今回は、品川にあるマンションの屋上の防水塗装のメンテナンスについてご紹介します。
こちらは、不動産の管理会社からの依頼です。
前にも何度か不動産の管理会社を通じて依頼を受けており、これまでの工事にご満足いただき再度のご依頼でした。

お客様は屋上防水の再施工をご希望でしたが、現場調査したところまだ床の状態はそこまで傷んでいません。そこで、トップコートの塗り直しにて工事のご提案をし、ご快諾いただきました。
それでは、工事内容について詳しくお話いたします。
アスファルト防水の状態で決まる工事内容
今回工事するのは、品川区にある11階建てのマンション屋上です。
床全体はアスファルト防水、そして架台やパラペット部分にはウレタン防水が施してありました。
防水工事の依頼を受けて現場調査に伺ったところ、床全体が白っぽくなっているものの、劣化はそこまで進んでいない状態です。
この状態であれば部分的な補修工事とトップコートの塗り直しで済むと思い、お客様にアスファルト防水の部分補修+トップコート塗り直しと、架台やパラペットのウレタン防水工事をする方法でご提案をさせていただきました。
この提案によって、最初にご依頼があった防水工事のやり直しよりも、費用を抑えて工事が可能になったのです。
アスファルト防水の補修工事
それでは工事についてご説明いたします。

まずは、アスファルト防水シートの継ぎ目に、何カ所か破断がありましたので、その部分を補修いたします。
上記の写真で反射している線が、シートのつなぎ目にプライマーを塗布した状態です。

ここに、補強用のメッシュのクロスを貼ります。
この補強用のクロスは、ウレタン防水の工事の際、立ち上がり部分などに使うものと同じ素材ですが、補強用メッシュクロスは細かい補修に使えるように短く切ってあります。

破断した部分に補強用メッシュシートを貼り込み、防水材を染み込ませクロスを接着しました。
これで床部分の補修工事は終了です。
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パラペットの補修と再塗装工事
パラペットにも補強用のクロスを貼ります。 パラペット全体を覆い、パラペットから床側にクロスを少し垂らした状態にします。

その上から、プライマー、そして1回目のウレタン防水を塗りました。



その後、2回目のウレタン防水を塗布し、トップコートを塗ります。

最後に、垂らしたままにして塗布をしたクロスの端を、パラペットよりははみ出した状態でカットします。
カットをすると、クロスの先端部分が細かい氷柱みたいな状態に仕上がり、水切りの役目を果たします。
実は、このマンション屋上のパラペットですが、あご裏部分に溝がなく、水が回り込んでしまう状態でした。
そこで、水切りができるように、わざと補強クロスをパラペット部分からはみ出すようにして仕上げたのです。
あご裏に水切り用の溝があれば、クロスを垂らして水切りを作る必要はありません。
しかし、水切りがない場合には、このような細工をすることで、建物が傷むことを軽減できます。
今回は簡易的な水切りではありますが、再塗装するにあたって建物の状態に合わせて最適な方法で工事をいたしました。
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最後に立ち上がり部分にウレタン防水で塗装して終了です。
架台は、補強クロスなどは使用せず、ウレタン防水のみを塗布し、トップコートを重ね完成となります。
ここまでの工事で、大体3日ほどかかりました。
アスファルト防水のトップコート塗装
床面のアスファルト防水全体には、専用のトップコートを塗っていきます。

ウレタン防水の上にもトップコートを塗りますが、アスファルト防水の上に塗るトップコートとはまったく種類が違います。
その違いは密着性です。
アスファルト防水のトップコートはアスファルトに密着するように作られています。
元の建材に相性の良いものを塗装することが、塗装工事では重要です。

こちらは仕上がりの写真です。
架台の足下やパラペットの立ち上がり部分などは、金物でアスファルトのシートが固定されているので、境界ギリギリまで、ウレタン防水とアスファルト防水のトップコートで塗り分けました。
ちなみに、パラペットのあご裏はむき出しのコンクリートのままになっていて、塗装はしていません。
最後はオーナーさんも一緒に立ち会い、確認してくださいました。
早めの工事が建物を守り工事費用を安くする
品川のマンションは、最初は防水工事のやり直しをご希望でしたが、早めの工事依頼によって部分補修とトップコートの塗り直しで済みました。
もしお客様がおっしゃるように防水工事をやり直した場合は、元の防水層をすべて取り除き、絶縁処理をして防水層を重ねる工事となります。
また、こちらの屋上は配管や配線、架台などが多く、非常に複雑な作りでした。そのため、防水工事をやり直す場合には、手間も費用もかかります。
今回は、費用を抑えた提案ができたのでよかったのですが、過去にはその逆の依頼もありました。
お電話では「屋上防水のトップコートの塗り直しをしたい」とご依頼をいただいていたのに、実際建物を見てみると、メンテナンスをしていなかったことで屋上がボロボロの状態。それゆえ、防水工事のやり直しが必要な建物があるのです。
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そしてトップコートの塗り直し工事ができず防水の工事になると、お客様が予想していた工事費用よりも高くなります。
建物は、傷み方が進めば進むほど、補修や工事は大がかりなものとなるものです。
そのため、塗装職人では早めのメンテナンスをおすすめしています。
屋上の塗装がトップコートで済むのか、元からある防水層を剥がさなければならないのか、防水層を重ねられるのかは、現場調査してみないとわかりません。
屋上防水のことで悩んだ時は、塗装職人にご連絡ください。
弊社では、お客様の屋上の状態に合った工事内容をご提案させていただきます。
予算を抑えられるところは抑えて、長持ちさせ、丁寧な工事をします。
防水工事を長年行ってきたからこそ、状況に応じた工夫もできますので、一度ご連絡ください。
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