コンクリートの巣穴や段差を調整する為のセメント系下地モルタル)が浮いた状態。
そのままの放置すると、剥落等の危険性も。
見た目ではわからないことも多いですが、 テストハンマーや打診棒などを外壁にあてながら転がして、打音によって判断します。

建物に加わる外力やクラック等からの水分の浸入等により、相互の付着力が低下し密着不良を起こしたものです。

押エポキシ樹脂点着を行うか浮きモルタル除去の後にエポキシ樹脂モルタル又は、セメント系下地調整材等で成型を行います。

①コンクリートとの接着不良(肌分れ)を生じたモルタル施工箇所を打検ハンマーで調査します。
②著しいモルタルの浮き箇所をラッカースプレーでマーキングし、場所、面積を図面に明示する。
この後、モルタル接着注入用エポキシ樹脂を注入しコンクリートと接着処理を行います。
尚、ステンレスピンを接着穴に挿入することにより強度を増す工法も多く見られます。
エポキシ樹脂注入工法
③浮き箇所を電動ドリル(φ5㎜)で㎡当たり9~16穴を目安(20~30mmピッチ)とし、コンクリートに達するまで注入孔をあけます。
④モルタル接着注入用エポキシ樹脂を注入しコンクリートと接着処理を行います。
アンカーピンニング工法
③ドリルで同じように穴を開け、エポキシ樹脂を注入する。
④エポキシ樹脂を注入後、ステンレスのピンを挿入する。
⑤注入孔は、エポキシ樹脂が流れ出ないようウエスを詰めエポキシ樹脂硬化後、ウエスを抜き取りセメントフィラーを充填します。
アンカーピンニングエポキシ樹脂注入工法
躯体コンクリートの約30ミリの深さに達するまで、振動の少ないドリルにて穴を開けます。
圧縮空気で穴の粉塵を掃除し、グリスポンプに空気を混入させないように混練したエポキシ樹脂を詰め、穴奥深くまで注入します。
エポキシ樹脂は、定評のあるコニシのE209Wをメインにセメダインのものを使用しています。
直径4ミリのsus304という規格のステンレス製の全ネジ加工をした丸棒ネジピンをエポキシ樹脂に絡ませて、壁表面から5ミリ程度へこませるように挿入します。
注入口付きアンカーピンニングエポキシ樹脂注入工法
通常のアンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法で使うピンと違い、くさび効果のあるピン自体を専用道具を用いてハンマーで打ち込み、注入口からエポキシ樹脂を注入します。
エポキシ樹脂の接着力と、コンクリート内部に打ち込まれた物理的なくさび効果のあるピンのふたつの効果で、より浮きに対する強度があります。
ただしハンマーで打ち込む際の衝撃によって、モルタルへの新たなクラックの発生などや破断などの悪影響のリスクがあるため、よほど広範囲に渡って浮部が見られない場合は、通常のアンカーピンニングエポキシ樹脂注入工法で行っています。
ポリマーセメントスラリー工法
ピンニング施工した後にポリマーセメントスラリーを注入する工法です。
ポリマーセメントスラリーは、その材料の性質から、モルタルとコンクリートの隙間全体に行き渡りやすくなりますが、その分材料自身の重みで隙間の下のほうにたまりやすくもあり、モルタルを膨らませてしまう原因やクラックからの流出の可能性もあるため、扱うにも制限が出てきます。
当社で施工する現場状況の必要性から当社では現在行っていません。

他の劣化症状と違い、モルタルの浮きなどは目視で確認できることは少ないため、テストハンマーで壁全面を打音検査しながら乾いた音で浮いている個所を調査診断し補修をしています。

グリスポンプを使用したアンカーピンニングエポキシ樹脂注入工法は、非常に接着力の強い2液型のエポキシ樹脂を、ドリルにて穴を開けた部分から注入した後、ネジ状加工されたステンレスピンを躯体コンクリートとモルタル層の隙間にて行き渡らせて強固に接着してモルタルの浮きや落下を防止します。

テストハンマーにて壁を均すようにして音で聞き分け浮部を診断する。
エポキシ樹脂は接着力と固定力を確実に発揮させるために、気泡が混入しないように正確に計量して十分に混練します。
穴の深さは正確に開け、丸棒4ミリのsus304のネジ加工のステンレス製のアンカーピンにエポキシ樹脂を塗布します。
エポキシ樹脂パテで凹凸なく平滑に仕上げられるように、ステンレスピンは壁面から5ミリ程度くぼむように、回すように挿入する。
アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法
現状以上に浮き面積の拡大をさせないためと、はく落を防止するために部分的エポキシ樹脂を注入する工法。
アンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法
通常通り、アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法をした後に、さらにテストハンマーにて残存浮き部を確認し、ピンを差し込まずにエポキシ樹脂のみを注入して、浮きの全面すべてに対し固定する工法。
打音検査した後、マーキングしていき、穴は振動のまわりに悪影響を与えないため、振動の少ない挿入するアンカーピンの直径より2ミリほど大きな径の電動ドリルで、深さ30ミリほどの穴を壁面に対して直角に開け圧縮空気にて粉塵を掃除します。





エポキシ樹脂は主に手動で混練りします。主剤と硬化剤で色が違うため、エポキシ樹脂の性能を高く発揮させるために色が統一になるためよく混練りします。
注入の際はコンクリート内部にエポキシ樹脂が十分に行き渡るように注入しないと効果が薄れてしまうため、空気の中間層を作らないように注入道具のグリスポンプに詰める際も、空気を混入させないように詰めることが重要です。
注入の際その内圧によって、モルタルが膨らむこともあるため、加減してエポキシ樹脂は25ccほど注入した後、全ネジタイプのステンレスピンをエポキシ樹脂に絡ませて注入孔にゆっくり回転させながら挿入します。
エポキシ樹脂が硬化しステンレスピンがくさびとなって、モルタルの浮きが防止できるのです。
ピンの挿入は平米あたりの面積によって基準がありますが、浮きの範囲がその現場によって様々なため、基準自体が適切でない場合が少なくありません。
私たちでは現場の浮きの劣化や状況判断によって決めて行くほうが重要と考え施工しています。



モルタルが広範囲に渡って浮いている場合、注入した個所とは別の穴からエポキシ樹脂があふれ出てきている状態。
エポキシ樹脂の硬化後はエポキシモルタル樹脂などで仕上げる。
硬化後はディスクサンダーなどで平滑に研磨して、壁面の塗装の模様に合わせるようにパターン付け塗装して完了。
その後塗装する。






屋上のパラペットや笠木は紫外線と雨によって劣化が早く進む場所です。
アンカーピンニングエポキシ樹脂注入工法で固定します。外壁と異なりモルタルの厚み現場によって大きく異なることがあるため、躯体に完全にアンカーピンが効果的に働くよう計測して穿孔します。
その後ウレタン防水密着工法を用いて完了です。






手すり天端の事例です。
アンカーピンニングエポキシ樹脂注入工法に加えて、クラックにもエポキシ樹脂を注入して均しています。








手すり天端の事例です。
アンカーピンニングエポキシ樹脂注入工法に加えて、クラックにもエポキシ樹脂を注入して均しています。















