衝のシートの貼り方は、メーカーによって若干の違いがあります。

今回使用したQVシートはサラセーヌ社のシート。このメーカーのシートの場合、シートの継ぎ目箇所を5㎝程重ねて貼る仕様となっています。

写真に写っているのは、5㎝重ねて貼ったシートの継ぎ目。メーカーによってはこの継ぎ目の箇所に、1~2mmの隙間を開けるものもありますが、土間が見えないことからシートがしっかりと重なっていることが分かります。

貼り付けたQVシートの継ぎ目

 

床一面にシートを貼ったら、転圧ローラーという道具を使いQVシートをしっかりと土間に接着させます。写真に写っている黒い道具が転圧ローラーです。

このローラーは5kg程度の重さがあるため、極端に力を入れなくても転がすだけでシートを密着させられる道具です。

転圧ローラー

転圧が終わったらシートの継ぎ目箇所にジョイントテープを貼り付けます。これはウレタンがQVシートの下に入らないようにするためのもの。継ぎ目のジョイントテープだけでなくシート端末部分にも、MBテープ100という端末用のシールを貼り付けます。

転圧後のジョイントテープ貼り

 

必要な箇所にテープを貼り終わったら脱気筒の設置です。

通気緩衝工法は、シートの下を湿気が通り、最終的に脱気筒から抜けていく…という仕組みになっています。そのため、ワザとシートの一部をカットし、湿気の抜け道を作っています。この穴の上に脱気筒を設置します。

脱気筒設置箇所のシート撤去

 

脱気筒に開けられている穴に合わせ、ドリルで穴あけをしてインパクトドライバーでネジ止めをします。

 

トップライトの枠の設置もあり、丁度キリのいいところということで本日の作業はここで終了となりました。明日からウレタンを使った作業です。

 

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雨漏りしていた屋上がウレタン防水で雨水をはじく完全防水の屋上へ

 

荒れた屋上を下地補修材にてコテで補修

By ウレタン, 屋上防水

世田谷で行っている改修工事の屋上防水です。

まずは荒れてしまっている保護モルタルの補修作業からとなります。写真は屋上の土間をアップで撮影したものです。モルタルの表面がザラついているのは、雨に打たれてモルタルが削れてしまっているから。まずはこの補修から始めて行く、という訳です。

 

早速作業を始めていきたいところですがウレタン防水だけでなく、どんな工事でも準備は必要です。ウレタンは1平米に流す量が決まっているので、スケールを使い屋上が何平米あるのかを予め計っておきます。

 

計測が終わったらまずは材料を作るためのネタ場の用意が必要となるので、ネタ場を作っていきます。写真は実際に準備したネタ場です。

 

ネタ場の準備も終わったので、早速モルタル補修…といきたいところですが、モルタル補修をするための準備も必要です。屋上中央に明かり取りのためのガラスがはめ込まれており、その周りにブチルテープが貼られていました。これは糊をタールで代用したもので、このままウレタンを流してしまうとこのタールがウレタンの硬化不良などを引き起こしてしまうため、まずはこのテープの撤去作業をする必要があります。スクレーパーという道具を使い、ブチルテープを撤去します。

トップライト周りのブチルテープの撤去

 

ブチルテープの撤去が終わったら、テープのゴミを掃除しキレイにしておきます。

テープ撤去後の清掃

トップライト周辺のブチルテープの処理だけでなく、屋上の周りを囲っているアルミ笠木の継ぎ目のシール材の撤去もしておきます。シール材が劣化し、完全に痩せてしまっていることが分かります。

劣化したアルミ笠木の継ぎ目のシール

 

カッターで切り込みを入れ、劣化したシール材を撤去します。

既存シールの撤去

 

これらの下準備を終えてようやく保護モルタルの補修です。今回使う材料がこちらの材料となります。ハイモルスーパー#10と書いてあるのがモルタルの原料。手前の白い容器の、NSハイフレックスHF-1000と書かれているものが接着剤の役割を果たす液体材料です。

下地補修で実際に使う下地材

 

これらと水を攪拌してモルタル補修をする材料を作ります。実際に材料を攪拌している様子です。ハイモルスーパー#10は攪拌前は粉の材料なので、動画のように柄杓を使うことで周囲に飛散しないようにしています。

 

材料が出来上がったら小手を使いモルタル補修を行っていきます。動画のように、小手を弧を描くように動かして、ザラついたモルタルの表面を埋めるようにして補修します。

 

モルタル補修の途中の写真です。奥に写っているところが最初に手を付け始めた箇所で、手前がその後に手を付けたところ。奥の下地材は日に照らされ、乾燥し始めている様子が分かります。

塗りたての下地材と、乾きかけている下地材

 

写真に写っていない、手前側が足場と屋上の出入り箇所です。手前側から作業を始めてしまうと、最後補修した上を歩くことになってしまうため、奥から手前と施工することで補修したモルタルの上を歩かなくても良いようにしています。屋上全面、補修が終わったので後は下地材が乾くのを待ちます。

下地補修が終わった直後の様子

 

下地材が乾いたらプライマーを塗り込んでいきます。塗ったプライマーはサラセーヌPという材料。本来であれば全面塗る必要がありますが、設置されているトップライトに枠をはめ込むため、枠を作る大工さんが通りやすく作業しやすいよう、通り道を作るように塗り込んでいます。枠も簡単に出来上がるものでもないため、本日の作業はここまでとなりました。

サラセーヌPの塗布

 

次の翌日の工程は通気緩衝シートを敷き詰めていきますので、またお伝えしていきます。

 

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雨漏りしていた屋上がウレタン防水で雨水をはじく完全防水の屋上へ

 

 

郵便局の屋上防水工事

By ウレタン, 屋上防水

初夏に郵便局の防水工事を行いました。
その工程を詳しく写真で解説いたします。

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20年振りとなる防水工事です。

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最初の工程は下地調整。

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既存防水シートと目地の撤去の様子。

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元の防水はアスファルト防水でした。

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劣化したアスファルトの撤去は非常に手間のかかる作業です。
手作業でアスファルトを削ぎ落とします。

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劣化の激しい場所を初めに樹脂モルタルで下地補修を行ないます。
目地シールを打つ前に一層目を入れておきます。

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樹脂モルタルが乾燥したら床目地にシーリング材を注入します。

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目地シールが乾いたら、再度樹脂モルタルを塗布、下地の劣化が少ないところは一度塗り、劣化の激しい場所は2度塗りになっています。

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樹脂モルタルが乾燥したら、通気緩衝シート用の接着剤を塗布します。

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そして、通気緩衝シートを敷きます。

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立上り部分には補強布を貼ります。

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通気緩衝シート用の目止め材を塗布します。

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まだ凸凹ですが、塗り回数を増やすことで平滑になっていきます。

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目止め材が乾燥したら、ウレタンの一層目を塗布します。

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ウレタンの2層目、下地に比べ非常に平滑になりました。
立上り部もウレタンが塗布されています。

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最後の工程、トップコートを塗布します。

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トップコートを塗ることによって、紫外線や大気、水分からウレタンを守ります。

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防水面が復活し、これでどんな雨や雪、台風がっあても、雨漏りはしません。

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ウレタン防水によって耐久性のある防水が完成しました。
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この施工方法はマンションなどでも行なわれています。
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この工事は動画でも御覧になれます。

ウレタン防水の通気緩衝工法 その2

By ウレタン, 屋上防水

現場は築30年ほど経過の鉄筋コンクリートの3階建てマンション屋上。
パラペット部分のウレタンを完成させトップコート。

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アンテナ架台もトップコートしていきます。

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ここでようやくウレタン一層目の塗布。

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アンテナ配線の収納ボックスを塗装。

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2層目も濃厚たっぷりに塗布することで、叩きつける大雨でも雨漏りの不安を一切払拭する、柔軟で肉厚のウレタン防水が出来上がっていきます。

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ローラーで全面に塗布していき、

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くし目型の道具で最適な量を平滑にウレタンを配り、そしてまたローラーで塗布していく繰り返しです。

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仕上げに緑色のトップコートを塗布。端に見えるのはステンレス製の「脱気筒」。下地から抜ける湿気を逃がしウレタンの膨れや浮きを防止してくれます。

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トップコートは強烈な紫外線から、ウレタン防水を保護し耐久性を伸ばしてくれます。

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熱い太陽光を遮って温度を下げる「遮熱性能」を持つ材料や、フッ素などの種類もあります。頻繁に歩行するベランダなどの場所には、滑り止めとしてゴムチップや珪砂を入れる工法もあります。

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天気にも恵まれて作業もはかどりました。

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このブログは「雨漏り完全防止。ピカピカ肉厚のウレタン屋上防水」の動画を抜粋しました。実際の施工風景をご覧になりたい方は動画をご視聴ださい。

アスファルト防水工事完了です

By ウレタン, 屋上防水

現在行っているマンション大規模修繕。
トーチ工法で行ったアスファルト屋上防水工事が完了しました。

これは最後の工程、職人がアスファルトにトップコートを塗装をしている様子です。

 

そして、完成した屋上防水の様子です。