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雨漏りを防ぐバルコニーウレタン防水

By 2013年11月27日1月 15th, 2023防水担当の日誌

ALC(軽量気泡コンクリート)外壁マンションでのバルコニーウレタン防水です。職人は国家資格である一級防水施工技能士。
ウレタン防水にはいくつか種類があり、今回は通気緩衝シート(パンチシート)を使用する通気緩衝工法で行いました。

こちらのマンションは、外壁はもとより、1階バルコニーにもクラック(ひび割れ)があちこちに発生している状態。モルタル系の下地調整材でひび割れをしっかり補修して平らに仕上げます。クラックを防止する床の伸縮目地シールは劣化していたので、既存のシールを撤去後に2液タイプのシーリング(コーキング)材で肉厚に打ち替え。下地調整を丁寧に行い、ウレタン防水の性能を存分に発揮できる状態に整えておきます。

つぎに全体にプライマーを塗布して、下地とウレタンの密着度を高めます。入り隅などにはクロスと呼ばれるガーゼ状の布を貼って補強。このクロスにはガラス繊維などが織り込まれていて、下地が動いたり歪んだ際の衝撃を吸収。防水層への衝撃をやわらげて、ひび割れの発生を予防します。

床の全面には通気緩衝シートを貼ってジョイントテープで継ぎ目をなくしました。このシートは下地から発生する水分を逃して防水層が膨れることを防ぎ、またクロスと同様に下地の衝撃を緩和させます。

このあと、ウレタンを流し込んで防水層を形成します。立ち上りと平場(床)では、それぞれ専用のウレタンがあるので使い分けて施工です。一日しっかり乾燥させてからウレタンの2層目を流し込んで防水層は完成。この状態ですとピカピカに照りが出ている状態。ウレタンは紫外線に強くないので、トップコートで保護して劣化を抑制させました。床用のトップコートには微細なチップが含まれているので、滑り止めにもなります。

トップコートを塗布したので仕上がりは光沢が抑えられてマットな質感に。クラック補修と目地シールの打ち替え、下地調整を入念に行ってから防水をしたので、しっかりと雨漏り(漏水)を防いでくれることが期待できそうです。雨の跳ね返りから水が浸入しやすいサッシ下の細部もきっちり施工。