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塗料という液体を扱う塗装や防水は、形がない分薄めすぎで伸ばしたりと品質の差がとても大きい工事です。
せっかく高品質な塗料を選んでも、職人の扱い方によって外壁塗装の質自体が下がってしまっては本末転倒ですよね。
一級塗装技能士の職人が、最適な塗料をたっぷり濃厚に3度塗り
塗装職人では、一級塗装技能士がひび割れやチョーキングに対して最適な塗料を、たっぷり濃厚に3度塗りするので、耐久性と汚れにくい塗装をします。
国家資格の一級塗装技能士が主軸の施工
作業には一級塗装技能士を主軸に塗装していきます。
ちなみに一級塗装技能士を育成する、さらにワンランク上の塗装科の職業訓練指導員の職人が作業担当させていただくことも可能です。
資格だけで塗装の質を決めつけることはできませんが、元請け会社のゼネコンなどによる大規模修繕工事では、末端業者への予算がわずかほどになってしまう実情から、技術や経験数に乏しい職人も実は元請け会社の知らないところで作業していたりすることもあります。
その点でいえば、一級塗装技能士の作業はそうした不安を取り除いていただけるのではないかと思います。
居住者さまへの配慮
作業は高圧洗浄でカビや汚れなどを洗い落とした後、塗装作業に入ります。
そして塗料の飛びちりで、周りを汚さないための養生作業も、居住者さまに対して配慮する必要もでてきます。
特に外で洗濯物が干せないなど、長期間ベランダ側の窓が閉めっぱなしの状態でも良くありません。
大規模改修は工事期間が長くなりますが、他の工事の工程と複雑に絡み合って、居住者さまにご理解を頂きながらできるだけ生活の影響を最小限に留めた施工を致します。
さらに集合住宅には様々な事情の方が入居しておられます。においに敏感の方もいれば体質的な問題を抱えている方の影響を考え、安全性に配慮した水性塗料などの検討もお勧めしています。
外壁塗装
マンション修繕工事の塗装は、屋上などの防水と違って、入居者さまの玄関出入り、ベランダ等の洗濯や布団干しなど、生活に関わりのある作業が少なくないため、配慮をして施工をいたします。
鉄筋コンクリート打ちっぱなしの外壁塗装の5年目の経過状況
外壁塗装は防水とともにマンション修繕のメインになる工事です。最近は入居者の健康配慮のもと、水性塗料が多く使われています。
RC(鉄筋コンクリート)とALC(気泡コンクリート)では、工程の中の補修作業が異なってきます。
鉄筋コンクリートは、クラックから雨が入ることによって鉄筋が膨張する爆裂補修やモルタル浮きによるエポキシ樹脂注入をし、強固な下地に変えて塗装作業に入ります。ALCの場合は目地シーリング(コーキング)補修後塗装作業となります。
いずれも打音検査や目視によって補修を進めていきます。塗装自体は高圧洗浄によってきれいになった外壁に、できるだけ濃厚な塗料を正しく扱いながら、基本3度塗りによって一級塗装技能士を中心とした職人が塗装を仕上げていきます。
鉄筋コンクリート(RC)
躯体コンクリートの上から仕上げ層としてモルタルが塗布してあるので、モルタルの浮きやクラック処理などの外壁補修後、塗装にはいります。同じ鉄筋コンクリートでも下地の劣化状況で塗料も変えます。
クラックが少ない場合はシーラー、多い場合や挙動が予測される場合は弾性系統のフィラーやサフェーサーの下塗り塗料を使用してクラックの再発に備えます。
ただし仕上げに弾性系の塗料は、そうでない塗料に比べれば伸縮する分若干汚れに弱い部分があるので、クラック対策は中塗りまでに完璧にさせてから、仕上げまでは汚れやカビなどに強い塗料を中心に選んで塗装します。
ALC
ALCはRCのようにモルタルが塗布されているわけではなく、1枚1枚パネル状に組み立てられています。パネル壁面のクラックの発生はあまりありませんが、横目地や縦目地のシーリングからのひび割れを起こしていることがあるので、事前にシーリングの打ち替え等が必要です。
パネルを溶接で止めている金具からの爆裂や、外部からの衝撃にはもろく欠けやすい特徴があるのでその場合は専用の補修材やエポキシ樹脂モルタルで下地補修をしてから塗装に入ります。
横浜で施工した5階建て外壁ALCのマンション外壁塗装
RCよりシーリング部が多く塗膜との挙動の違いによって、割れを防ぐ意味でも、下塗りにはフィラーやサフェーサーなどが適しているでしょう。仕上げ塗料はRCと同じ条件で選択します。
コンクリート打ちっぱなし
打ちっぱなしは2種類塗装方法があります。
ひとつは、再度打ちっぱなしの風合いを生かす塗装。塗装には塗料を素材に吸収させるやり方と、素材の上に塗膜を張らせる普通の塗装がありますが、再度塗装で打ちっぱなしの風合いを生かすためには、塗料を素材に吸収させる方法をとります。
もうひとつは色をつけて打ちっぱなしとはかけ離れたイメージをはかる塗装です。
どちらも新築時に、汚れ防止のための撥水剤が施されていることがほとんどなので、塗装前に撥水剤の除去に努めなければ、塗料が弾いて密着力低下から来る塗膜はく離などを起こす原因となります。
下地調整としてサンドペーパーで外壁を良く研摩する必要があります。そのうえで2液性の溶剤シーラーを塗布して塗装をするようにします。
塗装ではありませんが、再度撥水剤を施す方法もあります。必要であれば打ち継ぎ目地のシール打ち替えやピーコンからの錆止め処理などを事前に行います。
タイル
陶磁器タイルも塗装が可能です。タイル専用の超低汚染形ターペン可溶2液形アクリルシリコン樹脂クリヤー塗料で塗装をします。
つやあり塗料で塗装すると光沢が蘇って新築同然のタイルの輝きを取り戻すことができます。カビや汚れが付きやすいタイル目地にも塗装ができるので、見た目の汚染対策にもなります。
タイルは生地仕上げと言って基本的に色を付けずにクリヤー塗装をするので、現状に汚れや雨垂れ汚染のような筋があれば、そのまま跡が出てしまうため、状況に応じて酸性洗浄剤を使用して汚れを落としておきます。
酸性洗浄剤を使用するにあたって周辺の作業環境の問題や酸性洗浄剤を使ってもきれいに落ち切れない場合は、色を付ける着色仕上げもできます。
外壁塗料
外壁塗料にはさまざまにとても多くの種類があります。ウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素塗料など・・
最近では「ラジカル制御型」という高性能な塗料も主流です。
価格的には1缶数千円の違いが多いので、工事総額から言えば塗料価格の違いが大きく影響するというのはあまりないと考えて良いでしょう。
集合住宅にはにおいや毒性も少ない水性塗料をお勧めしていますが、溶剤塗料も施工状況により使う場合もあります。
溶剤も1液成分形や2液成分形で区分けできますが、最近の改修工事の現場での外壁の場合は使用が少なくなってきています。
ただし鉄部の場合は溶剤塗料がまだ主流です。
分譲マンションやご自宅などと異なり、マンションオーナー様にとっては投資物件という意味合いの場合もあり、塗料の価格の中でも唯一とても高額になってしまうフッ素塗料や特殊な断熱塗料などは改修工事の対象になってくるという事例はほぼないです。
例えば1缶の塗料価格に対して2倍の価格差があったとしても、耐久性が2倍になるわけではなく「汚れやカビが付きにくい」「色褪せしにくい」などのような見た目の概念でとらえましょう。
マンションは「水性塗料」がおすすめ
マンションの場合は、ぜんそく持ちの人がいたり臭いに敏感な人がいますが、今の塗料は溶剤塗料でさえ人体への配慮されているものが多くなっています。
この体への影響度は、塗料缶やメーカー塗料カタログにも星印の数で表示されていて、一番悪影響がないものが星4つで「フォースター」といいます。当然体に悪い影響を及ぼすホルムアルデヒドの揮発が少ないとされていますので参考にしてください。
ただ溶剤の場合、フォースター(☆☆☆☆)の塗料でもにおいはします。臭いも気になるようであれば今は水性でも性能差はほぼ無いといわれています。水性は水分の蒸発、溶剤は有機溶剤が揮発して、最後に残る塗装膜は同じものだと塗料メーカーも言っています。実際には2液タイプの溶剤塗料は現場経験から肌で質が高いと感じることはありますが、入居者や性能バランスの都合を考えれば、水性塗料に落ち着くと思います。
耐久性とコストで考えるなら、シリコン塗料がおすすめ
シリコン、フッ素などの水性、溶剤色々あります。ミズタニの「水系ナノシリコン」や日本ペイントの「パーフェクトトップ」「水性オーデフレッシュⅢ」というものが良く使われています。塗料メーカーで有名、無名はありますが、明確な耐久の点でいえばどれが優れているというのはない印象です。
素材や状態に合わせた、適切な下塗り塗料選び
耐久性において、さらに重要になってくるのが下塗り塗料です。
コンクリートの爆裂やモルタル下地などの浮きを、国家資格の樹脂接着剤施工技能士がしかっり補修して、クラックが再発しずらく塗装もはがれない密着力ある下塗り材の選定が必要です。
クラックが気になるのであれば、フィラーやサフェーサーというドロドロとした厚みのつく下塗り塗料をつかいます。
雨だれ汚染のように汚れにくい塗料については、フッ素でもシリコンでも、たとえどんなに高価な塗料でも、ずっと汚れないということはないのですが、汚れが目立ちにくい色も考慮するようにして、シリコン塗料であれば光沢の保持期間も長い分、期待は裏切らないと思います。
塗装作業工程
足場組み立て
足場職人が足場を組みます。状況によって警察、役所への道路許可証や道路占用許可の取得やガードマンの配置、電線が近くにあれば電線カバーを覆って、安全に配慮し、特に人通りが多い面には十分に注意をしながら作業を進めます。
高圧洗浄
塗装の密着性の性能を高めるために、エンジン駆動式の150キロ圧の高圧ジェット水流で、外壁の長年こびりついた汚れやカビを洗い流します。
さらにベランダ内はもちろん網戸や通路、階段など、マンション一棟ごとをきれいにします。ベランダに置いてある入居者さまの物品の破損や紛失を防ぐために、あらかじめ洗浄のお知らせをします。屋上防水がある時は、屋上も同時に洗浄します。
外壁補修
塗装の密外壁補修は主にコンクリートやモルタルのクラックや浮きなどです。テストハンマーによる打音検査で判明した場所を下地補修します。国家資格・樹脂注入施工技能士を中心とした職人が爆裂やクラック補修をします。
養生
解放廊下や階段、扉やベランダのサッシ回りなど塗装をしない部分、または塗料の飛散によって汚れてしまう部分をシートやビニールますかーなどによって覆います。パーキングなど付近に駐車している車も専用カバーなどで覆います。
特に長期間に及ぶベランダ内のサッシ窓は、できるだけ入居者さまへの負担がないように工程を考慮して作業しています。
下塗り
下塗りには作業性に優れた「シーラー」、ひび割れに強い「フィラー」や「サフェーサー」など、外壁の傷みがクラックや爆裂なのか、汚れなのかの傷み状況によって、最適と思われる一流メーカー製の下塗り塗料を選択して下塗りしていきます。
中塗り
塗料はメーカーによって、非常にさまざまなものが存在します。これも厳選して使います。中塗りの役目は主に塗装に厚みをつけるためのものです。
上塗り
一番表層の塗装なので、汚れやカビなどに強固に対応する塗料で、さらにその性能を高めるために厚めに塗装をしていきます。 4回塗りになる塗装もありますが、通常外壁塗装はこの3層目になる仕上げ、つまり上塗りで完了となります。
いずれも薄めすぎのない塗料メーカーのマニュアルに準じた施工を心がけています。
清掃・チェック・足場解体
養生の撤去後、塗り残しや塗料の漏れなどの確認をしていきながら、清掃をします。
階段や扉などの鉄部がある場合は塗装します。足場を解体して完了となります。
鉄部塗装
マンションの鉄部では、非常に錆びが進行した外部の階段などを時々見かけます。
サビや腐食などが鉄部に発生すると、脆くなってしまい、安全面にも影響を与えてしまう可能性も高くなります。
鉄部のサビや腐食を予防するには、しっかりとした鉄部塗装が非常に重要です。
残念ながら穴があくほど腐食した鉄部の場合、腐食していない鉄部との塗装を比べると、塗装をしても再度さびが発生する可能性が高くなります。
柱表面などの平滑のような場所では問題は少ないですが、ササラという部分や踏み板や蹴込みといった部分などの接合部の隙間までは十分ケレンをすることができないことがあり、塗装後も錆び汁が発生する場合があります。
錆び汁が激しく予想される場所については雨水の侵入口と思われる部分にシール処理をすることと、できるだけ隙間の中に塗料をしみこませるような形でさびを防止することは可能です。
PS扉などの鉄扉は、チョーキングで塗装をブロックして剥離の原因とならないように、高圧洗浄と下地調整研磨の施工後塗装をします。
玄関ドアおよびドア枠などは入居者さまの不在時は作業ができないため、在宅確認の調整をしながら作業を進めていきます。
いずれも、下塗り塗料、仕上げ塗料は塗料メーカーの希釈率を守った塗料性能を高めた状態で、一級塗装技能士を中心とした職人が施工します。
作業工程
下地調整・サビ落とし
鉄部の塗装は、下地調整というケレン作業が、耐久性を伸ばす点ではもっとも重要です。
鉄扉などはサンドペーパーで、階段などのさび発生の場所には、ワイヤーブラシやワイヤーカップなどを取り付けたディスクサンダーを使用してさびや活膜以外の弱くなった旧塗膜を除去していきます。
下塗り・サビ止め
最も高性能な2液性のエポキシ系の溶剤さび止め塗料を基本に下塗りしていきます。
中塗り
塗料性能を発揮させるため、中塗りをします。
ただし、さびが発生していない鉄部の場合、あまり塗膜を厚くすると鉄部の膨張によって塗膜にひびが入り割れてしまうこともあります。
サビがなく塗膜が活きている場所については、中塗りをせずにを上塗りを厚めに塗装し、さびが発生している鉄は塗料が吸収するため、その分中塗りをさらに多めに重ね塗りするなどによって、鉄部全体の耐久性が伸びます。
本来は2種ケレンなどで旧塗膜を除去しますが、現実の作業現場では、予算が相当額かさんでしまうこともあるため、3種ケレンを行い重ね塗りによって耐久性をカバーします。
上塗り
溶剤にも、一液のものと2液のものがあります。耐久性を考慮するなら2液の溶剤シリコン塗料がおすすめです。
入居者さまへの影響も、大きな面積を塗る外壁の場合は、現在は水性が必須になっていますが、鉄部の場合はやはり溶剤系の塗料がいいでしょう。
塗装職人では、一流塗料メーカー製の「一液ファインシリコンセラUV」もしくは「ファインシリコンフレッシュ」をメインに使用しています。
溶接
穴が開くほど腐食した鉄部には、溶接で補強をした後塗装をします。
亜鉛メッキについて
鉄なのに何年間も錆びない鉄を見かけたことはありませんか?銀色が特色で階段にもよく使われています。
それは亜鉛メッキ加工された鉄です。溶融亜鉛メッキとも言いますが、解けた高温の亜鉛の中に鉄を浸食させたものです。ただの塗装ではないのでとてもさびに強いのです。
マンション新築時のときに元々亜鉛のどぶ付けがされた鉄で組み上げられた階段ならメンテナンスも極端に少なくてすみます。
その反面この亜鉛メッキされた鉄部の場合、数年暴露されている場合でしたらその上から塗装をする場合ほとんど問題ありませんが、よく調査してからでなければ剥離の危険性もあるため施工にもすこし注意が必要です。
また元々通常の塗装がされている鉄の場合には、その上からこの亜鉛メッキ塗装をすることはできません。
亜鉛による塗装はローバルという塗料が有名ですが、亜鉛は鉄と反応して強烈な防さび機能を発揮するため、塗装の上からではなくピカピカした鉄素地から塗らないと意味がないからです。
すべての塗装を除去するためには、サンドブラストなどの特殊なケレン作業が必要で、マンション修繕工事などの場合、現実には困難な施工です。
亜鉛メッキの鉄部への塗装をする場合も含め、事前にご相談いただけたらと思います。
鉄部溶接
マンションの中でも、一番ダメージが早く出てしまうのが階段や手すりなどの鉄部です。
特に重さがかかる鉄部階段に、穴などの腐食が見えるととても不安になるものです。
柱の中から腐食し始めることもあるので、見かけは大したことなくても実際に作業をし始めると、ボロボロと崩れて取れてしまうこともあります。
構造的に大部分を支えているH鋼の腐食は少ないですが、薄い鋼材であるCチャンネルなどは厚みが薄く腐食しやすい部材なので、溶接補強が必要な状況がたびたびあります。
腐食した場所はディスクサンダーでカットして、新しい鋼材を溶接し補強します。
アーク溶接? ガス溶接?
アーク溶接作業者の職人を軸に作業をします。
マンション改修の鉄部補強はアーク溶接がメインでガス溶接は使用しません。
正しい溶接補強
腐食しかかった強度が低下した部分に新しい部材を溶接しても、完全な補強とはなりません。腐食がないガッチリとした鉄に新しい鉄を溶接することで、強度が復元されます。
溶接とは、鉄と鉄を溶接棒によって溶かしてつなぎ合わせる作業です。
腐食して鉄が薄くなった部分に対しては、そもそも溶接しようとしても熱で穴が開くだけで溶接ができません。
弱くなった薄い部分はカットして、その部分は別に用意した鉄を溶接。
鉄は補強する部材の形に合わせるため、工場であらかじめ加工をして現場で溶接します。