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屋上防水

業者の工事品質が分かる 塗装防水工事の仕上げ検査

By ウレタン, 屋上防水, 防水担当の日誌

今回は工事完成後の検査と仕上げです。最後の検査は、僕が責任を持って行います。

実は、塗装業者で営業の人が最後の検査まで立ち会うことはそう多くはありません。

ほとんどの場合、営業ではなく現場の職人がおこないます。

 

そうなってしまうと、お客様のご要望を聞いたはずの人間は最後のチェックをしませんので、伝達不足などで工事の仕上がりに差異が出る場合も。

このブログでは、塗装の検査についてのポイントなどについてお話し致します。

なぜ最後の検査を営業の人間が行うのか

 

検査についてのお話をする前に、なぜ検査を営業である僕がすることに意味があるのか。それについてお話し致します。

僕が検査をするのは、全ての工程において何をすべきなのか、どう工事が仕上がるべきなのかを把握しているからです。

 

工事は、一人の職人が最初から最後まで作業するということはありません。

ほとんどの場合、複数の専門の職人が携わり、リレーのように工事をつないで完成します。

よくお客様から頂く質問で「来て頂く職人さんは、自社の社員ですか?」と聞かれることが……。「職人は自社社員ではありません」とお答えしますと、「丸投げをしている」と誤解されることがあります。

丸投げというのは、元請けが自分の会社では工事はせずにすべての工事を職人になげ、工事には関わらず利益を抜くようなことを言います。

しかし、弊社の場合は工事の計画を立てること、そしてその工事を実行するために適材適所となるように、弊社で厳選した職人を手配しますので、丸投げとは違うのです。

弊社の見積もりを見て頂くと、それぞれに項目があって何にどれだけ費用がかかるかというのが明確に分かります。これがある意味では丸投げではない証明なのです。

 

お客様からご覧になれば、塗装の職人も屋根職人も足場職人もシール職人も、皆似た作業着を着ているため、同じように見えるでしょう。

しかし、実際はそれぞれ専門分野が違う職人です。

家の工事というのは、様々な技術が複合されて成り立ち、塗装工事だけでは壁に空いた穴は塞がりませんし、腐った下地がよみがえることもありません。

壁に空いた穴は大工工事ですし、もっと言えばなぜ壁に穴が空いたのか原因究明する必要もあります。

 

その場合に配管などが関われば、設備の職人が必要となりますし、雨が吹き込みやすいことが原因であれば、吹き込み口が腐らないように防水処理も必要になるかもしれません。そうなると、防水職人が必要となります。

何もトラブルがない壁でも、10年を過ぎたサイディング壁であれば塗装の他にシール工事も必要となり、このシール工事もシール職人の専門的な技術が必要です。

もちろん技術を持った職人達なので、中には塗装工事の専門でありながらシール工事ができる職人もいます。

 

しかし、医者に置き換えて考えてみて下さい。

もしお客様が患者だとしたら外科専門のエキスパートに手術してもらうのと、専門は内科だけれど外科手術もできるドクターに手術をしてもらうのだったらどちらを選びますか?

どんな人でも、外科専門のドクターにしてもらうことを選ぶと思います。

塗装工事も同じです。

 

塗装工事は塗装の専門職人、シールはシールの専門職人に工事してもらうことがベストとなります。

とはいえ、それぞれの分野の職人達は連携を取ることはしません。

そこで、弊社を中心として各分野の職人達と連携して、工事をする必要が出てきます。

それが、工事の頭から終わりまでまとめる現場管理です。僕の場合は、営業の他にも現場管理を行っていますので、お客様の現地調査をし、お客様のご要望をヒアリングした後に工事計画と見積もりを立てた上で、最後もお客様のご要望がすべて叶えることができたか検査もします。

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僕はもともと職人ですので、工事についても専門的な目を持ってチェックすることが可能です。

ちゃんとお客様と打ち合わせした通りに工事が成されているのか、工事後の不具合は無いのか、工事した箇所が汚れなく美しく仕上がっているのか。それらをチェックすることで、工事の品質も保ちます。

 

工事を全て自社で行っているという業者は要注意

 

もしも、塗装工事を依頼して全ての工事を自社で行っています…という業者がある場合は、少し疑ってかかった方がいいかもしれません。

足場工事も、シール工事も、屋根板金も防水工事も、自社で…というのは、ほぼ不可能だからです。

もし自社で行っているとしたら、兼任できるオールマイティーな職人がいるなどでしょう。

 

しかし、専門ではないので工事の仕上がりは最高のものにはなりません。

最悪の場合は、自社社員と嘘をついていることも…。

自社の社員が作業をしているから安心か…と言われると、塗装工事の場合はそうとは言えないのです。

 

僕がお客様宅へ行って、現場調査し考え抜いた作業計画は、どれもそれぞれのエキスパートがいなければ成り立たない工事といえます。

この工事のやり方は、ゼネコンの工事方法と近いやり方です。

僕は職人時代に、ゼネコンの仕事にも過去に多く関わっていました。

それらの経験があるからこそ、より綿密にお客様の家に必要な工事をすることができます。

関連動画 ゼネコンに近い弊社の現場

工事を依頼する際に、ついネットの情報で判断してしまいがちですが、ネットの情報というのは目を引くためにわざと断定的なことを書くことが多い傾向が…。

だからこそ、ネットだけでなくさまざまな塗装工事についての知識を得てから、多角的に判断して依頼する業者を決めることが大切だと思います。

 

ここまでは、なぜ営業である僕が最後の検査を行っているのかということについてお話し致しました。

ここからは、実際の検査についてお話ししたいと思います。

 

 

お客様のご希望の工事が仕上がっているかの検査とは

 

ではここで、もう一度工事の流れを確認しましょう。

お客様宅の現状を調べ、打ち合わせにてご希望を伺い、その後家に合った補修工事プラン、塗装プランをたて、そこから様々なエキスパートに作業を分担し、最後は全ての工程を把握している僕が工事の仕上がりを確認する。

これが、僕が担当している工事の流れです。

ここで難しいのは、工事について専門職の職人達がそれぞれ完璧な工事をすればいいかというと、そうではないということです。

「なぜ完璧な工事をしては駄目なの?」と多くの方が思うでしょう。

しかし、ここで家の補修工事や塗装工事をする上で、理解しなければならないことがあります。

 

それは、家には鉄、木、樹脂などあらゆる材料が使われており、一つの素材にとっては正解な工事方法でも、他の素材によっては合わさることで副作用がでてしまうものがあるのです。

それゆえに、各担当の専門職人が余白を残して工事することで、水と油をうまくくっつけることが可能になります。

 

例えば、この写真をご覧下さい。

タイルとコンクリートをつけているのですが、異質なもの同士を接着させるために、シーリングを分けて打っています。シーリングとタイル、コンクリートがうまく接着しているか端部の確認が必要です。

 

またこのガラス屋根をご覧下さい。

このガラス屋根の雨漏りがきっかけで、今回は塗装防水工事のご依頼を頂きました。

本来はこの隙間が埋まっていなかったのですが、水がたまり雨漏りの原因となるために塞ぐ目的でシールを打っています。

しかし完璧に塞いでしまうと、ガラス屋根のフレームはアルミフレームのため、熱膨張で大きく動くことで切れることに。そこで再度切れたことも考え、完璧には塞がず隙間を作り、水抜き穴も人工的に作っているのです。

 

本来であれば、ガラス屋根のフレーム部分の隙間を埋めるだけで完成となります。しかし、それだけではシーリングが切れたときにまた雨漏りになってしまうので、あえて全部は塞がずに水抜き穴を作るのです。

この二つの工事からも分かるように、どんなに完璧に塗装をしても異質なものを掛け合わせているところは不具合が生じます。その不具合が起こるのを最小限に抑える工事が余白を残した工事なのです。

 

仕上げ検査では、この微妙な仕上がりを確認するのが、とても大切となります。

きちんと工事を理解していないと確認できませんので、工事経験のない担当者では、チェックすることが不可能なのです。

 

その他点検箇所

 

防水層の立ち上がり部分も確認が大切です。

写真の赤い印をご覧下さい。

これは、前回防水材が剥がれてしまっていて、ここの端から床材がめくれていました。

そうした部分もきちんと防水材が壁にそって立ち上げられているか確認をします。

 

またエッジ部分も、塗料が剥がれていないかチェックを。

塗装の際に、ガムテープを貼ってその上から塗っているので、剥がしたときに塗料が剥がれてしまう場合が。ですので、細工の確認だけでなく、仕上がり具合は徹底的にチェックします。

 

雨降り後は防水工事の検査に最適

 

今回検査をする日は、雨が降った次の日でした。

こういう日は、チェックにはもってこいの日といえます。

なぜなら、きちんと雨が入り込んでいないか、しっかりと防水出来ているかの確認ができるからです。

関連動画 この屋上の防水工事

僕がこれまで担当したお客様宅で、雨漏りに困っていた方の家には、大雨などの後には伺うようにしています。

実際の大雨を何度かやりすごすことで、防水工事がきちんとできたと言えるからです。

今回も、きちんと雨水が漏れている箇所などがないか確認しました。

 さらに全景もチェックします。

室外機の足など、鳩小屋と言われる中央にある小屋の上に防水材を撒く時にはあげることが…。職人達は、下を見ながらずっと作業するため上にあげたものなどを見落としがちになるからです。

僕の場合は、検査の時最初に上からチェックします。

どうしても工事の仕上がり箇所に目がいってしまうと、こうした工事と関係ない備品などを見落としがちになるからです。

 

また配管がまっすぐか、旧脱気筒を取ったところは目立たないか、新しく付けられた脱気筒はまっすぐかなどもチェックを。

トップコートの塗り残しなどがないかも、こうした全景からチェックします。

昨年12月12日のブログでも言及しましたが、通気層の破断箇所もしっかりと補修できているか確認を。

今回溝の手前5センチくらいのところで、通気層を切り、溝の中に補強クロスを貼るという工事でした。

 

前回は納め方が悪く、層の端部が切れてしまいまくれ上がったことで、水が入っていたため、きちんと納まっているかチェックするのです。

関連記事 昨年12月12日のブログ

防水工事 建物の現状、部材の特徴に合わせた下準備とは

チェック後お客様へのご報告

 

こうして、今回のチェックを終えました。僕は報告の際には各箇所を撮影した写真を1冊のファイルにまとめてお渡しします。

屋上など、お客様が登ってみるのには難しい場所でも、こうして細部を撮影した写真でチェックして頂くことが可能です。

また、今回サラセーヌを使用したのですが、こうしたフッ素をのせると防水は寿命が通気で10年と言われています。

こちらは非歩行の場所に使用ができる塗膜防水材なのですが、こちらの屋上が屋上中央にあるはしごでないと上り下りできないこと、お客様がご高齢であることなどを考慮して、サラセーヌフッ素に決めました。

実は、お客様が前回塗っていたトップコートは防水が10年持つものではあったものの、5年で一度お化粧直しをしないと行けないトップコートだったのですが、業者からは何も説明が無かったのだそうです。

 

そのため、当然5年目のお化粧直しが行われて折らず、所々が剥がれひどい状態になっていたのでした。

弊社では、そのようなことが無いように必ず保証やお手入れについてもご報告します。

これを全て説明することで、検査の完了報告となるのです。

 

仕上げの確認検査時に、きちんと出来ていない箇所があれば職人に修正してもらいます。

また工事後の始末についても確認を。

お客様にご満足頂けるように、工事後のチェックまで気を抜かないのが弊社の工事です。

今後も、全ての職人と連携を取りながら、お客様の思いを最後まで完成させるために、きっちりとチェックしたいと思います。

 

以上、塗装職人の仕上げ検査についてご説明致しました。

お客様に少しでも安心して工事をお任せ頂くために、今後も精進したいと思います。

世田谷の防水工事・仕上げと2023年の総括

By ウレタン, 屋上防水, 防水担当の日誌

今年最初のブログは、昨年から工事しております世田谷のお客様宅のお話と、昨年の総括をお話しできればと思います。

昨年は、お客様や職人に恵まれた1年だったと思います。

なぜなら、このブログもそうですが、僕が担当している工事のいくつかは複雑なものも多いからです。

できるだけわかりやすいように説明をさせて頂いておりますが、そうした僕の話を一生懸命聞いて下さるお客様がいらっしゃることで工事をすることができます。

また、いろいろと僕が考えることが出来ても、現場の職人がそれを実現化してくれなければ成り立ちません。

皆さんの協力があって、さまざまな工事を完成させることが出来ました。

本当に感謝しても感謝しきれません。

今回は、そんな協力があって仕上げることのできた屋上防水工事についてと、昨年一年の振り返りをお話し致します。

関連動画 今回の工事の様子

 

防水工事の仕上げ

 

まずはこちらをご覧下さい。

世田谷にあるマンション屋上の防水工事完成時の写真です。

まるで絹ごし豆腐の表面のように、なめらかで美しい仕上がりとなりました。

この鏡面のようにしあげるために、防水材は缶の中身を一文字に床に撒き、それをまたぐようにして職人が立ちます。その撒いた防水材を、上から下へ向かって移動しながら小手をワイパーのように流し、均等に塗り広げを。左に寄ったり、右に寄ったりしないように均一の幅で塗ることが大事なため、職人の技術が必要です。

その後、トップコートは長柄のローラーで仕上げていきますが、材料をローラーにつけ左右に引っぱります。

ローラーなので、塗料を吸い込みやすく塗るのが大変ですが、これも熟練の技でしっかりと塗り上げを。

この床面ですが、このように美しくあげるためには職人の気質と気遣いが必要です。

というのも、風でほこり・ゴミ・落ち葉などが舞う屋外の環境の中で、このようななめらかな表面を作り上げるのは至難の業と言えます。

 

職人の気遣いとは

 

ではいったいこの職人の気質と気遣いとは、どのようなことなのか…説明しましょう。

まずは気遣いです。

これは、職人によってではありますが、風が吹く日などはあえて防水材を撒かない人もいます。そしてできるかぎりゴミを巻き込まないようにしっかりと掃除をしてから防水材を撒くのです。撒く際も、可使時間を考え、防水材がダマにならないように、手際よく手のストロークを使いながら塗っていきます。この時、少しでももたつくと、防水材が固まってしまうと液状のところと隔たりができてしまい、均一に混ざらなくなってしまうのです。

卵焼きを作る際に、火を入れると卵が固まるところと液状のところができますよね?そのようなイメージです。固まった卵は液状の卵とは混ざりません。

防水材でも同じ事が起こるのです。

もちろん、ただ気を遣ってタイミングを待っていたのでは時間だけがかかってしまうので、工事の全体も把握します。

こうしたこと全てに気を遣うことが職人には求められるのです。

関連動画 雨漏り完全防止

今回の防水工事は、膜厚は4.5ミリと床面としては厚い仕様となっています。

防水材を薄めすぎることなく、しっかりと必要缶数も使用して、端から端までびっちりと仕上げました。

防水材は、目と手の感覚で塗ります。膜厚計などを使ってはかる場合もありますが、あまり個人宅では使いません。

そのため、職人の技に差が出ます。

関連記事 前回のブログ記事

防水工事 建物の現状、部材の特徴に合わせた下準備とは

また、防水材を撒いている途中でも、ゴミが落ちていれば取り除かなければなりません。

ローラーの毛が抜けたり、ゴミが落ちたり…ハエ、トンボ、木の葉、さらには鳩の足跡や糞など。

しゃがんで小手で塗り込んでいる際も、立って長柄のローラーでトップコートを塗っている時も、このゴミを拾うのは大変です。というのも先ほど説明したように、塗料はすぐ固まり始めます。リズムが崩れれば、それだけ美しく塗ることが難しくなるのです。

また、ゴミの取り除き方にも職人によっていろいろあり、一つも落ちていないよう心がけ作業を行う職人もいれば、「これくらいは許容範囲だろう」とゴミを巻き込んだまま仕上げる職人がいます。

 

これもある意味、職人の気遣い、さらには気質に関わってくるところなのです。

ここまで、屋上防水について、仕上げの経過をご報告致しました。

そして、ピカピカの床面を仕上げるために、職人の技術はもちろんですが、職人の気遣いや気質も関わってくるとのお話しも……。

ここからは、そんな工事に関わる職人の気質や、昨年の総括について引き続きお話ししたいと思います。

 

完璧な仕上がりに必要な職人の気質とは

 

職人の気質について、一番現れやすいところがあります。

それは道具の始末や、移動用の車内などの様子です。

道具の始末が悪かったり、移動車の車内が整頓されていない職人は、仕事にもそうした影響がでるように僕は感じています。

今回の世田谷の塗装チーム、防水チームには道具や車内が乱れているような職人はいません。

マナーもよく、美しく仕上げるための基準ラインが高い人々です。

工事だけを見れば、何の気なしに塗っているように見えますが、人が変わるだけで仕上がりは変わってきます。これが気質の差ではないかと……。

こちらの排水口もご覧下さい。実に綺麗な仕上がりです。

 

このような傾斜している床面を塗る場合、下に塗料が溜まってしまう場合がありますが、写真をみて分かるようになんのたまりもなく、綺麗な塗膜が均一に覆っています。

ガラス屋根も非常にきれいに磨き上げ、塗材が付いていた際に剥がすヘラも準備していましたが、そうした余分な塗材もついていないほど、美しく仕上がっていました。

職人の技術だけではない、そんな細かな気遣いや気質までがこの仕上がりにつながる要素だと僕は思うのです。

 

工事を仕上がりから逆算して考えることの大切さ

 

ウレタン防水の床面を仕上げるためには、足場も重要となります。

世田谷のお客様宅の工事ブログをはじめた際に、「屋上へ上るためのタラップがあるけれども、足場を組むことにしました」と書いたことを覚えていらっしゃいますでしょうか?

タラップは、屋上の真ん中に出入り口があるため、それですと防水塗装をした際に端から端へ逃げられず、塗装のつなぎ目ができてしまいます。

ですので、今回はあえてタラップは使わず、端から逃れられるように足場を組んだのです。

まさに、今回のこの防水材の仕上げ方に、この足場の話はつながります。

もしも足場がなかったら、床一面つなぎ目などの凹凸はなく仕上げることは出来なかったのでしょう。

こうした作業を逆算した足場も、職人の技術と考え、そしてチームとしての意思疎通があってこそ成り立ちます。

今回の工事は、塗装班、防水班、シール班ともに職人達がしっかりと工事をしてくれたことで、ここまで美しく仕上げることができました。これが塗装職人の工事なのです。

2023年を振り返って

 

昨年も、さまざまな工事をした1年でした。

僕は幸運にも、お客様が僕のとことん突き詰める工事のやり方を気に入って下さって、「松尾さんは現場に来てくれるの?」とご指名してくださるお客様も…

実は、僕が見積もる工事費用は、どちらかと言えば高い方だと思います。

どうしても10年先のことを考え、今打てる手を全て打とうとしますし、防水塗装ひとつとっても、できるだけ丁寧な工事をしたいと考えてしまうからです。

そのため、費用がかかってしまうことに。しかし、その費用に見合った工事を心がけています。

かかった費用分の対価をお客様は受け取るべきだと思うからです。

関連記事  防水工事スタート 下地にかける何重もの予防と配慮

防水工事スタート 下地にかける何重もの予防と配慮

職人達の工事はもちろんですが、検査でも徹底的にチェックをし、不十分なところはやり直しした上でお客様に引き渡しをします。

昨年は10軒ほど雨漏り相談があり、無事雨漏りを止めました。

工事の途中で雨漏りが見つかった家もあり、雨漏り未遂の家も含めるともう少し件数は行くでしょう。

僕は、雨漏りで担当したお客様のところでは、工事後しばらくしてから訪ねるようにしています。

なぜなら、工事後の経過をしっかりと把握したいからです。

雨漏りの原因箇所は合っていたのか、対処は合っていたのかなど…そうしたことは、時間が経過し、何度か大雨を体験した後でないと本当に雨漏りが止まったのかわかりません。

それゆえに、時間をおいてから訪ねるのです。

関連動画 雨漏りの悩みから解放された3度目の屋上防水

 

昨年はGoogleの口コミも高評価をたくさん頂き、中には業種は違いますが現場というものを熟知したお客様から、良い評価を頂けたこともありました。

今年も、お客様に口コミを頂けるように頑張りながら進化もしたいと思います。

なぜなら、現場は刻一刻と環境や材料などが変わってくるからです。

この一年で防水材なども、主流が変わってきました。

前までは2液混合という防水材で、2液を混ぜることで化学反応によって内側から固まるものが主流でしたが、現在では手軽な使い心地から1液の防水材が増えてきているのです。

1液は表面から乾いていくので、僕としては少し怖い材料になるのですが、そんな時代の変化もメーカーや材料屋の担当と話すことで把握することができます。

昔からのやり方を踏襲することは大切ですが、ゲリラ豪雨や40度超えの気温など、環境は刻々と変化をしているので、現場も成長していくことが必要なのです。

2024年も、環境の変化を受け入れながら工事を進化させ、だらだらしないプロとしての仕事を致します。

もちろん僕が打ち合わせをしたお客様へは、営業として見積もりをするだけでなく、現場の管理まで含め責任をもってさせていただく所存です。

関連動画 今回の工事・ビフォアアフター

僕はいつも思っている言葉「かゆいところだけかく工事」を実現するために。

余計なことはせず、適切な材料を適切な場所へ提案できる工事を致します。

「この材料を使うという発想は御社しかなかった」「ここにこうした工事をして雨漏りを防ぐという発想は御社しかなかった」と今年もお客様に言っていただけるように、テンプレートとされる材料を提案するのではなく、その家に合った材料を提案する。

僕が職人をしていたからこそ、提案出来ることを提案致します。 

何か工事についてご相談がありましたら、ご連絡ください。

調剤薬局がお医者さんの診断でその患者に合ったお薬を処方するように、お客様の家にあった塗装材や工事方法などを提案し、実現いたします。

 

屋上の掃除

防水工事スタート 下地にかける何重もの予防と配慮

By 屋上防水, 防水担当の日誌

前回のブログでお話しました、世田谷区のお客様宅工事の続きとなります。

関連記事 前回のブログ

工事の安い高いがあるのは?足場工事から見る工事内容

今回は防水工事の下地準備についてのお話です。

この下地準備ですが、メーカーの説明書通りにやればいいかというとそうではありません。

なぜ説明書通りではいけないのか、そしてプロの防水工事の下地準備がいかに大切かということをご説明致します。

 

屋上防水工事・施工前・ウレタン防水

大手では無いからできる塗装工事

 

私たち塗装職人は、社長が塗装の職人で、スタッフの多くも職人といういわゆる街の塗装業者です。

そのため、大手のように営業の人間と、現場の人間が別ということがありません。

僕は見積もり担当・営業ですが、現場監督もしますし、職人とのスケジュールや工事内容の確認も致します。

 

だからこそ、大手にはできないお客様の思いを現場にダイレクトに伝える工事が可能です。

そして、さらに弊社のモットーである『職人が主体の会社』の通り、僕ももともとはゼネコンを始めさまざまな工事に携わってきており、それゆえに工事のことだけでなく材料のことや職人のことに経験と知識があります。

 

こうした前提があることによって、これからお話しする綿密な下地工事をすることができるのです。

 

下地準備工事の大切さ

 

こちらの屋上は、新築後に1回防水工事が行われていました。

階段の踊り場部分にある、ガラス屋根は漏水が確認されており、高圧洗浄をかけながら補強の必要性について再度チェックを。

また屋上には、通気緩衝シートを敷いた上にウレタン塗膜防水の工事が施してありましたので、脱気筒も設置されています。それらを考慮して、今回は防水工事の計画を立てました。

 

この写真は脱気筒を剥がしてみたところです。メッシュの下に青色のマットが見えますでしょうか。

この青い色味から、コスミック製(ダイフレックス)を使用していることが分かります。

そこで、今回はサラセーヌの通気緩衝シートであるQVシートを使って、接着させながら下地にたまった水分を抜き、その上にウレタン塗膜防水工事をすることによって、工事をすることとなりました。

ここで大切なのは、笠木と床面、立ち上がり部分の補強です。

 

というのも、こちらの笠木部分は前回のブログでもご紹介しましたが、ステンレスが使用されています。

ステンレスと床材は伸縮率が違うため、二つを接続しているシーリング部分に断裂が起きていました。

 

関連動画 ピカピカ肉厚のウレタン屋上防水

 

その断裂部分から雨水が浸入し、雨漏りへとつながっていたのです。

そこで今回は、このステンレスの笠木部分と床からの立ち上がり、そして床部分が一体となるような工事をしたいと思いました。

下地でこれらの箇所をうまくつないで、防水工事をすることで、雨水の侵入を防ぐ。また、最後に行うシーリング工事も、下地をしっかりと作り込めば断裂は少なくなります。

 

防水工事というのは、下地工事が甘いと弊害がおきるものです。

そして防水工事を安くしようと思った時に、一番手が抜けるのもこの下地準備工事といえます。

また、業者によっては「メーカーの説明にあるとおりにやりました」と言うところもありますが、実はこうした再塗装の場合、メーカーの説明のままやったのでは上手くいかないこともあるのです。

 

というのも、今回の現場のように2度目の再塗装の場合には下地がすでにメーカーが想定する状態と違います。

スタートラインが違えば、対処方法が違うことは誰の目にも明らかなことです。

これらのことから、下地の状態や材料の特性などを見て、あらゆる方向から防水工事を考える必要があります。

 

とはいえ、メーカーの用法を守らず施工すれば、メーカー保証がつきません。

ですので、なんとかメーカー保証をつけながら現場にあった対応ができないか模索するためにも、現場の経験値がなによりも必要になってきます。

もちろん状態がひどい場合には、メーカー保証よりも現場を納めることを重視する場合もありますが、塗装の土台とも言える下地にできるだけの工夫をするのが塗装職人流なのです。

 

工事で気をつけたこと

 

ではここから、実際の工事についてです。

屋上の掃除

全体を高圧洗浄し、掃除をしたら今回はまずステンレスの笠木にヤスリなどで傷をつけます。これはプライマーを食わせるためです。(面粗し)

ケレン作業を行い次に金属用のプライマー(写真の赤色部分)を塗ります。

立ち上がり床面には青色のプライマーを塗ります。

こちらは床面用のもので、金属プライマーとは種類が違うものです。

種類の違うプライマーを使い分けることで、防水剤を撒いた際にはすべてを一体化させて覆うことができます。

ちなみに、プライマーの上には床面には通気緩衝シート、笠木には補強布を貼りここでもそれぞれの特性にあった材料で下地工事をすすめることが大切です。

さらに、室外機の足部分などもあげ床面に均等に下地処理をおこないます。

実はこのプライマーや補強布には、良いところもあれば癖や副作用がある場合もあり、それらを熟知して使うことが何よりも大事です。

 

しかもこれらの癖や副作用は、メーカーではあまり実感できていない場合があります。

現場で使っている職人だからこそわかる癖や副作用。これらをしっかりと踏まえることによって、より材料の効果を引き出して使うことが可能になります。

関連記事 通気緩衝のシート貼り

屋上トップライトのシールと通気緩衝のシート貼り

脱気筒の処理

 

さて、ここで一旦脱気筒の処理についてもお話したいと思います。

こちらの屋上にある脱気筒は、マットにコスミック製「が使われていました。

 

こちらは不織布とブチルゴムテープをミックスしているもので、独特のマットとなっています。

しかし、この通気緩衝シートであるはずのコスミック製マットの後ろに水がたまってしまっていました。

それは、マットに切れている部分があった為です。突き付けで貼り合わせ補強しなければなりません。

笠木部分には補強布+塗装の膜厚で対処するのに対して、床面は通気緩衝シートでの補強、通気、を行い脱気筒の設置も必要です。

(マット同志つなぐジョイントテープの施工という手抜きがしてあった為)

さらに、この脱気筒ですが、今現在あるものは前回の工事の際に水を抜くものだったため、今回は撤去し埋める必要があります。

というのも、新築時の床面の上に塗装した際に出る水を抜くための脱気筒だったため、工事から10年以上たったいま、すでに十分な水分が抜けたことが予想されるからです。

そして、このまま脱気筒を塞がずにいると、余計な穴を下地に貫通させていることになってしまいます。

 

そこで旧脱気筒は撤去をし、通気緩衝シートとセットとなる新しい脱気筒を今回の工事で建てることに。

脱気筒で湿気を抜くのにプラスして、今回サラセーヌのQVシートは自着をします。

そうすることで、塞ぎきっていない裏地はあみだくじ状に隙間があくため、水が通る隙間ができたことで脱気が可能となるのです。

 

前回はかなり多くの脱気筒があったのですが、今回はきちんと水の通り道なども考え最小限にしました。

こうすることによって、必要なものをチョイスしながら、不必要な費用を使わずに工事をすることが可能です。

関連動画 通気緩衝工法

今回行った下地工事の全ては、メーカーのHPには載っていません。

メーカーの説明、現場での実際の状態をすべて踏襲して導き出した工事です。

工事費用は必要な箇所についてはかかります。

しかし、後から手間も費用もかかってしまうことだけは避けるように、あらゆる状態を装置して予防策を打ちながら施工しました。

 

塗装工事はオーダーメイド

 

塗装工事をする時に、「一つとして同じ状態の家はない」ということがよく言われます。

新築の家だとしても、建てた大工や職人によって工事の始末が違い、ちょっとした方角や環境の違いで差がでるのです。たとえ集合住宅として建てられていても、あちらの家は雨漏りがないのに、こちらは大変な雨漏りに悩まされているといったこともおこるほどです。

さらに、塗装工事は1回目、2回目でも行える工事は大きく変わってきます。

例えば、1回目の塗装工事をしっかりとした塗装業者に依頼し、かけるべき費用をかけておこなった工事の場合と、1回目も安さ優先で行った工事の場合では下地の状態が大きく違うため、家の傷み方にも違いがでます。

 

この土台の差で、2回目の工事の費用…そしてできることできないことが変わってくるのです。

だからこそ、塗装工事をする際には細かな診断と、診断結果によって対応を考えたオーダーメイドの工事が必要となります。

 

今回の防水工事の下準備についても同じですが…不具合をたしかめて、それらを上手く収めるためにはどういった方法があるのか考える。

これにはマニュアルはありません。

そして、良い製品を使っても対価が得られないことにも繋がります。

 

僕はたまに、お客様からのオーダーを否定することがあります。

もちろん、お客様がおっしゃる通りに工事をすれば、お客様としても気持ちよく工事を見守ることができるでしょう。

しかし、家というのは複雑なため、ネット上で調べた家の状態やメーカーが推奨する塗装方法だけでは補うことができないのです。

 

だからこそ、この家に合う正しいものを提案します。

お客様の中には、気分を害する方もいらっしゃいますが、お客様が言っているからといって間違った工法を進めるのは、無責任なことだと僕は思うのです。

僕は防水のプロということで、ブログも書いています。

 

だからこそ、しっかりとお客様の家を守るための提案をしたいと思うのです。

お客様には、いつも良い選択をしてほしいといつも願っています。

 

相見積もりの際には、どうかこうしたフルオーダー工事のところと見積もりを見比べて下さい。

工事をオートマ化しているところや、作業を省いているようなところと見積もりや工事内容を比べても、それは比較になりません。

 

400円のすき焼き丼と4000円のすき焼きコースを比べて、どちらが安いかどうかを比べる人はいませんよね。

それと同じです。

比べるスタートラインを揃えてから、比較して頂ければと思います。

そしてできることなら、安い工事を選ぶことは極力さけることがおすすめです。

 

家というのは、工事した直後にはその工事が良かったのか悪かったのかわかりませんが、安い工事は必ず数年後に弊害が出てきます。

そして結局、大きな代償をはらうことになるのです。

関連記事 マンション補修塗装工事とクオリティを求める工事とは

マンション補修塗装工事とクオリティを求める工事とは

もちろん家という特性上トラブルはつきもののため完璧な工事はありません。塗装職人で工事をしたとしても、不具合がでることはあります。

しかし、弊社の工事であれば、数年後に家の状況から不具合が出たとしても状態によって弊社が対処できるのです。

 

その対処をしてきた証しが、この創業31年という年数となります。

是非一度、弊社の練られた工事の提案や工事をご覧下さい。

お客様の家を守るための可能性を提示いたします。

 

築20年のマンション・はじめての大規模改修:タイル洗浄・屋上防水

By コンクリート, タイル, 外壁, 屋上防水, 防水担当の日誌

築20年になる3階建てマンションの大規模改修工事の続きです。

前回は工事のきっかけ、外壁補修、タイルの貼り替え、高圧洗浄までを紹介しました。

今回は防水工事と塗装工事についてです。

 

タイル薬品洗浄

 

タイルの汚れの原因は土、砂、埃、藻、カビなどが原因と考えられます。

そのような汚れが何度も付着して、黒ずみとなってしまうと通常の高圧洗浄だけでは、きれいにはなりません。

その場合、薬品洗浄、酸洗いなどを行うことがあります。

今回のマンションは写真のような黒ずみ汚れが何か所もあることから、薬品洗浄を施しました。

薬品洗浄の手順はタイルの汚染箇所に刷毛で薬品を塗布します。それをナイロンたわしでタイルを擦ります

中和剤を含んだウエスで拭いてから水で洗い流します。これで洗浄は完了です。

稀に薬で処理せずに洗浄すると目地セメントの灰汁が流れ出し、タイルを汚してしまうことがあります。

 

関連動画 マンション大規模修繕 外壁タイルの酸洗い

 

屋上防水

屋上防水の既存はアスファルトシート防水でした。今回は改質アスファルトトーチ工法で防水工事を行いました。

作業は金物の撤去を行い、既存防水の撤去です。

そして、本工事前に仮防水を行います。

そのあと、改質アスファルトトーチ工法へと進みます。

トーチ工法とは防水層をバーナーを使って溶着する施工方法です。

防水層は改質アスファルトをコーティングしたシートです。

その様子は動画でご覧ください。

 

関連動画 屋上防水を改質アスファルトで施工する マンション大規模修繕

 

こちらが施工後の屋上の様子です。

トーチで溶かしたアスファルトと防水シートを密着させて、水漏れのリスクが少なく、耐久性の高い防水層ができあがります。

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アスファルト防水工事完了です

塗装工事

タイル洗浄と補修、爆裂補修、防水工事が終了して 外壁塗装作業を行います

塗装工事はタイル面ではない外壁、内壁に行いました。

塗装工事を担当したのは一級塗装技能士と塗装科・職業訓練指導員の資格を持つ、曽根カズ職人のチームです。

建物の中をきびきびと動き周り、丁寧な仕事を行いました。

ローラーを使って共有廊下の手すり壁を塗装。共有廊下の天井の上塗り。

塗装することによって 廊下が明るくなりました。

塗装によって建物の輝きを取り戻して行きました。

 

他にも付帯塗装、バルコニー防水、階段屋根、シーリング工事、廊下、階段防水工事、看板交換などを行いました。

 

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シール工事

工事の最後に入口に取り付けられているネームプレートを新しいものと交換しました。

ネームプレートは改修工事前は英語表記だったのですが、工事を機にカタカナ表記に変更しました。

こうして、約2か月に渡る大規模改修工事が終了しました。

 

外壁もきれいになり、屋上もきちんと防水されて、ネームプレートも変わり、オーナー様はその出来栄えを大変喜んでくださいました。

マンションやアパートを長持ちさせるためには定期的な改修工事は必要です。

このように大規模修繕をすることによりマンションは美しく甦ります

メンテナンスのことでお悩みのオーナー様。管理者様。

株式会社塗装職人は建物に一番最適な工事をご提案を致します。

どうぞお気軽にご相談ください。

新築時から続く雨漏りを止めたウレタン防水とは

By ウレタン, 屋上防水, 防水担当の日誌

新築時から雨漏りに悩まれている築39年のお宅のお話です。

『雨漏りを止めて欲しいので屋上を見て欲しい』というご相談内容でした。

そこで実際に見積担当松尾が屋上を拝見させていただくと、いろいろと問題点が見つかったのです。

屋上の問題点とその打開策

お客様宅では屋上の経年劣化などからひび割れ・浮き・塗装の剥がれなどの症状が見受けられました。

一般的に雨漏りのイメージというと築年数がある程度経過したような状況で起こることを想像されるのではないかと思いますが、実際には築浅の建物であっても雨漏りが起こる場合があります。雨漏りの三大原因としては①屋根②ベランダ③窓やサッシや換気口周りになります。

お客様の屋上では床面だけではなく立上りの箇所や斜壁にも雨漏れ要素がありました。実は、雨漏りの要素として多い場所が先ほどの三大原因に加え斜壁もあります。

漏水原因のわからない現場では可能な限り水の侵入口を無くし下地をしっかりと造ることが肝になります。

見積担当松尾のこれまでの防水経験とプロとしての実績からしっかりと確実な防水効果を発揮するために、様々な方法がある中で今回は高強度形ウレタン防水をご提案させていただきました。

実際にウレタン防水の仕組みがわかる動画がありますのでご紹介いたします。

関連動画 雨漏りさせないウレタン防水の仕組み

工事依頼のきっかけ

今回屋上防水のご依頼をいただいたお客様は、過去にも二回工事のご依頼をいただきまして、その時はどちらも避難ハッチの交換作業をさせていただきました。

前回の避難ハッチの交換工事にご満足いただけたことと工事中に弊社からお客様へ密な報告などの対応を気に入ってくださり、大変有難いことに今回も塗装職人を選んでくださいました。

現場のお宅はお客様のお父様がお住まいになられている東京にあるご実家でした。雨漏りは新築時からあったそうでもともと鍛冶屋さんをされていたお父様がご自身で屋上防水をされてきましたが雨漏りは改善されず「どうにかして雨漏りを止めて欲しい」ということをお父様に代わりお客様がお話してくださいました。

現場は東京ですが、遠方(熊本)にいらっしゃるご依頼主であるお客様へ離れた状況でも作業状況を把握していただくために、工事中の大事なポイントを撮った写真などをメールで送らせていただくという取り組みも欠かさずさせていただきました。

こうした行いがお客様に喜んでいただき信頼をいただけている中での工事でしたので、天候や状況により工事内容に多少の変更などがあった場合でも了承をいただきスムーズに工事をさせていただける結果になりました。

写真だけではわからない現場の大変さ

まず一番最初に取り掛かる作業は既存の防水層を撤去することです。撤去したあとに下地調整をしますが、この下地調整が防水の肝になります。新たに施工する防水層がしっかり密着するために行うのですが、下地調整を怠ってしまえば施工後に防水効果を維持することが出来なくなるからです。

撤去作業はちょうど八月でしたので、真夏の屋上での作業で職人はまさに体力勝負になります。しかし、真夏の暑さにも負けず職人はほぼ手作業で分厚い既存防水層を丁寧に撤去していきます。また、この時は台風も近づいていたため天候が不安定な状況でもありました。

作業中に暴風雨に見舞われて危険なため作業を中断せざる負えない日もあったり・・現場では天候以外にも様々な状況が起こりえるため柔軟に、そして適切な対応が求められます。

建物の状況などによっては、工事中に新たに気付く場合もあり作業内容を変更しなければいけない時もあります。そうした時も、それぞれの職人やプロに確認をしてお客様の建物の状態に最適な工事をご提案させていただくこと、現場を一番に見てまとめる。それが、見積担当でもある現場を監督する松尾の役割です。

高圧洗浄中の様子です。前日に雨のおかげで水の流れを改めて確認できたことは吉とでました。しかし、作業は難儀します・・

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マンション大規模改修 次々とおこるトラブルを乗り越えて

高強度形防水材とは

今回お客様宅では、サラセーヌタフガイシリーズの塗料を使用しました。堅い防水材と伸びる防水材のツイン構造になっており、抜群の強度・伸び率の向上・安心の耐荷重性これらの効果が期待できます。

屋上の高圧洗浄後カチオンという下地調整作業をします。各種下地に対し、素材を密着させ耐久性を維持する効果を高めるます。床部分が平らになるように左官鏝で均等に伸ばしていきます。

次にプライマーを塗布してさらに密着性を高めます。床部分に貼るQVシートの裏側は格子状になっていてシートと下地の間を通気させることで湿気や水分を外に逃がすことができるようになっています。

継ぎ目や末端にはMBテープを貼り水の侵入などを防ぎます。真夏日での作業だったため屋上は高温になりQVシートの粘着が溶けてしまっていて職人はこのシートを剥がす作業にも難儀していました。

ウレタンを流す前にここで脱気筒と改修ドレンの取付作業をします。こちらは脱気筒取付の様子です。脱気筒の裏側にシーリングを塗布しているのには訳があります。万が一脱気筒が折れてしまう事態が起こった場合にも水の侵入をブロックすることが出来るからです。このように、今ある問題の先の問題までも予測してプロテクトに努めた工事のご提供をさせていただいております。

 

改修ドレンも同様にシーリングを塗布して密閉させていきます。とにかくフラットに、継ぎ目を無くし一体化させることが重要です。

お客様宅の屋上には水切り目地がなかったため新たに水切りの作成をしました。水切りがあることで雨水が防水層の末端に流れ込む心配がなくなり防水層を良い状態で保つことが期待できます。

次にウレタン防水一層目・二層目を流します。防水の塗料は均等の厚さで伸ばしていきます。職人の腕の見せ所です。

ここでお客様宅の施工を解りやすくまとめた動画がありますので合わせてご紹介いたします。

関連動画 雨漏りを止めたウレタン屋上防水

今回の工事でお客様宅の雨漏りも止まり、大変ご満足いただける結果となり見積担当松尾と施工に携わった職人もお役に立てて光栄に思います。

これからも、お客様とのご縁を大切に丁寧な工事をご提供させていただくため誠心誠意取り組んで参りたいと思います。

弊社では、外壁塗装や屋根塗装はもちろん防水工事もプロの職人を揃え施工させていただいております。雨漏りに関するご相談やお悩みがございましたらお気軽にお問合せください。

 

駅前テナントビルの大規模改修工事②シーリングと屋上防水

By ウレタン, コンクリート, シーリング(コーキング), 外壁, 屋上防水, 防水担当の日誌

ある駅前に建つ築29年になる5階建てのテナントビルの大規模改修工事の続きとなります。

前回は見積りのこと、足場のこと、外壁補修のことをご紹介いたしました。

今回は塗装と屋上防水についてです。

 

このビルの外壁はRCでした。正面のせり出した箇所にはタイルが貼られています。
このタイルの張り替えは外壁劣化診断調査を行い、タイルの浮き、タイルクラック欠損補修、塗装面の爆裂、欠損補修など細かくチェックしました。

概算時でタイルの浮きは補修は260枚、タイルの張り替えは240枚、爆裂の補修は50か所となりました。

 

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駅前テナントビルの大規模改修工事①外壁とタイル補修

 

外壁補修と並行してシーリング工事を行いました。
シーリングは動きの多い目地にシーリング材を充填して隙間を埋め、防水効果と劣化を防ぎます。シーリングは経年によりひび割れ、切れ、剥がれが起きます。シーリングはシーリング職人によって、サッシ廻り、タイル目地、塗装面目地、タイル取り合い等々に行いました。

こちらのビルの外壁はカーテンウォールになっています。カーテンウォールは建物において自重や荷重を負担しない、間仕切壁などと同様の非耐力壁です。そのカーテンウォールにもシーリングを行いました。

 

外壁補修が終わり、塗装工事となりました。塗装の担当は一級塗装技能士と塗装科・職業訓練指導員の資格保持者の曽根カズ職人です。

お客様に喜んでいただける仕事を常に心がけている職人です。

関連動画  曽根カズ職人紹介

最初は高圧洗浄です。屋上から外壁、内階段等々に高圧水洗浄機で丁寧に隅々まで洗浄します。

5階建てのビルの外壁の経年の汚れをどんどん洗い流します。屋上から一階まで、全て洗浄するのに丸1日かかりました。

養生は階段、窓などに養生シート、マスカーなどで広範囲に行いました。

外壁は下塗りは日本ペイントのパーフェクトサーフで、上塗りはパーフェクトトップで塗装。

シーリング工事が終わった後は、塗装工事と並行して屋上で防水工事を行いました。

屋上防水は通気緩衝工法で行いました。通気緩衝工法は下地に含まれる水分を脱気筒によって外に逃す工法です。

施工の最初はプライマー塗布です。使用材料はサラセーヌPです。

プライマーは防水材の密着をよくする役割があります。プライマーを塗布したあとは通気緩衝シート貼って行きます。

通気緩衝シートを貼ることにより防水層の内部に貯まった湿気を逃がします。それにより防水層のふくれを防止することが出来ます。

平場に貼ったあとは、立ち上がりに貼ります。

そして、脱気筒を設置。

脱気筒は防水層と下地の間の水蒸気を外部に排出します。

たまたま、脱気筒の設置後にオーナー様が屋上に来られたのですが、「煙突が立った 煙突が立った」と言って喜んで下さったのが印象的でした。

プライマーの次は、ウレタン1層目を塗布します。

材料はAGCのサラセーヌKを使用。主剤と硬化剤の2液を混合します。密着性にすぐれて塗り重ねが可能です。

ウレタン2層目の塗布。

ウレタンを塗り重ねることにより厚みを作り、防水層を作ります。

紫外線から防水層を保護するトップコートを塗布します。

これで屋上防水の完了です。

外壁塗装も終了。養生作業に入りました。

剥した養生の材料は一般的な戸建ての何倍もの量でした。

2ヶ月近くにわたる工事は終了。

 

足場解体前に検査を行い。足場解体となりました。

足場の組立てには2日を要しましたが、解体は1日で終了しました。

 

美しく生まれ変わったビルが姿を表しました。施主様も納得の出来でした。

その翌日、工事の最初に玄関アーチから外した。

アクリルボードを職人が再びアーチに戻しました。

これで全ての工程が完了しました。

 

関連動画 このビルのアクリルボード交換動画

テナント様、ビル利用者、近隣の方のご協力があって出来た工事です。

オーナー様も大変に喜んでくださいました。

弊社では大規模改修工事もお受けしております。

ビル、マンション、アパートなどの改修をお考えのオーナー様。

10年に一度の大事なメンテナンス。塗装職人が適切なアドバイスを致します。

どうぞ お気軽にご相談ください。

RC外壁のお宅の屋上防水工事

By ウレタン, コンクリート, ベランダ, 外壁, 屋上防水, 防水担当の日誌

建物がセットバックしたお宅の屋上と棟屋の防水工事を行いました

外壁はRCでマンションのような3階建てのお宅です。

 

屋上の既存はシート防水でゴムシートでした。

今回の工事は一級防水施工技能士の鈴木が担当しました。

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ウレタン

 

ゴムシート専用のプライマーを塗ってからサラセーヌの堅鎧(タフガイ)SD工法SD-AK30Tの工法を採用しました。

堅鎧だとメッシュがジョイントのところですが、強度があがるのでサラセーヌA材とK材とトップコートです。

その場合はジョイントだけのメッシュコートでいい。総メッシュかタフガイ使用に分かれます。

サラセーヌAは日本初のJISの防水材認証を取得した高強度ウレタン防水材です。

サラセーヌKは非常にスタンダードな塗膜材で様々な防水工事に使用されています

関連動画 屋上防水 話題のランデックスコートで外壁塗装 屋上はウレタン防水

 

屋上防水の工程はまずプライマーを塗布です。

ゴムシート専用のプライマー(ゴムエース)を使っています。

そして、補強クロスを貼っています。

平場に3ミリメッシュを貼ります。これは棟屋の様子です

サラセーヌKを塗ってウレタン防水。こちらも棟屋の様子です

ウレタンの1層目を流している時にジョイントしかやりません。

建物の廻りのガムテープ貼ってあるところはシーリングでおさえてあります。

堅鎧(タフガイ)は出隅にメッシュを貼り、入隅はチューニングという仕様になります。

2層目はサラセーヌAになるので、高強度が期待できます。

関連動画 ウレタン防水工事でローラーとコテを操る一級防水施工技能士

 

トップコートを塗っていますが、支柱の付け根ガムテープでカバーを持ち上げています。

これは一つの心遣いなのです。きちっと復旧させますが、下で防水を切っています。

カバーはあくまでもカバーなので上げて塗っています。エアコンの室外機の下を塗るのと同じ感覚です。

今回の防水工事はRCとRCの上の防水でした。

また今回のお宅の外壁にはRCに対して浸透防止材としてウォータープルーフCを使っています。

ランデックスコートとか打ちっぱなしとか、みなさん特有のお悩みがあるので

浸透防止材を使って美観を損なわないようにやらせていただきました。

今回は外観も機能もお客様のご希望に叶える工事を目指しました。

 

関連記事  マンションの擁壁をランデックスコートで塗装

マンションの擁壁をランデックスコートで塗装

 

技術と経験則を集結させる防水工事とは

By 屋上防水, 防水担当の日誌

今回は防水工事のお話です。
僕のブログでは、今まで何回か防水工事についてお話しています。さらっと施工方法をご紹介してはいますが、実はものすごく技術のいる工事です。
DIYで防水工事をしようとされる方もいらっしゃいますが、どういった所がプロとの違いなのかについてご説明いたします。

高圧洗浄後にモルタルを塗る

高圧洗浄で汚れをしっかりと落としたら、モルタルを床や壁面などに塗っていきます。
DIYで工事をしようとするとき、まずはこの洗浄から大きく差がでるのです。

きちんと洗えていない箇所は、塗料が剥がれることがあります。

また、洗えない洗いずらい位、その場合の対処も分からないでしょう。

〔関連動画:一級塗装技能士が行う高圧洗浄〕

そしてその上での、モルタル塗りです。これも技術のいる作業となります。

弊社では左官職人が、ローラーでモルタルを塗っていき、下地調整をおこなうのです。
(小手を使ってモルタル塗りをする場合も)

モルタルは、下地のくっつきを良くします。
まずノリを水で溶き、そこに粉を混ぜてモルタルを作るのですが、この糊が下地との接着力を上げてくれるのです。

最近では元から粉に糊剤が入っていて、水で溶くだけのモルタルもありますが、2段階で溶くタイプの方が、接着力が高いように現場を見ていて思います。

〔関連動画:モルタル補修〕

プライマーを塗る

次はプライマー、つまり下地の塗装です。
防水工事の下地として使用するプライマーは、非常にニオイが強く、酔っ払ってしまう人もいます。

ショッピングモールなどの大型店舗などで塗装をする場合は、屋上だとしても換気口などからニオイが入ってしまうため、休館日や閉店後の工事となってしまうほどです。


しかし、このいわゆる溶剤タイプのプライマーを使わないと、防水用の接着性が弱くなってしまいます。
水性でニオイがそこまで強くないものもありますが、やはり接着の持ちが違うのです。
防水の塗装は、壁面よりもさらに密着性が必要とされます。なぜなら、水の侵入を防ぐことが目的だからです。

そのため、塗るのに苦労する溶剤ではありますが、しっかりと使用して接着力を高めます。
たまに、YouTubeなどで屋上防水の仕方などを見て、DIYで防水工事をしようとされる方もいらっしゃいますが、こうした溶剤の使用など、素人の方では難しいでしょう。
取り扱いがハードな材料ではありますが、防水の職人だから扱えるのです。

〔関連動画:屋上防水〕

ゴム剤の塗装

本塗りとしてゴム剤を塗ります。今回使うのはウレタン2液混合タイプのものです。1液タイプのゴム剤もあるのですが、硬化不良がないものの厚くついてしまうと表は乾く物の中身はぐちゅぐちゅした状態に。
防水塗装は、壁面塗装に比べると10倍ほどの膜厚をつけます。そのため、中身が乾かないと大変なことになるのです。

だいたい1階の広さに対して、ゴム剤を1キロほど使います。2回に分けて撒くのですが、均一に膜厚をつけることが大切です。
その後トップコートをします。これは通常の塗料と同じものです。

 

こちらの消火器が写っている場所のゴム剤の撒き方は、少し違います。


長尺シートが貼られるので、ウレタン防水との複合工法となり、ここの場合は厚く塗ればいいというわけではありません。
塗り方を間違えてしまうと、長尺シートが盛り上がってしまいます。

基本的には防水工事は膜厚を均一に厚く仕上げますが、場所によってはただ厚く仕上げればいいわけではないので、ローラーを変えるなど小さい技や細部への注意が必要となるのです。

〔関連動画:ウレタン防水工事〕

防水の要 シール剤

防水工事において、大切なのはベランダや屋上などの雨の進入口に対策をすることと、サイディングやタイルの隙間から入る水にたいしての対策をすることと言えるでしょう。
そして、その隙間を塞ぐのが、このシールなのです。


シールは、元にあるものをすべて撤去するところからはじめます。
前回このシールを施工した業者が2面接着だったため、写真のように引き出すと上手くシールが剥がれますが、職人によっては3面接着や、モルタルをきれいに処理していなくてシールがまったく剥がすことができず、ほじるように取り除くことも。

そして、綺麗に掃除した目地に新しいシール剤を充填します。
この時、目地周りは養生をしてはみ出しがなく綺麗なラインが出るように仕上げを。

ここで大切なのは、養生を剥がすのを翌日にすることです。
というのも、目地に打ち込んだシールのはみ出しが、養生にくっついていた場合、養生を取る際に打ち込んだシールを引っ張り、隙間を作ってしまう場合があります。

隙間を作ってしまっては、せっかくのシール工事が無駄になってしまうことに。


また水というのは、こうした小さな隙間から徐々に侵入していき、少しずつめくるように隙間を広げて行き、壁の中へと入り込むのです。
シール工事は、養生の剥がし方次第で打ったシールが成功にも失敗にもする…それくらい繊細な工事といえます。
またシールの打ち方にも、習字の留め跳ね払いのような打ち込み方があるのをご存知でしょうか?
シール材はただ隙間に打ち込むのではなく、重なるところ、打ち込みが終わるところなどを考えて打ち込まないと、そこに無駄な盛り上がりやだらしなさが出て美しくありません。

また壁表面に模様のあるサイディング壁の場合、目地のラインを出すように仕上げるのではなく、ぼかして仕上げます。
目地がはっきりとしてしまうことで、壁面で悪目立ちをするからです。
あえて養生をせずに適量で打つのですが、養生しない分、職人の力量が問われます。

〔関連記事:シール工事〕

シール工事

シール打ちは、一見するとガンで隙間に注入しているだけなので、簡単そうに見えますが、掃除と撤去技術習得のために数年、打つ技術で数年、抑えを数年と、かなり職歴を詰まないと美しいシールというのは打てません。

最近では、新人でも勘のいい職人だとシール打ちをする人がいますが、スタンダードな工事はできても応用がきかないことがほとんどです。
シールは、防水材とは少し違いますが、雨水の侵入をふせぐために大切な防水箇所なので、技術経験不足は命取りとなってしまいます。
1㎝×1㎝のわずかな隙間ではありますが、防水の肝なのです。

〔関連動画:マンション外壁タイルのシーリング〕

防水工事の矛盾

以前もこんなことがありました。
役所からの依頼で、保育園の屋根防水をして、2階部分の広いバルコニーでは防水工事を施すことになったのです。
役所からの依頼の場合、搬入した缶数をしっかり写真に撮り、注文通りの缶数を使用したかどうか、その後も空となった缶の写真を提出します。

しかし、ここに矛盾が生まれるのです。
例えば、壁や床の材質が塗料を吸いやすいものの場合、通常よりも塗料の量が必要となります。かといって、塗料を余分に用意したものの通常通りの使用しかせずに余ることも。
こうなってしまうと、空き缶の撮影ができません。だからといって、吸い込みはないものとして塗料を注文すれば、足りない時は工事が数日〜数週間ほどストップしてしまうことに…。

この保育園の屋根防水工事では、役所からの指示通りの計算をしたものの、建物のイレギュラーで計算した以上に膜厚が出てしまい、ベランダに取り付けられた扉が開かなくなってしまいました。
言われたとおりに正しくやったとしても、現場とはイレギュラーの連続なため予測どおりにはいかないのです。

〔関連動画:屋上防水の実物施工を展示するショールーム〕

防水工事は技術と経験を集結させたものだからこそ

 

たまにお見積もり依頼を頂いたお客様から、値下げをして欲しいと言われることがあります。
たしかに多少のサービスであれば気持ちとしてすることはできますが、値下げとなると材料費や人件費など削れる物がないため、そうなると材料費などを落とすか、もしくは工事する箇所を絞るかになっていきます。
他社が安かったとしても、それは値引きの理由にはなりません。

なぜなら他社が塗装職人とまったく同じ工事をやって値引きをしているとしたら、赤字になってしまうはずだからです。ということは、安くするために工事内容の中でなにかしらの帳尻合わせをしているのでしょう。
今でも塗装工事費を、一昔前に工事費の目安としてよく言われた100万円ほどだと思って、見積もりにいらっしゃるお客様もいます。
しかし材料費なども上がり、現在では100万円で一軒家の外壁、屋根を含めた塗装工事をすることは、不可能に近いです。
そして100万円におさめようとすると、不確かな工事しかできません。

ペーパードライバーと毎日運転する人。

その中でも、あまりお上手でない方と上手な方

免許を持っていますが、ヤブ〇〇といろいろ表し方があります。

故に誰?どんな人間が施工することがやはり一番大切です。

 

防水工事には技術や、家によって起こるイレギュラーに対する対応力がなによりも大切になります。
だからこそ、前回と今回のブログで紹介したような職人の経験が必要なため、費用も必要となるのです。
たかが防水工事ですが、されど防水工事…。家にとって雨漏りは、一番防がなければならないものと言えます。

〔関連記事:防水工事〕

防水工事

防水工事の内容について知りたいことがあれば、いつでもお問い合わせ下さい。
確かな技術を持って、お答え致します。

雨漏りしにくいウレタン屋上防水の仕組み

By 屋上防水, 防水担当の日誌

塗装職人の施工の場合、よく行う種類の施工としてウレタン防水が半数以上を占めます。
ウレタン防水の特徴としては施工時が液状です。

マンションやビルの屋上は必ずしも平坦ではありません。アンテナ架台やフェンスの架台、トップライトなど様々な凹凸のある設備基礎的なものがあります。防水工事の種類はウレタン防水のほかに「シート防水」「アスファルト防水」「FRP防水」など様々な種類がありますが、この凹凸がある屋上には基本ウレタン防水が適しています。
液状化のため凹凸があっても継ぎ目のない施工が出来るからです。

 

もちろん現状の下地の状況によって、施工が出来るか出来ないかの判断はありますし、他の防水工事である塩ビシート防水やトーチ工法でも施工事例はあります。
ただ防水工事をしても一番雨漏り発生の確率が高いのは屋上の一番端に当たる端末部分やこの継ぎ目から漏水してしまう事です。

他の防水工事では、継ぎ目の処理は熱源や溶剤で材料を溶解する方法をとるため雨漏りすることはまずないと良いのですが、仮に万一1ミリにでも融着などの施工ミスがあれば雨水は侵入してきます。施工時が液状のウレタンの場合はジョイント部に隙間を生じさせてしまう施工ミスは非常に考えにくいです。

それでも他の防水工事を選択する理由は、屋上の上をよく歩くか歩かないかです。
歩行にも点検程度の歩行や居住者が多くが歩く場合などで大きな違いはありますが、より多く歩行する場合は塩ビシートやアスファルトやシート防水の方が適していたりする場合もあります。
バルコニーやベランダで洗濯する場合の歩行程度であれば全く問題ありません。

また通気緩衝工法のウレタン防水の場合、クラックなど現状の下地が荒れているなどしてもウレタンの防水層とモルタル下地との間に「通気緩衝シート」を敷き込むことによってゴム化したウレタンも下地からの影響を受けずに耐久性のある防水工事をすることが出来ます。

その他のメリットとしては、もしも部分的に雨漏りなどで補修の必要性が出できた場合、ウレタン防水は液状施工ならではのメリットを発揮します。
屋上防水のトラブルとしてはふくれというものもあります。下地内部の湿気が水蒸気となって防水層を押し上げてしまう現象です。

我が塗装職人でも多用しているサラセーヌの通気緩衝工法にはQV工法やAV工法などがありますが、いずれも水蒸気は緩衝シートにある通気層や経路を通って脱気筒から排出されるためふくれが起きることを防止します。

施工的にはウレタンの厚みも耐久性には重要な要素の一つです。
アスファルト防水やシート防水などは、いわば製品を現場で取り付ける作業なのでどの屋上で施工をしても”防水材料の品質”には差はありませんが、液状のウレタンの場合は層の厚みで質が変わってきます。

要は職人の作業によってウレタンの厚みが変わってきます。
施工時ウレタンを流す際はコテやヘラなどで塗布していきますが職人の腕によって質が変わるため施工によっては耐久性にも差が出たりすることがあります。

紫外線から保護するため一番上に塗装するトップーコートで施工上の品質に差が出てくることは少ないと言えますが、ウレタンの1層目と2層目の厚み確保は重要です。
ちなみに塗装職人ではその厚みがわかるよう実物施工の見本も店舗に展示しています。

屋根・防水工事をリアルに再現した無人店舗ショールーム

By お知らせ, ウレタン, 屋上防水

屋上防水と屋根工事の工程そのままリアルに再現した無人スマートショールームをオープンします。マンションに見立てたジオラマで屋上を作り、戸建ては大工の内藤によってミニチュアの住宅を作り屋根工事の工程を再現しています。

外壁塗装のショールームはあっても屋上防水のショールームは全国的に見ても少ないです。大規模修繕のショールームはちらほらあるようですが、現場での施工を忠実に再現したショールームは恐らく日本初だと思われます。

この屋上防水、実際に防水職人の手によって現場と同じそのままのウレタン防水が施工してあります。

通常の塗膜防水をするのならば、QVシートを使用して本格的な通気緩衝工法で再現しようということになりました。言わずと知れず防水の工程は層を作るたび乾燥時間が必要なため実質5日間ぐらいに分けて施工しました。ただ現場作業もあるため実質1か月間の時間を要しました。

ジオラマは発泡系の為、屋上部分には木材の型をはめてその上にモルタル下地を作りシーラー塗布と下地シートである通気緩衝シートを貼り、サラセーヌにて1層、2層とウレタンを流しトップコートで仕上げというように現場と同じ工程を踏んで施工してあります。

ジオラマは一級建築士の専門家によって作り上げたものです。

実際の現場と唯一違いを持たせてのは、ウレタンの厚みを確認できることです。実際の現場では膜厚計という厚みを図る機器で測定したりするわけですが、このショールームでは工程のリアル感をより感じてもらうため、部分的に密着させていない層を作りウレタンを触って厚みの確認ができる工夫をしてあります。

 

この厚みの違いは耐久性はもちろん、雨漏りの観点からも重要な要素です。もし今後防水工事の予定があるのだとしたら知っていて損はない情報元だと思われます。そして実際の工事は良質なものばかりではありません。逆に施工ミスの状態も感じてもらえる展示物も飾っています。ウレタン防水にありがちな触るとべたべたする「硬化不良」を再現しました。

防水関係ではウレタンのほかに塩ビシート防水のサンプルも置いてあります。ディスク版とシートの断面がわかるサンプルですが、これはジオラマではなく一般的な見本ではありますが、構造がわかります。同様にこちらも小さいサンプルではありますがアスファルト防水の見本も飾えてあります。

サンプルと言えども業者でない限り実際に見る機会がないと思うので、これから防水工事を検討している方には多少でも参考になるものだと思っています。

塗装に関しては、イベントとして毎年開催していたミニチュアの家の作品を飾っています。一般作品も飾ってありますがそれぞれの一級技能士がどのような作品を作っているのか、実際の住宅での塗装とはまた異なる視点で職人さんの個人的センスが垣間見れるので、とても面白いものなのかなと思っています。

戸建てのミニチュアの外壁にはサイディングを貼り、目地シールには打ち替えを再現しているので、シール材の撤去の状態やボンドブレーカー代わりのバックアップ材を入れた状態の工程を飾っています。もちろんシール職人による施工です。

屋根工事は葺き替え工事の工程を再現して、野地板から防水シート、スレートの上に屋根材を貼るなどこちらもリアルに作りました。スレートはわざわざクラックも意図的に作っています。実際の現場から持ってきた劣化した下地シートを使用しリアルにこだわりました。

屋根に関しては、スレート屋根の塗装前と遮熱塗装の仕上がりとでの温度感の違いを体感していただきます。こちらも本物のスレート一枚を使用し一級技能士による現場と同じ工程で塗装をしています。

こちらのスマートショールームは、防犯上のため予約制です。基本予約にて玄関のスマートロック解除を遠隔にて行います。無人の為セールスは一切ありませんのでゆっくりと現場と同じリアル感を感じていただけたらと思います。

また展示物を見ながらもし質問等があれば受付システム端末から直接担当者などへ質問ができます。

但し現在、年内の工事予定はすでに埋まっていることもあり業務が非常に多忙な状況です。展示物は見ることはもちろん見ることはできますが、質問等の対応はその時の状況次第で出来かねてしまう場合もあります。

展示物目的とは異なるかもしれませんが、いつもイベント時に無料プレゼントとして配布する「塗装セット」も飾ロ得ています。

 

展示場やショールームは基本これから購入物や工事などをわかりやすく理解してもらうようにサポートをするものです。ただこちらのショールームでは工事後に品質を確かめたいという心づもりで来ていただく方も対象としています。

予約も簡単にできるようまた案内をしたいと思います。