
今回ご依頼があったのは、江戸川区にある築30年以上のALC造3階建て個人住宅です。
1階部分は旧店舗、2階、3階部分は住居、そして屋上がある建物となっています。

壁面は前面がタイル壁、側面と背面はALC壁。そして陸屋根と傾斜のあるアスファルトシングルの屋根がある建物でした。
こちらの建物にて、1ヶ月半に亘り塗装工事と防水工事を行いましたのでご説明したいと思います。

今回の現場は、タイル壁が深目地タイプで屋根が傾斜のきついアスファルトシングルという、あまり施工例のない防水塗装・塗装工事となりました。
こちらのブログでは全3回に分けて、タイル壁の補修・防水工事、屋上の防水工事、ALC外壁の塗装工事についてご紹介いたします。
まずは1回目として、深目地のタイル壁の補修・防水塗装工事についてご説明します。同じような外壁や屋根の建物にお住まいの方の参考になれば幸いです。
深目地のタイル壁の工事に手間と費用がかかる理由

深目地のタイル壁は、通常の防水塗装工事よりも手間と費用がかかります。
理由は、もともとの施工がタイルを立体的に仕上げているため、タイル表面と目地部分に段差があり凸凹しているからです。
防水塗装工事をするためには、この段差を埋める必要があります。
凸凹した壁面には、塗膜防水材を塗布することができず、どんなに丁寧に塗ったとしても隙間があき表面を覆うことができません。
そのため、この目地すべてをセメントで埋めて平らにしてから、防水塗装をする必要があります。
この目地を埋める作業に、通常のタイル壁よりも手間と費用がかかるのです。

こちらの建物は、上記の写真をみると分かるように、サッシ横のタイル壁に何枚ものタイルに渡ってクラックがありました。
(お客様によると、3.11の地震の際にクラックが大きくなったとのことです。)
そこで、クラックを補修し、その後『セブンS透明塗膜防水材(以下セブンS)』で5回塗りをして仕上げることとなりました。
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深目地のタイル壁の補修工事・防水塗装工事

タイル壁の下地はALCでした。ALCの壁の上にタイルを貼っています。
本来の正しい施工では、ALCの板と板のつなぎ目にシーリングを打ち、その上にタイルの目地が重なるようにし、さらにタイルの目地にもシーリングを打ちます。
こうすることで、タイル壁がALCの動きに合わせて柔軟に追従できるようになります。
しかし、このタイル壁では、ALCのつなぎ目をまたぐようにタイルが貼られていました。
そのため、地震の大きな衝撃でALCの板同士が動いたとき、その上のタイルが動きについていけず、広範囲にわたってクラックが入ってしまったのです。
このクラックによって、漏水も起こっていたため、今回は補修工事だけでなく防水工事もすることになりました。
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そこで、まずはクラック部分を避けながら、壁全体に目地材であるセメントを塗り込みます。
写真の青いコテは先端がゴムになっており、セメントを目地の中に押し込むことができます。
職人によっては、コテだけで無く絞り器などで目地にセメントを注入する場合もありますが、今回はコテの先端を上手く使って、隙間無く仕上げました。

目地材を満遍なく塗り込み終わったら、タイル面についているセメントをスポンジで拭き取ります。
この拭き取りは、タイミングが早いと目地を削ってしまうので、ちょうどよいタイミングを見極めるのが大切です。
セメントが乾かず、且つ目地が削れない程度に乾燥している状態を見極め、セメントが乾く前に拭き取ります。
1度では拭き取れないため、何回かに分けて余分なセメントを拭き取るのです。余分なセメントを取り除き、目地を埋め終えたら、次はクラック部分の補修と目地の埋め込みを行います。

クラック部分にテープで目印をつけ、コンクリートカッターをいれます。

その後、コンクリートカッターをいれたところに、斫り機で割れたタイルを剥がしました。

タイルを外し終えると、下地が凸凹しているのが分かります。

そこで、下地を平らに慣らすために下地調整を行いました。

下地調整を終えたら、その上からタイルを貼り、

その後貼り替えたタイルの目地もその他のタイル壁と同じくセメントで埋め込みます。
タイルの交換について前にも書きましたが、施工してから10年以上経つとロットが終了しているため、同じタイルを手に入れることはできません。そこで、色合いの近いものを選びます。今回は白いタイルでしたので、比較的似たものが用意できました。
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クラックの補修工事を終え、目地の埋め込みをし、タイル壁表面を均一にならしたところで、数日間セメントが乾くのを待ちます。今回は3日間乾燥させました。

セメントが乾いたら、タイル壁の表面全体を丁寧に薬品洗浄します。
塗膜防水材は透明なため、タイルに付いた黒ずみや雨だれ跡などをなるべく落としてから塗装したいからです。
意外ですが、雨水で付いた汚れにもかかわらず、タイル壁の雨だれ跡は水では落ちません。
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薬品洗浄後には、さらに高圧洗浄で水洗いを行います。
高圧洗浄が終わったら、そこから2日ほど乾燥のため日にちをおきます。

最後に下塗り材のセブンSシーラー、中塗り材のセブンS(3回塗り)、

最後にトップコートのセブンストップM#30を塗って、計5回塗りを行います。


こちらが今回使用した透明塗膜防水材です。
セブンSでタイル壁の上に膜厚をしっかりと付けることで、水の侵入や剥落の防止となります。
これで、タイル壁の補修工事と防水工事は完了です。
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深目地のタイル壁の再塗装は目地を埋めることから
今回は、深目地タイプのタイル壁で行う補修工事と防水塗装工事についてご紹介しました。
タイル壁を深目地で仕上げると、タイルが立体的になり非常にスタイリッシュな外壁になりますが、再塗装時には目地を埋める覚悟が必要です。
目地を埋めなければ防水塗装工事はできないため、新築時に深目地でタイル壁を施工する場合は、将来の再塗装で目地を埋める必要があることをあらかじめご認識ください。
再塗装時に防水処理を行えば、タイル壁の寿命を延ばすことができます。

ご自宅が、深目地のタイル壁の場合には今回の記事を参考にしてみてください。
