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築40年RC造屋上防水改修工事:X-2メッシュ工法による職人技(後編)

前編は屋上防水工事におけるウレタン防水の基礎知識、工程、注意点について解説しました。高圧洗浄や下地処理の重要性、そしてウレタン塗膜防水の様々な工法について見てきました。後編は、実際の防水工事における様々なトラブル事例と、その対策について見ていきます。ドレンの詰まり、防水層の剥がれ、そして施工不良による雨漏りなど、具体的な事例を通して、防水工事のポイントを解説していきます。

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築40年RC造屋上防水改修工事:X-2メッシュ工法による職人技(前編)

⑮立ち上がり 各所シーリング後補強クロス貼り付け

立ち上がり部分の各所にシーリング処理を施し、その後、補強クロスを貼り付けます。

シーリング材は、防水層の隙間を埋め、雨水の侵入を防ぐ役割があります1。また、補強クロスは、防水層のひび割れや剥がれを防止し、耐久性を高める効果があります。

⑯立ち上がり ウレタン塗布

立ち上がり部分にウレタン防水材を塗布します。笠木部分には、メッシュを意図的に垂れ下げます。

これは、仕上げ前にカットすることで、笠木下部にできるオダレ(塗料の垂れ)を一緒にカットすることができ、仕上がりが美しくなるためです。職人の裁量によって様々な方法がありますが、この一手間を加えることで、より美しい仕上がりを実現することができます。

⑰ウレタン二層目 

ウレタン防水材の2層目を塗布します。1層目と同様に、金鏝を使って均一な厚さになるように丁寧に塗布します。

2層にすることで、防水層の厚みを確保し、より高い防水性能を実現します。また、重ね塗りをすることで、防水層のピンホール(小さな穴)を防ぐ効果もあります。

⑱立ち上がり トップコート塗布

笠木のクロスをカットした後、トップコートを塗布します。トップコートは、防水層を紫外線や風雨から保護し、美観を保つ役割があります

⑲笠木 トップコート

笠木部分にトップコートを塗布し、仕上げを行います。細部まで丁寧に塗ることで、防水層全体の美観を向上させます。

⑳トップコート塗布 

最後に、トップコートを塗布します。トップコートは、ウレタン防水層を紫外線や風雨から保護し、耐久性を向上させる役割があります

9インチのローラーと長柄を使い、立ち上がり部分をスモールローラーで丁寧に塗布します。トップコートを塗布することで、防水層の美観を保ち、長期にわたり保護することができます。

㉑臭気筒 

ちなみに臭気筒の下地調整を行います。脆弱な部分を丁寧に撤去します。

臭気筒は、屋根裏の空気を排出する重要な役割を担っており、その周囲の防水処理も丁寧に行う必要があります。

㉒臭気筒 補強クロス

臭気筒に補強クロスをタコ足状にカットして貼り付けます。

これにより、防水層の耐久性を向上させ、雨水の侵入を効果的に防ぐことができます。

㉓臭気筒 トップコート塗布

臭気筒にトップコートを塗布し、仕上げを行います。

トップコートは、防水層を紫外線や風雨から保護し、美観を保つ役割があります。

㉔施工後

全ての工程が完了しました。新しく生まれ変わった屋上は、美しい仕上がりで、防水性能も大幅に向上しました。今回の工事では、X-2メッシュ工法を採用し、通気緩衝シートを使用することで、既存の防水層の弱点を補強し、長期的な防水性能を実現しました。

今回のブログでは、築40年のRC造屋上の防水改修工事の様子を、写真と共に詳細に解説しました。

今回の工事では、既存防水層の撤去から始まり、下地処理、プライマー塗布、緩衝シート設置、ウレタン防水材の塗布、トップコート塗布、そして各所シーリング処理まで、全ての工程を丁寧に行いました。

今回の工事を通して、防水工事は、単に防水材を塗るだけでなく、建物の構造、既存防水層、下地の状態、そして天候などを総合的に考慮し、最適な工法と材料を選定することが重要だと改めて感じました。

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