ベランダやバルコニーは、屋上とちがい入居者の方にとっても頻繁に歩く場所です。
劣化して水はけが悪い状態では、洗濯物や布団を干すにも支障が出てくる場合もあります。
マンションにとっても、肉厚のある分厚いウレタン防水で雨漏りの不安を一掃する一方で、入居者の方にとって見た目にも気持ちよく使ってもらうためきれいなベランダに復活させます。
とは言え、ベランダやバルコニーの工事は、改修工事の中でも入居者の方への生活への影響に最も深くかかわる場所なので、生活に支障が出ないように配慮した作業も必要です。
屋上に比べて面積が小さいかもしれませんが、工程ごとの乾燥時間を入れると工程も5工程前後になるので、ベランダに出られない期間が長期間にわたってしまうこともあります。
マンションのベランダの場合、防水の種類でもっとも多いのがウレタン防水ですが、たとえばウレタンの一層目を流したら硬化するまで二層目の作業ができないため、翌日に持ち込ませなければなりません。
それがクラック補修などの下地処理やウレタン塗布、プライマー、トップコートなどの工程をすべて入れると5工程、合計の所要時間に換算すると1日あれば済む作業でも、乾燥時間を入れるとなると4、5日間の期間が必要になってきます。
生活の影響を最小限に留めるためにも、外壁塗装などほかの工程と重ならないよう、また晴れ続きの天気予報も考慮に入れ工程を順序よく組み立てることが必要になってきます。
屋上と同じく下地補修は、雨漏りを防止するための必須項目ともいえます。
ひび割れにはシーリングやクロスを入れて補強する。
浮きは撤去してモルタル補修をする。
防水が切れている場合は、部分補修する。
排水溝の詰まりはよくそうじをする。改修用ドレンを取り付けて詰まりを防止する。
膨れている場合は、切開などして水などを抜いて補修する。
水はけが悪い場合は不陸調整をする。
屋上より面積が狭いために施工に制限を受けたり、パーテーションで区切られているため、足場を組んでいる場合は別ですが、足場がない施工時には部屋を通らなければならず、入居者の方の配慮とその分だけの手間を要することがあります。
ベランダにはほとんどの場合で、エアコンの室外機が設置してあります。
室外機の下も肉厚のウレタンを流す必要があるので、室外機をしっかり持ち上げて施工をします。
サッシ枠下場との隙間から漏水の可能性も考えられます。
覗き込まないとわからないこのようなわずかな隙間にも、シールとウレタンを十分に流し込み完全防水します。
昇降口の避難ハッチがある場合、そのまわりの処理も同時に行いながら施工します。
ちなみに鉄製の避難ハッチで、錆ついて腐食している場合は交換もします。

内壁の立ち上がりと床面の境に隙間を生じている場合もシーリングの処置をして防水施工に入ります。
より耐久性のある肉厚施工をさせていただければと思います。
