Skip to main content

肉厚シーリングで雨漏りを防ぐ

By 2013年11月13日1月 15th, 2023防水担当の日誌

ALC(軽量気泡コンクリート、または発砲コンクリート)外壁のマンションにてシーリング(コーキング)工事。こちらのマンションでは、ALCパネルの継ぎ目や窓枠周り、ベランダ内の目地をシーリングすることにより、雨水や隙間風の浸入を防ぎました。雨漏り、隙間風をきっちり予防するためには、剥離しにくい肉厚なシーリングにすることが欠かせません。使用する材料によって仕上がりが大きく変化してくるため、適切な材料の選択が必要になります。

シーリング材には開封してすぐに打てる1液と撹拌の必要な2液の二種類ありますが、この場合はどちらを選ぶ方が良いでしょうか。
答えは1液です。1液は、ちょっとした必要箇所に充てんする際にはとても便利ですが、建物全体のシーリング打ち替えには向きません。2液はその点、1液と同価格でも使用できる量に大きな差があり、惜しみなくたっぷり打つことができるので、ボリュームのあるシーリングに仕上げることができます。注意点は十分な撹拌をしないと硬化不良になることです。撹拌機、さらにはヘラを使用して全体をしっかり混ぜ合わせてから使用します。

もう一つのポイントはノンブリードタイプです。シーリング材には可塑剤という、柔軟性をもたせるものが含まれていることがあり、この成分が塗装した面を侵してベタベタさせたり、変色させやすくしてしまうことも。これを防ぐために、その可塑剤が含まれていないノンブリードタイプを選びます。

最後に、シーリングの上から塗装する場合は密着性のよいウレタンを使用し、タイル地などの剥き出し面には紫外線による劣化が少ない変性シリコンを使用しました。
動画内のマンションは元々1階部分に雨漏りがあったため、隙間を完全に塞ぐシーリングを実施して雨漏りの再発を予防。ALCパネルの張りつけ面ごとに目地があるため、RC(鉄筋コンクリート)マンションに比べて施工箇所はとても多かったのですが、ひとつひとつに専門のシール職人がたっぷりとシーリング材を充てんして肉厚に仕上げました。